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230814読んだ本

ネタは沢山あれど記事原稿ストックはナシオン主権でその日に読んで調べたことを書くだけ_φ( ̄^ ̄ )

【読んだ本】

淸水龍山(閲)音馬實藏(譯)『國譯扶桑隱逸傳』(平樂寺書店,1930)所蔵本

    ・・・遂に老を古曾部に終ふ。將に死せんとするとき自ら多年の吟稿を取りて。
    深く土中に埋む。/

『扶桑隠逸伝』中巻の「能因」の末尾を本書の訳で引いたけど(以下の引用も含め漢字の字体は一部
異なる)、目崎徳衛『平安文化史論』(桜楓社,1968)所収の「能因の伝におけるニ、三の問題」や
藤岡忠美(校注)『新日本古典文学大系29 袋草紙』(岩波書店,1995)、はたまた尾崎雅嘉(著)
古川久(校訂)『百人一首一夕話(下)』(岩波文庫,1973)にも見当たらぬ情報なんだが(@_@;)
著者の元政上人による賛には次のようにある(@_@;)

    /賛に曰く。余嘗て金龍寺の僧の需[もとめ]に憑[よつ]て。能因が傳一卷を
    艸[さう]す。博[ひろ]く捜[さぐ]り旁[あまね]く索[もと]めて。
    筆削粗[あらあら]備れり。頃[このごろ]又敗册[はいさく]の中を探りて。
    其稿を埋むの事を得たり。是に於て自ら捜索の至らざることを惜む。昔林和靖。
    僧佚老[いつろう]。皆嘗て稿を留めず。此れ蓋[けだし]名根の枯槁[こかう]
    せるに由りてなり。只後死[こうし]の者の考ふる所なきことを奈[いかん]せん。
    能因が此事太[はなはだ]奇なり。必ず當[まさ]にこれを取りて以て彼艸
    [かのさう]を補ふべし。/

この『扶桑隠逸伝』は江戸時代に著されたものゆえ、平安時代の能因法師に関しては『袋草紙』以上
の情報は出てこないと思っていたから意外(@_@;) これが史実かどうかはモチ判らんけど(@_@;)
「林和靖」は北宋の詩人の林逋のことで、wikiの「林逋」の項の〈一生仕えず廬のそばに墓を造り、
「司馬相如のように封禅書を遺稿として用意してはいない」と詠み、国事に関心がないことを自認し
ていた。〉という逸話のことを指しているのかしら(@_@;) 「僧佚老」は誰のことだろう(@_@;)
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

政治への文句とか自分の境地とかに対する公開や文句等を
まとめて土中に埋めようとしたのかな?
私も自分のブログは死ぬ間際には土中に埋めたひ(笑)。
by tai-yama (2023-08-14 23:06) 

df233285

さいたまで、電車のぶる下がりで今日見たんですが。
日能研という学習塾が小学6年生の私立中学進学者
を対象に、算数の受験問題を調べて、電車の広告で
「四角い頭を丸くする」等という表題で難問を紹介
しているんですが。今月号の逗子開成中学の入学
試験問題を見たら、私には√625が判らないと、
解けない問題でした。普通の平方根は、今でも
中学3年程度で指導しろと、さる国の文科省は
決めているようにweb上に記事が有りますが。
その国のナシオシ主権のうち少なくとも文科の担当
関係は、実効支配地域が、上の本文の用法で言う、
無しオシ主権の一種なのではないかと疑われました。
そう言えば辺の長さが24、7、25の三角形も、
直角三角形だったんですね。
by df233285 (2023-08-15 00:06) 

ナベちはる

ネタがあれば、その分書きたいこともどんどん浮かんでくるのでストックは必要ないですよね。
by ナベちはる (2023-08-15 01:50) 

middrinn

「多年の吟稿」とあるので和歌の未完成稿や習作かと(^_^;)
「都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白川の関」の歌を、
tai-yama様、実際に奥州に行って詠んだと思わせるために、
しばらく家に引き籠もっていたという有名な説話があるので、
既に完成しているのに未発表だった和歌もあるのかも(^_^;)
亡くなった後に隠していた妻子が現れて書き継いだり(^_^;)
by middrinn (2023-08-15 05:26) 

middrinn

「四角い頭を丸くする」、懐かしいですね(^_^;)
長さん様、電車内の広告も激減しましたね(@_@;)
by middrinn (2023-08-15 05:55) 

middrinn

そうなんですけど、温めている間に更にアイデアが浮かんで、
ナベちはる様、記事にすると長文化するので大変です(^_^;)
特に夏はノートパソコンが発する熱でマジで大変です(+_+)
by middrinn (2023-08-15 06:55) 

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