221019読んだ本【バカチン】
読み漁り読み耽って学業成績低下は読書人の鑑(^o^)丿 あれだけの大ヒット作を書けた所以か(^_^;)
【読んだ本(バカチン)】
野村胡堂『胡堂百話』(中公文庫,1981)所蔵本
『銭形平次捕物控』で有名な野村胡堂(あらえびす)は、「田舎の村長」だった父が「手当り次第に
買い集め」た「蔵書の山」を読み漁り読み耽ったことを本書の「半世紀の執念」で語るv( ̄∇ ̄)ニヤッ
「四書五経から軍記もの。さては絵本太閤記から黒岩涙香の翻訳小説まで。」「雑書の乱読」により
尋常小学校で2番だったのが高等科では60人中57番まで下がったため父は町から古本屋を呼んで「小説
や草紙など柔らかいもの」は全部売ってしまった( ̄◇ ̄;) 「私は泣きながら、はだしで追っかけて、
北上川の渡し場で、地団駄ふんで、古本屋の袖に武者ぶりついた。」(´;ω;`)ドナドナ… ちなみに、
この一文は『平家物語』巻第三「足摺」の鬼界が島での俊寛の描写を意識したものかと(⌒~⌒)ニヤニヤ
残ったのは「固い本だけ」なので、やがて母からお小遣いをせびり、町の本屋に行って1冊2冊と買い
集めた由(;_;)
・・・おもに翻訳小説だった。岩見重太郎や八犬伝は、すでに卒業していたから
でもあるが、翻訳ものの世界の方が、くらべものにならぬほど、おもしろかった
からであった。中でも、昆太利物語には、夢中になった。/主人公のコンタリー・
フレミング(これを昆太利・布令民と書いてあった)が悪玉たちの計略におちいり、
いろいろと艱難辛苦するが、知勇をふるって政敵を倒し、父の大臣を助けて外務次官
となり、花のベニスで美しい令嬢と結ばれる。岩窟王などと同類項の冒険痛快小説
なのである。/その昆太利が、政敵と、いよいよ対決の場面まで読み進んだ時、
この本もまた取り上げられてしまった。古本屋へ売られたわけでないが、二度と
私の手に帰って来ない。/さあ、私は、眠られない。昆太利は、果して外務次官に
なれるだろうか。相思の美女はどうなったか今から思えば、馬鹿な心配だと思うけれど、
本当に読書のとりこになった人だけが、この執念は、分ってもらえるだろう。/
何十年かたって、東京の古本屋で同じものを見つけた時、一議に及ばず買い取って
今も私の本箱にある。奥付を見ると「明治二十三年十一月発行。原著者ビーコンス・
フィールド伯。訳述者、福地源一郎」。/
大昔に読んだ時の付箋(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-10-16 )は最後の
一文に貼られているが、モチ福地桜痴ではなく、偉大で魅力的な宰相ベンジャミン・ディズレーリに
興味・関心があるから(^o^)丿 尾鍋輝彦『最高の議会人グラッドストン』(清水書院清水新書,1984)
からチト興味深い件を引くv( ̄∇ ̄)ニヤッ
・・・/外国旅行から帰ったかれは、二冊の小説の原稿を仕上げていた。その一つ
である『コンタリーニー=フレミング』の筋は、スウェーデンの大政治家の息子が、
文芸の世界に身を投じて、文学史上に不朽の名をとどめようか、それとも政界に出て
現世の名声を得ようかと迷うというのであり、それはそのままディズレーリの内心の
迷いを表現したものであった。/・・・
・・・/ディズレーリも明治人の関心のなかにあった。今から一〇年ほど前、東京
青山の古書店に、一一巻より成るディズレーリの文学作品集が並んでいた。明治の
大政治家、伊藤博文の子、伊藤文吉の旧蔵書であった。/・・・
さて、さて、さ~て!同書巻末の「グラッドストン年譜」によると『コンタリーニー=フレミング』は
1832年に出版されており、A・デュマ(新庄嘉章訳)『モンテ=クリスト伯 5』(講談社文庫,1975)
巻末「年譜」によると『モンテ=クリスト伯』は1844~1845年に書き上げられたそうだから、「岩窟王
などと同類項の冒険痛快小説」というよりも〈岩窟王などに先立つ冒険痛快小説〉が正確かと(^_^;)
・鬼界が島に残された俊寛が地団駄を踏む章段「足摺」、実は駄洒落が仕込まれていたヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-05-07
・梶原正昭&山下宏明(校注)『平家物語(一)』(岩波文庫,1999)は『平家物語』研究者のくせに
某論文を見逃してたらしく文庫化の際に内容面がアップデートされてないぞオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-12
・びっくりして泣き出した後、「良い子になりますわ」とつぶやくヴィクトリア女王に萌え(〃'∇'〃)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-10-14
【読んだ本(バカチン)】
野村胡堂『胡堂百話』(中公文庫,1981)所蔵本
『銭形平次捕物控』で有名な野村胡堂(あらえびす)は、「田舎の村長」だった父が「手当り次第に
買い集め」た「蔵書の山」を読み漁り読み耽ったことを本書の「半世紀の執念」で語るv( ̄∇ ̄)ニヤッ
「四書五経から軍記もの。さては絵本太閤記から黒岩涙香の翻訳小説まで。」「雑書の乱読」により
尋常小学校で2番だったのが高等科では60人中57番まで下がったため父は町から古本屋を呼んで「小説
や草紙など柔らかいもの」は全部売ってしまった( ̄◇ ̄;) 「私は泣きながら、はだしで追っかけて、
北上川の渡し場で、地団駄ふんで、古本屋の袖に武者ぶりついた。」(´;ω;`)ドナドナ… ちなみに、
