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200508読んだ本

庭にあるハナイカダの鉢、花が咲いているのを今年は見逃さなかったよんヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪
植松黎(編・訳)『ポケットジョーク⑫ ファミリー』(角川文庫,1984)119頁「流された」(⌒~⌒)

    「わたくしどもの家系はヘンリー八世までさかのぼることができるんざあますわよ」
    お茶の会でひとりの女性が自慢たらしく、隣席のスワンに言った。「お宅の家系も
    お古いんでざんしょ。教えてくださいな」/「まあ、とんでもない」スワンは手を
    振った。「わたくし、まったく存じませんわ。うちの家系図は、あのノアの大洪水で
    失われてしまったんですもの」

このジョーク、応用すれば色々と使えるシーンがありそうな無敵艦隊な感じがする___φ( ̄^ ̄ )メモメモ

【読んだ本】

中野京子『名画で読み解く イギリス王家12の物語』(光文社新書,2017)所蔵本

読了(^o^)丿 イギリス王室の歴史を相変わらず面白く読ませる(⌒~⌒) 細かい間違いがあることは、
Amazonのレヴューで指摘されてるし、他にも歴史(世界史)のセンスが無いのではないかと疑わせる
ミスがあることを一昨日指摘(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-05-03
したばかりだが、中野京子は独文学者・作家であって歴史家ではないから仕方がない( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚
加えて、美術史家でもないため、名画の読み解きも薄っぺらい(ノ ̄皿 ̄)ノモットシラベテカケ!┫:・’.
本書は「名画で読み解く」シリーズの第四弾で、第一弾『名画で読み解く ハプスブルク家12の物語』
(光文社新書,2008)の「はじめに」では、「帝国はまた、多くの芸術作品の背景ともなってきた。
・・・絵画作品においても、デューラー、ティツィアーノ、ベラスケス、グレコといった天才たちが
絵筆をふるっている。本書は、それらの名画を読み解きながら、ハプスブルク帝国の一端をうかがう
試みである。」と記すも、本書は名画の読み解きなんかしてないエッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ? 12枚の扉絵から
例を挙げると、「第2部 ステュアート家」の「第5章 ポール・ドラローシュ『チャールズ一世の遺体
を見るクロムウェル』」の扉絵の解説を全て引くけど、名画を読み解いたとは言えないだろ( ̄◇ ̄;)
巻末の「本書で取り上げた画家(生年順)プロフィール」からも合わせて引くオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!

    ・・・/これら一連の[ピューリタン革命の]流れをもとに、十九世紀フランスの
    歴史画家ドラローシュが、王と革命家の関係をほぼ等身大のキャンパスに描き出した。
    『チャールズ一世の遺体を見るクロムウェル』(扉絵)がそれだ。棺に横たわる
    チャールズの特徴的なヒゲ、斬られた首のなまなましい血の跡、質素な服に身を包んだ
    クロムウェルの、複雑きわまりない表情……。・・・

    ポール・ドラローシュ(1797-1856) フランス・パリ生まれ。歴史画家として広く
    知られる。『ロンドン塔の王子たち』『レディ・ジェーン・グレイの処刑』

この作品・画家を小生イチオシ( https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-05-03 )の
高橋裕子&高橋達史『ヴィクトリア朝万華鏡』(新潮社,1993)は次のように解説するv( ̄∇ ̄)ニヤッ

