210523読んだ本
読書の厄介なところは、出品者の説明文に気になる件があることである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
出品者は何回か利用した古本屋だが、コンディション説明文の次の件は何を意味するのかな(@_@;)
・・・見返しに著者の書込みがありますが、その他の状態は良好です。・・・
タレント本ならサインかもしれないけど、専門書だから著者謹呈の署名かしら(@_@;) 贈られた人の
名前も書かれてるのに遺族が気付かず処分とかだったり(@_@;) 著者による正誤表なら有難い(^_^;)
【読んだ本】
渡邊大門編『戦乱と政変の室町時代』(柏書房,2021)
昨日の第1章の秦野裕介「観応の擾乱」に続いて、第2章の市川裕士「明徳の乱」を読んだ(⌒~⌒)
第2章「明徳の乱」専制政治を展開した足利義満による有力守護追討戦 市川裕士
「明徳の乱」の時代背景/南北朝期における山名氏の動向と分国の拡大/
山名時煕・氏之の追討/「明徳の乱」勃発/戦闘の展開と氏清の死/
「明徳の乱」後の紛争処理/「明徳の乱」勃発の背景/乱後の室町幕府と山名氏/
この時期の武将では、仁木頼章、上杉憲顕の次に好きなのが山名時氏なので、興味深く読んだけど、
教わることの多い内容で、目から鱗ボロボロ(〃'∇'〃) 先行研究を次々と論駁して説得力がある(^^)
・・・/このように、「明徳の乱」の背景については、有力守護の勢力削減を図る
足利義満が山名氏を圧迫・挑発して挙兵へと追い込み、反乱を起こすよう仕向けた
と理解されてきた。・・・
先行研究を一通り要約紹介した上で、上記のように纏めて(本書46頁)、例えば、次のような疑問を
呈している(本書47頁)v( ̄∇ ̄)ニヤッ
・・・/また、氏清・満幸との開戦を決意するにあたり義満は、足利氏の運と
山名氏の運を天に任せて戦闘に臨んだとされている。この点については
佐藤進一氏も、義満には勝利の確信がなかったと述べているが、勝利の確信が
ない中で、義満が主体的に山名氏の反乱を誘発し、京の戦闘で雌雄を決する
ことを図ったという理解は、再考が必要と考える。/・・・
たしかに、「義満が山名氏を圧迫・挑発して挙兵へと追い込み、反乱を起こすよう仕向けた」のなら
「勝利の確信がない」というのは、おかしいわな(^_^;) また呉座勇一の見解に対しての「明徳の乱」
の戦闘経過やその後の満幸らの抵抗への軍事行動という事実を示しての駁論には説得力がある(^_^;)
ただ、例によって、気になる点もあるんだよねぇ(@_@;) ソレは本書41頁の次の叙述である(@_@;)
・・・十二月二十五日、義満は、諸大名を集め、合戦の評定を行っている。/評定には
細川頼之・頼元・満春、畠山基国、今川泰範・仲秋、一色詮範、斯波義重、大内義弘、
赤松義則、佐々木京極高詮が参加した。この評定では、「天下静謐」が重要であること
から、氏清・満幸の訴訟を聞き、その主張に問題がなければ赦免することも検討すべき
という意見が優勢であった。しかし、義満は、山名氏の軍事行動について「天下」の簒奪
を目的としたものと認識しており、戦闘を決意する。戦闘を決意するにあたり義満は、
「当家ノ運ト山名ノ一家ノ運トヲ天ノ照覧ニ任スベシ(足利氏の運と、山名氏の運を天に
任せる)」と述べたとされている(『明徳記』)。/・・・
冨倉徳次郎(校訂)『明徳記』(岩波文庫,1941)によると、第一に「評定」には「六角判官満高」も
「参加」してるし、第二に「意見」は内容要約が不正確だし「優勢」でもなかったので、市川裕士は
『明徳記』を誤読している可能性がある(@_@;)
第一の点は、『明徳記』は軍記物だし、「六角判官満高」の「参加」を否定する信頼すべき史料が他
に存在するのかも(@_@;) 第二の点は、同書から当該件を(漢字等を改めて)引いておく(@_@;)
・・・/去程に御所には十二月廿五日夜合戦の御評定あるべしとて諸大名をぞ
めされける。・・・御所様此人々を御前へめされて合戦の御評定ありけるに、
意見まちまちにして、更に一決せず。或は「・・・[山名勢を京中に引き入れ
三方から一斉に攻め立てて殲滅する作戦]・・・」と申[まうす]説もあり。
又は「天下の御静謐こそ肝要にて候へ。先[まづ]彼等が憤申事候はゞなだめ
仰られて、所望のまゝに訴訟をかなはれて心をとりすまして後、事を他事に寄て
一人づゝ、自然自然に失はれ候はんも一途にて候。」と申意見もありければ、
御所のおほせには、「・・・
出品者は何回か利用した古本屋だが、コンディション説明文の次の件は何を意味するのかな(@_@;)
・・・見返しに著者の書込みがありますが、その他の状態は良好です。・・・
タレント本ならサインかもしれないけど、専門書だから著者謹呈の署名かしら(@_@;) 贈られた人の
名前も書かれてるのに遺族が気付かず処分とかだったり(@_@;) 著者による正誤表なら有難い(^_^;)
【読んだ本】
渡邊大門編『戦乱と政変の室町時代』(柏書房,2021)
