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220221読んだ本

2022年に読んだ本の中で一、二を争う面白さだったぉ(^o^)丿ヾ( ̄o ̄;)オイオイまだ2月なんだけど?
ちなみに大河ドラマはもう何十年と視ていない( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚ 電気代を節約するため(ノ_-;)トホホ…

【読んだ本】

奥富敬之『吾妻鏡の謎』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー,2009)

読了(^o^)丿 清水克行『室町は今日もハードボイルド 日本中世のアナーキーな世界』(新潮社,2021
https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-02-01 )に劣らぬ知的面白さだった(^o^)丿
叙述が随筆風な感じなので研究余滴っぽく、内容は学術的なのに読み易かった(⌒~⌒)

    ・・・/義時についてだけでも、以上のように『吾妻鏡』は嘘を吐いているのだから、
    時政、泰時等々に関しても、『吾妻鏡』が嘘を吐いている可能性は大きい。『吾妻鏡』
    は決して寝転んで鼻唄まじりで読むような本ではない。/・・・

と本書135頁にはあったけど、本書は「寝転んで鼻唄まじりで読」める(^_^;) 「とにかく『吾妻鏡』
には嘘が多い。それを見つけるのも、『吾妻鏡』を読む楽しみでもある。」(本書142頁)とあって、
その「楽しみ」を分け与えてくれるから(⌒~⌒) 『吾妻鏡』の記述の「嘘」だけでなく、鎌倉時代
や鎌倉幕府に関する説明が目から鱗だったり知識を正せたりで勉強になったし、愉しかった(⌒~⌒)
例えば、「石橋山合戦」の「海と陸」という見出しの節(本書21~23頁)においては「西国が基盤の
平家は海、つまり船に慣れており、東国の源氏は陸、つまり騎馬に秀でている」(本書21頁)として
「海の平家、陸[おか]の源氏」という語があるけれど、「しかしこれは事実だったであろうか。」
(本書21頁)と疑問を呈した上で、本書21~23頁(@_@;)

    ・・・/石橋山合戦で源氏方と平家側とに分かれて戦った相模武士の所領を調べて
    みると、次のようだった。

      源氏方

     土肥実平──土肥郷(湯河原町)/・・・/・・・

    このほかに三浦一族があるが、ほぼすべてが海岸近くに所領があった。

      平家側

     大庭景親──大庭御厨(藤沢市大庭)/・・・/・・・

    これはまた、ほぼすべてが相模国の内陸に所領があった。/このようにみてくると、
    少なくとも石橋山合戦では、〝海の源氏、陸の平家〟ということになる。/ちなみに
    石橋山合戦に破れた頼朝たちは、海路、安房国に向かった。当時のことだから、
    海岸線に沿って渡航したはずである。陸上にいた平家勢からも見えたかもしれない。
    しかし平家勢は、海路、頼朝たちを追撃するということはなかった。ほぼ同じ頃、
    三浦一族は衣笠城を脱出して、同じく海路、安房国に向かっていた。これまた平家勢に、
    追撃されるということはなかった。/・・・

どうして「追撃」しなかったのか不思議に思ってたから、思わず起き上がって正座しちゃった(^_^;)
ただ、あくまでも相模国の武士団に限っての論証だし、同合戦に参加した伊豆国の武士団を見ると、
「源氏方」の北条氏や仁田氏等は「内陸」、「平家側」の伊東氏は「海岸近く」なんだけどね(^_^;)

    『吾妻鏡』の謎

     二代将軍頼家/三代将軍実朝/初代頼朝の評価/北条得宗家の評価/
     源氏将軍と北条得宗家の評価の違い/『吾妻鏡』が主張したかったこと/
     執筆者は誰か/諏訪氏と金沢流北条氏/文永三年で終わっている理由

