190416読んだ本&買った本
昨日早朝に注文した後で獲得予定ポイントには表示されていなかったポイントがドカーンと付与されて
利用可能ポイントが2200pぐらいまで達したから、4400円の本も注文しちゃおうかと誘惑に駆られたけど
我慢したヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪ 今日も探してた古今集注釈書がブックオフにあるも800円台ゆえ
スルーしたし、ブックオフを出ると先日の猫さんが居たけど撮るだけで愛でるのは我慢したぞ(⌒~⌒)
【買った本&読んだ本】
上宇都ゆりほ『コレクション日本歌人選047 源平の武将歌人』(笠間書院,2012)
楽天ブックスで新品1296円を175p使って1121円で昨日注文(^_^;) 前にも取り上げた本書だが、巻末の
上宇都ゆりほの〈超越する和歌──「武者[むさ]ノ世」に継承された共同体意識〉と題した解説は、
平家の公卿たちが和歌を詠むのは、平家が貴族化したためであると広く信じられているが、
これまで述べてきたように、それは幾重にも間違った解釈である。
従って、実朝は京の貴族への憧憬が強かったために和歌をよく詠んだという説も
同様に誤りである。
といった感じで、バカチン連発する小生が言うのもなんだが、かなり刺激的な書き振りではある(^_^;)
ところで、『平家物語』の巻第一の「御輿振」の章段で源三位頼政が意外にも智将振りを発揮( ̄◇ ̄;)
また、頼政の歌人としての評価は当時は高かったとはいえ、杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(一)』
(講談社学術文庫,1979)の「御輿振」の中の一節を、その〈現代語訳〉で引く(@_@;)
・・・武芸の達者であるばかりか、歌道においてもすぐれている。近衛院が御在位の時、
当座の歌会があったが、深山花[しんざんのはな]という題が出されたのを、
人々は詠み得ず、苦吟していたのに、この頼政卿は、
深山木[みやまぎ]のその梢とも見えざりしさくらは花にあらはれにけり
(茂りあう深山の木は、いずれが何の木の梢ともわからなかったが、
桜の花ひらいて、それと知ることができた)
という名歌を詠まれて、近衛院のおほめをうけたほどの優雅な男・・・
同書の〈語釈〉では〈『詞花集』春、に「題しらず・源頼政」として載せている。〉と解説するだけで、
勅撰集『詞花和歌集』の入集歌だから、いい歌なんだろうけど、それほどの「名歌」なのかなぁ(´・_・`)
市古貞次(校注・訳)『新編日本古典文学全集45 平家物語①』(小学館,1994)87頁は次のように訳し、
深山の木々の中でどれが桜の木の枝とも見分けがつかなかったが、
花が咲いてそれとわかった。
同書87頁の頭注一二も〈『詞花集』春に「題しらず」として出ている。〉と付言するだけだし(´ヘ`;)
梶原正昭&山下宏明(校注)『新日本古典文学大系44 平家物語 上』(岩波書店,1991)58頁脚注一五は
深山に生い茂る木々は多く、どれがその梢と見分けがつかなかったが、
桜の木だけ春の訪れとともに花を咲かせ。それと知ることができた。
頼政集、詞花集に採られる。
水原一(校注)『新潮日本古典集成 平家物語 上』(新潮社,1979)102頁の頭注一も次の通り(@_@;)
深山木のなかにあるとも見えなかった桜であるが、春がおとずれ花を咲かせて、
はじめてそれと知れたことだ。『詞花集』春の部に「題しらず」、『頼政集』に
「深山花といふ事を」として載る。
和歌の専門書として、川村晃生&柏木由夫&工藤重矩(校注)『新日本古典文学大系9 金葉和歌集 詞花
和歌集』(岩波書店,1989)も披いてみたが、
深山の繁った木々に埋れて、これがそれだとも見えなかった桜の梢は、花が咲いて、
その姿があらわれたことだ。▽「深く浅きもみぢ葉流る飛鳥河淵瀬は色にあらはれ
にけり」(林葉集)。
これが歌番号17の脚注全文である(-ω-、) これじゃ、初学者の小生には同歌を味わえない(ノ_-;)ハア…
では、本書の同歌の「口語訳」と(脚注にある引用歌の訳等を補って)「鑑賞」の一部を引く(⌒~⌒)