昨日の第1章の秦野裕介「観応の擾乱」に続いて、第2章の市川裕士「明徳の乱」を読んだ(⌒~⌒)
第2章「明徳の乱」専制政治を展開した足利義満による有力守護追討戦 市川裕士
「明徳の乱」の時代背景/南北朝期における山名氏の動向と分国の拡大/
山名時煕・氏之の追討/「明徳の乱」勃発/戦闘の展開と氏清の死/
「明徳の乱」後の紛争処理/「明徳の乱」勃発の背景/乱後の室町幕府と山名氏/
この時期の武将では、仁木頼章、上杉憲顕の次に好きなのが山名時氏なので、興味深く読んだけど、
教わることの多い内容で、目から鱗ボロボロ(〃'∇'〃) 先行研究を次々と論駁して説得力がある(^^)
・・・/このように、「明徳の乱」の背景については、有力守護の勢力削減を図る
足利義満が山名氏を圧迫・挑発して挙兵へと追い込み、反乱を起こすよう仕向けた
と理解されてきた。・・・
先行研究を一通り要約紹介した上で、上記のように纏めて(本書46頁)、例えば、次のような疑問を
呈している(本書47頁)v( ̄∇ ̄)ニヤッ
・・・/また、氏清・満幸との開戦を決意するにあたり義満は、足利氏の運と
山名氏の運を天に任せて戦闘に臨んだとされている。この点については
佐藤進一氏も、義満には勝利の確信がなかったと述べているが、勝利の確信が
ない中で、義満が主体的に山名氏の反乱を誘発し、京の戦闘で雌雄を決する
ことを図ったという理解は、再考が必要と考える。/・・・
たしかに、「義満が山名氏を圧迫・挑発して挙兵へと追い込み、反乱を起こすよう仕向けた」のなら
「勝利の確信がない」というのは、おかしいわな(^_^;) また呉座勇一の見解に対しての「明徳の乱」
の戦闘経過やその後の満幸らの抵抗への軍事行動という事実を示しての駁論には説得力がある(^_^;)
ただ、例によって、気になる点もあるんだよねぇ(@_@;) ソレは本書41頁の次の叙述である(@_@;)
・・・十二月二十五日、義満は、諸大名を集め、合戦の評定を行っている。/評定には
細川頼之・頼元・満春、畠山基国、今川泰範・仲秋、一色詮範、斯波義重、大内義弘、
赤松義則、佐々木京極高詮が参加した。この評定では、「天下静謐」が重要であること
から、氏清・満幸の訴訟を聞き、その主張に問題がなければ赦免することも検討すべき
という意見が優勢であった。しかし、義満は、山名氏の軍事行動について「天下」の簒奪
を目的としたものと認識しており、戦闘を決意する。戦闘を決意するにあたり義満は、
「当家ノ運ト山名ノ一家ノ運トヲ天ノ照覧ニ任スベシ(足利氏の運と、山名氏の運を天に
任せる)」と述べたとされている(『明徳記』)。/・・・
冨倉徳次郎(校訂)『明徳記』(岩波文庫,1941)によると、第一に「評定」には「六角判官満高」も
「参加」してるし、第二に「意見」は内容要約が不正確だし「優勢」でもなかったので、市川裕士は
『明徳記』を誤読している可能性がある(@_@;)
第一の点は、『明徳記』は軍記物だし、「六角判官満高」の「参加」を否定する信頼すべき史料が他
に存在するのかも(@_@;) 第二の点は、同書から当該件を(漢字等を改めて)引いておく(@_@;)
・・・/去程に御所には十二月廿五日夜合戦の御評定あるべしとて諸大名をぞ
めされける。・・・御所様此人々を御前へめされて合戦の御評定ありけるに、
意見まちまちにして、更に一決せず。或は「・・・[山名勢を京中に引き入れ
三方から一斉に攻め立てて殲滅する作戦]・・・」と申[まうす]説もあり。
又は「天下の御静謐こそ肝要にて候へ。先[まづ]彼等が憤申事候はゞなだめ
仰られて、所望のまゝに訴訟をかなはれて心をとりすまして後、事を他事に寄て
一人づゝ、自然自然に失はれ候はんも一途にて候。」と申意見もありければ、
御所のおほせには、「・・・
タグ:歴史
2021-05-23 19:59
コメント(8)
「勝てる」と思っていなくても戦争する(仕掛ける)のは太平洋戦争
もあったので或いは・・・。きっと東京オリンピックも・・・・
by tai-yama (2021-05-23 23:01)
「著者の書込み」…どんな書き込みか気になりますね。
by ナベちはる (2021-05-24 00:44)
明徳の乱も太平洋戦争も東京オリンピックも、
tai-yama様、人間は変わってないと( ̄◇ ̄;)
by middrinn (2021-05-24 04:53)
とはいっても、それだけのために、
ナベちはる様、買うのもね(^_^;)
by middrinn (2021-05-24 04:54)
確かに妙ですな!
やはり贈り物?
by そら (2021-05-24 06:41)
著者の筆跡を出品者(古本屋)は知るはずもないので、
著者の署名があることは間違いないのですが(^_^;)
by middrinn (2021-05-24 07:18)
「見返りに『著者の書き込み』」って書かれると
どんな書き込みか気になってポチっちゃいそうですw
by ニッキー (2021-05-24 20:29)
素敵なはなむけの言葉だったら考えます(^_^;)
by middrinn (2021-05-24 20:34)