SSブログ

210211読んだ本

読書の厄介なところは、気に入った人の作品は全て集めたくなることである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

【読んだ本】

戸板康二『あの人この人 昭和人物誌』(文春文庫,1996)所蔵本

続けて、「岩田豊雄の食味」を読んだ(^^) 「舌の肥えた人」だったらしく「食べ物のことばかり」な
嫌いもあるが、劇作家・演出家としての話も(^^) 「自由学校」とか知ってたけど読んだことはなく、
文学座の幹事よりもユーモア小説の作家のイメージが小生は強いが、次の話は初耳のような(@_@;)

    ・・・/芥川比呂志君は、岩田さんは命名の達人だったというのだが、獅子文六という
    筆名にしても、四四十六をもじったのではなく、文五(文豪)にひとつ足したのだと、
    笑いながら語っていたそうである。/・・・

『続高見順日記』が刊行され始めたとして、「純文学の縄ばり崩れる」と題した一篇を、谷沢永一が
書いてて、同『紙つぶて 自作自注最終版』(文藝春秋,2005)から、その一節を引く( ̄◇ ̄;)

    ・・・/昭和三十八年七月十七日、中央公論社版『日本の文学』全八十巻の
    編集会議で、中央公論社側が松本清張、大佛次郎、獅子文六を入れて欲しいと
    言うのに対し、編集委員(谷崎、川端、伊藤、高見、大岡、三島、キーン)側は、
    松本清張を入れたらこの全集の性格がすっかり変ってしまうと論じて反撃、
    三島由紀夫が、松本清張を入れろと言うのなら、自分は編集委員をやめ、
    全集からオリる、つまり我が作品の収録を断わる、とまで言い出した旨、
    高見順は共感を以て記し留めており、事実、委員側は全面的に主張を貫いた。
    /・・・

昭和43年の『三島由紀夫集』が第一回配本の『新潮日本文学』全64巻には松本・大佛・獅子も揃って
入ったし、同年刊行開始の筑摩書房版『現代日本文学大系』全97巻にも大佛・獅子が入っているのに
三島由紀夫は「みじんも妥協のない編集」と讃えていたことを続けて紹介し、「純文学の縄ばり守備
が最終的に崩れたのは、昭和四十年代初頭のことであるらしい。」と谷沢永一は〆ていたよ(@_@;)
一つ一つ指摘はしないけど、色々なことが読み取れるエピソードだわな〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

北見治一『回想の文学座』(中公新書,1987)が「人生の達人岩田豊雄」と題した節で紹介している
岩田豊雄の発言の中の一つが、役者に限らず汎用性が高そうなので、メモっておく_φ( ̄^ ̄ )メモメモ

    「ちかごろじゃァ、稽古場と局のあいだを、車でいったりきたりするだけの役者が
    いるそうじゃァないか。バカな話だ。便利かもしれんが、都電かバスに乗ったほうが、
    庶民のおもしろい顔にいろいろ出会えるだろうに……。新劇の役者はだ、貧しい生活を
    わすれちゃァいかんよ。車の生活は、とかく人生や人間の真実をみうしなわせる。
    自分は、いまも貧乏人のきもちは、わすれずにいるつもりだ」

・「江戸川乱歩の好奇心」は御愛想と思ってたところ「翌日」「速達」なのが〈ちょっといい〉(^^)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-07

・「徳川夢声の話術」は古川ロッパが夢声の声帯模写をしてラジオ聴取者が気付かなかった話(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-11

・「有吉佐和子の笑い声」は彼女の推理小説の書評を頼まれるも「なぜこんなに下手なのだろう」(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-18

・「菊田一夫の博愛」は新聞社から公職追放についての情報が伝えられ菊田一夫の名前もあった(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-20

・「芥川比呂志の酒席」は初版本「羅生門」の末行が「下人の行方は、誰も知らない」に非ずと(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-24

・「小泉喜美子の博識」では歌舞伎にも詳しい推理小説家の才気煥発ぶりも巧みに描かれる(〃'∇'〃)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-29

・「三島由紀夫の哄笑」では戸板康二による解説の「これは三島氏の若書きであるが」に誤植( ̄◇ ̄;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-03

・「川口松太郎の人情」では「婚礼の披露宴」における川口松太郎のスピーチがマジで絶妙(〃'∇'〃)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-05

・戸板康二の「ちょっといい話」シリーズ4冊から〈真・ちょっといい話〉を選りすぐってみた(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-12-27
コメント(10) 
共通テーマ:

コメント 10

ニッキー

気に入った作者の本はどれも読みたくなりますが
かなり出版されてる場合は財布がとても軽くなります(´・_・`)
なので、最近のかみさんはちょっと自重してるようです(⌒-⌒; )
by ニッキー (2021-02-11 21:11) 

middrinn

エンゲル係数を低くすることで、
本代を捻出されるとか(^_^;)
by middrinn (2021-02-11 21:17) 

アニマルボイス

お金もそうですが、問題は置き場所ですよね。
個人全集は「江戸川乱歩」「横溝正史」(講談社)、「ポオ」(創元社)、「波多野精一」(岩波)・・・皆、売っちゃいました。今、手元にあるのは米川正夫訳の「ドストエフスキー」(河出)だけです(;_;)。あと、場所があっても本は重いので場合によっては床が抜けます。知り合いは書庫を作った時、そこだけコンクリートを別うちしてもらったと言っていました。
middrinn邸宅は、大丈夫でしょうか?
by アニマルボイス (2021-02-11 23:20) 

tai-yama

貧乏人の気持ちは・・・忘れられないかも。現在進行形なので(笑)。
三島さんは反対したけど、多分、この中で一番の売れっ子は間違い
なく松本清張かと。
by tai-yama (2021-02-11 23:50) 

ナベちはる

気に入った作家の作品の「収集欲」、よくわかります。
買って財布の中身が無くなり、読んだ後で本を置く場所も無くなり…欲が深くなるにつれて必要経費を少しでも削って出すようになり…怖いです(^^;
by ナベちはる (2021-02-12 00:59) 

middrinn

『海音寺潮五郎全集』以外の全集は全巻揃ってません(^_^;)
アニマルボイス様、狭く小さい拙宅ですが、建てる時に根太も
しっかりした書庫・書斎を設け、天井まである本棚(大型本も
入る奥行)を幾つも特注したので、来た客は皆驚きます(^^)
by middrinn (2021-02-12 06:19) 

middrinn

松本清張と並んで、大佛次郎と獅子文六も、当時は、
tai-yama様、売れっ子だったと判りますね(^_^;)
by middrinn (2021-02-12 06:20) 

middrinn

ナルホド(^_^;) 作品はコンプリート出来ても、
ナベちはる様、生活水準が落ちますね(^_^;)
by middrinn (2021-02-12 06:23) 

そら

Macの厄介なところは周辺機器を揃えたくなることである!
貧乏人の気持ち・・・私も裕福になりたい(^^;
by そら (2021-02-12 06:42) 

middrinn

デザイン性も優れてそうだから、
集めたくなりそうですね(^_^;)
by middrinn (2021-02-12 06:47) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。