    ・・・/ポール・ドラロシュはフランス・ロマン派の代表者の一人とされる画家だが、
    ルーベンスの鮮烈な色彩と流麗な筆致を継承したドラクロワとは対照的に、彼の絵は
    どんな大作でも十七世紀オランダ絵画を思わせるような入念な筆致で、細部まで克明に
    仕上げられており、様式の上ではむしろ写実主義の系譜に属している。写真の登場に
    動揺して「絵画は死んだ」と叫んだという不名誉な逸話ばかりが喧伝されているのは
    少々気の毒だが、これも写実に絶対の自信を持つ画家だからこその発言だった。本領は
    歴史画だったが、フランス史に取材した絵画は少なく、傑作の大半は《ジェイン・グレイ
    の処刑》をはじめ、国家買い上げになった《エリザベス女王の死》(一八二七年)や
    版画化を通じて非常な人気を呼んだ《ロンドン塔の二人の王子》(一八三一年)など、
    英国史の主題で占められている。/ユゴーの史劇『クロムウェル』に霊感を得て制作
    された《チャールズ一世の棺の前のクロムウェル》もその好例である。ピューリタン革命
    (清教徒革命、一六四二~六〇年)で斬首刑に処されたチャールズ一世の遺骸と、
    反乱の先頭に立ち、王の死後「護国卿」の肩書でイギリスの独裁者となったクロムウェル
    との対峙が孕む強烈な緊張や、恐ろしいほどの臨場感は、この絵が博した大成功を見事に
    説明してくれる。こうした英国史のエピソードはフランス人にも広く親しまれていた。
    当時のフランスは十八世紀後半のケルト神話(伝オシアン作、マクファースンによる翻案)
    の大流行とシェイクスピアの再評価、そしてバイロンやスコットといった同時代詩人の
    国際的名声によって築かれた前代未聞のイギリス・ブームの真最中だったからだ。
    それにしても何故ドラロシュの描く英国史の血腥い絵画にフランス人たちは熱狂的な喝采
    を送り続けたのだろうか。/その主たる理由は、・・・

「絵画を通してヴィクトリア朝を眺めてみようとした」というコンセプトは本書とも共通するけど、
この画家の特徴・仏絵画史における位置・逸話から作品の制作経緯・特色・背景・ヒット理由まで、
余すところなく解説(^^)v 『ヴィクトリア万華鏡』を耽読した後に本書のスカスカな記述を読むと
まるで気が抜けたサイダーや融けたアイスクリームの類いとしか感じられないわなC= (-。- ) フゥー

メインとなる12枚の扉絵以外にも、挿絵として多数の作品が本書には掲載されていて有意義だけど、
それらの作品の中にも『ヴィクトリア万華鏡』や君塚直隆『肖像画で読み解く イギリス王室の物語』
(光文社新書,2010)で取り上げられているのが結構あり(両書とも本書の「主要参考文献(日本語
のみ)」には挙げられていない)、その解説を読み比べると、本書の方が浅かったりする(-ω-、)

「第3部 ハノーヴァー家」の「第10章 フランツ・ヴィンターハルター『ヴィクトリアの家族』」で、
「光あるところに翳[かげ]。貴族や新興ブルジョワが地位と黄金をかき集める傍ら、庶民の生活が
いかに哀れだったかは、ディケンズがリアルに描いているとおりだ。いや、現実は小説を上回る。
・・・ヴィクトリアの治世は、イギリスにおける当時最長の六十四年にわたる。ここにもまた光と翳。
治世前半の明るさ、後半の暗さが際立つ。」という本文の記述に関連して掲載されたと思しき作品を
そのキャプションとともに引く(^_^;)

             貧困のためオーストラリアに渡る夫婦を描いた
             『イギリスの見納め』
             フォード・マドックス・ブラウン画
             1852-1855年

「夫婦」としてるのは、中野京子がこの作品をよく観てないか、『ヴィクトリア万華鏡』「第十四章
新天地への脱出 フォード・マドックス・ブラウン《英国の見納め》」を読んでない証拠(ノ_-;)ハア…
同書は、1850年代初頭に急激な増加が見られた移民の多くは農民か農民から都市労働者に転じた人々
であったが、「まず第一に空腹を満たすことを考える無教育な人々とはまったく異なる強い絆で祖国
と結ばれている」中産階級出身の若夫婦がこの作品の主役であることをブラウン自らが解説している
とした上で、この作品を次のように読み解いている( ̄◇ ̄;)

