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191104読んだ本

バザーで買ったという手編みのアームウォーマー(てゆーか、手首ウォーマー)してるだけで、気温の
わりに身体はホカホカする(〃'∇'〃) やはり首、手首、足首を温めるのがポイントかなv( ̄∇ ̄)ニヤッ

【読んだ本】

藤岡忠美『紀貫之』(講談社学術文庫,2005)所蔵本

読了(^o^)丿 メチャ愉しかったがチョー疲れた(^_^;) 紀貫之のような古代の身分的に中・下層の卑官
は官歴ぐらいしか判らず、伝記を書くには和歌の詞書に記されてる詠作事情から出来事や人間関係を
抽出したり、和歌自体から性格や生活その他もろもろを推定するしかない(@_@;) それゆえ、本書が
和歌の話ばかりになることはフツー予想できると思うのだが、例のレヴュアーは・・・ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

木村正中(校注)『新潮日本古典集成 土佐日記 貫之集』(新潮社,1988→2018新装版)を買ったのは
本書を読むためと前に書いた(^^) たしかにメチャ役に立ったが、同書だけじゃダメだった(ノ_-;)ハア…
そもそも紀貫之の家集(=上記『貫之集』)は『古今和歌集』等に入った紀貫之の歌を全て収録して
いるわけではなかった( ̄◇ ̄;)マジ!? 本書に出てくる紀貫之や他の人の歌・説話を、『古今和歌集』
『後撰和歌集』『拾遺和歌集』『新古今和歌集』『伊勢物語』『大和物語』『無名抄』の各注釈書で
確認しながら読んだよ(-ω-、) 注釈書を持ってなくて訳を確かめられなかったのは一つか二つ(^_^;)
本書は歌意やポイントを記すも全く解説が無い歌もあり、小生の如き初学者は注釈書必携かと(^_^;)
ただ、勅撰集では初句が微妙に異なることを本書は記してくれなくて探すのに苦労した歌も(´ヘ`;)
でも、久保田淳(監修)『新日本古典文学大系 別巻 八代集総索引』(岩波書店,1995)が大活躍(^^)

「人心の移ろいやすさを、花などの自然の景物との対比のもとに訴えるという貫之の生涯のテーマ」
を強調する本書(『土佐日記』も「人の心のあてにならぬ頼みがたさ」、「人情の変節」を描く由)、
『百人一首』でも有名な『古今和歌集』の「人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香に匂ひける」
を読み解くのに二つの節を費やしている( ̄◇ ̄;) でも、「人心の頼りなさが自然の景物との対比の
もとに強調される」、「変りやすい人の心に対比される自然の不変」といった主題は知ってたけど、
実は「人はいさ」の一首を成り立たせている構造は「思いがけないほどの重層的」で「深み」のある
歌だったんだなぁとマジ瞠目させられた∑( ̄ロ ̄|||)ニャンと!? 即詠した紀貫之も凄い( ̄◇ ̄;)

藤岡忠美の思考過程を辿るようで愉しい本書(⌒~⌒) 紀貫之の和歌を次々と読み解いてくれるよ(^^)
「空に知られぬ雪ぞ降りける」や「水なき空に波ぞ立ちける」等といった「ちょっとした言葉の使わ
れ方」や「言葉のあや」から「思いもかけない想像や幻想」の「豊かな世界」を生み出す紀貫之(^^)
「眼前の景物から連想を展開し、見えない世界への幻想をうたう」ことで「眼前の景を別個の美しい
ものに置き換えて見立てる」歌は流石(⌒~⌒) 専門歌人として屛風歌=「宮廷貴族の邸や后妃たちの
住む後宮の部屋を飾る調度としての屛風に、画賛として書き添えられた歌」を数多く詠んだわけだが、
「絵に表現されない聴覚や連想の世界」を詠み上げて「画面の外へと自由な連想や見立てを発展」、
その結果、「屛風歌というなかば題詠的性格をもつ和歌を、型にはまったものに終わらせずに、むしろ
豊かな虚構性をもつ世界として現出させた」という紀貫之の偉大さが小生にも理解できましたm(__)m

