210621読んだ本
読書の厄介なところは、老眼鏡とルーペが「三種の神器」なことである〇 o 。.~~━u(￣ﾟ ￣=)ﾌﾟﾊｧ
残りの一つはポスト・イット（付箋）だけど、図書館資料は貼れないためか内容が頭に残らぬ(^_^;)
【読んだ本】
渡邊大門編『戦乱と政変の室町時代』（柏書房,2021）
第７章の渡邊大門「嘉吉の乱」に続いて、第８章の秦野裕介「禁闕の変」を今日は読んだよ(⌒～⌒)
第８章「禁闕の変」 後花園天皇襲撃事件に見る、皇統をめぐる複雑な争いの真相 秦野裕介
「禁闕の変」の時代背景／存在感を高める後花園天皇／後花園天皇襲撃／
日野有光と皇族の関係／いわゆる「後南朝」について／大名たちのさまざまな動き／
背後に見える公家の策謀／朝廷内の皇統問題／「禁闕の変」のその後／
へぇ～！へぇ～！と目から鱗ポロポロの本章＼(^o^)／ 嘉吉3年（1443年）9月に後花園天皇の内裏が
襲撃され「三種の神器」が持ち去られた事件で、後南朝による皇位回復運動と理解されているけど、
北朝のバリバリの重臣である日野有光も参加してたことが当時から謎とされており、本書161頁から
引く(^o^)丿
・・・なぜ彼［＝日野有光］が南朝に味方したのか、［有光の参加を「不思議である」
と記した伏見宮］貞成親王ならずとも不思議に思えるが、この問題についてきわめて
明確な解答を出したのが田村航氏である。田村氏は有光が室町幕府から圧迫されていた
という［従来の］考えを明快に否定、有光が室町幕府に不満を持っていたという通説を
覆した（田村：［『日本歴史』751号掲載論稿］二〇一〇）。そして、後小松上皇
（後光厳皇統）の猶子・彦仁王（崇光皇統）を後花園天皇として即位させることで
崇光皇統を天皇家の嫡流として位置付けようとする動きに有光が抵抗した、とする。
つまり、崇光皇統の動きへの［後光厳皇統側からの］反発というわけである。／・・・
要するに、北朝と後南朝の争いではなくて、北朝内の後光厳皇統と崇光皇統の争いだったと(￣◇￣;)
また、そもそも、「後南朝」とされる後醍醐天皇の子孫たち、「その中で反幕活動に従事したのは、
実は小倉宮家だけであって、それ以外の宮家は今日の我々のイメージとは異なり、室町幕府体制の中
に順応していたのである」（本書162頁）由(￣◇￣;) 秦野裕介『乱世の天皇』（東京堂出版,2020）
の見解だと、天皇家の家長の「後小松の庇護下にあった宮家が後小松の死去を契機に庇護先を失い、
取り潰された」（本書164頁）わけで、「禁闕の変」の首謀者だった後南朝の護聖院宮家の2人（足利
義教に出家させられ、護聖院宮家は取り潰し）と日野有光は〈後小松の関係者、つまり後光厳皇統の
関係者というつながりだったのである。「後南朝」という言葉に惑わされては本質を見誤るだろう。〉
（本書165頁）とのこと(￣◇￣;) で、「禁闕の変」前の4月の出来事として、本書171頁から引く(^^)
・・・実は、［崇光天皇の孫の伏見宮］貞成親王は自身の太上天皇尊号を後花園
［←貞成親王の子］に申し入れ、後花園からは貞成の次男の貞常王の元服以後
という返事をもらっているのである。しかし貞成への太上天皇号はほかならぬ
後小松自身が遺詔で禁止していた。［後光厳天皇の孫の］後小松は、崇光皇統の
貞成に太上天皇号を与えることは後光厳皇統の断絶につながるから、と考えていた。
つまり「禁闕の変」は直前に後光厳皇統断絶につながりかねない動きが表面化して
いたのである。／・・・［日野］有光は後小松の遺詔を覆しかねない貞成親王への
太上天皇尊号に反発、それを阻止し、さらに後小松の死去を契機に取り潰された
護聖院宮家の再興を求めようとしたのではないだろうか。先の田村航氏の説に
見たように、北朝内の二つの皇統の争いが根にあったのだ。／・・・
ただ、当事者の〈貞成親王も「日野有光の謀反に参加した理由は何か、皇女は禁中に伺候している。
不思議である」としている。〉（本書160頁）とあるのが気になるけど(＠_＠;) 政治的鈍感か(^_^;)
あと興味深かったのは「存在感を高める後花園天皇」という節の次の件（本書157～158頁）(⌒～⌒)
・・・義教の嫡男であった千也茶丸には［「嘉吉の乱」後の嘉吉元年（1441年）］
八月に叙爵宣下があり、同時に後花園天皇の宸筆（天皇の直筆）で「義勝」の名を
