SSブログ

190214読んた本

毎朝お布団から出るのを、しばし逡巡(-ω-、) 政権与党からの離党者は少ない・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;イミフ!
久しぶりに、偽クリローこと、レンテンローズ(別名「春咲きクリスマスローズ」)の鉢が書斎の前に
戻って来たよヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪ 俯き加減に開花し始めてたウキウキ♪o(^-^ o )(o ^-^)oワクワク♪

【読んだ本】

鴨長明(久保田淳訳注)『無名抄 現代語訳付き』(角川ソフィア文庫,2013)所蔵本

鴨長明は和泉式部と赤染衛門の歌人としての優劣を論じる中で、『紫式部日記』に出てる和泉式部評と
赤染衛門評を引用(要約?)・紹介してるけど、赤染衛門評の本書の「現代語訳」にも疑問が(@_@;)

    ・・・和泉式部・赤染衛門の優劣論は、大納言公任一人が判定されたのではない。
    世人はこぞって和泉式部を勝れていると思っていた。けれども、人のすることは、
    当人が生きている時には、その人柄によって劣っているとか勝れているとか
    評価されることがある。歌の方面では和泉式部は並ぶ者のない名手であるが、
    その身の処し方、態度、心配りなどの点で、[当時の歌会や歌合などでは]
    赤染衛門にはかなわなかったのであろうか。紫式部の日記というもの(紫式部日記)を
    見ましたら、「和泉式部は・・・[昨日の記事で引用済ゆえ略]・・・
    こちらが恥かしくなるほどの歌よみよとは思われない。丹波守大江匡衡の北の方
    (赤染衛門)を、中宮(藤原彰子)や殿(藤原道長)のあたりには、匡衡衛門と
    呼んでおります。とくに身分が高くはないけれども、まことにいかにも品位のある歌よみ
    として、諸事につけて詠み散らすことはないけれど、世間に噂されている限りでは、
    ちょっとした機会での歌も、この人のものこそこちらが恥かしくなるように
    すばらしい詠みぶりです」と書いている。であるから、和泉式部はその時代には
    人柄の欠点に打ち消されて、歌の方でも思うほどには用いられなかったが、
    本当は名手なので、秀歌も多く、ことあるごとに隙なく詠みためておいたので、
    撰集類にもたくさん入集しているのであろう。/・・・
    
この「現代語訳」から、紫式部が和泉式部への「こちらが恥かしくなるほどの歌よみよとは思われない」
という低評価とは対称的に、赤染衛門のことを「こちらが恥かしくなるようにすばらしい詠みぶりです」
と高く評価していることが理解できる( ̄◇ ̄;)

しかし、小生の記憶では、身の程知らずな紫式部は、和泉式部に対するほどではないけど、赤染衛門に
対しても〈大した歌人ではない〉と妄言を記していたはず(@_@;) 再び本書の「現代語訳」を読むと、
「とくに身分が高くはないけれども」という件が『紫式部日記』の注釈書には無かったような(@_@;)

ちなみに、同件の『無名抄』の本文は本書で確認すると「ことにやごとなきほどならねど」となってて、
脚注で〈「やむごとなき」に同じ。〉と説明(´・_・`) 次に『紫式部日記』の各注釈書を確認する(^o^)丿

山本利達(校注)『新潮日本古典集成 紫式部日記 紫式部集』(新潮社,1980)89頁は「ことにやむごと
なきほどならねど」という本文に対し、傍注で「格別すぐれているというほど〔の歌人〕ではないが」
という現代語訳が付されていて、「とくに身分が高くはない」などとは解してないじゃんか( ̄◇ ̄;)

宮崎莊平(全訳注)『紫式部日記(下)』(講談社学術文庫,2002)118頁の〈現代語訳〉を引く(⌒~⌒)

    丹波の守の北の方のことを、中宮や殿の御所などでは、匡衡衛門と言っています。
    (歌が)格別にすぐれているというほどではないのですが、実に(歌に)風格があって、
    歌人だからといって、いかなる場合でもことあるごとに歌を詠み散らすようなことは
    しないが、世間に知られている(彼女の)歌はすべて、ちょっとした機会に詠んだ歌でも、
    それこそこちらが恥かしくなるような立派な詠みぶりなのです。(このことからも)
    どうかするとすぐ、上の句と下の句の続き具合の悪い腰の折れかかったような歌を
    詠み出し、(それを)いかにも由緒ありげにみせかけることをしてまでも、
    自分こそすぐれた歌詠みだと思っている人は、憎らしくも気の毒にも思われることです。