ここから遠い深山を眺めると、それが桜の梢だともわからなかったけれども、
桜の花が咲いた今、他の木々から際立ったその姿がまざまざと立ち現れたことであるよ。
この歌は、[頼政集の]詞書[=「同じ心を」(白河院にて人々花見し侍りしに)]から、
桜の花見においてうたわれた作品であることがわかるが、[『新勅撰和歌集』の]伊勢の
「深山木のかげの小草は我なれや露しげけれど知る人もなき」[=「深山の木陰に生える
小さな草は私自身でしょうか。露にびっしょり濡れているように、私も泣いていますが、
誰も知る人はいないことです。」]のように、深山の木々に埋もれてわからなかった桜を、
才能がありながら貴族社会の中で見出してもらえない、自らの姿に重ねて歌われたものと
受け取れる。景物に自らの境涯の不遇を重ねる手法は、頼政の和歌の特徴のひとつであり、
上の句の「埋もれる」状態と下の句の「現れる」ことの対比が、この作品を印象的なもの
としている。
紙幅があるから上記の各注釈書よりも恵まれているとはいえ、ナルホドと思わせますねぇv( ̄∇ ̄)ニヤッ
・杉本圭三郎は「『千載集』にはみえない」と記すが、ちゃんと千載集にあることは専門家も指摘(-"-)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-06-07
利用可能ポイントが2200pぐらいまで達したから、4400円の本も注文しちゃおうかと誘惑に駆られたけど
我慢したヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪ 今日も探してた古今集注釈書がブックオフにあるも800円台ゆえ
スルーしたし、ブックオフを出ると先日の猫さんが居たけど撮るだけで愛でるのは我慢したぞ(⌒~⌒)
【買った本&読んだ本】
上宇都ゆりほ『コレクション日本歌人選047 源平の武将歌人』(笠間書院,2012)
楽天ブックスで新品1296円を175p使って1121円で昨日注文(^_^;) 前にも取り上げた本書だが、巻末の
上宇都ゆりほの〈超越する和歌──「武者[むさ]ノ世」に継承された共同体意識〉と題した解説は、
平家の公卿たちが和歌を詠むのは、平家が貴族化したためであると広く信じられているが、
これまで述べてきたように、それは幾重にも間違った解釈である。
従って、実朝は京の貴族への憧憬が強かったために和歌をよく詠んだという説も
同様に誤りである。
といった感じで、バカチン連発する小生が言うのもなんだが、かなり刺激的な書き振りではある(^_^;)
ところで、『平家物語』の巻第一の「御輿振」の章段で源三位頼政が意外にも智将振りを発揮( ̄◇ ̄;)
また、頼政の歌人としての評価は当時は高かったとはいえ、杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(一)』
(講談社学術文庫,1979)の「御輿振」の中の一節を、その〈現代語訳〉で引く(@_@;)
・・・武芸の達者であるばかりか、歌道においてもすぐれている。近衛院が御在位の時、
当座の歌会があったが、深山花[しんざんのはな]という題が出されたのを、
人々は詠み得ず、苦吟していたのに、この頼政卿は、
深山木[みやまぎ]のその梢とも見えざりしさくらは花にあらはれにけり
(茂りあう深山の木は、いずれが何の木の梢ともわからなかったが、
桜の花ひらいて、それと知ることができた)
という名歌を詠まれて、近衛院のおほめをうけたほどの優雅な男・・・
同書の〈語釈〉では〈『詞花集』春、に「題しらず・源頼政」として載せている。〉と解説するだけで、
勅撰集『詞花和歌集』の入集歌だから、いい歌なんだろうけど、それほどの「名歌」なのかなぁ(´・_・`)
市古貞次(校注・訳)『新編日本古典文学全集45 平家物語①』(小学館,1994)87頁は次のように訳し、
深山の木々の中でどれが桜の木の枝とも見分けがつかなかったが、
花が咲いてそれとわかった。
同書87頁の頭注一二も〈『詞花集』春に「題しらず」として出ている。〉と付言するだけだし(´ヘ`;)
梶原正昭&山下宏明(校注)『新日本古典文学大系44 平家物語 上』(岩波書店,1991)58頁脚注一五は