    頼朝挙兵

     挙兵前後の齟齬

      朝駈けのはずが夜討ち/友軍を拒んだ洪水/

     石橋山合戦

      海と陸/目代退治

     富士川合戦

      『吾妻鏡』の記す富士川合戦/富士川合戦の史実/

     墨俣河合戦

      「溺死者三百」の謎/水手・船の動員/

    創業者頼朝

     頼朝の兄弟たち

      悪源太義平/中宮進朝長/嫡子頼朝/義門/同母弟希義/蒲冠者範頼/阿野全成/
      卿公義円/源九郎義経/

     頼朝の落胤

      島津忠久/大友能直/法印貞暁/安達景盛/

     頼朝を狙った刺客

      鶴岡八幡宮の大男/建築現場の片目の人夫/怪しげな僧侶/

     御門葉と准門葉

      源氏受領/御門葉/御門葉の特権/准門葉/大江広元/毛呂季光/下河辺行平/
      結城朝光/将軍家の藩屏/頼朝死後の御門葉/

    鎌倉幕府の草創

     源源合戦と平平合戦

      佐竹氏討伐/新田氏の動向/平家軍の下向と迎撃軍の発向/
      信太義広・木曾義仲の反旗/信太義広・足利忠綱の挙兵/木曾義仲和睦/
      「源源合戦」/「平平合戦」/

     二人制

      使者は常に二人/文士と武士の二人/その他の二人制/幕府の二人制/

     鎌倉幕府の組織原理―─一揆と独歩

      鎌倉幕府の性格/「独歩」の思い/「一揆」の用例/「独歩」の罪状/
      鎌倉幕府は東国武士たちの一揆/鎌倉幕府の成立時期/悪口の罪/

     有力御家人の排除―─平均化政策

      上総介広常誅殺/誅殺の理由/広常のふるまい/東国武士の独立性/
      安田義定・義資の誅殺/一条忠頼の誅殺/有力御家人「族滅」の実態/

    実朝暗殺

     実朝暗殺事件と鶴岡二十五坊

      実朝暗殺現場/共犯はいたのか/共犯とされた僧たち/二十五坊の供僧出自/
      平家の後裔たち/

     『吾妻鏡』の嘘

      実朝暗殺の動機/黒幕は誰か/『吾妻鏡』の記述/『愚管抄』の記述/事件の真相/
      『吾妻鏡』の作為/義時に関わる作為/実朝の首の行方/『吾妻鏡』以外の異説/
      義時死亡の記事/二位法印尊長の逮捕/義時毒殺説/

    都市鎌倉と武士

     鎌倉中

      閭巷[りょこう]と村里/鎌倉中/鎌倉中騒動/鎌倉中からの追放/
      鎌倉中立入禁止/鎌倉中の僧侶/都市化の進展/保に分割/北条得宗家の支配/
      支配の実態/

     鎌倉の四境と塔ノ辻

      稲瀬川/四角四境祭/鎌倉の四境/西南方面への膨張/塔ノ辻/

     銭貨と東国武士

      銭の病/交換経済の東国/貨幣流通の停止/東国でも貨幣流通/
      陸奥国にも及ぶ/頼朝挙兵時の状況/

     鎌倉武士の作法

      御前宴会の乱闘/御方討の罰/主君の甲冑の身に着け方/

    『吾妻鏡』と北条氏

     北条朝直の愛妻

     北条時頼の廻国伝説

      北条時頼の廻国/『増鏡』の記事/摂津国の尼公/謡曲「鉢の木」/
      廻国の期間と回数/廻国否定説/水戸光圀の廻国/巡検使の派遣/
      北条貞時の「廻国」/得宗専制と不遇者の期待/

     『吾妻鏡』記事脱漏の謎

      記事脱漏/脱漏している年/写本の伝来と再編/脱漏の理由/
      『吾妻鏡』執筆の基本方針/脱漏年の検討/

    後記[吉川弘文館編集部]