問題の件の本文は「ことにやんごとなきほどならねど」(116頁)で、〈語釈〉は「やむごとなきほど」
を取り上げ、「身分ではなく、歌のことをいう。歌が格別すぐれている、の意。」とあるぞ( ̄◇ ̄;)

藤岡忠美&中野幸一&犬養廉&石井文夫(校注・訳)『新編日本古典文学全集26 和泉式部日記 紫式部
日記 更級日記 讃岐典侍日記』(小学館,1994)の中野幸一の訳(同書201~202頁)も引く(⌒~⌒)

    丹波の守の北の方を、中宮さまや殿などのあたりでは匡衡衛門といっています。
    歌は格別にすぐれているほどではありませんが、実に由緒ありげで、歌人だから
    といって何事につけても歌を詠みちらすことはしませんが、世に知られている歌はみな、
    ちょっとした折の歌でも、それこそこちらが恥ずかしくなるような詠みぶりです。
    それにつけても、どうかすると上の句と下の句が離れてしまいそうな腰折れがかった歌を
    詠み出して、何ともいえぬ由緒ありげなことをしてまでも、自分こそ上手な歌詠みだと
    得意になっている人は、憎らしくもまた気の毒にも思われるというものです。

「やむごとなきほどならねど」に注二八が付され、「和歌のうえで格別にすぐれているというほどでは
ないが、の意。」(同書201頁)と頭注にあり、やはり「とくに身分が高くはない」ではない( ̄◇ ̄;)

ただ、清水好子『王朝の歌人6 和泉式部』(集英社,1985)は「紫式部にきらわれる」という節において、

    紫式部は、和泉[式部]をほめ、かつ難じたあと、赤染衛門には
    「ことにやむごとなきほどならねど、まことにゆゑゆゑしく」
    (身分はさほどではないけれども、奥深い〔歌の〕教養があって)、・・・

と「身分」のことと解している(@_@;) さて、「身分」と「歌(人)の評価」、どちらなのか(@_@;)

『紫式部日記』(更には『源氏物語』)における「やむごとなき」の用いられ方を悉皆調査するとか、
赤染衛門の「身分」が高いのか低いのかを特に紫式部との対比で考察すれば、結論は出るかな(@_@;)

『紫式部日記』の和泉式部評を読んだ限りでは、紫式部は勘違い女だから、赤染衛門の「身分」の方が
自身より上でも、上から目線で語りそう(^_^;) てゆーか、「とくに身分が高くはない」でも、「歌が
格別にすぐれているというほどではない」「歌人として格別にすぐれているというほどではない」でも、
どっちにしろ、紫式部は嫌な女かと(^_^;) 作品が素晴しいからといって作者も素敵とは限らない(^_^;)

・和泉式部を「すぐれた歌人とは思われません」と評した身の程知らず紫式部の歌人としての評価(-"-)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-02-03

・紫式部に「古歌の知識」が欠如と酷評された和泉式部タン、『和泉式部日記』でカンニング疑惑(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-02-06

・藤原道長愛人説を否定しつつ『紫式部日記』の和泉式部評を問題視しないバカチン国文学者ヾ(`◇´)ノ

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-02-11

・鴨長明『無名抄 現代語訳付き』(角川ソフィア文庫,2013)の『紫式部日記』の引用部分は誤訳では?