深山に生い茂る木々は多く、どれがその梢と見分けがつかなかったが、
桜の木だけ春の訪れとともに花を咲かせ。それと知ることができた。
頼政集、詞花集に採られる。
水原一(校注)『新潮日本古典集成 平家物語 上』(新潮社,1979)102頁の頭注一も次の通り(@_@;)
深山木のなかにあるとも見えなかった桜であるが、春がおとずれ花を咲かせて、
はじめてそれと知れたことだ。『詞花集』春の部に「題しらず」、『頼政集』に
「深山花といふ事を」として載る。
和歌の専門書として、川村晃生&柏木由夫&工藤重矩(校注)『新日本古典文学大系9 金葉和歌集 詞花
和歌集』(岩波書店,1989)も披いてみたが、
深山の繁った木々に埋れて、これがそれだとも見えなかった桜の梢は、花が咲いて、
その姿があらわれたことだ。▽「深く浅きもみぢ葉流る飛鳥河淵瀬は色にあらはれ
にけり」(林葉集)。
これが歌番号17の脚注全文である(-ω-、) これじゃ、初学者の小生には同歌を味わえない(ノ_-;)ハア…
では、本書の同歌の「口語訳」と(脚注にある引用歌の訳等を補って)「鑑賞」の一部を引く(⌒~⌒)
ここから遠い深山を眺めると、それが桜の梢だともわからなかったけれども、
桜の花が咲いた今、他の木々から際立ったその姿がまざまざと立ち現れたことであるよ。
この歌は、[頼政集の]詞書[=「同じ心を」(白河院にて人々花見し侍りしに)]から、
桜の花見においてうたわれた作品であることがわかるが、[『新勅撰和歌集』の]伊勢の
「深山木のかげの小草は我なれや露しげけれど知る人もなき」[=「深山の木陰に生える
小さな草は私自身でしょうか。露にびっしょり濡れているように、私も泣いていますが、
誰も知る人はいないことです。」]のように、深山の木々に埋もれてわからなかった桜を、
才能がありながら貴族社会の中で見出してもらえない、自らの姿に重ねて歌われたものと
受け取れる。景物に自らの境涯の不遇を重ねる手法は、頼政の和歌の特徴のひとつであり、
上の句の「埋もれる」状態と下の句の「現れる」ことの対比が、この作品を印象的なもの
としている。
紙幅があるから上記の各注釈書よりも恵まれているとはいえ、ナルホドと思わせますねぇv( ̄∇ ̄)ニヤッ
・杉本圭三郎は「『千載集』にはみえない」と記すが、ちゃんと千載集にあることは専門家も指摘(-"-)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-06-07
タグ:和歌
こんばんは。
2200p とは豪勢な。
本屋さんのサイトからお誕生日クーポンなるものが千円届いたのでありがたく使わせていただきました。
電子書籍限定で今日まででした。
by センニン (2019-04-16 21:01)
楽天ブックスは電子書籍を使わせようと
最近躍起になってて迷惑してます(^_^;)
1000円分とは良かったですねぇ(〃'∇'〃)
by middrinn (2019-04-16 21:13)
今日は色々我慢の一日だったんですね(⌒-⌒; )
最後の「口語訳」と「鑑賞」、
こうやって深い意味があると教えてもらうと
他の歌を詠んでも「これにはどんな隠された意味が?」と
和歌に対して興味を引かせてくれますねぇ( ^ω^ )
by ニッキー (2019-04-16 21:42)
ニッキー様は我慢できずに圭太様を触ったそうですが、
小生は我慢して猫さんを触りませんでしたv( ̄∇ ̄)ニヤッ
作者が踏まえた歌を深読みしていく面白さです(⌒~⌒)
by middrinn (2019-04-16 21:58)
middrinnさんが初学者ならば自分はチラリ見程度(^^;)
なるほど、歌の深読みは鑑賞の醍醐味ですね。
by enokorogusa (2019-04-16 22:21)
深い山の中の木に(自分の良さが)埋もれてしまい、とうとう結婚
することができなかった・・・とかだったら今の時代に丁度
良かったり(笑)。
by tai-yama (2019-04-16 23:21)
我慢はいろいろと大変ですが、その分良いことがあると思います!