北条泰時(義時の子)が、北条時房(義時の弟)の四男で大仏流北条氏の初代の北条朝直を婿に迎え
ようとし、時房夫妻も賛成してるのに、朝直が愛妻(伊賀光宗[伊賀ノ方陰謀事件で連座]の娘)と
別れたくなくて断わり続けているという話を藤原定家の日記『明月記』から引いてて面白かった(^^)
朝直が泰時の娘との結婚を拒み出家の準備までしているという続報まで記すほど興味津々な定家にも
笑える(^_^;) 約4年後、ついに圧力に抗しきれなかったのか、朝直は泰時の娘と結婚して男子を得た
ことは『吾妻鏡』から判るけど、他の史料によると、後にその泰時の娘は名越流北条光時に再嫁し、
朝直も「愛妻」の姪にあたる足立遠光(「愛妻」の兄)の娘と結婚した由(゚ロ゚;) 俄然、朝直に関心を
持っちゃうけど、奥富敬之が「それにしても『吾妻鏡』は、何故、朝直の再婚関係について沈黙して
いたのだろうか。やはり泰時の押しつけがましい様子や強引さは伏せておきたかったのかもしれない。
とすれば、ほぼすべてが『吾妻鏡』によって形成されている泰時のイメージは、もう一度考えなおさ
ねばなるまい。朝直事件は隠されていた泰時の性格のある一面をかなりの程度まで示しているからで
ある。」(本書179頁)と「北条朝直の愛妻」の節を〆ていたのは『吾妻鏡』の「嘘」を「見つける」
という目的に囚われてしまった結果のようにも思えなくもない〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

・『吾妻鏡』の「白河関以東」は『魏志倭人伝』の方角と同様に以北が以東になったのかな(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-02-16

・『吾妻鏡』の記事脱漏の「頼朝不名誉死、家康破棄説」を論破した「書誌学者」近藤重蔵( ̄◇ ̄;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-02-17

・頼朝を狙う刺客より「徴発された人夫」の「幕府御家人社会と畿内近国との習慣の違い」(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-02-20
タグ:歴史
コメント(8) 
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コメント 8

tai-yama

房総の有力御家人は源氏方なので・・・。四国とかに逃げていたら
間違いなくOUTだった気がしたり。吾妻鏡は北条氏の検閲が入って
いたんだろうなと思ったり。
by tai-yama (2022-02-22 00:05) 

ナベちはる

大河ドラマ、作品名は何度か聞いても実際に見たことは…状態です(汗)
by ナベちはる (2022-02-22 01:18) 

yokomi

大河ドラマを安い電気代で見る方法(^_^)v
NHKプラスなら1週間いつでもどこでも無料で見ることが出来ますから、それをタブレットとかスマホ、小さなパソコンで見ることで電気代はテレビよりかなりお安く(^_^;)
by yokomi (2022-02-22 02:49) 

middrinn

安房には三浦氏の勢力が及んでいたとはいえ、
tai-yama様、頼朝主従も三浦一族も、ともに
安房に渡ったのは計画通りな可能性が(^_^;)
by middrinn (2022-02-22 05:07) 

middrinn

大河ドラマを話題にする人が多いので、
ナベちはる様、肩身が狭いです(^_^;)
by middrinn (2022-02-22 05:25) 

middrinn

ナルホド(^_^;) ただ、そこまでして、
yokomi様、視る価値があるか(^_^;)
by middrinn (2022-02-22 05:30) 

df233285

吾妻鏡というは電気屋さんのマイクロソフト
の仕事宣伝のようなもので。メモ帳の保存時の
「メインメモリーいっぱいで、保存動作出来ません」
のバグの一件を理解すると、「北条朝直の愛妻」
の節の如くに、「嘘」を「見つけ」られるという
事ですね。ちなみにwin7のメモ帳を使ってブログ
原稿を書き、win10パソコンへは外付けfpd
(USB)でフロッピーディスク経由コピーをしてssへ
アップロードしている私は、このメッセージがバグ
なの昨日まで知らずに。現行保存してからだったけど、
win7のコンパネ開いてリソースモニターで、
クライアントプロセス(だったかな)を止めたら、
windows7が異常暴走して、pc止まって
しまった。警告ではなくて機械壊し誘導ですよね。
もう1000回位見たことあるけど、この嘘つきが!
なお原稿書いてから「すべて選択」「コピー」をメモ
帳内で実行して「シカト終了」すると、99.999%
「バグの嘘メッセージ」だが、0.001%の確率で、
狼少年パターンで原稿消えるのは防げるのだそうですね。

by df233285 (2022-02-22 07:57) 

middrinn

クロームの新しいタブを開くのにも時間がかかるようになってきたので、
気休めかもしれませんが、数日前から保存してあった画像とかどんどん
整理、てゆーか、削除してPC内を軽くしようと努めております(^_^;)
by middrinn (2022-02-22 08:10) 

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