賜った。このとき後花園天皇とその周辺は三宝院義賢（足利満詮の子で醍醐寺三宝院
門跡）に諮らずに義勝の名前を決定し、義賢を苛立たせている。後花園天皇の朝廷に
おける主導権が幕政にも影響を与えていた。この時期の後花園の立場については
室町殿の代行と見る見解もある（桜井［英治『日本の歴史12 室町人の精神』講談社
学術文庫］：二〇〇九）。事実義教が保持していた権限を後花園が引き継いでおり
（水野［智之（神田裕理編著『伝奏と呼ばれた人々』ミネルヴァ書房所収論稿）］：
二〇一七）、この時期の後花園が事実上の室町殿代行となっていた、ということに
ついては十分説得性があると考えられる。／・・・
第７章の渡邊大門「嘉吉の乱」からメモった件とリンクするねv(￣∇￣)ﾆﾔｯ 細かいことだけど、本書
157頁の「三宝院義賢（足利満詮の子で醍醐寺三宝院門跡）」の「満詮」に「よしあきら」と振り仮名
が付けられてるけど、「みつあきら」が正しく、足利満詮が足利義詮の子だから混乱したかな(^_^;)
ところで、この「禁闕の変」で気になるのは、「三種の神器」の内、神鏡は無事だったけど、「神璽
と宝剣は持ち去られたが、・・・その後、宝剣は内裏への返却を依頼する内容の書付とともに清水寺
に置かれているのが見つかった（『康富記』『看聞日記』）・・・」（本書159頁）由、どうして宝剣
は「返却」されたのかしら(＠_＠;) 持ち込んだけれど、鑑定団から査定を断られ・・ﾍ(__ﾍ)☆＼(^^;
渡邊大門『奪われた「三種の神器」 皇位継承の中世史』（講談社現代新書,2009）だけでなく森茂暁
『闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉』（角川ソフィア文庫,2013）も借りて読了済だが内容は
忘れた(..) ともに巻末「主要参考文献」に挙げられ、前者は2019年に草思社文庫に_φ(￣^￣ )ﾒﾓﾒﾓ
・秦野裕介「観応の擾乱」は「九州だけは南朝が・・・支配した」とするが、「九州」は誇張(＠_＠;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
・市川裕士「明徳の乱」は教わることが多く目から鱗ボロボロも『明徳記』を誤読してる疑い(＠_＠;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-05-23
・浅野友輔「応永の乱」、「満兼が中国の革命思想によって天命をかかげたこと」は一顧だにせず(..)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-05
・千葉篤志「上杉禅秀の乱」では虚偽の情報に振り回される貞成親王の『看聞日記』が笑える(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-09
・中根正人「永享の乱」、『鎌倉持氏記』が用いられるようになったのは国文学者の研究が契機(ﾟoﾟ;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-14
・前川辰徳「結城合戦」、「結城氏朝は当初幕府方として反乱軍の鎮圧にあたっていた」とは(￣◇￣;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-16
・大内義弘は南朝の皇子を奉じて出陣してて南朝再興を目指してた可能性もと田中義成は記す(＠_＠;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-19
・渡邊大門「嘉吉の乱」から将軍義教の恐怖政治が室町歌壇にも及んだ話へと膨らませちゃった(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-20
残りの一つはポスト・イット（付箋）だけど、図書館資料は貼れないためか内容が頭に残らぬ(^_^;)
【読んだ本】
渡邊大門編『戦乱と政変の室町時代』（柏書房,2021）
第７章の渡邊大門「嘉吉の乱」に続いて、第８章の秦野裕介「禁闕の変」を今日は読んだよ(⌒～⌒)
第８章「禁闕の変」 後花園天皇襲撃事件に見る、皇統をめぐる複雑な争いの真相 秦野裕介
