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210905読んだ本

読書の厄介なところは、何でも擬人化して解釈してしまうことである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
動物等の行動・仕草を人間心理に当てはめて理解しようとするよねぇ〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

【読んだ本】

中田祝夫(全訳注)『日本霊異記(上)』(講談社学術文庫,1978)所蔵本

助けた亀に救われるといった亀の報恩譚の説話は多いらしいが、岡本綺堂『中国怪奇小説集 新装版』
(光文社文庫,2006)に載っていた『捜神後記』の「白亀」の結末の次の件が好き(〃'∇'〃)

    ・・・亀はむかしの恩人を載せて、むこうの岸まで送りとどけ、その無事に
    上陸するのを見て泳ぎ去ったが、中流まで来たときに再び振り返って
    その人を見て、しずかに水の底に沈んだ。/

海音寺潮五郎も「綺堂先生に感謝する」という序文で同件を〈・・・至妙の文章である。とりわけ、
「中流まで来たとき」以下など、何ともいえないほどよい。〉と高評してるし、萌えポイント(^o^)丿

本書を読んでると、『日本霊異記』上巻に「亀の命を贖ひて放生し、現報を得て亀に助けられし縁」
という話があって、売られてた四匹の亀を買い取って海に放してやった弘済禅師が、賊に船から海に
飛び込むよう言われた直後のシーンを本書の現代語訳で引く(⌒~⌒)

    ・・・そこで弘済禅師は仕方なく、願を起して、それからおもむろに海の中に入って
    行った。水が腰の深さぐらいまでつかった時、ふと脚に石が当たっているように思えた。
    そこで夜明けの光で見ると、亀の背の上にいるのであった。弘済禅師は亀の背に乗って
    広島県の海岸あたりまで送られた。亀は頭を三べん下げて去っていった。これはおそらく
    放してやった亀が恩を返したのであろう。/・・・

『捜神後記』の亀ほど萌えないけど、「亀は頭を三べん下げて去っていった」というのは可愛い(^^)

にしても、助けたのは四匹なのに恩返しに来たのは一匹だけ、また「其の亀三たび領[うなづ]きて
去る」の「頭を三べん下げ」た行為には、どのような意味があるのだろうか(@_@;) 残念なことに、
残りの三匹やこの行為について、本書同話の解説は触れていないし、語釈も取り上げてない(-ω-、)

同じ訳注者の中田祝夫(校注・訳)『新編日本古典文学全集10 日本霊異記』(小学館,1995)49頁の
「其の亀三たび領きて去る」に付した頭注26は次の通りで、残りの三匹については言及せず(@_@;)

    三拝の意で、三たび礼する気持を表したのであろう。

小泉道(校注)『新潮日本古典集成 日本霊異記』(新潮社,1984)は「その亀、三つ領[ゐ]て去り
ぬ」の頭注21(同書49頁)は次のように解釈している(@_@;)

    その亀は(禅師を背から下ろし)、三匹の亀をひきつれて波間に去った。「領」は、
    『[金剛般若経]集験記』『[日本]書紀』の古訓にヰル・ヒキヰル。合計四匹の数
    により、放生した亀と確認されよう。「領」をウナヅクと訓む説があるも、無理。

出雲路修(校注)『新日本古典文学大系30 日本霊異記』(岩波書店,1996)は「其の亀三[みたび]
頷[うなづ]きて去る」(同書19頁)の「三頷きて去る」の脚注24(同書20頁)は次の通り(@_@;)

    幽明録「廻顧而去」。「その亀、三つ領(ゐ)て去りぬ」として、その亀は禅師を
    背から下ろして三匹の亀をひきつれて波間に去った、と解し、四匹の亀を助けたので
    四匹が禅師を救済に来た、とする小泉道の説がある。その説に従うならば、たんに
    「三領」とだけある本文にじつに多くの内容を読みとる必要が生じる。

原田敏明&高橋貢(訳)『東洋文庫97 日本霊異記』(平凡社,1967)は原文も訓読文も無い現代語訳
のみで、当該件(同書24頁)は何故か次のように訳されている(^_^;)

    ・・・四匹の亀は頭を下げて去った。・・・

『日本霊異記』を東洋文庫本で読んじゃダメということ(^_^;) 今更だけど、講談社学術文庫本だけで
読むのも危険(^_^;) 原文は新編日本古典文学全集本と新日本古典文学大系本が収録している(⌒~⌒)
新潮日本古典集成本の巻末の「付録」の「古代説話の流れ」の本話の項に「・・・なお、助けられた
亀が放生者を背に乗せてその危難を救うという同型の先行類話は中国にある。・・・『捜神後記』
所収話が本説話にもっとも近いから、本話に影響を与えたか(寺川真知夫「花園大学国文学論究」九
号論文)。・・・」(同書369頁)とあった_φ( ̄^ ̄ )メモメモ 『今昔物語集』巻19の30話は本話を基に
しているらしいけど、そこまで調べる余力はナシオン主権(^_^;) 恩人、しかも禅師に対して、亀まで
「三拝」するというのは仏教説話らしいけど、残り三匹を説明する「小泉道の説」も捨て難い(^_^;)
とりあえず、疑問に感じた専門家がいて論点となってるのが分かり満足〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
タグ:中国 古典 説話
コメント(8) 
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コメント 8

爛漫亭

 わたしもウミガメの子供を海岸に放した
ことがあります。何回か振り向きながら海へ
入り、たよりなげに泳いでいきました。
なんとか生き延びていればよいのですが・・・。
by 爛漫亭 (2021-09-05 22:25) 

tai-yama

弘済禅師を載せた亀はきっと「かめへん、かめへん」と関西弁を
口にしながら去ったのかも。ミドリガメも助けたら恩返しして
くれるのかな?
by tai-yama (2021-09-05 23:14) 

ナベちはる

動物と人間は違うので、擬人化して…というのは少し(?)違いますよね(- -;)
by ナベちはる (2021-09-06 01:01) 

middrinn

亀は万年と言いますしね、放生されたことに対して、
爛漫亭様に何かしてあげる機会を待ってるかも(^^)
by middrinn (2021-09-06 06:12) 

middrinn

( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 「かめへん、かめへん」座布団1枚 ♪
tai-yama様も、亀を助けてあげれば、竜宮城でお姫様に(^o^)丿
by middrinn (2021-09-06 06:13) 

middrinn

はたして、動物等が人間と同じような気持ちに、
ナベちはる様、なるのか分かりませんし(^_^;)
by middrinn (2021-09-06 06:15) 

df233285

亀は大きくなると可愛くないので、商売人は古代から子亀しか
売らない。店先に1匹だけ出しているとも思えない。特定の亀を
ひいき・差別して助けたのでは話しに迫力がない。それを一族
で成長した別の成亀が、助けられた子亀から話を聞いて恩人を
助けたのかもしれないですね。亀の成長、さほど速くないですし。
記事数2000件達成おめでとうございます。管理人様のブログを
現215件差で後を追っている当方も、出来る限りはがんばりたい。
厳密には、たま~に息抜き記事書いて2件/日にしているので、
数十件に1件程度、差が縮んでます。
by df233285 (2021-09-06 07:30) 

middrinn

流石、説得力ある御推論ですね(^^) 売られていたのは「大亀」とあるので、
御推論に従うなら、大きくなってしまったので叩き売りしてたのかも(^_^;)
貴ブログの毎日更新が励みとなって小生も何とか更新しておりますm(__)m
by middrinn (2021-09-06 07:43) 

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