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211029読んだ本

読書の厄介なところは、同じ本でも何処で読むかがポイントなのかもである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)
最近利用してるカフェは談笑する客が多いのに読書してる客も結構いるけど頭に入るのかな(@_@;)

【読んだ本】

正宗敦夫『金葉和歌集講義』(自治日報社,1968)所蔵本

承前(^^) 花山院が性空上人に会いに播磨国の書写山へ御幸され月の光に都を恋しく思う歌を詠んだ日
は藤原道兼に騙されて退位・出家してから「ちょうど一ケ月後、一条天皇の即位の日だった」と指摘
する犬養廉&平野由紀子&いさら会『笠間注釈叢刊18 後拾遺和歌集新釈 上巻』(笠間書院,1996)を
昨日取り上げたが、同書は御幸以前の花山院と性空上人の関係は不明も書写山行きを花山院に勧めた
のは厳久あたりではないかと推定する平林盛得の論文も紹介している( ̄◇ ̄;) 厳久という僧侶は、
花山天皇の退位・出家の際に藤原道兼とともに扈従してたことが川端善明&荒木浩(校注)『新日本
古典文学大系41 古事談 続古事談』(岩波書店,2005)等の説話に描かれてるし、藤原氏の陰謀に手を
貸した人物ゆえ、この書写山行きにも何か政治的な思惑を邪推してしまう(@_@;) それはさておき、
やはり花山院は帝位に未練があるのかしら(@_@;) 「お詠み遊ばした和歌は、どの歌もよく人が口に
のぼせてお褒め申しあげる歌ばかりで、優雅なものと」(石川徹[校注]『新潮日本古典集成 大鏡』
[新潮社,1989])して『大鏡』にも引用されていた花山院の歌を、工藤重矩(校注)『詞花和歌集』
(岩波文庫,2020)の訳で引く(⌒~⌒)

      題不知

    こゝろみにほかの月をも見てしがなわが宿からのあはれなるかと

     ためしに他所の月を見てみたいものだ。見る場所がこの家ゆえの
     すばらしさなのかどうか、知りたいので。

この歌が実は『詞花和歌集』の一つ前の勅撰集である『金葉和歌集』の三奏本に入っていたことは、
工藤重矩も次のように紹介している(@_@;)

    金葉集三奏本は詞書「清涼殿にて月を御覧じてよませ給へる」とする。その詞書では
    下句は「清涼殿で見る月ゆえにすばらしいのかと」の意。・・・

退位後は清涼殿で月を見ることは出来ないはずだしね(@_@;) ヨイショだけど同じ月でも見る場所で
異なるとするのが『金葉和歌集』の讀人不知(赤染衛門の由)の歌で、正宗敦夫のコメも引く(^_^;)

      宇治入道前太政大臣の三十講の哥合に、月の心をよめる

    やどからぞ月のひかりもまさりけるよのくもりなくすめばなりけり

    一首の意は、此の宿(即頼通)の御殿だけに、月の光も殊の外照りまさつて
    格別である。是はよ(夜に世を副へて)が曇なくすむでゐるからである。
    と云つて、頼通が当時天下の政事を取り行つて威勢がよかった其れをほめて
    詠んだのである。
タグ:和歌 歴史
コメント(4) 
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コメント 4

ナベちはる

同じ本を読むにしても、読む環境によって定着力が違うということはありますよね。
by ナベちはる (2021-10-30 02:25) 

middrinn

また良書も愚書に、愚書も良書に、読む場所で違って感じられるかも(^_^;)
by middrinn (2021-10-30 07:01) 

tai-yama

退位したから、自分にはツキ(運)がないな。と解釈してみたり(笑)。
by tai-yama (2021-10-30 19:22) 

middrinn

( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 特製退位したから、自分にはツキ(運)がないな座布団1枚 ♪
by middrinn (2021-10-30 19:24) 

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