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211126読んだ本

読書に厄介なことは、阪神の西や楽天の浅村をゲストに呼ぶ局である〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
阪神の糸井が第6戦のTV中継のゲストに呼ばれたが、オリファンは糸井に対しては好意的かと(^_^;)
深読みではなく邪推すると、フツーの著者は枚数を抑えるため一つの論点は一箇所に纏めて書くが、
著者が版元の(元?)社長だったから枚数がいくら膨らもうと誰も制止できなかったのか(@_@;)

【読んだ本】

保坂弘司『大鏡全評釈 上巻』(學燈社,1979)

今日も拾い読みしてたら、昨日取り上げた『おくのほそ道』への「深読み」を保坂弘司が再(力)説
してたので、本書555頁から引く(^_^;)

    /花山院は出家ののち、元慶寺いわゆる花山寺にあってご精進あり、播磨国書写山に
    幸して性空に道を問い、あるいは比叡山に登って廻心戒を受け、諸国の名山古刹を
    遍歴されて、艱苦をきわめられたようである。『奥の細道』で、加賀国の那谷寺で、
    芭蕉が花山院を追慕して、「石山の石より白し秋の風」という一句を残している。
    諸学者はほとんど問題にしていないが、これは「左の山際に観音堂あり。花山の法皇
    三十三所の巡礼遂げさせ給ひて後、大慈大悲の像を安置し給ひて、那谷と名づけ給ふ
    とや。那智・谷組の二字をわかち侍りしとぞ。」という地の文との関連において
    味わい読むべき句であろう。つまり、花山院のご悲運への感慨がこの句の背景になって
    いるのである。このことは『銀河の序』における序と句との関係を考えてみれば、
    容易に理解されるところである。・・・

俳諧はさっばり解らんけど、この発句への「深読み」を「諸学者はほとんど問題にしていない」のも
当たり前かと(^_^;) 芭蕉が『銀河の序』で佐渡の流人に言及してることから「荒海や佐渡によこたふ
天河」には流人への「感慨」も込められてるとするように「石山の石より白し秋の風」も解釈すべし
という保坂弘司の主張だけど、久富哲雄(全訳注)『おくのほそ道』(講談社学術文庫,1980)は、
「荒海や」をちゃんとそう解釈してるし、「芭蕉は新しい俳諧紀行文を創始するために、地の文章は
発句をどのように効果的に紀行文の中に据えるかというところに重点を置いて書き、地の文と発句と
が文芸的相乗効果を挙げ得るように不可分の関係にあるものに仕上げている。」と巻末の「解説」で
書いてるぐらいだから「石山の」も「地の文との関連において味わい読」んだ結果、保坂弘司が言う
芭蕉の「花山院を追慕」「花山院のご悲運への感慨」などは汲み取れなかったのではないかと(^_^;)
この「深読み」は、テクストを掘り下げたというよりも保坂弘司の頭の中を投影したものでは(^_^;)
『大鏡』に引かれた花山院の「こゝろみにほかの月をも見てしがなわがやどからのあはれなるかと」
を「わが家で眺める月の趣きふかさを現実にしみじみ感じ入っている趣があって、佳詠といえる。」
(本書565~566頁)と評しているけど、もし「深読み」したいのなら『詞花和歌集』以外も調べれば
良かったのにね(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-10-29 )C= (-。- ) フゥー
保坂弘司『大鏡全評釈 下巻』(學燈社,1979)の275~276頁に次の記述があった____φ( ̄^ ̄ )メモメモ

    /(一) 前段に引き続いて、そして前段よりさらに鮮烈に、若き日の道長
    を「こゝろ魂のたけき」人として描いている。すでにふれてきたことだが、
    このことは『大鏡』の文芸性の探求にきわめて重要である。『大鏡』に
    おける人間的優越は学問・和歌の教養よりも、より多く「こゝろだましひ」
    「やまとごゝろ」を根底条件としているからである。これらのことばに
    よって表わされる強靭なる意志、不屈なる気魄、豪快なる胆力といった
    積極的人間美は、王朝男性の理想として追求されている。・・・

たしかに、と思うけど(渡辺実『大鏡の人びと 行動する一族』[中公新書,1987]を読んだから)、
だからといって、『大鏡』の読解には「和歌の教養」は不要とはならんだろうオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!

・花山院が播磨国で月の光の明るさに都を恋しがる歌を詠んでいるのが意味深に思えてしまう(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-10-28

・よく知られている花山天皇が藤原道兼に騙されて退位・出家するシーン、誤訳ではないかと(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-10-31
タグ:紀行 古典 俳諧
コメント(12) 
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爛漫亭

 「石山の・・・」に至る途中吟には
「あかあかと日は難面もあきの風」がありますね。
秋は白ですから、「あかあか」に対して「白い風」と
いうのはいかがですか?
by 爛漫亭 (2021-11-26 23:17) 

