231231読んだ本
昔の話だが、大物作家の連載原稿、後の章が先に掲載された事件が文芸誌であり、記憶が正しければ
それは埴谷雄高の「死靈」で、難解ホークスゆえに編集者も理解できず間違えたのだろう、と(^_^;)
夜中にトイレに起きることが増えたので、年越し蕎麦がある今日は昼間から水分を控えないと(^_^;)
【読んだ本】
角田喜久雄『元禄太平記』(春陽文庫,1988改装)所蔵本
読了(^o^)丿 角田喜久雄ならではの時代伝奇小説で面白かった上に、珍しく埋蔵金その他についての
蘊蓄も披露してて興味深かった(^_^;)
延宝六年(一六七八)秋、はるか煙霧にけむる水平線の彼方を刻々と沈みゆく
血のように真っ赤な夕陽を横切って、〝黒潮の魔王〟と恐れられる五竜丸が
南を指して走っていた!/その船には、〝希代の海賊〟塩飽の灘右衛門と、
その片腕で〝江戸の親方〟と呼ばれる相模の剛造が乗っていた!そして、
その目的は、十余年にわたって稼ぎに稼ぎ、南海の無人島に秘匿してきた
莫大な財宝の数々を持ち帰るということにあった!が、船にはもう一人、
夫の遺言によりその島に渡らんとするお京なる女が潜んでいた……!?/
──かくて大久保石見守の秘宝の謎を秘めた〝入鹿の絵図〟をめぐっての
大久保一族と、由比正雪の末裔を称する駿河伊那太郎一族との血で血を洗う
宿命の一大闘争がまき起こる!
表紙カヴァー袖の内容紹介文だけど、ミスリードしてるな(^_^;) それはさておくとして、本書では
角田喜久雄がまるで海音寺潮五郎や司馬遼太郎の歴史小説の如く解説や考証を適宜披露してる(^_^;)
・・・/(金井[半兵衛]は、事件当時の人相書きに浪速生まれとあり、慶安太平記
には相州小田原、北条家の浪人とある。また、徳富[蘇峰]氏の『近世日本国民史』
には毛利家の浪人で刀剣販売を業とす──とある。刀剣販売は、由比正雪が武器武具
の製造をしていたので、それを販売していたのではないかと思われる)/・・・
この作品には欠陥があり、物語の最後の方の「旅僧」が「・・・/笠をかけながら、何気なく二人を
見やったひとみが、ふと鉄心の姿にふれると、/──おや?/と、あやしむように大きく見開かれた。
鉄心の方は気がつかない。/・・・」という件、「旅僧」は「鉄心」のことを知ってるように描かれ
ているが、「旅僧」の正体の男は「鉄心」に会ったことも無ければ、その存在も知らないはず(^_^;)
本そのものにも欠陥がある(^_^;) 一番最初の章である「南海の五竜丸」は1から11までの数字が順に
ナンバリングされた11の節から成るが、その第4節の末尾、第5節の冒頭&末尾、第6節の冒頭&末尾、
第7節の冒頭を、順に引く(^_^;)
【4末尾】
・・・/オテナの前身や本名を知ることが出来ないが、その九年前の寛文九年の
蝦夷反乱にやぶれ、松前藩の追っ手をのがれて本土に潜入した首謀者の一人に
ちがいない。/オテナは、その悲しみをふりすてるように、/「島へつくまで、
嵐が来なければよいが」/夜空を仰いでつぶやいた。/
【5冒頭】
/室戸岬をはるか右にみて、五竜丸は土佐湾の沖合いを走っていた。/・・・/いつか
風も強さをましてきたとみえ、帆のはためきがけたたましい。/「いやな空模様になって
きやがった」/船底から上がってきた三島の平六は、梟の久七を振り返っていった。/
・・・
【5末尾】
・・・/思いなやんでいたオテナは、その時、どきっとしたように目を足元へおとした。
/そこに奇妙な出来事が起こりつつあるのを盗み見たからである。/
【6冒頭】
/剛造は、おどろいて、オテナの横顔を見つめた。/オテナまでが、島行きのことを
知っているとは、あまりにも意外だったのである。/・・・/「オテナさん、今、
なんとか言いましたかな?」/と、ききかえしてみた。/・・・
【6末尾】
・・・/剛造はとっさに(この男も抱きこまなければ……)と考えて、/「オテナさん、
あんたは、蝦夷へ帰りたくないか?」/「蝦夷へ?」/オテナの、澄んだひとみを
みるみる哀愁がいろどった。/
【7冒頭】
/オテナが見おろしている物陰で、それとは気づかないらしく三島の平六が、じろっと
あたりへ目を配りながら、何やら小さな紙包みらしいものを久七に素早く手渡すのが
オテナの目に映った。/夜目のきくオテナには、その平六のすさまじい形相が手にとる
ように読みとれた。ただごととは思われぬ形相であった。/・・・
4⇒5⇒6⇒7となっているけど、内容的な繋がり=展開を見れば、4⇒6⇒5⇒7が正しい順番かと(^_^;)
乱丁は製本過程で起きるものだが、これは原稿の順番を間違えて製版したらしく乱丁なのかな(^_^;)
・平賀源内らが駆けつけると女の死体の乳房に「死人詰め」なる詰将棋のような図というマジ傑作(^^)v
『将棋大名』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-06-02
・主人公の棋聖天野宗歩よりもドS悪役の高砂蔵人が凄くて小生好みの傑作(^^)v お菊さま♡(*'ε`*)チゥ
『まぼろし若衆』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-02-15
・生き甲斐は女と色情の前島数弥などキャラ造型が流石で番町の姫君お京さまがツンデレで可愛い(;_;)
『緋牡丹盗賊』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-04-08
・大岡越前もお手上げの謎の事件が次々(゚ロ゚;)「影さま」の正体は?「怪物男」とは?マジで傑作(^^)v