by ナベちはる (2019-04-17 00:28)
頼政が伊勢の歌をホントに意識して詠んだか分りませんけど(^_^;)
enokorogusa様は万葉集と古今集を読了されてて凄いです(〃'∇'〃)
by middrinn (2019-04-17 06:42)
東本昌平の新潮文庫(2014年)の『RIDEX1』『RIDEX2』を読んでいると、
tai-yama様みたいなバイカーはカッコいいおねえさんと出逢いあるかと(^^)
by middrinn (2019-04-17 06:45)
欲求の思うままにではなく我慢していくことで、
ナベちはる様、最後に笑うんですよね(^o^)丿
by middrinn (2019-04-17 06:47)
おはようございます^^
なるほどですね~歌を深く解そうとする方は読み方が違いますね。
ま、歌を詠む方って何かを掛けて歌うものですものね?
by mimimomo (2019-04-17 07:24)
古歌の詞を用いて新しい心を詠め、と定家が(^^)
頼政が詠んだ時に、白河院の花見に集った人々は、
伊勢の歌を踏まえているな、と即座に理解できた
のでしょうね(^_^;) そうなりたいものです^_^;
by middrinn (2019-04-17 07:48)
源頼政といえば、最後に意地を見せたカッコイイおじいちゃんのイメージです⇒小学生のとき読んだ子供向けの平家物語本から進歩してないのですね。
「さくらは花にあらはれにけり」は、教訓を含んだ道歌として教えている国語教師もいるみたいで…(頼政にそんな意図があったのかしらん??)
by えくりぷす (2019-04-17 09:47)
あの蜂起は無謀すぎて動機が謎とされてますよねぇ(^_^;)
頼政の歌は不遇を嘆くのと新奇な詞を用いてる印象が強く、
この歌が愛国百人一首に選ばれてることとか不思議(^_^;)
by middrinn (2019-04-17 10:36)
訪れいただき、niceとコメント有難うございます。
大昔に吉川英治の「新平家物語」を読みました。古典を読むのは根性が必要ですね。いつも感服しています。
by たいちさん (2019-04-17 13:05)
吉川英治は好きな作家なんですけど、名作『新・平家物語』は未読でして、
いつか読みたいと思ってます(^_^;) 阪神、頑張ってほしいですね(^_^;)
by middrinn (2019-04-17 13:54)
最近、百人一首や和歌に目覚め始めました。
業務用のスカイプで、和歌で返信したんですけど、
高尚すぎたのか、華麗にスルーされました。
誰も返歌をしてくれない(笑)
by ワンモア (2019-04-17 22:30)
和歌ネタを記事に小生がしても、ソレに反応して下さる方は
少ないですから、いかにも、という感じがしますねぇ(^_^;)
by middrinn (2019-04-18 06:37)