明らかな間違いは指摘済だが(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-27 )、
本書で気になった点としては、「引きて植ゑし人はむべこそ老いにけれ松の木高くなりにけるかな」
(凡河内躬恒)および「またも来む時ぞと思へど頼まれぬわが身にしあれば惜しき春かな」の2首の
解釈が片桐洋一(校注)『新日本古典文学大系 6 後撰和歌集』(岩波書店,1990)と大きく異なる
ことが先ず挙げられる(@_@;) 特に、後者は本書のハイライトとも言える件(〈兼輔邸訪問は貫之の
死の少し前まで続けられていたのであった。貫之の本領は時勢に順応することだけにあるのではなく、
「人はいさ心も知らず」の主題がくり返されたように、不変の節操への思いも固かったことが了解
されよう。〉)に関わるから、その根拠となる歌の解釈が成り立たないとしたら((;゚Д゚)ヒィィィ!

八代集での紀貫之の入集歌数は『古今和歌集』『後撰和歌集』『拾遺和歌集』で全作者中第1位だが、
『後拾遺和歌集』『金葉和歌集』『詞花和歌集』ではゼロとなり、『新古今和歌集』においては33首
(切出し歌を含む)と新古今以前の歌人では最多を誇る(^^)v だけど、『新古今和歌集』の入集歌で
本書が取り上げたのは「かげにとて」の1首のみだったのはチト不満(^_^;) 新古今時代の歌風に合う
歌を選んだ結果が33首なわけだけど、本書を読むと、絵画的な美や物語的な余情のある歌も結構あり、
三代集に既に選ばれていたため『新古今和歌集』に入らなかった歌もあるんじゃないかと妄想(^_^;)

紀貫之を「余情妖艶」などとトンチンカンな内容紹介文を書いてる講談社の編集者のことは指摘した
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-11-01 )(-"-) 本書巻末「参考文献」で
片桐洋一『古今和歌集全評釈』と萩谷朴『土佐日記全注釈』を並べ、前者を角川書店、後者を講談社
などと、それぞれの版元を取り違えているのは御愛嬌でも、紀貫之の最初の作品を論じた章で「この
[『是貞親王家歌合』]歌合の中に含まれる貫之の詠歌は二首が知られている。まず、第一首目。
・・・次に、さっそく第二首目に移ろう。・・・次に第三首目。・・・」とあるぞ( ̄◇ ̄;)「以上、
『是貞親王家歌合』『寛平御時后宮歌合』に採られた詠歌併せて十首を掲げて読解を試みた。・・・
さて、右のような十首の読解・鑑賞を試みた結果、初期の作ではあっても、すでにそれぞれの歌は
貫之らしい特徴を備え始めてきていることが分かった。・・・まず、九首の中での最古の作、すな
わち現存の資料で見るかぎりの貫之の処女作とでもいえる歌はどれなのであろうか。」も節穴か(-"-)
後章で「両歌合とも作者名の認定がごく一部に限られざるをえず、歌数に遺漏や誤りのあるのはやむ
をえない。」とあるとはいえ、叙述の途中で「歌数」が変わるなんて校正ミスオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!

・はっきりと水面に映る月影を詠むことが多かった紀貫之の辞世の歌の月影は「あるかなきか」(;_;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-11-03

・伊勢タンは「花を映す鏡となる澄んだ水面」を、紀友則は「水に映った菊の美しさ」を詠んでいる(^^)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-06-04

・品川和子(全訳注)『土佐日記』(講談社学術文庫,1983)をテキストとして読んだよんv( ̄∇ ̄)ニヤッ

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-20

・『新潮日本古典集成 土佐日記 貫之集』(新潮社,1988→2018新装版)はサブテキストC= (-。- ) フゥー

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-18

・「土佐は大宰府・常陸より遠く、下野や佐渡に匹敵」し、土佐国は遠流の地だったヒィィィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-18

[追記191104]

「本書の叙述には一貫性が無いように思えた件」、逆接で繋げば、別におかしくはないので削除m(__)m

[追記191105]

