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230326読んだ本

大河ドラマで便乗本が刊行されるのは結構だが、関連本が古本市場で値上がりするのは迷惑(@_@;)
大人の階段を上って全く視なくなったけど来年の大河ドラマが何か頭に入れた上で本を買うp(・ω・*q)

【読んだ本】

春名好重『能書百話』(淡交社,1986)所蔵本

「二二 高階貴子」の項を読んでいて、チト気になる件があったのでメモっておく_φ( ̄^ ̄ )メモメモ

    ・・・仮名を女手といったのに対して、漢字を男手といった。男も女手を書いた
    ように、女も男手を書いた。『源氏物語』〈帚木〉に「さるままにはまんなを
    走り書きて、さるまじきどちの女文になかばすぎて書きすくめたる、あなうたて、
    このかたのたをやかならましかばと見えたり」と書いている。「まんな」は真名
    であり、漢字である。女が女あての消息に漢字をたくさんまぜて書いているのを
    「あなうたて」といい、女らしくあればよいのにと書いている。『紫式部日記』に、
    紫式部は屛風の色紙形に書いている漢詩を読むことができても、読めないような顏
    をしていたと書いている。紫式部は夫の藤原宣孝の歿後、時々宣孝が読んでいた
    漢籍を読んでいると「おまへはかくおはすれば、御さいはひはすくなきなり。
    なでう女が真字書[まんなふみ]は読む。昔は経よむをだに人はせいしき」と
    いった人がいたということを書いている。「おまへ」は御前であり、紫式部を
    さしている。宣孝が早くなくなったことを「さいわひ」が少ないといっている。
    「せい」は制であり、禁止である。『紫式部日記』に書いていることを誤解して、
    当時の女は漢籍は読まなかったとか、漢字は書かなかったとか、漢字は知らなかった
    とかといっているが、当時の女も漢籍を読み、漢字を書いていた。ただ人前で漢字
    を読んだり書いたりすることを慎みがないといっていただけである。『白氏文集』
    や『文選』は男も女もよく読んでいた。・・・

池田亀鑑『平安朝の生活と文学』(角川文庫,1964)に「・・・女子は、漢才つまり学問[=漢学]
というものは、必ずしも必要ではない、むしろ敬遠すべきものであるとされているようです。」と
あるも『枕草子』の有名な章段に「女房たち」が漢詩文を「知ってるし、朗詠したりなんかする」と
発言する場面がある(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-04-06 )(@_@;)
このシーンへの「不審」は解決するけれど、池田亀鑑は、紫式部は「・・・読めないのではないが、
いかにも知ったかぶりにふるまうということを慎んだのです。すなわち学問を隠したのです。」と、
あくまで「学問に対しての紫式部の考え方」と限定し、春名好重のようには一般化してない(@_@;)

・行成が「寛仁」なのに前年号の「長和」と書き間違えたのには理由があるオホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-09-03

・「権中納言で正二位の行成が(当時は身分の賤しい)経師の家へ行くことはできない」のか(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2023-02-18

・王羲之が王右軍と言われたから藤原敏行も藤右軍と言われたんだよヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-08-28

・書道の神様とされている菅原道真は実は能書ではなかったと春名好重『上代能書伝』は断定(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-08-20

・藤原道長は、たられば能書であって、能書とは言えないのではないか〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-08-21
タグ:歴史 古典
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

漢字を書いただけで、ボーイッシュ(笑)。
男性が仮名を書いたケースもありそう。トランスジェンダー。
by tai-yama (2023-03-26 23:16) 

suzu*

前々から聞きたかったことのひとつ。
其方は古典の本が好きなのかえ?古語ではないのかえ?難しそうじゃが…何某かの博士なん?そらに日々、膨大な読書…
by suzu* (2023-03-27 06:28) 

middrinn

紀貫之の『土佐日記』を思い浮べそう(^_^;) 歌合でも
清書になった能書の男性が和歌を仮名で書きましたけど、
tai-yama様、関白藤原頼通の意向で清書の源兼行が真名
で書かされた歌合もあったことが『袋草紙』に出ていて、
頼通は男は男らしくという思想の持ち主なのかも(^_^;)
by middrinn (2023-03-27 07:15) 

df233285

大河ドラマ効果に関しては、古本を予め買い占めといて、
そのとき売る事を考える人間もいると思う。
by df233285 (2023-03-27 07:28) 

middrinn

国文学の研究者だったら文献をもっと調べて学術論文に仕立てて発表してますよ(^_^;)
suzu*様、古典文学の面白さに気付いたのは数年前で、以来、趣味で読んでます(^_^;)
故に国文学の専門家による注釈書(なるべく訳も付いてる)を頼りに読んでます(^_^;)
by middrinn (2023-03-27 08:07) 

middrinn

何をやるか発表された時点で値上がりしちゃうかもしれませんよ(^_^;)
長さん様、大規模店舗のブックオフなら大河コーナーがありそう(^_^;)
by middrinn (2023-03-27 09:05) 

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