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210514読んだ本

読書の厄介なところは、ベストセラーリストに驚いてしまうことである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

【読んだ本】

辻村明『戦後日本の大衆心理』(東京大学出版会,1981)所蔵本

戦後30年のベストセラー300冊を分析した章、勝手に読書ガイドとして使ってるよん(〃'∇'〃)テヘペロ
「第5章 戦後日本のベストセラー(Ⅱ)──変化の相(上)──」の「第1節 笑い」から引く(^_^;)

    ・・・試みに、「笑い」を内容としたベストセラーのリストを作ると、次のようになる。

      石坂洋次郎『石中先生行状記』(四九年9位)
      源氏鶏太『三等重役』(五二年6位)
      佐藤弘人『はだか随筆』(五四年5位、五五年1位)
      福島慶子『うちの宿六』(五五年5位)
      三島由紀夫『不道徳教育講座』(五九年3位)
      北杜夫『どくとるマンボウ航海記』(六〇年3位)
      藤島茂『トイレット部長』(六〇年5位)
      郡司利男『国語笑字典』(六三年8位)
      北杜夫『どくとるマンボウ青春記』(六八年1位)
      北杜夫『さびしい王様』(六九年6位)
      遠藤周作『ぐうたら人間学』(七三年2位)
      遠藤周作『ぐうたら愛情学』(七三年8位)
      遠藤周作『ぐうたら交友録』(七三年9位)
      あのねのね『あのねのね』(七四年6位)
      萩本欽一『欽ドン』(七五年4位、七六年9位)

    ・・・

『どくとるマンボウ航海記』は「第2節 旅」で取り上げ、『不道徳教育講座』以外の作品を分析する
本節であるが、小生の目が留まったのは福島慶子『うちの宿六』である〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    /これは著者の折にふれてのエッセイ集で、必ずしも「笑い」を主題としたもの
    ではない。福島繁太郎画伯の夫人として、画壇、文壇の有名人についての人物評や、
    イギリスやフランスに滞在したときの見聞記である。但し、本の表題にもなっている
    第一話「うちの宿六」は御主人の人柄を描いた人物評であるが、繁太郎氏が天性
    常識外れの行動が多かったようで、それが忠実に紹介されるだけで「笑い」が
    こみあげてくる。

      「いつぞや親しくしている家の夫人と対談中『一寸失礼、顔剃って来る』と
      席を立ち、暫くして半分だけ剃った顔で戻って来ました。『どうしたの、半分
      剃り残しているわよ』と夫人が注意すると『もう面倒臭いや』と平気でいるので
      『そんならなんだって今頃急に顔剃り出したの』と重ねてきくと『女の人の前で
      髯面じゃあ失礼だからさ』『あら、それで半分で義理を済ませたのね、ついでに
      気前よく全部剃ってらっしゃいよ、ヘンテコな顔になってるわよ』と、いくら
      促しても『もう飽きた』の一点ばりで、頑として動かず夫人も少々驚いていら
      しっ[ママ]たようです。/親類の家に泊った時、朝起きて顔を洗ったがタオル
      がありません。その家の主人は悪戯者で彼がどう始末するかと、わざとタオルを
      出さずに夫婦揃って物蔭から覗いていたのです。それとは知らぬ本人は悠々と
      顔を洗い、やがてタオルの無い事に気附き、あたりを見廻したあげく、平気で
      カーテンで顔をふいたと申します。/或日旦那様が風呂場で大声でどなっています。
      『オーイ誰だ! こんな穢い雑巾を風呂の中に落した奴は!』とがなり続けるので、
      スワ何事ぞと家族全員駆けつけると、トタンに静かになりモジモジしているので
      何がどうしたのかわかりません。よく見ると、自分の脱いだと思っていた靴下が
      まだ足の先にくっついていて、お湯の中でフラフラ漂うので、テッキリ雑巾と
      思い込み怒り心頭に発して、どなりながら件[くだ]んの雑巾をつまみ上げると
      ナントその雑巾が自分の足に半分はまっているので初めて靴下とわかり、
      シマッタ! と気がついた時は家中の顔が湯殿に並んでいたという次第です」。

    芸術家には奇行にとむ人が多いが、たくまざるところが面白い。/ 
   
「画壇、文壇の有名人についての人物評」となると『うちの宿六』を読んでみたくなるが、そもそも
福島繁太郎は「画伯」ではなく画商である(^_^;) 美術評論家でもあったけど、「芸術家」には含まれ
ないだろ(^_^;)ヾ( ̄o ̄;)首長も「医療従事者に準ずる」と宣う御仁もおられるから準芸術家かも!
タグ:随筆
コメント(4) 
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コメント 4

ナベちはる

首長が「医療従事者に準ずる」なら、画商も「芸術家に準ずる」と言えそうですよね…言ってしまっていけないような気もしますが(^^;
by ナベちはる (2021-05-15 01:37) 

middrinn

画商が自らを「芸術家に準ずる」とか言ったら、
画家の人たちから白い目で見られそう(^_^;)
by middrinn (2021-05-15 05:33) 

tai-yama

タオルが無く、カーテンも近くになかったら靴下で顔を拭いたり(笑)。
by tai-yama (2021-05-15 19:04) 

middrinn

( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 座布団1枚 ♪ てゆーか、
tai-yama様が旅先でやってそう・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
by middrinn (2021-05-15 19:34) 

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