『寝みだれ夜叉』上⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2016-12-02
『寝みだれ夜叉』下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2016-12-04
・『寝みだれ夜叉』の主人公水木半九郎が主役の半九郎四部作第1作でジェットコースター的展開(^_^;)
『恋慕奉行』上⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-04-10
『恋慕奉行』下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-04-18
・討入後14年も大石内蔵助目撃に於兔姫や亀に浦島太郎と角田ワールド全開で寝不足必至北上次郎選(^^)
『半九郎闇日記』上・下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-07-01
・「あの娘さんの顔、印籠の絵の、裸の女とそっくりじゃアないか!」(゚ロ゚;) 半九郎四部作完結(^^)v
『盗っ人奉行』上・下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-27
・お蝶が目撃した殺人の死体は9年前死んだ大高源吾だし泉岳寺では生きている大石内蔵助に遭遇(゚ロ゚;)
『妖異忠臣蔵』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-01-28
・毛色の異なる作品もキャラの魅力で最後までニコニコ愉しんで読んでたら大ドンデン返しが( ̄◇ ̄;)
『虹に立つ侍』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-24
・ほぼミステリーで読者をぐいぐい引っ張って伏線も次々と確実に回収するストーリーテラーぶり(^^)v
『振袖地獄』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-03-30
・主人公は「鹿子絞りの振袖に島田髷の美女お紋」もハーレム展開と思わせつつ最後まで飽かせず^_^;
『緋鹿子伝法』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-07-03
・くちなし小町お多加はお姫様の恰好をさせられ墓参りのバイト(゚o゚;) 各キャラの絡みが愉しいね(^^)
『姫夜叉行状記』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-21
・夜更けに立っている若い娘を通りがかりの男が覗きこむとのっぺらぼうだったという白蝋小町(゚ロ゚;)
『白蝋小町』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-01-30
・『白蝋小町』から9年、江戸に戻った吾妻一兵は闇太郎様の謎を追っていきなり絶体絶命の危機(゚ロ゚;)
『闇太郎変化』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-02-18
・お通の茶屋に薄気味悪い男女二人が来て「三の城は無事か?」「風の里から来た」と謎の言葉(゚ロ゚;)
『悪霊の城』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-11-09
・関白秀次の将棋の駒「山彦」の謎に取り憑かれた人々、意外な犯人、角田喜久雄の出世作に納得(^^)
『妖棋伝』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-09-14
・月姫とは何者?その秘密とは?大久保長安に乱破や忍者など色々なキャラが登場して卍巴の展開(^^)
『月姫系図』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-07-30
・桜兵之介&多喜&平賀源内が無辜を犠牲に保身へ走る権力者を相手に最後までハラハラドキドキ(^^)
『兵之介闇問答』上・下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-12-09
・小源太が発見した無人の小舟に横たわってた白無垢の花嫁姿の若い女、記憶が半年間無い( ̄◇ ̄;)
『赤姫秘文』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-12-30
・お喜美の頭上に真っ赤な塊りが覆いかぶさってきて「赤屋敷へこい。赤屋敷へこい」ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
『雪太郎乳房』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-02-07
・お喜美を追ってきた荒くれ侍4人を次々と倒す春の家春之助は名女形だが御嶽神陰流の使い手(゚ロ゚;)
『折鶴七変化』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-05-28
・声が出るほど超カッコいいシーンもあり神出鬼没の八咫烏の正体は誰か最後まで一気に読ませる(^^)
『神変八咫烏』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-08-31