「八代集での紀貫之の入集歌数」の件、『千載和歌集』でもゼロですm(__)m もうグダグタだな(@_@;)
タグ:伝記 和歌
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たじまーる

昼間は暖かくても夜が冷えますからね・・・
これから保温か大切ですね(^○^)

最近は具合が良くなくて家のことが何も出来てなかったので
今日は冬物の入れ替えや扇風機しまって暖房出したりしてます(^^ゞ
by たじまーる (2019-11-04 13:09) 

middrinn

今までは如何に涼しく過ごすかがテーマでしたけど、
これからは180度方向転換ですo(-`д´- o)ガンバル!!
たじまーる様は心優しいから御無理して再び具合が
悪くなったりしませんよーに(´ヘ`;) 大昔に某施設
での職員研修の講演後に地元出身の中堅幹部職員が
車で首里城まで送ってくれましたが(小生の要望に
非ず)、一番の観光スポットのようですね(-ω-、)
by middrinn (2019-11-04 18:48) 

そら

太い血管を温めるといいとか!
最近本気で本でも読もうかと思うのですが
何を読めば良いのやら分からず(^^;
太宰治とか夏目漱石とか読んでみるか!!
by そら (2019-11-04 22:08) 

tai-yama

後拾遺、金葉、詞花で一首も選ばれていないのは・・・
政治的な物なのかな?古今和歌集は102も選ばれているのに。
by tai-yama (2019-11-04 22:50) 

ナベちはる

首、手首、足首を温めるのがポイント…( ..)φ
寒くなるので、出来るところから対策ですね!
by ナベちはる (2019-11-05 01:22) 

middrinn

ナルホド! たしかに太い血管ありますね( ̄◇ ̄;)
そら様、読んだことない小生が言うのもナンですが、
漱石は難しいですよ(^_^;) 短篇集なんかお奨めで、
新潮文庫からも出てるオー・ヘンリーのとか(^_^;)
by middrinn (2019-11-05 06:31) 

middrinn

『後拾遺』『金葉』『詞花』で一首も選んでないのは、
tai-yama様、新しい人をとりたいという編集方針の
ためかと(^_^;) 躬恒、忠岑も選ばれてないはず^_^;
by middrinn (2019-11-05 06:35) 

middrinn

防寒対策も、小さいことからコツコツと、
ナベちはる様、この精神ですよ(^o^)丿
by middrinn (2019-11-05 06:36) 

ニッキー

「寒っ」ってなってネックウォーマーを
装備(w)すると同じ格好でも暖かく感じます( ^ω^ )
仕事で倉庫にいることが多いですが
夏は暑く冬は寒いんですよねぇ(*_*)

by ニッキー (2019-11-05 06:51) 

middrinn

二、三日前に朝9度でしたが、今朝は7時でも8度と寒いですね(^_^;)
倉庫内で運動されれば、夏はサウナ状態で、メチャ絞れそう(〃'∇'〃)
by middrinn (2019-11-05 07:02) 

Rifle

尾張地方は今朝思いっ切り冷え込みました。
紀貫之か...読んでみたいけれど、無学故に注釈書の注釈書も必要になるだろうし、そうなると凄い冊数になりそう。
ただでさえ未読が百冊ほどあるし。(滝汗)
by Rifle (2019-11-05 07:46) 

middrinn

今朝は一番冷え込んで7時でも8度でした((;゚Д゚)ヒィィィ!
図書館でお読みになれば、遺漏なく読めますよ(^o^)丿
未読のも次々と読破していきませうo(-`д´- o)ガンバッテ!!
by middrinn (2019-11-05 07:58) 

yokomi

 和歌ではありませんが、「三首」ともいいます。首、手首、足首の保温が大切とか。我が家ではコストが安い練炭が既にコタツに有ります。まだ死ぬつもりは有りませんが、時々コタツで寝てしまい...(>_<)
by yokomi (2019-11-06 18:19) 

middrinn

それは危ないじゃないですか∑( ̄ロ ̄|||)ニャンですと!?
いくら安くても、命とは決して釣り合いませんよ(´ヘ`;)
by middrinn (2019-11-06 18:42) 

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