200823読んだ本
来月に買う予定の古本が買われちゃったヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ 同じ趣味の人がいると喜ぶべきなのか(@_@;)
【読んだ本】
繁田信一『殴り合う貴族たち』(角川ソフィア文庫,2008)所蔵本
本書は藤原実資の日記『小右記』の記述に基づいているのに、倉本一宏による同書の訳と比べると、
事実関係に異なる点があるし、脚色もしている感じだが、他に典拠とした史料あるのかな(@_@;)
人物の心理描写その他は省略して、ある事件についての話を本書から〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
・・・/長和二年(一〇一三)というと[藤原]能信はまだ十九歳になったところ
であったが、その年の三月三十日のこと、・・・/その日は「臨時祭」と呼ばれる
石清水八幡宮の祭礼が行われる日であり、朝廷からは石清水に向けて奉幣の勅使が
派遣された。そのため、平安京に住む多くの人々が、その祭使の行列を見物しようと、
大路のそこここに群がっていた。/そうした見物人の中には、前大和守藤原景斉・
前加賀守源兼澄・祭主大中臣輔親・前加賀守藤原為盛・高階成順朝臣・蔵人所雑色
源懐信といった貴族層の人々の姿もあった。むろん、行列を見物していたといっても、
貴族である彼らの見物は牛車の中からのものであった。/と、そこへ少納言藤原能信の
牛車が現れた。当然、能信の目的も行列の見物である。そして、能信の乗る牛車は、
景斉・兼澄・輔親・為盛・成順・懐信などの牛車が停まる付近に場を占めた。そのため、
景斉たち六人は、能信に近くで一緒に見物を楽しむことの許しを求めねばならなかった。
/もちろん、その場に後からやってきたのは能信の方である。しかし、彼の父親は
藤原道長だ。景斉たちにしてみれば、こんなところで御曹司の機嫌を損ねるわけには
いかなかった。・・・/ところが、能信に近くでの見物の許可を求めた貴族たちは、
許しをもらえるどころか、さんざんな目に遭わされることになった。/まず、
祭主輔親と雑色懐信とが、能信の従者たちの手で牛車から引きずり落とされた。/
・・・/その様子を見た前加賀守為盛および成順は、即座に牛車を捨てて逃げ出した。
・・・/だが、最も恐い思いをしたのは、前大和守景斉・前加賀守兼澄の両名で
あったろう。彼らが牛車に籠るという選択をしたためか、能信の従者たちは、
景斉・兼澄の乗る牛車に石をぶつけはじめたのである。・・・/しかも、
藤原実資の記録からすると、結局、景斉は牛車から引きずり出されてしまったらしい。
あるいは、投石の恐怖に耐えかねて自分から車を出てしまったのだろうか。そして、
その彼を能信の従者が打ち調じた。・・・/この事件を受けて、検非違使は
能信の従者の一人を逮捕した。・・・
では、倉本一宏編『現代語訳 小右記5 紫式部との交流』(吉川弘文館,2017)206~207頁の長和2年
(1013年)3月30日条の現代語訳から当該事件の件を引く〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
三十日、辛酉。 冷泉院・神泉苑の絵図を道長に送る/源顕基、昇殿を許される/
臨時祭還さの見物に車争
内豎が来て云ったことには、・・・/「前大和守(藤原)景斉・前加賀守(源)兼澄
・祭主(大中臣)輔親・前加賀守(藤原)為盛・(高階)成順朝臣・雑色(源)懐信が
見物していた際、少納言(藤原)能信も同じく見物していた。車が互いに近い
ということを述べて、祭主朝臣を曳き落とした。懐信、また為盛と成順朝臣は、
車から下りて走り逃げた。景斉と兼澄朝臣の車は、石で打たれた。景斉の従者常利を
打擲した。検非違使(源)頼国朝臣に預けて、禁固させた。頼国が舞人だったので
都合よく頼国に預けたものである」と云うことだ。・・・
勿論、倉本一宏の方が『小右記』を誤読(誤訳)している可能性もある〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
一応指摘すると、30日は事件のことが実資の耳に入った日で、「臨時祭」は前日の29日かと(@_@;)
・これぞ、ミステリー( ̄◇ ̄;) 殺人事件の犯人は、その約2年前に射殺されていたエッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-08-20
