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221105読んだ本

二人とも同じ月を見てるはずなのに変だよね(@_@;) んにゃ、お月様は気が変だ・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
『DOC あすへのカルテ』ジュリア・ジョルダーノ役マティルデ・ジョリ(Matilde Gioli)_φ( ̄^ ̄ )

【読んだ本】

竹内玄玄一(著)雲英末雄(校注)『俳家奇人談・続俳家奇人談』(岩波文庫,1987)所蔵本

チト気になる点があったので、本書の「従者吼雲」の項の前半を引くよ〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    /元禄丁の卯の年[←其角『雑談集』に誤りがあり丙寅が正しい由]、秋のなかば
    水上の月見んと、晋子[=其角]の師翁[=芭蕉]をすすめて澄田河に舟いだし、
    清光にさをさして、各句作を窺ひけるに、仙花が従者半四郎といへるもの、艫の
    かたに酒あたためなんどしてありけるが、ふと心にうかびしままの一詠を吐きて、

      名月は汐にながるる小舟かな

    翁を始め、諸人のかつ感じ、かつ恥ぢて句作をば止めたり。それより後は吼雲と
    渾名して、半四郎とは呼ばざりけるとなり。・・・

其角や仙花が師の芭蕉を誘い隅田川に船を出して月見の句を詠んでたら船の艫[とも]の方でお酒を
温める雑用をしていた仙花の従者が「名月は汐に流るる小舟哉」と詠んだので一同は感心したという
話は中山義秀『芭蕉庵桃靑』(中公文庫,1975)も井本農一『芭蕉入門』(講談社学術文庫,1977)も
紹介してるが、チト気になるのは、この折に秀句とされる芭蕉の「名月や池をめぐりて夜もすがら」
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-11-04 )も詠まれたという点(@_@;)
吼雲(半四郎)の句の「名月」とは「小舟」に見立てているので三日月と思われるけど、芭蕉の句の
「名月」は「池をめぐりて」とあるので円い満月のはず(@_@;) 和歌的解釈に過ぎるかなぁ(@_@;)

ちなみに、『古本説話集』は貴族が和歌を詠む話に加えて「・・・木こり(第十八[&三十八])、
東人(二十二)、乞食(二十四)、貧女(三十三)、侍(四十)、郡司(四十四)等低い身分の人が
歌をよむ話をとり上げる。」と高橋貢(全訳注)『古本説話集(上)』(講談社学術文庫,2001)が
記している通り、和歌に貴賤はない(^_^;) 『古今和歌集』の仮名序には蛙ですら詠むとあるし(^_^;)

八代集に先立つ『万葉集』において〈また月を「船」に見立てて「月の船」と表現する。大空を海に
たとえての発想である。〉と島田良二「八代集における月について」(森本元子編『和歌文学新論』
[明治書院,1982⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-12-02 ])が指摘(^_^;)
杏子「星のかけらを探しに行こう」に「舟はもう銀河に浮んでる」とあるが月とは書いてない(^_^;)

藤原行成の日記『権記』の長保3年(1001年)8月12日条に「・・・盃酒の饗宴が行なわれた。人は
多く酩酊した。・・・晩方、・・・退出した。・・・月に乗って帰ってきた。」とあり(同書122頁)、
「月に乗りて、帰り畢んぬ」(国際日本文化研究センター「摂関期古記録データベース」の訓読文)
の出典はやっと判明したけど(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-08-08 )、
藤原行成が酒に酔ってたため〈月の船に乗って帰って来たよ〉の意で記したのならヨリ雅趣が(^_^;)
タグ:和歌 俳諧 列伝
コメント(10) 
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コメント 10

df233285

良くわかりませんが、小舟を前方から見た形を、
感覚的に月齢10日(陰暦11日)前後の月に、準えて
いるんでしょうかね。今の暦の9月頃の旧暦4日月
(三日月)は、へびつかい座あたりでおとめ座の太陽
に照らされるので、京都だと漢字の月形に立っていて
沈没する形になり、中秋名月頃の歌会だと、船に
準えにくいのかもしれないと、漠然と思いました。
by df233285 (2022-11-05 21:44) 

middrinn

ベネチアのゴンドラのような形で、
三日月が小舟を真横から見た感じ
かと小生は想像してました(^_^;)
御説によると江戸での句会だった
こともポイントなんですね(^_^;)
by middrinn (2022-11-06 06:15) 

df233285

2つ前訂正します。×京都→〇北半球の日本付近の緯度
誠に失礼しました。m(__)m
by df233285 (2022-11-06 07:45) 

middrinn

「汐にながるる」とあるので「小舟」
=月は少し傾いてるのかも(^_^;)
by middrinn (2022-11-06 07:59) 

そら

和歌を詠めたらいいなぁって思う時が時々あります、秋ですかねぇ(^^)
そういや、オリックス優勝おめでとうございます!!!
by そら (2022-11-06 08:23) 

middrinn

俳句が簡単かもしれませんよ(^_^;)
季語を入れれば、考えなければなら
ない文字数が更に減りますし(^_^;)
来年はついに阪神がアレかも(^_^;)
by middrinn (2022-11-06 08:42) 

爛漫亭

 季語として「名月」は旧暦八月十五夜の月という決まりではないですか?
by 爛漫亭 (2022-11-06 11:22) 

middrinn

ナルホド!( ̄◇ ̄;) そうなると、満月を「船」ではなくて
「小舟」と表現したのが、小生にはチト解せませぬ(@_@;)
芭蕉らが乗っていたのが「汐にながるる小舟」だったのかも
しれませんが、それなら「名月や」と詠んでたはず(@_@;)
夜空の広大さに満月も「汐にながるる小舟」なのか(@_@;)
by middrinn (2022-11-06 15:34) 

tai-yama

今の墨田川に名月は映されないだろうな・・・
杏子と言えばBARBEE BOYS(古い)。中学生の時だ・・・・
by tai-yama (2022-11-06 23:57) 

middrinn

ナルホド!( ̄◇ ̄;) 月が隅田川に映って「汐にながるる」と( ̄◇ ̄;)
by middrinn (2022-11-07 06:07) 

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