この一文は『平家物語』巻第三「足摺」の鬼界が島での俊寛の描写を意識したものかと(⌒~⌒)ニヤニヤ
残ったのは「固い本だけ」なので、やがて母からお小遣いをせびり、町の本屋に行って1冊2冊と買い
集めた由(;_;)
・・・おもに翻訳小説だった。岩見重太郎や八犬伝は、すでに卒業していたから
でもあるが、翻訳ものの世界の方が、くらべものにならぬほど、おもしろかった
からであった。中でも、昆太利物語には、夢中になった。/主人公のコンタリー・
フレミング(これを昆太利・布令民と書いてあった)が悪玉たちの計略におちいり、
いろいろと艱難辛苦するが、知勇をふるって政敵を倒し、父の大臣を助けて外務次官
となり、花のベニスで美しい令嬢と結ばれる。岩窟王などと同類項の冒険痛快小説
なのである。/その昆太利が、政敵と、いよいよ対決の場面まで読み進んだ時、
この本もまた取り上げられてしまった。古本屋へ売られたわけでないが、二度と
私の手に帰って来ない。/さあ、私は、眠られない。昆太利は、果して外務次官に
なれるだろうか。相思の美女はどうなったか今から思えば、馬鹿な心配だと思うけれど、
本当に読書のとりこになった人だけが、この執念は、分ってもらえるだろう。/
何十年かたって、東京の古本屋で同じものを見つけた時、一議に及ばず買い取って
今も私の本箱にある。奥付を見ると「明治二十三年十一月発行。原著者ビーコンス・
フィールド伯。訳述者、福地源一郎」。/
大昔に読んだ時の付箋(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-10-16 )は最後の
一文に貼られているが、モチ福地桜痴ではなく、偉大で魅力的な宰相ベンジャミン・ディズレーリに
興味・関心があるから(^o^)丿 尾鍋輝彦『最高の議会人グラッドストン』(清水書院清水新書,1984)
からチト興味深い件を引くv( ̄∇ ̄)ニヤッ
・・・/外国旅行から帰ったかれは、二冊の小説の原稿を仕上げていた。その一つ
である『コンタリーニー=フレミング』の筋は、スウェーデンの大政治家の息子が、
文芸の世界に身を投じて、文学史上に不朽の名をとどめようか、それとも政界に出て
現世の名声を得ようかと迷うというのであり、それはそのままディズレーリの内心の
迷いを表現したものであった。/・・・
・・・/ディズレーリも明治人の関心のなかにあった。今から一〇年ほど前、東京
青山の古書店に、一一巻より成るディズレーリの文学作品集が並んでいた。明治の
大政治家、伊藤博文の子、伊藤文吉の旧蔵書であった。/・・・
さて、さて、さ~て!同書巻末の「グラッドストン年譜」によると『コンタリーニー=フレミング』は
1832年に出版されており、A・デュマ(新庄嘉章訳)『モンテ=クリスト伯 5』(講談社文庫,1975)
巻末「年譜」によると『モンテ=クリスト伯』は1844~1845年に書き上げられたそうだから、「岩窟王
などと同類項の冒険痛快小説」というよりも〈岩窟王などに先立つ冒険痛快小説〉が正確かと(^_^;)
・鬼界が島に残された俊寛が地団駄を踏む章段「足摺」、実は駄洒落が仕込まれていたヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-05-07
・梶原正昭&山下宏明(校注)『平家物語(一)』(岩波文庫,1999)は『平家物語』研究者のくせに
某論文を見逃してたらしく文庫化の際に内容面がアップデートされてないぞオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-12
・びっくりして泣き出した後、「良い子になりますわ」とつぶやくヴィクトリア女王に萌え(〃'∇'〃)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-10-14
ブックオフが野村胡堂の当時あったらたいへんな事に。
(おこずかいでかなりの本買えるし)
by tai-yama (2022-10-19 23:55)
遊びほうけて成績落第だとあまりよくないイメージがありますが、本を読み漁り読み耽った結果成績落第だとそんなイメージはなかなか持たれないですね。むしろ褒められるなんてこともありそうです(^^;)
by ナベちはる (2022-10-20 00:58)
ブックオフは、ネット相場を反映してるらしく、
tai-yama様、そんなに安くないですよ(^_^;)
ブックオフの110円のを買い集めて読んでたら、
「野村胡堂」は誕生しなかったような(^_^;)
by middrinn (2022-10-20 06:26)
ナルホド(^_^;) たしかに、読書には、
ナベちはる様、いいイメージが(^_^;)
読書量が学業成績に悪い意味で反映した
のはイメージを裏切りましたね(^_^;)
by middrinn (2022-10-20 07:20)
・・・で。何処にバカチンマークが??
by df233285 (2022-10-20 07:47)
本文末尾の「正確かと」の後に付きますけど、
文字数の関係で最近は付けないことも(^_^;)
by middrinn (2022-10-20 08:16)
成績は内緒ですが
うちの息子も子供の頃はお小遣いをもらうと本ばかり買い
それが溜まりに溜まって漫画から文庫本、小説やらなんやら
家から独立する時が大変でした(^^;
by 美美 (2022-10-20 17:03)
成績は落ちなかったでしょうけど、野村胡堂の父親のような
ことはしなかったので、「大変」だったわけですね(^_^;)
by middrinn (2022-10-20 17:41)