・「道綱にもいくらか歌才があった」と繁田評も当該歌は母の「代作または助力による作」ヾ(`◇´)ノ
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-06-25
・藤原道綱は名前しか書けず一字も読めないので恋の遣り取りも母に代筆・代読を頼んだのかも(@_@;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-08-15
・「まったくの別人」である小少将と少将を「まったくの別人のよう」と同一人物扱いの繁田信一(゚ロ゚;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-01-14
・繁田信一『殴り合う貴族たち』は『小右記』読みの『小右記』知らずヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-01-15
【読んだ本】
繁田信一『殴り合う貴族たち』(角川ソフィア文庫,2008)所蔵本
本書は藤原実資の日記『小右記』の記述に基づいているのに、倉本一宏による同書の訳と比べると、
事実関係に異なる点があるし、脚色もしている感じだが、他に典拠とした史料あるのかな(@_@;)
人物の心理描写その他は省略して、ある事件についての話を本書から〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
・・・/長和二年(一〇一三)というと[藤原]能信はまだ十九歳になったところ
であったが、その年の三月三十日のこと、・・・/その日は「臨時祭」と呼ばれる
石清水八幡宮の祭礼が行われる日であり、朝廷からは石清水に向けて奉幣の勅使が
派遣された。そのため、平安京に住む多くの人々が、その祭使の行列を見物しようと、
大路のそこここに群がっていた。/そうした見物人の中には、前大和守藤原景斉・
前加賀守源兼澄・祭主大中臣輔親・前加賀守藤原為盛・高階成順朝臣・蔵人所雑色
源懐信といった貴族層の人々の姿もあった。むろん、行列を見物していたといっても、
貴族である彼らの見物は牛車の中からのものであった。/と、そこへ少納言藤原能信の
牛車が現れた。当然、能信の目的も行列の見物である。そして、能信の乗る牛車は、
景斉・兼澄・輔親・為盛・成順・懐信などの牛車が停まる付近に場を占めた。そのため、
景斉たち六人は、能信に近くで一緒に見物を楽しむことの許しを求めねばならなかった。
/もちろん、その場に後からやってきたのは能信の方である。しかし、彼の父親は
藤原道長だ。景斉たちにしてみれば、こんなところで御曹司の機嫌を損ねるわけには
いかなかった。・・・/ところが、能信に近くでの見物の許可を求めた貴族たちは、
許しをもらえるどころか、さんざんな目に遭わされることになった。/まず、
祭主輔親と雑色懐信とが、能信の従者たちの手で牛車から引きずり落とされた。/
・・・/その様子を見た前加賀守為盛および成順は、即座に牛車を捨てて逃げ出した。
・・・/だが、最も恐い思いをしたのは、前大和守景斉・前加賀守兼澄の両名で
あったろう。彼らが牛車に籠るという選択をしたためか、能信の従者たちは、
景斉・兼澄の乗る牛車に石をぶつけはじめたのである。・・・/しかも、
藤原実資の記録からすると、結局、景斉は牛車から引きずり出されてしまったらしい。
あるいは、投石の恐怖に耐えかねて自分から車を出てしまったのだろうか。そして、
その彼を能信の従者が打ち調じた。・・・/この事件を受けて、検非違使は
能信の従者の一人を逮捕した。・・・
では、倉本一宏編『現代語訳 小右記5 紫式部との交流』(吉川弘文館,2017)206~207頁の長和2年
(1013年)3月30日条の現代語訳から当該事件の件を引く〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
三十日、辛酉。 冷泉院・神泉苑の絵図を道長に送る/源顕基、昇殿を許される/
臨時祭還さの見物に車争
内豎が来て云ったことには、・・・/「前大和守(藤原)景斉・前加賀守(源)兼澄
・祭主(大中臣)輔親・前加賀守(藤原)為盛・(高階)成順朝臣・雑色(源)懐信が
見物していた際、少納言(藤原)能信も同じく見物していた。車が互いに近い
ということを述べて、祭主朝臣を曳き落とした。懐信、また為盛と成順朝臣は、
車から下りて走り逃げた。景斉と兼澄朝臣の車は、石で打たれた。景斉の従者常利を