・花太郎なる怪物と美濃郡上2万8千石の金森家の秘密が絡み合い、モテモテ加賀美三四郎は何者か^_^;
『花太郎呪文』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2023-07-13
・角田喜久雄の作品を読んできて初めて濡れ場があった(゚ロ゚;) といっても、何も描いてないけど(^_^;)
『耳姫三十五夜』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-12-06
・瀬戸内を主な舞台として舟姫呪文の謎をめぐって何ともホロ苦~い人間模様が展開される佳作か^_^;
『舟姫潮姫』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-10
・敵の企てはスケールが大きく絵空事感も、どんでん返しあり、充分に愉しめた(^^) お都賀さん(;_;)
『霧丸霧がくれ』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-09-01
・他作品と違いリアリティーある謎だし出自や身分の軛からの自由を求める女性達を描いて名作(^o^)丿
『酔いどれ牡丹』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-24
・お光は産みの親が待ってるかもと向かった湯島天神で拉致され老中阿部正弘の養女も行方不明(゚ロ゚;)
『妖花伝』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-06-15
・さそり道人を超人的に描くから最終局面でニャンじゃそりゃあ!?でストーリーに難ありかな(^_^;)
『風雲将棋谷』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-26
・自分に向かって射出された鉄砲の弾丸を口の歯でくわえ止めるという弾丸受けの術も面白いね(^_^;)
『変化如来』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2023-02-28
・面白いけど縄田一男の「戦後の角田作品の最高峰」「角田作品の集大成」との評は違うかと(@_@;)
『影丸極道帖』上⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-04-22
『影丸極道帖』下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-06-14
・ヒロインにイライラも、角田喜久雄のチョー面白い時代伝奇小説群の中ではチト残念な作品か(^_^;)
『お小夜悲願』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-07-25
・水軍の村上家の家宝「ポルトガルの聖母」をめぐる争いに端を発するけど出来はフツーの作品(^_^;)
『黒潮鬼』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-10-07
・角田喜久雄『怪異雛人形』(講談社大衆文学館文庫コレクション,1995)所収の中篇短篇v( ̄∇ ̄)ニヤッ
「怪異雛人形」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-08
「鬼面三人組」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-11
「美しき白鬼」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-14
「恋文地獄」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-15
「自殺屋敷」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-18
「悪魔凧」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-19
「逆立小僧」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-20
それは埴谷雄高の「死靈」で、難解ホークスゆえに編集者も理解できず間違えたのだろう、と(^_^;)
夜中にトイレに起きることが増えたので、年越し蕎麦がある今日は昼間から水分を控えないと(^_^;)
【読んだ本】
角田喜久雄『元禄太平記』(春陽文庫,1988改装)所蔵本
読了(^o^)丿 角田喜久雄ならではの時代伝奇小説で面白かった上に、珍しく埋蔵金その他についての
蘊蓄も披露してて興味深かった(^_^;)
延宝六年(一六七八)秋、はるか煙霧にけむる水平線の彼方を刻々と沈みゆく
血のように真っ赤な夕陽を横切って、〝黒潮の魔王〟と恐れられる五竜丸が
南を指して走っていた!/その船には、〝希代の海賊〟塩飽の灘右衛門と、
その片腕で〝江戸の親方〟と呼ばれる相模の剛造が乗っていた!そして、
その目的は、十余年にわたって稼ぎに稼ぎ、南海の無人島に秘匿してきた
莫大な財宝の数々を持ち帰るということにあった!が、船にはもう一人、
夫の遺言によりその島に渡らんとするお京なる女が潜んでいた……!?/
──かくて大久保石見守の秘宝の謎を秘めた〝入鹿の絵図〟をめぐっての
大久保一族と、由比正雪の末裔を称する駿河伊那太郎一族との血で血を洗う
宿命の一大闘争がまき起こる!
