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210627読んだ本

読書の厄介なところは、ちくま学芸か岩波、どちらかが誤読・誤訳なことである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)
どちらが誤読・誤訳でも構わなくてよオホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)ヾ( ̄o ̄;)オイオイ高みの見物せず判定しろ!

【読んだ本】

源顕兼(編)伊東玉美(校訂・訳)『古事談 上』(ちくま学芸文庫,2021)所蔵本

説話集『古事談』を読む際にチト留意しなければならない点があることを川端善明&荒木浩(校注)
『新日本古典文学大系41 古事談 続古事談』(岩波書店,2005)巻末の川端善明「『古事談』解説」で
知ったが、例えば、その「二 方法 (1)抄録」に次の件(同書862~863頁)があるヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

    /『古事談』の説話採録の基本的な方法は、先行文献に改変を加えず忠実に抄録し、
    編者[=源顕兼]の評語の類一切を加えないことと了解されている。・・・/
    そのとき、先行文献への顕兼の態度として第一に言わねばならぬことは、既に
    指摘されてもいる(例えば礒水絵氏)のように、先行に対するその無批判性である。
    例えば先行が持つ誤りはおよそ正されることがないであろう。『中外抄』上巻一四話
    を原拠とする二巻五話は、道長と伊周が同車して行く先を「一条摂政」とする。
    [『中外抄』の語り手の藤原]忠実の言い違えか[『中外抄』の筆録者の中原]師元
    の聞き誤りか、「一条左大臣」とあるべき『中外抄』の誤りが踏襲されているのである。
    ・・・

「誤り」があっても、そのまま「抄録」してしまうなんて、源顕兼はデマを拡散・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
余談だが、本書は「二巻五話」=「道長、伊周の駿牛の由緒を聞き遁走の事」で、「一条摂政」とは
藤原伊尹のことだが一条左大臣源雅信と「混同していると思われるので、訳はそれ[=一条左大臣]
に従う。」と「注」記し、「評」も「ちなみに本話の典拠『中外抄』上一四で」云々とあるだけで、
「混同」が『中外抄』に元々あったのか『古事談』で生じたのかが判らぬというスカスカぶり(^_^;)

本題に戻ると、川端善明は更に次の指摘をしている(同書862~863頁)(@_@;) なお、引用に際して
傍点及び返り点は省略しているm(__)m

    ・・・/単なる誤りという以上に、先行への無批判性が表現の性質に及ぶことがある。
    円融院の紫野遊宴を描く一巻一五話は[藤原実資の日記]『小右記』に依るのだが、
    その文中に一人称代名詞「余」、官人を意味する一人称の「下官」の語が何度か
    見られるのは、『小右記』における実資自称の代名詞の残存である。これは原拠に
    忠実などという次元の問題ではない。少なくとも三人称的な冒頭を以て書き始められた
    文章にありながら、あたかも未定稿のようにみえるまでの、批判の無さしかない。
    その宴の終りに禄を賜わった実資の拝舞がある。

      余執禄被之、拝舞之間、失礼太多

    その拝舞に失錯があった、拝舞の間に礼式に外れることがあった、更にはこの有名な
    宴遊に何らかの欠陥があった、と、いわば三人称性の文章理解でこれを解するならば
    正しくない。『小右記』の本来においてそれは、むしろ実資の謙遜の辞なのである。
    実資の拝舞は、余裕をもって謙遜してみせられるほど、人目に見事だったであろう。
    /・・・

同書26頁の脚注3でも、「拝舞」とは「禄を賜わった時、天皇・上皇に謝意を表して行う所作」のこと
と解説した上で、〈「失礼云々」は、本来小右記にあって実資自らの謙遜の表現。〉と付言している
ように、同書は「禄を賜わった」のは藤原実資であり、藤原実資はソレに対する謝意として「見事」
な「拝舞」をしたのだが、藤原実資は「失礼太多」と「謙遜」してみせた、と読み解く(@_@;)

ところが、本書の巻第一「王道后宮」の一五「円融院、子の日の御幸の事」の当該件の訳は(@_@;)

    ・・・/[円融上皇らが]紫野にいる時、内裏から花山天皇のお使い右近少将
    [藤原]信輔が遣わされ、ご機嫌をうかがわれる。すぐに上皇の御簾の外に召して
    円座を賜り、使いは天皇からのお言葉を申し上げる。わたくし[=藤原実資]は、
    褒美を手にして信輔に被け与えた。信輔は拝舞したが、いろいろと不手際があった。
    ・・・

・伊東玉美(校訂・訳)『古事談』は注釈がスカスカのカスなんだよヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-05-27

・『新日本古典文学大系41 古事談 続古事談』は一見よく調べてるようで実は手落ちがある(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-05-29

・「ポルノグラフィティの要素」だと∑( ̄ロ ̄|||)ニャンですと!?日本のロックバンドの名称(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-07
タグ:歴史
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

源顕兼さんにとっては「誤り」ではなく「事実」なのかも。
by tai-yama (2021-06-27 22:40) 

ナベちはる

いろいろな人の目で確認してから出版されるはずなのに、誤読や誤訳はありますよね…
by ナベちはる (2021-06-28 01:27) 

middrinn

明白な「誤り」もあるので、もし「事実」と思ってたなら、
tai-yama様、源顕兼にもバカチンしてやらないと(^_^;)
by middrinn (2021-06-28 05:59) 

middrinn

そうですよねぇ(^_^;) 加えて、先行訳がある場合、
ナベちはる様、誤訳はフツーありえません(^_^;)
by middrinn (2021-06-28 06:01) 

そら

歴史と言うのは筆者の見解な訳ですよね
と言う事は正解は無いと言う事なのかなぁ(^^;
by そら (2021-06-28 06:47) 

middrinn

史実に合致した見解が正解かと(^_^;)
明らかになる史実もありますし(^_^;)
by middrinn (2021-06-28 07:16) 

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