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170701読んだ本&買った本

本屋大賞の受賞作も、これぐらい面白いエンターテインメント作品だったら買うんだけどね(@_@)

【読んだ本】

角田喜久雄『半九郎闇日記』上(春陽文庫,1990新装)所蔵本
角田喜久雄『半九郎闇日記』下(春陽文庫,1990新装)所蔵本

北上次郎選「昭和エンターテインメント叢書③」と銘打たれた2010年の小学館文庫版の上・下巻を
購入した時点で、実は本書上巻を既に100頁ほど読んでいたのさ^_^; そこで、やはり活字の大きい
同書に切替えようかと思うも、同書は全集第10巻(講談社,1971年)を「定本」とし(本書は不明)、
「一部・・・表記を改めて」るということで、そのまま本書を読み続けることにし、上下読了(^^)v
本書は大岡越前の腹心で腕利きの八丁堀同心・水木半九郎が主役の「半九郎四部作」(同書下巻の
北上次郎による「解説」は「半九郎シリーズ」とする)の第2作目で、『恋慕奉行』(春陽文庫,
1990新装)上・下巻と『寝みだれ夜叉』(春陽文庫,1990新装)上・下巻の間に位置してる作品(^^)
ストーリーは、赤穂浪士討入から14年も経ったというのに、駿河屋の娘お京が泉岳寺に墓参りする
大石内蔵助を目撃したシーンから始まって、大石内蔵助の目撃情報が次々と紹介されるもんだから、
読み出したら止まらないよ(^。^;) 堀部安兵衛や大高源吾など次々登場する上に、於兔姫や亀、更に
浦島太郎まで(゚o゚;) あとは、いつもの角田喜久雄ワールドが展開されて、結末まで寝不足地獄^_^;
上巻は他の角田喜久雄作品に比べると悪役に物足りない感もあったけど、下巻に入ると一変w(゚o゚)w
自らの悪の信念、悪党の美学みたいなのを随所で語って、曰く「あっしは生まれながらの悪党でさ。
悪事の限りをつくしてきたとんでもねえ野郎なんでございます。だが、言いわけのようだが、
けちくせえ物欲、色欲、権勢欲から、こぎたねえ悪事を働いたこたアただの一度もござんせん。/
あっしゃア人さまにできねえことがやりてえだけなんです。ちょうど、だれも作れねえ菊の変種を、
しっかりした目的をたて、綿密に計画を練り、じっくりと手塩にかけて作り上げるのを楽しむように、
だれにもできねえ大それたことが仕上げてみてえのです。その間の緊張と困難さをじっくり楽しむ
ことだけに生きがいを感じてきた男なんです。」と(゚ロ゚;) それゆえ、半九郎と五分と五分の勝負が
したくなったと塩を送りまくるんだから、北上次郎も「複雑な性格の持ち主」と評していた(^。^;)
北上次郎は角田喜久雄の「時代伝奇小説の特徴を列記」し、その一つとして「推理小説的な手法を
駆使していること」も挙げている(^^) 読んでて、この叙述はおかしいだろうと思った箇所に付箋を
したけど、読了後に見直してみると、ソレは犯人が誰かを示してくれてるヒントだったりした(+_+)
ただ、上巻70頁「乙姫さまが、亀と、それにお鯛とかいう女を供につれて、はるばる日本へ渡って
きたのか?」との半九郎の台詞は100%ありえないし、他にも、「お柳」とすべきなのに「お徳」と
なってる箇所など明かに辻褄の合わない件も散見(@_@) なお、「塩売り吉次」なるキーパースンの
名は読み手に金売吉次を連想させるためのネーミングで間違いないが、他方で「将監闇日記」なる
キーアイテムは赤穂の奥野将監をフツー意識させちゃうと思われるので、角田喜久雄の仕掛けには
幻惑させられた(^。^;) 掛け値なしの傑作だが、個人的には『寝みだれ夜叉』や『まぼろし若衆』
(春陽文庫,1977)の方が、悪党の類を見ない怪人ぶりや謎めいた人物が魅力的だったりとキャラ
造形で優れてた^_^; マラソンを短距離走の如く一気に完走させられたようで読了後は疲労困憊^_^;

【買った本&読んだ本】

星野之宣『レインマン 05』(小学館ビッグコミックススペシャル,2017)

ポイント使って1割引で予約したのが発売翌日に届く(..) 朝からの頭痛に本書のインク臭が拍車(+_+)

期日前投票所で座ってる立会人がずっと雑談してた^_^; 楽ビューくじハズレでも猫が可愛い(^^)

[追記170702]

北上次郎は『妖棋伝』『髑髏銭』『風雲将棋谷』を紹介した後、「これらの時代伝奇小説の特徴を
列記すると、/・・・」云々としてて、小生が読んだ角田喜久雄の時代伝奇小説にも、挙げられた
「五つの条件」は該当するように思えたため上記のように記したけど、拡大解釈だったかもm(__)m
タグ:小説
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