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240422読んだ本(バカチン)

勤務時間中に配達できなかった郵便物を自宅に持ち帰っちゃう郵便局員のように図書館でも2月28日
にリクエスト申込を受け付けた女性職員が手配し忘れて私蔵隠匿したリクエスト用紙を今頃思い出し
手配したのかな(@_@;) その資料は不審に思って3月13日に問い合わせたらお詫びとともに手配され
19日には確保というスピード対応になったことは「240320読んだ本【バカチン】」に書いた(@_@;)
OPACに取消ボタンが表示されないので手続は進行し既にポイント・オブ・ノーリターン(不可逆点)
に到達か(@_@;) 今日は休館で電話に出ないし、明日電話か図書館に行って指摘しないと(@_@;)

【読んだ本(バカチン)】

竹内玄玄一(著)雲英末雄(校注)『俳家奇人談・続俳家奇人談』(岩波文庫,1987)所蔵本

記述に間違いがある本書(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-11-01 )、
『俳家奇人談』の1人目の「宗祇法師」にも誤りがあるけど、校注者は本文訂正か注記しろよ(^_^;)

    ・・・また述懐して、

      世にふるはさらに時雨の宿りかな

    これ二条院讃岐の古歌に倚[よ]りし吟なり。後に蕉翁ここに感慨して、

      世の中はさらに宗祇の宿りかな

    とは慕はれたり。・・・文亀二年七月、相州湯本の客舎〔はたごや〕に寂す。
    歳八十有二、世を辞するの歌は、

      はかなしや鶴の林の煙にも立ちおくれぬる身こそ恨むれ/

宗祇の句は「世にふるもさらに時雨の宿りかな」、芭蕉の句は「世にふるもさらに宗祇の宿りかな」
が正しい(^_^;) 〈・・・「時雨」を「宗祇」と改めたのみで、宗祇の人生観に対する切実な共感を
表明した。〉と富山奏(校注)『新潮日本古典集成 芭蕉文集』(新潮社,1978)、「・・・一語を替
えた換骨奪胎の技巧により、宗祇への共感を示した。」と今栄蔵(校注)『新潮日本古典集成 芭蕉
句集』(新潮社,1982)にある(^_^;) この「技巧」を深沢眞二&深沢了子編『芭蕉・蕪村 春夏秋冬
を詠む 秋冬編』(三弥井古典文庫,2016)は次の如く詳述する(^_^;)

    ・・・/見ての通り、宗祇の著名句7の「時雨」を「宗祇」に換えただけの句である。
    これは「鸚鵡小町」という能によってよく知られた「鸚鵡返し」と呼ばれる技法に近い。
    老いて関寺あたりの庵に住む小野小町に帝が歌を下されて、大納言行家が使いに立った。
    帝の歌は、

      雲の上は ありし昔に 替らねど 見し玉簾の うちや床しき

      (宮中は、貴女がいたころとかわらないのですが、貴女は、かつて見た
       後宮の玉簾[たまだれ]の内のことを、ゆかしく思い起こしている
       ことでしょうか。)

    であった。小町は、「内や」を「内ぞ」と、一文字だけ換えて返歌とした。

      雲の上は ありし昔に 替らねど 見し玉簾の うちぞ床しき

    お尋ねの通り「ゆかしく思い起こしております」という返事である。そしてこの方法を
    「鸚鵡返しと申すなり」と説明する。芭蕉の場合は、「宗祇」の名を詠み込むことで
    宗祇の7句の全体をまるごと取り込んで、宗祇の句への完全な同意を示したのである。
    ・・・

ちなみに、「この[「鸚鵡小町」の]物語は、歌までふくめて世阿弥のまったくの創作である。」と
バカチン本の小野一二『んだんだ文庫4 小野小町─そのルーツを探る─』(無明舎,1978)も記し、
この贈答歌は片桐洋一『新装版 小野小町追跡 「小町集」による小町説話の研究』(笠間書院,1975
→1993改訂新版→2015新装版)付録の流布本系と異本系の二種の「小野小町集」にも無かった(^_^;)

なお、本書の『俳家奇人談』が紹介する宗祇の辞世(の歌)は不審(@_@;) 福田秀一&岩佐美代子
&川添昭二&大曾根章介&久保田淳&鶴崎裕雄(校注)『新日本古典文学大系51 中世日記紀行集』
(岩波書店,1990)所収の宗長(著)鶴崎裕雄&福田秀一(校注)『宗祇終焉記』には出てないし、
宗祇が亡くなる数日前の7月24日~26日に鎌倉で行なった千句連歌についての記述に次の件(@_@;)

       ・・・

      老の波幾返りせば果てならん

      [←「宗祇の付句。波のように毎年寄せ来る老いの年を
       幾度繰り返せば人生は終わるのだろうか。」と脚注]

    思へば、今際[いまは]のとぢめの句にもやと、今ぞ思ひ合せ侍る。/・・・

「とぢめの句」に付されている脚注を見ても「辞世の句。宗祇没後、執筆時の宗長の感想。」としか
記されておらず、「はかなしや」なる辞世(の歌)が存在するならソレも記してそうだけど(@_@;)
タグ:列伝 和歌 俳諧
コメント(4) 
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コメント 4

tai-yama

図書館で指摘しても鸚鵡返しのような返答が帰ってきたり・・・。
質問を質問で返すとか・・・・・。
ポイント・オブ・ノータリン(一字違い返しっ)。

by tai-yama (2024-04-22 22:35) 

middrinn

( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 特製ポイント・オブ・ノータリン座布団1枚 ♪
常に記事中の文言を「何何ですね!」と鸚鵡返しコメするブログ主が(^_^;)
by middrinn (2024-04-23 05:36) 

df233285

どの位の世代層の方なのか、その図書館担当者は私に判りませんが。
最近の人間は、スマホに出た文字しか、記憶が残らない可能性も。
経緯を書いて、首長に手紙でも出したら如何ですか? グリコの
ように、システム障害の懸念も有り得えますが。客が直接検索して、
遠方施設に直接転送依頼する装置位、いまどき作れそうですよね。
そもそも、図書館IDは個人で勝手に作れ無いようにすれば、
悪戯にする「嫌がらせ多量手配」の可能性はほぼ無いでしょうし。
恐れ多くも首都に於いてこの姿。この国何やってるんでしょうねぇ。
by df233285 (2024-04-23 06:36) 

middrinn

首長が図書館予算を削減したら藪蛇に(^_^;)
女性職員が紛失したリクエスト用紙を発見した
別の職員が手配した可能性もあります(@_@;)
by middrinn (2024-04-23 14:53) 

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