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211108読んだ本

読書の厄介なところは、Mの人にはたまらんだろうなぁと思わせる文章である〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)
批判する側は感情的になったら負け( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚ 罵詈雑言は知性の無い証拠オホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)

【読んだ本】

北山茂夫『万葉群像』(岩波新書,1980)所蔵本

本書の「第一章 近江宮廷の額田王」の書き出しからして、ちょっと手厳しいよねぇ((;゚Д゚)ヒィィィ!

    /額田王は、すぐれた歌をいくつかのこしただけではなく、大海人(天武)との恋、
    またのちに天智天皇との関係からもたいへん有名な女人であります。そのために、
    現代の通俗作家の小説のヒロインにもされています。それがテレビのドラマとなり、
    いつのまにかその影響をうけて、彼女の歌からではなく、現代の興味本位の読物や
    ドラマによって、人々は、額田王のイメージを胸にえがきがちになっています。
    わたくしは、それらを見て、ずいぶんでたらめだとおもうのですが、いかに史料を
    あさっても、彼女の伝記史料がすくなく、断片的です。そこに、放恣きわまる
    フィクションがはいりこむすきがあるのです。/・・・

「通俗作家」「興味本位の読物やドラマ」「ずいぶんでたらめ」「放恣きわまるフィクション」と、
冷静な口調で淡々と畳み掛けてくるところが却って凄み(怒り?)を感じさせるかとヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

    ・・・/額田王について、彼女が巫女として宮廷の神事にたずさわったのではないか、
    とある学者が推察していますが、それをうらづける史料はまったく見つかりません。
    さきにのべた、大海人、ついで天智との親密な関係からいって、その仮設は成立しない
    でしょう。彼女のすべての作品をよく味わえば、いっそう巫女ではありえなかったこと
    がわかります。/・・・

「まったく」が萌えポイントだし、最後の一文は「よく味わえ!」という命令オホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!
この「ある学者」は誰だろ(@_@;) 犬養孝『万葉の人びと』(新潮文庫,1981)も「熟田津に」の歌
を取り上げた件で「この額田王という方は、いわゆる巫女、シャーマン的な存在であった人じゃない
だろうかといわれる説がある。この説は、大勢の方から支持を受けていますが、私もそういう存在で
あったんじゃないかと思います。」と述べてて、誰なのか明らかにはしてくれないんだよね(@_@;)

    ・・・/また、ある人は、彼女を采女として見ようとしていろいろ書きたてています。
    采女は、もともと地方豪族がその娘を服属のしるしとして宮廷にいれたのであって、
    王族の娘が采女になったという例をわたくしはまったく知りません。この臆説も
    史料上の根拠がすこぶる薄弱だといわねばなりますまい。/・・・

文章は下手だけど、「として見ようとしていろいろ書きたてて」の叩きつけるような「て」の連射は
高橋名人やゲームセンターあらしを髣髴・・ヘ(__ヘ)☆\(^^; 「まったく」「臆説」「すこぶる薄弱」
にMの人は萌え萌えだったりして(^_^;) この「ある人」とは、直木孝次郎『日本の歴史2 古代国家
の成立』(中公文庫,1973)が〈こうしたところから、国文学者の谷馨氏は、額田女王はきさきや夫人
として宮廷に召されたのではなく、「采女的」地位──地方豪族から奉られる采女よりはずっと高い
地位ではあるが──において宮廷の神事・遊宴に奉仕する女性であろう、と推測している。たしかに
額田女王はそうした特異な地位にあった女性と思われる。〉(ちなみに、直木孝次郎は「采女的」の
「的」の部分を強調している)と記している「国文学者の谷馨」のことで合ってるのかしら(@_@;)

    ・・・/学者によっては、この[額田王と大海人皇子との間の有名な]相聞歌は、
    宮廷での宴席で披露されたのではないかと推測する人もいます。仮説としては
    興味なくもありませんが、それをうらづける根拠は何一つ見つかりませんし、
    しいてそうしなくても、詞書に従って受容した方が、相聞歌の内容にふさわしく、
    それを活かすことになりましょう。わたくしは、同時代または後代の第三者が
    付したこの詞書を尊重したいとおもいます。/・・・

この「宮廷での宴席で披露されたのではないかと推測する人」とは、水谷千秋『女たちの壬申の乱』
(文春新書,2021)136頁が「池田弥三郎・山本健吉」と教えてくれ、同書252頁によると、山本健吉&
池田弥三郎『万葉百歌』(1963年)の由(@_@;) この二人ならば、北山茂夫の方にヨリ軍配(^o^)丿

北山茂夫『日本の歴史4 平安京』(中公文庫,1973)は何回か批判し、特に在原業平に関する間違いは
鬼の首を取ったように批判も(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-03-27 )、
北山茂夫の本書の批判スタイルを見習って、淡々と書くべきだったかな〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
タグ:列伝 歴史 和歌
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

「ある学者」と書いてあるけど実は自分のことだったり(笑)。
「アル学者」と書いてあれば中国人風。
by tai-yama (2021-11-08 23:02) 

yokomi

透明人間薬が発売されたら、ご一同様で彼の年代へタイムのマシンで取材に行きましょう(^_^)v
by yokomi (2021-11-09 00:08) 

ナベちはる

作者からしたら、批判する側を感情的にさせたら勝ち…なのかもしれませんね。
by ナベちはる (2021-11-09 01:33) 

middrinn

「デアルカ」と冷た~い目線を浴びせられながら
tai-yama様は信長公に言われるあるよ(^o^)丿
by middrinn (2021-11-09 07:53) 

middrinn

yokomi様、お一人でどーぞ(ノ゚ο゚)ノ
by middrinn (2021-11-09 08:17) 

middrinn

痛い所を突かれた場合などは、とりわけ、
ナベちはる様、感情的になるかと(^_^;)
by middrinn (2021-11-09 08:26) 

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