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240210読んだ本【バカチン】

馬鹿と付き合うのは時間の無駄だし馬鹿が伝染る( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚ヾ( ̄o ̄;)バカチンな本のことか?
聞き手が素人=非研究者・非専門家なので舐めてかかって下調べもせずに臨んだだろ!ヾ(`◇´)ノ

【読んだ本(バカチン)】

宇野直人&江原正士『漢詩を読む 3 白居易から蘇東坡へ』(平凡社,2011)所蔵本

駒田信二『漢詩名句 はなしの話』(文春文庫,1982)をチンタラと読んでるが、白居易(白楽天)の
「香炉峰下新卜山居草堂初成偶題東壁」(香炉峰下、新に山居を卜し、草堂初めて成り、偶[たま
たま]東壁に題す)という連作五首の中の有名な第三首から第二句「小閣重衾不怕寒」を取り上げ、
「小閣」を「中二階」(駒田信二・前掲書)と解するか、「ささやかな住まい」(松浦友久『中国
詩選 三 唐詩』[社会思想社現代教養文庫,1972])と解するかで、第二句の文意・訳が異なること
を先日は指摘した(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2024-01-31 )(@_@;)

この「小閣」について、宇野直人は本書で次のように訳していたΣ( ̄ロ ̄lll)ニャンですとぉ!?

    この小さな屋敷に布団を重ねて寝ていると、寒さも気にならない

「小閣」が「小さな屋敷」だとエッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ? 『大辞林』第一版第一刷の「やしき【屋敷】」
の説明は次の通りで、「小さな屋敷」は〈小さな大きな家〉の意になってしまうから形容矛盾(^_^;)

    ①家の建っている土地の一区画。また、その中の家。特に、大きな家。
    ②家を建てるべき土地。
    ③本宅以外に設けた敷地や家屋。また、諸藩が本拠地以外に設けた藩邸。
    ④「武家屋敷」に同じ。
    ⑤「屋敷者」の略。

そもそも詩題にもある「草堂」とは「①草葺きの家。草屋。②草庵。いおり。また、自分の家を謙遜
していう語。」(『大辞林』第一版第一刷)だから、「屋敷」は語感的にそぐわないだろう(@_@;)
松浦友久・前掲書も「草堂」を「草ぶきの粗末な家。謙遜の意も含まれる。」と説明していたから、
「自分の家を謙遜していう語」だった可能性もないわけではないけど、本書巻末の「主要参考文献」
には挙げられてなかった松原朗『唐詩の旅 長江篇』(社会思想社現代教養文庫,1997)は次のように
記している(@_@;)

    ・・・/白居易から、もう一首を読みたい。元和十二年(八一七)四月九日の日付を
    もつ白居易の「草堂記」(文集四三)によれば、彼はその前年、すなわち江州左遷の
    二年目の秋、遺愛寺の南、香爐峰の北の景勝の地を愛でて、ここに間口が三間両柱、
    南北に二室四牗(窓)のささやかな草堂を営んでいる。そして年明けて晩春の三月
    二十七日、草堂は落成した。次に読む詩は、その完成をみずから記念して、新居の
    東壁に題[かきつ]けた詩である。/・・・

    ・・・/「小閣」は、彼自身の「草堂記」に述べられた三間両柱、二室四牗[ゆう]の
    こじんまりとした草堂のこと。・・・

岡村繁『新釈漢文大系101 白氏文集 五』(明治書院,2004)は「草堂記」の「・・・三閒兩柱、二室
四牗、・・・」(同書214頁)を「・・・三間の間口に二本の柱、二部屋四つの窓、・・・」(同書
218頁)と通釈し(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2024-01-14 )、岡村繁
『新釈漢文大系99 白氏文集 三』(明治書院,1988)420頁はこの連作五首の第一首(0975)の第一句
「五架三閒新草堂」(五架三閒[げん]の新草堂)を「新たに成った私の草堂は奥行き五架、間口三
間の造り。」と通釈した上で「五架」は「奥行きの長さで、一架は房室の柱と柱の距離。・・・」、
「三間」は「間口の長さで、一間は両柱の距離。・・・」とそれぞれ語釈で説明(@_@;) 松原朗は
「ささやかな」「こじんまりとした」と形容、広くはない(前掲『新釈漢文大系99 白氏文集 三』
424頁も「小閣」を「小さな草堂」と通釈)(@_@;) このことは、白居易が老後は妻子も連れて来て
草堂で一生を終えるつもりであると「草堂記」で述べながら、この草堂が「初めて成」った時点での
連作五首の第一首の第七句&第八句では草堂をリフォームして「妻」の「楊氏」を「置こうか」など
と詠んでいたこと(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2024-02-04 )から判る
ように、この草堂は「初めて成」った時点では「妻」も連れて来られないような代物(@_@;) 故に
「小さな」と形容も「二室」=「二部屋」しかないのに「屋敷」と訳すのは読者をミスリード(^_^;)
まさかまさかだけど、宇野直人は「草堂記」に目を通していないのでは?という疑惑C= (-。- ) フゥー
タグ:中国 古典
コメント(4) 

コメント 4

tai-yama

大草原の小さな家にはならないか・・・・(古っ)。
もしかしたら、白居易は自分家をものすごく謙遜して言ったの
かもしれない(笑)。
by tai-yama (2024-02-10 23:01) 

middrinn

ローラのお姉さんのメアリーが美少女だった(〃'∇'〃)
by middrinn (2024-02-11 05:42) 

df233285

「昔風の言葉は、調べる前には安易に真似ない」を、私
自身も肝に命じる、だいじな教訓の含まれる記事に感謝です。
by df233285 (2024-02-11 07:45) 

middrinn

普段何気無く使っている言葉でも世間や辞書とは意味が異なってたりします(^_^;)
読み進むと宇野直人は「大きな家」の意で用いたらしく、「疑惑」が確信に(^_^;)
by middrinn (2024-02-11 14:52) 

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