表紙カヴァー袖の内容紹介文だけど、ミスリードしてるな(^_^;) それはさておくとして、本書では
角田喜久雄がまるで海音寺潮五郎や司馬遼太郎の歴史小説の如く解説や考証を適宜披露してる(^_^;)
・・・/(金井[半兵衛]は、事件当時の人相書きに浪速生まれとあり、慶安太平記
には相州小田原、北条家の浪人とある。また、徳富[蘇峰]氏の『近世日本国民史』
には毛利家の浪人で刀剣販売を業とす──とある。刀剣販売は、由比正雪が武器武具
の製造をしていたので、それを販売していたのではないかと思われる)/・・・
この作品には欠陥があり、物語の最後の方の「旅僧」が「・・・/笠をかけながら、何気なく二人を
見やったひとみが、ふと鉄心の姿にふれると、/──おや?/と、あやしむように大きく見開かれた。
鉄心の方は気がつかない。/・・・」という件、「旅僧」は「鉄心」のことを知ってるように描かれ
ているが、「旅僧」の正体の男は「鉄心」に会ったことも無ければ、その存在も知らないはず(^_^;)
本そのものにも欠陥がある(^_^;) 一番最初の章である「南海の五竜丸」は1から11までの数字が順に
ナンバリングされた11の節から成るが、その第4節の末尾、第5節の冒頭&末尾、第6節の冒頭&末尾、
第7節の冒頭を、順に引く(^_^;)
【4末尾】
・・・/オテナの前身や本名を知ることが出来ないが、その九年前の寛文九年の
蝦夷反乱にやぶれ、松前藩の追っ手をのがれて本土に潜入した首謀者の一人に
ちがいない。/オテナは、その悲しみをふりすてるように、/「島へつくまで、
嵐が来なければよいが」/夜空を仰いでつぶやいた。/
【5冒頭】
/室戸岬をはるか右にみて、五竜丸は土佐湾の沖合いを走っていた。/・・・/いつか
風も強さをましてきたとみえ、帆のはためきがけたたましい。/「いやな空模様になって
きやがった」/船底から上がってきた三島の平六は、梟の久七を振り返っていった。/
・・・
【5末尾】
・・・/思いなやんでいたオテナは、その時、どきっとしたように目を足元へおとした。
/そこに奇妙な出来事が起こりつつあるのを盗み見たからである。/
【6冒頭】
/剛造は、おどろいて、オテナの横顔を見つめた。/オテナまでが、島行きのことを
知っているとは、あまりにも意外だったのである。/・・・/「オテナさん、今、
なんとか言いましたかな?」/と、ききかえしてみた。/・・・
【6末尾】
・・・/剛造はとっさに(この男も抱きこまなければ……)と考えて、/「オテナさん、
あんたは、蝦夷へ帰りたくないか?」/「蝦夷へ?」/オテナの、澄んだひとみを
みるみる哀愁がいろどった。/
【7冒頭】
/オテナが見おろしている物陰で、それとは気づかないらしく三島の平六が、じろっと
あたりへ目を配りながら、何やら小さな紙包みらしいものを久七に素早く手渡すのが
オテナの目に映った。/夜目のきくオテナには、その平六のすさまじい形相が手にとる
ように読みとれた。ただごととは思われぬ形相であった。/・・・
4⇒5⇒6⇒7となっているけど、内容的な繋がり=展開を見れば、4⇒6⇒5⇒7が正しい順番かと(^_^;)
乱丁は製本過程で起きるものだが、これは原稿の順番を間違えて製版したらしく乱丁なのかな(^_^;)
・平賀源内らが駆けつけると女の死体の乳房に「死人詰め」なる詰将棋のような図というマジ傑作(^^)v
『将棋大名』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-06-02
・主人公の棋聖天野宗歩よりもドS悪役の高砂蔵人が凄くて小生好みの傑作(^^)v お菊さま♡(*'ε`*)チゥ
『まぼろし若衆』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-02-15
・生き甲斐は女と色情の前島数弥などキャラ造型が流石で番町の姫君お京さまがツンデレで可愛い(;_;)
『緋牡丹盗賊』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-04-08
・大岡越前もお手上げの謎の事件が次々(゚ロ゚;)「影さま」の正体は?「怪物男」とは?マジで傑作(^^)v
『寝みだれ夜叉』上⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2016-12-02
『寝みだれ夜叉』下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2016-12-04
・『寝みだれ夜叉』の主人公水木半九郎が主役の半九郎四部作第1作でジェットコースター的展開(^_^;)
『恋慕奉行』上⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-04-10
『恋慕奉行』下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-04-18