「禁闕の変」の時代背景／存在感を高める後花園天皇／後花園天皇襲撃／
日野有光と皇族の関係／いわゆる「後南朝」について／大名たちのさまざまな動き／
背後に見える公家の策謀／朝廷内の皇統問題／「禁闕の変」のその後／
へぇ～！へぇ～！と目から鱗ポロポロの本章＼(^o^)／ 嘉吉3年（1443年）9月に後花園天皇の内裏が
襲撃され「三種の神器」が持ち去られた事件で、後南朝による皇位回復運動と理解されているけど、
北朝のバリバリの重臣である日野有光も参加してたことが当時から謎とされており、本書161頁から
引く(^o^)丿
・・・なぜ彼［＝日野有光］が南朝に味方したのか、［有光の参加を「不思議である」
と記した伏見宮］貞成親王ならずとも不思議に思えるが、この問題についてきわめて
明確な解答を出したのが田村航氏である。田村氏は有光が室町幕府から圧迫されていた
という［従来の］考えを明快に否定、有光が室町幕府に不満を持っていたという通説を
覆した（田村：［『日本歴史』751号掲載論稿］二〇一〇）。そして、後小松上皇
（後光厳皇統）の猶子・彦仁王（崇光皇統）を後花園天皇として即位させることで
崇光皇統を天皇家の嫡流として位置付けようとする動きに有光が抵抗した、とする。
つまり、崇光皇統の動きへの［後光厳皇統側からの］反発というわけである。／・・・
要するに、北朝と後南朝の争いではなくて、北朝内の後光厳皇統と崇光皇統の争いだったと(￣◇￣;)
また、そもそも、「後南朝」とされる後醍醐天皇の子孫たち、「その中で反幕活動に従事したのは、
実は小倉宮家だけであって、それ以外の宮家は今日の我々のイメージとは異なり、室町幕府体制の中
に順応していたのである」（本書162頁）由(￣◇￣;) 秦野裕介『乱世の天皇』（東京堂出版,2020）
の見解だと、天皇家の家長の「後小松の庇護下にあった宮家が後小松の死去を契機に庇護先を失い、
取り潰された」（本書164頁）わけで、「禁闕の変」の首謀者だった後南朝の護聖院宮家の2人（足利
義教に出家させられ、護聖院宮家は取り潰し）と日野有光は〈後小松の関係者、つまり後光厳皇統の
関係者というつながりだったのである。「後南朝」という言葉に惑わされては本質を見誤るだろう。〉
（本書165頁）とのこと(￣◇￣;) で、「禁闕の変」前の4月の出来事として、本書171頁から引く(^^)
・・・実は、［崇光天皇の孫の伏見宮］貞成親王は自身の太上天皇尊号を後花園
［←貞成親王の子］に申し入れ、後花園からは貞成の次男の貞常王の元服以後
という返事をもらっているのである。しかし貞成への太上天皇号はほかならぬ
後小松自身が遺詔で禁止していた。［後光厳天皇の孫の］後小松は、崇光皇統の
貞成に太上天皇号を与えることは後光厳皇統の断絶につながるから、と考えていた。
つまり「禁闕の変」は直前に後光厳皇統断絶につながりかねない動きが表面化して
いたのである。／・・・［日野］有光は後小松の遺詔を覆しかねない貞成親王への
太上天皇尊号に反発、それを阻止し、さらに後小松の死去を契機に取り潰された
護聖院宮家の再興を求めようとしたのではないだろうか。先の田村航氏の説に
見たように、北朝内の二つの皇統の争いが根にあったのだ。／・・・
ただ、当事者の〈貞成親王も「日野有光の謀反に参加した理由は何か、皇女は禁中に伺候している。
不思議である」としている。〉（本書160頁）とあるのが気になるけど(＠_＠;) 政治的鈍感か(^_^;)
あと興味深かったのは「存在感を高める後花園天皇」という節の次の件（本書157～158頁）(⌒～⌒)
・・・義教の嫡男であった千也茶丸には［「嘉吉の乱」後の嘉吉元年（1441年）］
八月に叙爵宣下があり、同時に後花園天皇の宸筆（天皇の直筆）で「義勝」の名を
賜った。このとき後花園天皇とその周辺は三宝院義賢（足利満詮の子で醍醐寺三宝院
門跡）に諮らずに義勝の名前を決定し、義賢を苛立たせている。後花園天皇の朝廷に
おける主導権が幕政にも影響を与えていた。この時期の後花園の立場については
室町殿の代行と見る見解もある（桜井［英治『日本の歴史12 室町人の精神』講談社
学術文庫］：二〇〇九）。事実義教が保持していた権限を後花園が引き継いでおり
（水野［智之（神田裕理編著『伝奏と呼ばれた人々』ミネルヴァ書房所収論稿）］：
二〇一七）、この時期の後花園が事実上の室町殿代行となっていた、ということに