    ・・・/ほぼ円形の画面(若干縦長である)の前景一杯に、若いカップルの姿がある。
    夫は視線を落として物思いに耽っている。その沈鬱な表情には挫折感が漂い、新天地
    での生活にも決して希望的観測を抱いていないようだ。妻帯者としての責任感が、
    いっそう彼の思いを暗くするのかもしれない。しかし、妻の方は、やはり憂い満ちた顔
    をしているものの、目を上げて遠ざかってゆく故国を見つめるその様子には、夫よりも
    積極的な姿勢が感じられる。ブラウン自身が解説しているように「妻の苦悩は夫ほど
    深刻なものではなく、娘時代の友人たちと別れるのが悲しいといったところだろう。
    真にかけがえのない愛の対象は、彼女とともにあるのだから」。彼女は片手で夫の手を
    支えるように握り、もう一方の手で、マントの下に抱いている幼いわが子の手を握って
    いる。一家はこれから妻であり母であるこの女性の力によって、苦難を乗り越えていく
    ことになるのだろう。移民というアクチュアルな問題を取り上げた《英国の見納め》は、
    「家庭の天使」、あるいは「聖母マリア」というヴィクトリア朝の理想的女性像を描いた
    絵でもある。そういえば、円形画面というのはルネサンス期のイタリアで、聖母子や
    聖家族を描いた宗教画にしばしば用いられた形式である。この作品はブラウンと彼の時代
    の人々にとって、「聖家族のエジプトへの逃避」の現代版でもあったといえるだろう。/
    ・・・

《英国の見納め》で聖家族を連想できるとは、流石、専門家(美術史家)だ∑( ̄ロ ̄|||)ニャンと!?

検索面倒なので個人的インデックス「中野京子と美術史家とで作品解説が異なる例」_φ( ̄^ ̄ )メモメモ

『名画の謎 旧約・新約聖書篇』(文春文庫,2016)~ブリューゲル《バベルの塔》

  ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2016-07-24
  ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-04-25

『名画の謎 旧約・新約聖書篇』(文春文庫,2016)~ボッティチェリ《東方三博士の礼拝》

  ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2016-07-25

『名画の謎 旧約・新約聖書篇』(文春文庫,2016)~カラヴァッジョ《聖マタイの召命》

  ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2016-07-26

『名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語』(光文社新書,2008)&『怖い絵 泣く女篇』
 (角川文庫,2011)&『怖い絵』(角川文庫,2013)~ベラスケス《黒衣のフェリペ四世》

  ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-01-08

『名画に見る男のファッション』(角川文庫,2016)~フェルメール《地理学者》

  ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-09-25
コメント(18) 
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コメント 18

ニッキー

さりげなく「ノアの洪水」という言葉が出てくるなんてスゴい(°_°)
よし、私も今度家系を聞かれたら「ノアの洪水」って言ってみよう*\(^o^)/*→思いっきり平坦な日本人顔だけどw
きっと笑ってくれるに違いない( ^ω^ )
by ニッキー (2020-05-08 20:58) 

middrinn

ノアの方舟も圭太様を載せたら重みで沈ん・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
「大」が欠落してたので、すみません、修正しましたm(__)m
by middrinn (2020-05-08 21:09) 

df233285

うちのハナイカダは、マテバシイの日陰が更にきつくなってきたので、
さすがに勢いが鈍って来て、たぶんですが、まだ咲いてません。
by df233285 (2020-05-08 21:44) 

