SSブログ

210515読んだ本

読書の厄介なところは、5000円以上で使える500円クーポンがチラつくことである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)
今月31日までのを「HMV&BOOKS online」がくれたけど、んな余裕はねーんだよオリャ!!(ノ`△´)ノ ┫:・'∵:
前みたいに3000円以上で使えるクーポン1000円分プレゼントなら、考えてやってもいいぞ( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚

【読んだ本】

戸板康二『あの人この人 昭和人物誌』(文春文庫,1996)所蔵本

続けて、「円地文子のごひいき」を読んだけど、とにかく好意的に書いてるので、どの人物も魅力的
に感じられ、円地文子もモチ例外ではない(^^)

    ・・・/竹西[寛子]さんも、円地さんの信頼する若い作家だが、その国文学の学殖を
    ことにみとめていた「ごひいき」であると同時に、たのもしい存在だったと思われる。/
    円地さんは五年半の歳月を経て、六十七歳の時、「源氏物語」を完訳した。この仕事は、
    小説とは別なライフ・ワークになったのだ。/この訳業に教示を受けたという京大の
    玉上琢弥教授と会う席を、円地さんはこの旅行の時に設けた。円地さんのこれも、
    ごひいきの学者といえるだろう。/「源氏」は、与謝野晶子のとは全くちがう、いわゆる
    円地源氏を作ろうとしたので、注釈書も広く目を通してはいるが、解釈のし方や人物の
    描き方は口語訳でなく、創作と呼んでもいいだろう。既成概念とちがう女性像が、
    たびたび示される。/・・・

恥ずかしながら、円地文子の作品は一つも読んだことない(^_^;) それにしても、どうして女流作家が
次々と『源氏物語』の現代語訳化に取り組むのか、不思議(@_@;) それだけ『源氏物語』には魅力が
あるということなのか、出せば必ず売れるコンテンツとして出版社の指嗾によるものなのか(@_@;)
そもそも、新しい訳を出すということは、先行訳に欠点や不満があるということだしヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
『源氏物語』の読解には和歌に関する該博な知識が不可欠で、各注釈書もチト頼りな~いことを先日
指摘したけど、円地文子の和歌に関する造詣はどれほどのものなのだろうか(@_@;) 気になるのは、
百目鬼恭三郎『現代の作家一〇一人』(新潮社,1975)の「円地文子」の項には次の指摘が( ̄◇ ̄;)

    /円地文子というと、ふつう、古典の教養の豊かな作家、また、女の妄執を
    描く女くさい作家、と思われている。が、ほんとうにそうなのか。/円地は、
    国語学者上田万年の愛嬢で、幼時から古典に親しんだことは事実である。しかし、
    円地自身も書いているように、少女時代に彼女がもっとも親しんだのは、
    有朋堂文庫の「八犬伝」や、近松、南北らの戯曲であったらしい。してみると、
    円地の文学の素地になっているのは、「源氏物語」など古典の繊細優雅な世界
    であるというより、むしろ、江戸町人文学の荒唐無稽で残虐な美の世界である、
    といったほうが正しいのではあるまいか。/そうでなくては、円地の破格の語法、
    たとえば、「ひび破れて砕ける」とか、あるいは、「アビリティ(能力)」を
    「可能性」と訳したりする自由、無造作な態度は、説明できないであろう。
    これは、町人文学の言語感覚なのである/・・・

そうだったら、むしろ『偐紫田舎源氏』の現代語訳化に取り組んだ方が向いてた・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
   
・「江戸川乱歩の好奇心」は御愛想と思ってたところ「翌日」「速達」なのが〈ちょっといい〉(^^)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-07

・「徳川夢声の話術」は古川ロッパが夢声の声帯模写をしてラジオ聴取者が気付かなかった話(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-11

・「有吉佐和子の笑い声」は彼女の推理小説の書評を頼まれるも「なぜこんなに下手なのだろう」(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-18

・「菊田一夫の博愛」は新聞社から公職追放についての情報が伝えられ菊田一夫の名前もあった(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-20

・「芥川比呂志の酒席」は初版本「羅生門」の末行が「下人の行方は、誰も知らない」に非ずと(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-24

・「小泉喜美子の博識」では歌舞伎にも詳しい推理小説家の才気煥発ぶりも巧みに描かれる(〃'∇'〃)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-29

・「三島由紀夫の哄笑」では戸板康二による解説の「これは三島氏の若書きであるが」に誤植( ̄◇ ̄;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-03

・「川口松太郎の人情」では「婚礼の披露宴」における川口松太郎のスピーチがマジで絶妙(〃'∇'〃)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-05

・「岩田豊雄の食味」は「獅子文六という筆名にしても、四四十六をもじったのではなく・・・」(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-11

・「古川緑波の冗句」の「昔の探偵小説は、悪人の姓が・・・何となく憎々しいのが多かった」由(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-15

・「伊馬春部のカメラ」の「誰から花をもらった、どこから酒を寄付された」と書くのはダメだろ(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-25

・「奥野信太郎の探求」、この中国文学者のことが好きになれぬエピソードまで紹介されてた(-ω-、)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-01

・「田辺茂一の大鞄」の田辺茂一が立川談志に与えた「巧は拙を蔵する」という言葉について(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-05