ついては十分説得性があると考えられる。／・・・
第７章の渡邊大門「嘉吉の乱」からメモった件とリンクするねv(￣∇￣)ﾆﾔｯ 細かいことだけど、本書
157頁の「三宝院義賢（足利満詮の子で醍醐寺三宝院門跡）」の「満詮」に「よしあきら」と振り仮名
が付けられてるけど、「みつあきら」が正しく、足利満詮が足利義詮の子だから混乱したかな(^_^;)
ところで、この「禁闕の変」で気になるのは、「三種の神器」の内、神鏡は無事だったけど、「神璽
と宝剣は持ち去られたが、・・・その後、宝剣は内裏への返却を依頼する内容の書付とともに清水寺
に置かれているのが見つかった（『康富記』『看聞日記』）・・・」（本書159頁）由、どうして宝剣
は「返却」されたのかしら(＠_＠;) 持ち込んだけれど、鑑定団から査定を断られ・・ﾍ(__ﾍ)☆＼(^^;
渡邊大門『奪われた「三種の神器」 皇位継承の中世史』（講談社現代新書,2009）だけでなく森茂暁
『闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉』（角川ソフィア文庫,2013）も借りて読了済だが内容は
忘れた(..) ともに巻末「主要参考文献」に挙げられ、前者は2019年に草思社文庫に_φ(￣^￣ )ﾒﾓﾒﾓ
・秦野裕介「観応の擾乱」は「九州だけは南朝が・・・支配した」とするが、「九州」は誇張(＠_＠;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
・市川裕士「明徳の乱」は教わることが多く目から鱗ボロボロも『明徳記』を誤読してる疑い(＠_＠;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-05-23
・浅野友輔「応永の乱」、「満兼が中国の革命思想によって天命をかかげたこと」は一顧だにせず(..)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-05
・千葉篤志「上杉禅秀の乱」では虚偽の情報に振り回される貞成親王の『看聞日記』が笑える(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-09
・中根正人「永享の乱」、『鎌倉持氏記』が用いられるようになったのは国文学者の研究が契機(ﾟoﾟ;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-14
・前川辰徳「結城合戦」、「結城氏朝は当初幕府方として反乱軍の鎮圧にあたっていた」とは(￣◇￣;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-16
・大内義弘は南朝の皇子を奉じて出陣してて南朝再興を目指してた可能性もと田中義成は記す(＠_＠;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-19
・渡邊大門「嘉吉の乱」から将軍義教の恐怖政治が室町歌壇にも及んだ話へと膨らませちゃった(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-20
タグ：歴史
千葉県産のハズキルーペにすれば二種の神器に。
鏡は内裏火災と一緒に燃えているし、剣は壇ノ浦に沈んだし・・・
実の所、レプリカだらけとも。
by tai-yama (2021-06-21 23:53)
本を読むために老眼鏡やルーペが必要…身体の老化は避けられないですね（涙）
by ナベちはる (2021-06-22 01:08)
老眼鏡も100円ショップのですから、事実上ルーペと同じかと(^_^;)
tai-yama様、たしかに神璽だけが本物ゆえ持ち去ったのかな(^_^;)
by middrinn (2021-06-22 05:23)
老化は平等で誰にでも訪れるものですが、
ナベちはる様、中には遅い人も(^_^;)
by middrinn (2021-06-22 05:24)
私はスマホも老眼鏡(^^;
by そら (2021-06-22 06:39)
スマホは指で拡大が出来るものだと思ってました(￣◇￣;)
by middrinn (2021-06-22 06:57)