・討入後14年も大石内蔵助目撃に於兔姫や亀に浦島太郎と角田ワールド全開で寝不足必至北上次郎選(^^)
『半九郎闇日記』上・下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-07-01
・「あの娘さんの顔、印籠の絵の、裸の女とそっくりじゃアないか!」(゚ロ゚;) 半九郎四部作完結(^^)v
『盗っ人奉行』上・下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-27
・お蝶が目撃した殺人の死体は9年前死んだ大高源吾だし泉岳寺では生きている大石内蔵助に遭遇(゚ロ゚;)
『妖異忠臣蔵』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-01-28
・毛色の異なる作品もキャラの魅力で最後までニコニコ愉しんで読んでたら大ドンデン返しが( ̄◇ ̄;)
『虹に立つ侍』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-24
・ほぼミステリーで読者をぐいぐい引っ張って伏線も次々と確実に回収するストーリーテラーぶり(^^)v
『振袖地獄』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-03-30
・主人公は「鹿子絞りの振袖に島田髷の美女お紋」もハーレム展開と思わせつつ最後まで飽かせず^_^;
『緋鹿子伝法』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-07-03
・くちなし小町お多加はお姫様の恰好をさせられ墓参りのバイト(゚o゚;) 各キャラの絡みが愉しいね(^^)
『姫夜叉行状記』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-21
・夜更けに立っている若い娘を通りがかりの男が覗きこむとのっぺらぼうだったという白蝋小町(゚ロ゚;)
『白蝋小町』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-01-30
・『白蝋小町』から9年、江戸に戻った吾妻一兵は闇太郎様の謎を追っていきなり絶体絶命の危機(゚ロ゚;)
『闇太郎変化』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-02-18
・お通の茶屋に薄気味悪い男女二人が来て「三の城は無事か?」「風の里から来た」と謎の言葉(゚ロ゚;)
『悪霊の城』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-11-09
・関白秀次の将棋の駒「山彦」の謎に取り憑かれた人々、意外な犯人、角田喜久雄の出世作に納得(^^)
『妖棋伝』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-09-14
・月姫とは何者?その秘密とは?大久保長安に乱破や忍者など色々なキャラが登場して卍巴の展開(^^)
『月姫系図』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-07-30
・桜兵之介&多喜&平賀源内が無辜を犠牲に保身へ走る権力者を相手に最後までハラハラドキドキ(^^)
『兵之介闇問答』上・下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-12-09
・小源太が発見した無人の小舟に横たわってた白無垢の花嫁姿の若い女、記憶が半年間無い( ̄◇ ̄;)
『赤姫秘文』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-12-30
・お喜美の頭上に真っ赤な塊りが覆いかぶさってきて「赤屋敷へこい。赤屋敷へこい」ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
『雪太郎乳房』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-02-07
・お喜美を追ってきた荒くれ侍4人を次々と倒す春の家春之助は名女形だが御嶽神陰流の使い手(゚ロ゚;)
『折鶴七変化』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-05-28
・声が出るほど超カッコいいシーンもあり神出鬼没の八咫烏の正体は誰か最後まで一気に読ませる(^^)
『神変八咫烏』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-08-31
・花太郎なる怪物と美濃郡上2万8千石の金森家の秘密が絡み合い、モテモテ加賀美三四郎は何者か^_^;
『花太郎呪文』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2023-07-13