ナベちはる

ハナイカダが咲いているのを見ると、ほっこりしますね(*´▽`*)
by ナベちはる (2020-05-09 01:38) 

middrinn

咲いているのは、一部の枝ので、
長さん様、蕾(?)すらない葉も
あり、その違いは謎です(@_@;)
by middrinn (2020-05-09 05:39) 

middrinn

葉っぱのど真ん中に小さ~く咲いていて、
ナベちはる様、可愛いですしね(〃'∇'〃)
by middrinn (2020-05-09 05:41) 

mimimomo

おはようございます^^
ハナイカダが咲いた所を確認できてよかったですね。雄株?雌株?
それとも両方あるのかしら。

ジョークの上手い人って凄いね~ちょっとこれは嫌味っぽいけれど。
by mimimomo (2020-05-09 06:32) 

middrinn

一つしかついてないので雌花でしょうかね(´・_・`)
落ちないよう大~きな葉っぱのど真ん中に、しかも
独りっきりでぽつねんとして可愛いですね(〃'∇'〃)
相手がヘンリー八世までなどと言うからかも(^_^;)
by middrinn (2020-05-09 06:55) 

df233285

訂正。私のコメの"たぶんですが、まだ咲いてません。”は間違い。
隣家の庭を向いて居て日の当たる葉だけ6~7枚葉の上で咲いてます。
ハナイカダの咲き不咲きは、日当たりによる個別の葉の延びの差かと。

by df233285 (2020-05-09 07:47) 

middrinn

ナルホド( ̄◇ ̄;) 拙宅の鉢も、木陰に置いているのですが、
咲いている枝の葉っぱだけ木漏れ日があたってました(^^)
by middrinn (2020-05-09 07:50) 

cooper

ノアの洪水、日本に置き換え云うと 何ていえばスマートかしら?
ご訪問いただいたブログ 読みづらい状態でゴメンナサイ。
作成し直しました。
by cooper (2020-05-09 09:09) 

middrinn

そーなんですよ(^_^;) 応用すれば、と書きましたけど、
日本の場合、歴史上のソレらしき広範囲にわたる出来事が
思い付きません(^_^;) 拙ブログは毎回読み辛そう^_^;
紫や青の落ち着いた色は五月っぽい感じですね(〃'∇'〃)
by middrinn (2020-05-09 09:23) 

YURI

こんにちは。よくある「ウチは戦争で焼けてしまいまして」、よく聞いてみたら応仁の乱だったというやつ、本当に聞いたことがあります。その人の実家は京都の有名なお寺でしたが。本当に言われると、ぐうの音も出ませんでした。
by YURI (2020-05-09 13:00) 

middrinn

近衛文麿の発言が元ネタとされてますけど、実際に使ってる人がいたとはヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
by middrinn (2020-05-09 13:31) 

たじまーる

ヴィクトリア朝、ブルボン王朝、ハプスブルグ家
英仏ハプスブルグ帝国(オーストリア帝国)等など
この辺の世界史で登場する用語を聞くとテンションあがります(*^^*)
近世ヨーロッパが私が一番好きな歴史の時代なんです(≧▽≦)
この頃のヨーロッパ史は超面白い(と私は思います)!
そして常にヨーロッパを構成していた民族・人種による
政治・経済・宗教・文化が密接に関係しあう流れは興味深々です(*^^*)
by たじまーる (2020-05-09 13:47) 

middrinn

「名画で読み解く」シリーズ4冊、どれもマジおススメですよ(^o^)丿
「名画」の解説部分は薄っぺらくても、歴史の部分は読ませます(^^)
英国王の名前が似てるので苦手でしたが、頭に入った気がします(^^)
君塚直隆『肖像画で読み解くイギリス王室の物語』の併読推奨(^_^;)
by middrinn (2020-05-09 14:06) 

tai-yama

「何故ドラロシュの描く英国史の血腥い絵画にフランス人たちは
熱狂的な喝采を送り続けたのだろうか。」他人(しかもライバル
な隣国)の不幸は蜜の味とも言うので・・・。
1000年後、ウチの家系図はCOVID-19でなくなったの。
とかジョークになったり。
by tai-yama (2020-05-09 18:53) 

middrinn

英国と同じようにフランスでも革命があり国王と王妃が(^_^;)
家系図が何故コロナで無くなるのか、ナンセンスギャグ(^_^;)
by middrinn (2020-05-09 19:03) 

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