打擲した。検非違使(源)頼国朝臣に預けて、禁固させた。頼国が舞人だったので
都合よく頼国に預けたものである」と云うことだ。・・・
勿論、倉本一宏の方が『小右記』を誤読(誤訳)している可能性もある〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
一応指摘すると、30日は事件のことが実資の耳に入った日で、「臨時祭」は前日の29日かと(@_@;)
・これぞ、ミステリー( ̄◇ ̄;) 殺人事件の犯人は、その約2年前に射殺されていたエッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-08-20
・「道綱にもいくらか歌才があった」と繁田評も当該歌は母の「代作または助力による作」ヾ(`◇´)ノ
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-06-25
・藤原道綱は名前しか書けず一字も読めないので恋の遣り取りも母に代筆・代読を頼んだのかも(@_@;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-08-15
・「まったくの別人」である小少将と少将を「まったくの別人のよう」と同一人物扱いの繁田信一(゚ロ゚;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-01-14
・繁田信一『殴り合う貴族たち』は『小右記』読みの『小右記』知らずヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-01-15
タグ:歴史
買われてしまったのは残念ですねぇ(⌒-⌒; )
また、同じ本で「良い」が安く出てきますように(_ _)
お貴族様の息子・・・なんてご無体な(ー ー;)
by ニッキー (2020-08-23 21:21)
3600円+送料が買われてしまい、4000円+送料のが
「良い」の中で最安値になってしまいました(´ヘ`;)
by middrinn (2020-08-23 21:25)
藤原能信さんも居張り散らせるほど、安定した身分ではなかった
みたいで・・・平等院の頼通には勝てないし。
若かりし頃の海老蔵さんに近かったり。
by tai-yama (2020-08-23 23:43)
買う予定だった本を先に買われてしまったとは、悲しいですね…orz
by ナベちはる (2020-08-24 00:41)
どんな人なんだろう?なんて想像するのも面白いかと!
by そら (2020-08-24 06:32)
海老蔵は団十郎の座が約束されてたから、
tai-yama様、酌量の余地ナシかと(^_^;)
by middrinn (2020-08-24 06:42)
今月買う予定だったのですが直前で変更したので、
ナベちはる様、尚更、喪失感がありますよ(^_^;)
by middrinn (2020-08-24 06:45)
それは愉しそうですね(〃'∇'〃) 同じ趣味なら、
そら様、拙ブログをお読みの方だったり(^_^;)
by middrinn (2020-08-24 06:47)
御曹司は従者に命令したのでしょうか。命令しなくても外の騒ぎに気付いたはず。困った者ですね。同じ趣味の人がいると。買い物系では競争相手に(^_^;) ebayでは鳶に油揚をさらわれ...(>_<)
by yokomi (2020-08-24 11:43)
本書によると(前にも取り上げましたが)
藤原能信は乱暴者のようで、その従者も
そのカラーに染まってるのかも(^_^;)
by middrinn (2020-08-24 15:03)
お祭りを見るのにはやはり絶好の場所があるのですね。
良い場所取りたいなら、
朝はやくからご座でも敷いて(;´∀`)
家臣に場所取りさせといてぇ~ノ(;´∀`)ヽと言いたいわ。
【藤原能信】知らん人やけど(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾。
by mirro (2020-08-24 18:10)
会社の新人の最初の仕事が花見の場所取りなように、
仕え始めたばかりの従者とかにやらせますか(^_^;)
『源氏物語』でも葵祭だったか六条御息所と葵の上が
牛車の停める場所で争い(根底には光源氏をめぐって
ですけど)になってますから、女性同士でも((;゚Д゚)
by middrinn (2020-08-24 18:42)