・角田喜久雄の作品を読んできて初めて濡れ場があった(゚ロ゚;) といっても、何も描いてないけど(^_^;)
『耳姫三十五夜』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-12-06
・瀬戸内を主な舞台として舟姫呪文の謎をめぐって何ともホロ苦~い人間模様が展開される佳作か^_^;
『舟姫潮姫』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-10
・敵の企てはスケールが大きく絵空事感も、どんでん返しあり、充分に愉しめた(^^) お都賀さん(;_;)
『霧丸霧がくれ』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-09-01
・他作品と違いリアリティーある謎だし出自や身分の軛からの自由を求める女性達を描いて名作(^o^)丿
『酔いどれ牡丹』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-24
・お光は産みの親が待ってるかもと向かった湯島天神で拉致され老中阿部正弘の養女も行方不明(゚ロ゚;)
『妖花伝』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-06-15
・さそり道人を超人的に描くから最終局面でニャンじゃそりゃあ!?でストーリーに難ありかな(^_^;)
『風雲将棋谷』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-26
・自分に向かって射出された鉄砲の弾丸を口の歯でくわえ止めるという弾丸受けの術も面白いね(^_^;)
『変化如来』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2023-02-28
・面白いけど縄田一男の「戦後の角田作品の最高峰」「角田作品の集大成」との評は違うかと(@_@;)
『影丸極道帖』上⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-04-22
『影丸極道帖』下⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-06-14
・ヒロインにイライラも、角田喜久雄のチョー面白い時代伝奇小説群の中ではチト残念な作品か(^_^;)
『お小夜悲願』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-07-25
・水軍の村上家の家宝「ポルトガルの聖母」をめぐる争いに端を発するけど出来はフツーの作品(^_^;)
『黒潮鬼』⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-10-07
・角田喜久雄『怪異雛人形』(講談社大衆文学館文庫コレクション,1995)所収の中篇短篇v( ̄∇ ̄)ニヤッ
「怪異雛人形」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-08
「鬼面三人組」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-11
「美しき白鬼」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-14
「恋文地獄」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-15
「自殺屋敷」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-18
「悪魔凧」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-19
「逆立小僧」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-08-20
2023-12-31 16:51
コメント(4)
作者の展開に編集者がついていけなかっただけだったり(笑)。
除夜の鐘を聴きながらのトイレもオツかもしれない・・・
by tai-yama (2023-12-31 22:19)
乱丁(?)があっても驚かない、それが春陽文庫(^o^)丿
by middrinn (2024-01-01 05:15)
寒くなると思っていたのですが、大風が一番春風ですね。今年は当方
前年に、作業の区切りがちょうどついたので久々、改まった感満載に
なれました。年も全部数字が偶数で伸びやか。またよろしく御願い致
します。
by df233285 (2024-01-01 06:49)
今朝の猛烈な強風、向かい風で空き家の庭に散り敷きっていた
落ち葉が飛ばされて顔に当たったことぐらいですね、去年とは
違ったのは(^_^;) 今年も宜しくお願い申し上げますm(__)m
by middrinn (2024-01-01 11:45)