読書の厄介なところは、未読の人に解るよう粗筋を纏めるのが難しいことである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)

【読んだ本(ネタバレ?)】

戸板康二『あの人この人 昭和人物誌』(文春文庫,1996)所蔵本

続けて、「藤本真澄の映画」を読んだ(^_^;) 藤本真澄とは「・・・映画がテレビにまだ押されぬ時代
に数多くのヒット作品を製作した[東宝の]プロデューサー・・・」の由、邦画も小生は観ないし、
ふーん!へぇ~!と読んだ(^_^;)

    ・・・/藤本さんは、プロ野球では、かつての南海ホークスが絶対で、つよかった
    その頃のチームをひきいていた鶴岡一人さんとも親友だった。/その南海がどうした
    はずみか、九連敗したことがあり、鶴岡監督が新宿の酒場でぼんやり一人で飲んでいる
    姿を見た源氏鶏太さんが、「東京一淋しい男」という小説を書いた。/源氏さんは
    実務家で、東宝の役員にもなっていたから、藤本さんはすぐに読んで、映画にしようと
    相談したらしい。すると源氏さんが、「むずかしい役があるよ」といった。/社員で
    あんまり有能でない若者が、重役の娘に慕われているという設定なのだが、そんな
    タイプの俳優はいそうもないと、源氏さんは思ったようだ。/藤本さんが期待もせずに、
    私にこの話をしたので、「そういうタイプが一人います。児玉清」といった。結局
    起用されて、この役は児玉君の出世役になったので、私にはうれしい記憶である。
    映画の題は「裸の重役」だった。/・・・

児玉清、クイズ番組の司会以外にも、読書家で有名(小生でも知ってる)だったため、図書紹介番組
みたいなのもやってたらしいから(TVを視ないので知らぬ)、知的なイメージの俳優なのかと(^_^;)

上記記述だと鶴岡一人が「東京一淋しい男」のモデルのように読めるが、wikiの「藤本真澄」の項は
藤本真澄がモデルとしている(@_@;)

    ・・・/生涯独身を通したが、寂しがり屋な性格で豪酒でもあり、藤本プロ以来の盟友
    でもある越路吹雪や前記のスタッフ・俳優のほか南海ホークスのファンで鶴岡一人ら、
    気の合った仲間と毎晩飲み食い歩いていたという源氏鶏太の小説「東京一の淋しい男」は
    藤本がモデルといわれる(1964年『裸の重役』として映画化)。/


そこで、映画「裸の重役」について、ネタバレの可能性はあるけど、「映画,com」のストーリー全文
(⇒ https://eiga.com/movie/38737/ )をコピペも、「浜中」が何者なのか、全くのイミフ(@_@;)

    日高孝四郎は、中央商事の取締役営業部長であった。精力的な彼の仕事ぶりは、
    仕事の鬼と称されたが、そんな日高も、バーのマダムには“東京一淋しい男”に
    うつった。十年前に妻を失くし、二十二歳になる啓子を、社内で最も優秀な男と
    結婚させようと、心くばる日高には、病人をかかえて定年後の心配をする浜中の
    ことなど、眼中になかった。日高の今日の地位を獲得したのは、実力に加えて
    社長の小杉、大株主松本のヒキがあったことは事実であった。松本からの話で、
    三ヵ月欧米をまわってくるようにと要請があった。帰ったら常務間違いなしだ。
    日高の送別会は、満五十歳の誕生日をかねてもよをされた。ピンクのチャンチャコ
    を送られた日高は、妙に年令を意識した。かって浜中に嘱託となるよう頼まれた
    ことが、自分のことのように思われた。一方娘の啓子は、日高の思惑とは逆に
    消極的で、出世から忘れられた奥田に好意をよせていた。松本の息子との話が
    あった直後だけに、日高の動揺も大きかった。奥田と啓子の結婚は本ぎまりと
    なった。これで、日高の社長への夢は破れた。以来彼の強気は一転した。小雨の
    降るある夜、日高はBGでコールガールをする小西咲子に出会った。彼女との
    出会いは、日高の心をなごませた。松本の要請で、昔の日高孝四郎になって
    欲しいとチャンスを与えられた日高は、もう一度仕事の鬼になろうと、誓った。
    だが、今は、若い咲子を離すことは出来なかった。三カ月五万円の専属契約を
    結んだ日高は、再び仕事の鬼となったが、契約の三カ月がきれようとする時、
    日高にとって、咲子は、なくてはならない人間であった。日高は、自分のためにも、
    彼女のためにも。咲子との関係を続けていこうと思った。

・「江戸川乱歩の好奇心」は御愛想と思ってたところ「翌日」「速達」なのが〈ちょっといい〉(^^)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-07

・「徳川夢声の話術」は古川ロッパが夢声の声帯模写をしてラジオ聴取者が気付かなかった話(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-11

・「有吉佐和子の笑い声」は彼女の推理小説の書評を頼まれるも「なぜこんなに下手なのだろう」(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-18

・「菊田一夫の博愛」は新聞社から公職追放についての情報が伝えられ菊田一夫の名前もあった(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-20

・「芥川比呂志の酒席」は初版本「羅生門」の末行が「下人の行方は、誰も知らない」に非ずと(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-24

・「小泉喜美子の博識」では歌舞伎にも詳しい推理小説家の才気煥発ぶりも巧みに描かれる(〃'∇'〃)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-29

・「三島由紀夫の哄笑」では戸板康二による解説の「これは三島氏の若書きであるが」に誤植( ̄◇ ̄;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-03

・「川口松太郎の人情」では「婚礼の披露宴」における川口松太郎のスピーチがマジで絶妙(〃'∇'〃)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-05

・「岩田豊雄の食味」は「獅子文六という筆名にしても、四四十六をもじったのではなく・・・」(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-11

・「古川緑波の冗句」の「昔の探偵小説は、悪人の姓が・・・何となく憎々しいのが多かった」由(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-15

・「伊馬春部のカメラ」の「誰から花をもらった、どこから酒を寄付された」と書くのはダメだろ(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-25

・「奥野信太郎の探求」、この中国文学者のことが好きになれぬエピソードまで紹介されてた(-ω-、)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-01

・「田辺茂一の大鞄」の田辺茂一が立川談志に与えた「巧は拙を蔵する」という言葉について(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-05

・戸板康二の「ちょっといい話」シリーズ4冊から〈真・ちょっといい話〉を選りすぐってみた(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-12-27