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-02-13
タグ:和歌
コメント(20) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 20

ワンモア

お、一番乗り^^
当時の人々の嫉妬、やっかみ、身分などの偏見、差別。色々な感情、思惑が入り混じって、想像する側としては楽しいですね(笑)
by ワンモア (2019-02-14 18:42) 

middrinn

色々と想像できて、いいネタを提供してくれてますよね(^_^;)
少なくとも、ブログ記事のネタになりましたよ (〃'∇'〃)テヘペロ
by middrinn (2019-02-14 18:47) 

DON

5時には目が覚めるけど
布団から出るのは6時半~(^_^;)

by DON (2019-02-14 18:56) 

middrinn

お布団の中で何をされてるんですかぁ(^_^;)
by middrinn (2019-02-14 19:15) 

センニン

こんばんは。
こちらでは雪も降ったので開花はまだ先になりそうです。
by センニン (2019-02-14 19:27) 

middrinn

かえって雪のお蔭で育つかもしれませんよ(〃'∇'〃)
by middrinn (2019-02-14 19:31) 

そら

そら〜そうですね、素晴らしい作品を残す人ほど癖のある人が多いものです(^^)
私も毎朝布団からなかなか出られません、遅刻ギリギリ(^^;
by そら (2019-02-14 20:41) 

middrinn

そら、そうですよねぇ(^_^;)ヾ(-_-;)オイオイ...呼び捨てに見えるぞ!
もう布団を被ったまま出勤する、というのは如何でしょうか(^_^;)
by middrinn (2019-02-14 20:52) 

ニッキー

確かに紙一重とも言われるので
やっかみや色々混ざって褒めてるようで貶してるとか(⌒-⌒; )
後世に名が残るような方々の世界は
平凡な私には難しすぎて「?」な世界です(*_*)
布団の中でぬくぬくまどろむのって気持ち良いですよねぇ( ^ω^ )
このまま二度寝したいと思いつつ、
布団から這い出る毎日ですw
by ニッキー (2019-02-14 22:27) 

ナベちはる

毎朝、温かい布団から出るのも一苦労ですよね((+_+))
二度寝も出来ないので、早く温かくならないかと思います…
by ナベちはる (2019-02-15 00:49) 

にゃごにゃご

レンテンローズ、開花したんですね!
家のは、ねぼすけなのかまだです。
by にゃごにゃご (2019-02-15 06:31) 

たじまーる

ブログでとても素敵なことを書いても
実際のブログ管理者は素敵ではなかったってことありますよね(^^;)

by たじまーる (2019-02-15 07:16) 

middrinn

「褒め殺し」という言葉が市民権を得てから、
本心から褒めているのか貶めようとしてるのか
判別できなくなりましたよね(^_^;) 他方で、
ニッキー様も「鬼コーチ」と呼んで賞讃^_^;
by middrinn (2019-02-15 07:56) 

middrinn

ナベちはる様のアイコンは、
寒さに強そうなピンガ^_^;
by middrinn (2019-02-15 07:59) 

middrinn

にゃごにゃご様のところのは、開花するのを、
こな様もじっと見つめて待ってそう(〃'∇'〃)
by middrinn (2019-02-15 08:01) 

middrinn

たじまーる様へ( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 特製ブログあるある座布団1枚 ♪
オフ会とかで初めて会って、その落差にびっくりさせられるわけですね(^_^;)
by middrinn (2019-02-15 08:05) 

Cazz

紫式部さん、現代のやっちまった
ツイッター発言と近い感じでしょうか。
ある程度は後に残るとわかった上で書き散らしたと
思うんですが・・・1000年も残っていろいろ言われるとは
思はなかったでしょうねぇ^^

by Cazz (2019-02-15 10:45) 

middrinn

萩谷朴『紫式部の蛇足 貫之の勇み足』(新潮選書,2000)は「清少納言はもともと、
他人の感情を無視して、思ったことをズバズバと言ってのける単純な人ではあるが、
紫式部は正反対に極めて思慮深い陰湿な性格の持ち主である。」(130頁)としてて、
清少納言の方がバカッターで炎上しそうですね(^_^;) 同書は『紫式部日記』を娘の
賢子(大弐三位)のために執筆されたものとする立場ですけど、『源氏物語』による
名声のお蔭で上記の各人物評は問題視されているのを現に見かけないので、その辺も
計算した上での執筆だったなら、たしかに「極めて思慮深い陰湿な性格」かも^_^;
by middrinn (2019-02-15 12:13) 

横 濱男

いつも御訪問ありがとうございます。(^_-)-☆
by 横 濱男 (2019-02-15 17:21) 

middrinn

先日の横浜七福神巡り、全く知らなかったので、
興味深く拝読させて頂いたシリーズでした(^^)
by middrinn (2019-02-15 17:24) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。