・「藤本真澄の映画」は「東京一淋しい男」(映画「裸の重役」の原作)のモデルが誰なのか(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-24

・「三宅周太郎の宗教」では「新聞劇評家に質す」という公開質問状のような評論が気になる(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-01

・「十返肇のアンテナ」の自称「軽評論」とは伊藤整『日本文壇史』に通じるものなのかなぁ(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-03

・「小宮豊隆の吉右衛門」でも言及の『漱石全集』より「主要近代文学全集一覧」を読みたいな(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-07

・「花森安治のスカート」は「ぜいたくは敵だ」「欲しがりません、勝つまでは」に関する伝説(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-14

・「寺山修司の国訛」では模倣小僧と呼ばれていたことなどはモチ本書には書かれてないけど(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-21

・「大谷竹次郎の劇場愛」では真山青果『平将門』を読みたくなったが(ノ ̄皿 ̄)ノナンデヤネン!┫:・

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-26

・「田村秋子の完全主義」だが、夫が戦死した上に「見世物」なんかにはされたくないよね(´ヘ`;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-30

・「川尻清潭のナイトキャップ」だが、近代文学の理解には歌舞伎の知識が必要オホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-05-07

・戸板康二の「ちょっといい話」シリーズ4冊から〈真・ちょっといい話〉を選りすぐってみた(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-12-27
コメント(10) 
共通テーマ:

コメント 10

ナベちはる

この手のクーポン、「一定金額以上」の「一定金額」がそれなりに高い値段で設定されているところが嫌らしいですよね(+o+)

買おうとするとそこまで値段が届かないから結局使えずじまい…悲しいです。
by ナベちはる (2021-05-16 01:20) 

middrinn

一割引きは大きいですが、5000円も大きいですね(^_^;)
まとめ買いしたとしても、たしかに、不足しそう(^_^;)
by middrinn (2021-05-16 05:10) 

アニマルボイス

円地文子の「源氏」の和歌は、現代語訳が見開きの最後にちょろっと載っているだけで、注釈などはなし。なので、○○が詠んだ歌に皆は感心したのだが、その後、源氏の歌が詠まれると皆はさらに感心し、前の歌は色褪せてしまった。てな感じですね。歌の理解なんてものは不可能なので、読者は、そういうものか、光源氏は歌も凄いんだなあと思うだけです。middrinn流には、それでは「源氏」を読んだことにならないという結論になるのでしょう。ただ、人間関係など全体の流れはわかるわけで、私は「円地源氏」を読んだと思っています。
円地さんは作家なので筆力はあり、六条御息所のところなどけっこう怖いですよ。
by アニマルボイス (2021-05-16 09:41) 

middrinn

ナルホド!( ̄◇ ̄;) 大変参考になりましたm(__)m おっしゃるような
『源氏物語』で登場人物による詠作として出てくる和歌よりも、むしろ
レトリック等として本文に埋め込まれた形で引かれている和歌(引歌)の
扱いが気になっております(^_^;) 例えば、「柏木」の巻には僧正遍昭の
「末の露本の雫や世の中の後れ先立つためしなるらむ」という有名な歌が
少なくとも3回は本文の中に溶け込んでるような形で引かれておりますが
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-18 )、
その歌意を踏まえた現代語訳になっているのかな、と(^_^;) 同ケースは
そんなに難しくないでしょうが、歌の一部を本文に組み込むことによって
意味の重層・複雑化を生じさせ、読者に余情・余韻をもたらす場合もあり、
そーゆー著者の意図も汲み取って味読するのが本来の古典の読み方とされ
てきたかと(^_^;) 円地文子の芝居の脚色(原作にない人物を登場させる)
の巧みさも本書は紹介してますし、六条御息所の件、読みたいですね(^^)
by middrinn (2021-05-16 11:20) 

ネオ・アッキー

middrinnさんこんにちは。
本は、色々なECサイトでご購入されているのですね。
クーポン等もあってお得な場合もあるのでしょうが、それが足枷になる場合もありますね。
by ネオ・アッキー (2021-05-16 14:00) 

middrinn

釣られて余計な出費をしたりしますからね(^_^;)
by middrinn (2021-05-16 14:34) 

Cazz

源氏物語はそれぞれ何か一言、言いたくなる作品なんでしょうか。
色々、読みましたが・・・私としては田部聖子さんの私本・源氏物語が一番、好きです。(パロディ?)
by Cazz (2021-05-16 15:12) 

middrinn

創作意欲を刺激するものが、『源氏物語』にはあるんですかね(@_@;)
同業者として、作者の紫式部に対する不満を意味してるのかも(^_^;)
田辺聖子の『私本・源氏物語』ではありませんが、『新源氏物語』なら、
百目鬼恭三郎の酷評を返信コメで引用・紹介したことがありますけど
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-11-21 )、
現代語訳というより改作で、もはや彼女の〈作品〉のようですね(^_^;)
by middrinn (2021-05-16 15:47) 

tai-yama

紫式部さんに批評してもらわないと、正解はでないかも(笑)。
玉上琢弥教授と全然違う解釈をしていたり・・・
by tai-yama (2021-05-16 23:12) 

middrinn

当時の読者の和歌の教養があれば解るかと(^_^;)
by middrinn (2021-05-17 05:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。