ナベちはる

著者が版元の社長ともなると、良くない発言したら「仕返し」に遭いそうで何も言えなかった…というのはありそうですね(^^;
by ナベちはる (2021-11-27 01:47) 

middrinn

麻生磯次(訳注)『現代語訳対照 奥の細道 他四編』(旺文社文庫,1970)は、
爛漫亭様、「秋の夕日が野山を一面に赤く染め、・・・」と訳しているので、
秋風に白を響かせて、赤と白のコントラストを匂わせたのなら、俳諧の面白味
ですかね(^_^;) 久富哲雄は「もう季節は秋になったというのに、まだ残暑は
きびしく、太陽は明るく容赦なく照りつける。しかし、さすがに吹いてくる風
には秋らしい気分が感じられることである。」と訳して、〈・・・『古今集』の
有名な立秋の歌、藤原敏行朝臣「彬きぬと目にはさやかに見えねども風のおと
にぞ驚かれぬる」を踏まえた句であることがわかる。〉と評しております(^^)
by middrinn (2021-11-27 08:00) 

middrinn

出版社の社長が、自社から出した本というのは、
ナベちはる様、つまらないものが多い印象なん
ですが、その辺りに理由がありそうです(^_^;)
by middrinn (2021-11-27 08:21) 

df233285

昨日の発言で、「発がん性の疑われるブルーミング剤」
は、”発がん性の疑われるブルーイング剤"の間違いで
した。ブルーミング剤関連の企業の皆さん、誠に相済
みません。しかもブルーイング剤にも複数意味があり、
私のは増白剤の意味です。他のブルーイング剤製造
関連の方にも御迷惑をお掛けいたしました。お詫びします。

トラブルがあったときにはスルーせずに、きちんと手数
を踏んで対応する事が、国際的信用を落としてトップの
退陣を招くような事が無いようにするには大切。
システムエラーで記事登録にトラブルが発生したときには、
カレンダーの異常が無いかどうかをチェックして、再度
作業をやり直す等の基本動作がss-blogでは必須。
主張を何度も繰り返すのは、それがキチンと出来た上。
立場優勢気分で方々に、殴り書きを繰り返さない事が大切。

by df233285 (2021-11-27 09:14) 

middrinn

滑舌(←『大辞林』(初版第一刷)には立項されてない!?)が悪かったりすると、
その二つは誤って伝わりそうですね( ̄◇ ̄;) このあいだのメンテ後に頻発するよう
になったログイン時のエラーが先日のメンテ以降は無くなりましたね(^_^;) 皆が皆
通読するわけではないので、自説を知ってもらう機会を増やそうと、複数個所で開陳
しているのかもしれませんが、重複する一部の記述は無駄に思えてなりません(^_^;)
by middrinn (2021-11-27 09:55) 

アニマルボイス

大昔、SFマガジンの編集長だったF氏が自作を載せていて、なんだかなあと思ったことがあります。おもしろければ文句もないのですが。(^^;
ところで、「学問・和歌の教養よりも、より多く・・・」というのは、=「『和歌の教養』は不要」とはならないと思うのですが?
by アニマルボイス (2021-11-27 11:40) 

アニマルボイス

「原稿オチ」あるあるです。が、F氏の小説が一番だという人は、間違いなく私とは全く感性の異なる人でしょう(こちらがおかしい場合を含む(^^;)。あの人は、SFは新しい文学になり得ると信じていた人で、作品にそうした意図は感じられたのですが、・・・本論から外れるのでこれ以上は書きません。
いずれにしても、版元社長が自社から本を出すのは、冷静な第三者の視点というか岡目八目が否定されているため独りよがりになりがちで、常にリスクが伴いますねー。
by アニマルボイス (2021-11-27 13:10) 

middrinn

予定されてた原稿が落ちて穴が開いたので編集長自ら埋め草で書いたのかも(^_^;)
そんな埋め草記事なのに、その号で一番の内容だったという人物もいたようですが
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-09-11 )(^_^;)
御指摘ありがとうございますm(__)m 『大鏡』作者がその登場人物の評価で重きを
置いているのは和歌の教養よりも「強靭なる意志、不屈なる気魄、豪快なる胆力」
ですが、ソレを保坂弘司は「『大鏡』の読解には」「和歌の教養」は不要と早合点
してしまったから、保坂弘司が和歌に関しては上記例のように調べ尽くさなかった
のではないかと推論し、あのように書いた次第です(^_^;) なお、『大鏡』は人物
評価において、モチ藤原道長ほどではないにしろ、花山院をその「遊ばしたる和歌
[=「こゝろみに」]は、いづれも人の口に乗らぬ無く、優にこそ承けたまはれな」
として評価してるので、「『大鏡』の読解には」やはり和歌の教養は不可欠(^_^;)
by middrinn (2021-11-27 13:34) 

middrinn

小生は作品を読んだことが無いので、おっしゃるような志・気概から
空回りしてしまったのかなぁと思ったりもします(^_^;) 自分の本を
出すために出版社を立ち上げる人もいますけど、本書は前著の改訂を
したいという研究者的良心・学問的情熱の産物のようですが(^_^;)
なお、出版社社長が自社ではなく他社から出す場合、売れなかった時
に他社に対して迷惑をかけてしまうのではとか考えそうですが(^_^;)
by middrinn (2021-11-27 13:50) 

tai-yama

やっぱり西はオリックスファンから嫌われていると(笑)。
そして、加入した阪神は日本シリーズに出られなく、オリックスは
日本シリーズへと言う皮肉も。西は疫病神・・・・・・
by tai-yama (2021-11-27 19:23) 

middrinn

しかも、阪神に行ってから、オリックスを
ディスる発言をしてましたからね(^_^;)
by middrinn (2021-11-27 19:28) 

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