181010読んだ本＆一昨日買った本
「やはり、優れた本は再読がきくし、本を読むには年齢も必要だ。」と、坪内祐三『新書百冊』（新潮
新書,2003）にあって、御尤もと思うのだけど、読み手の「年齢」が進むことによって「再読」の結果、
つまらなかった本が「優れた本」に変わることもあるかと(^_^;) とまれ、けふもよむべしp(･ω･*q)
【読んだ本】
浅見和彦（校注・訳）『新編 日本古典文学全集51 十訓抄』（小学館,1997）
日本や中国の教訓的な説話を収録した本書だが、例えば、「十ノ五十七」の「藤原朝成の笛」の訳(^^)
さて、話変って、音楽の徳、それによる神仏の霊応などの話も、大体のところ、
前には述べてきていることであるが、ささやかな話題ではあるが、またここで
述べておきたいと思う。／村上天皇の御代、三条中納言藤原朝忠卿が、帝の御前に
伺候していた。弟の朝成も初めて昇殿を許されて、清涼殿の小板敷に控えていた。
帝は小蔀［こじとみ］の窓から新参の朝成を御覧になったところ、いかにも
醜い面貌であった。笛を吹くとお聞きになっていたので、「雲大［うんだい］を
賜って吹かせられたところ、内裏一体［ママ］に響き渡るほど、見事に吹いた
のだった。吹くにつれ、顔かたちもたちどころに美しく変っていったという話だ。
藤原朝忠（百人一首の「あふことの・・・」の作者）は「土御門中納言」が正しく、「三条中納言」
は藤原朝成のことといった本文記述の誤り、「笛を見事に吹いた朝成は背が高く、肥満体で、大変な
大食漢だったといわれる。」という鑑賞のポイントなどなど、ちゃんと頭注に記されているよ(^^)
本書は巻末に「和歌・今様冒頭語句索引」「漢詩・漢文索引（書き下し・冒頭字音）」「神仏名・
人名・地名索引」、更に「関係類話一覧」も付いてる(^^) 巻頭の「目次」は全く役に立たないけど、
「関係類話一覧」が目次の代りになるね(〃'∇'〃) ただ、この「関係類話一覧」、物足りない部分
もある(^_^;) 例えば、「一ノ三十六」の「定家と家隆」、近年の和歌の名人としては、藤原定家と
藤原家隆が双璧だが、後京極摂政藤原良経が藤原家隆に「今の世で一番優れている歌人は誰か？」と
訊ね、優劣はつけられませんとの答えに満足せず、しつこく問うと、家隆が懐から畳紙を落として、
そのまま退出してしまったので、その紙を見てみると、そこには歌が一首、藤原定家のが書かれてた、
という話(^^) 本書の「関係類話一覧」で「同話」が『今物語』の第40話にもあることは分かるけど、
『今物語』では同じことを訊かれた藤原定家がただ藤原家隆の歌を詠唱して退出した話が続くのに、
その異同が分からないし、頭注にも出てない^_^; ちなみに、三木紀人（全訳注）『今物語』（講談社
学術文庫,1998）の当該話の〈解説〉は「・・・『十訓抄』は前半部分のみを取り上げ、・・・」云々
と色々と異なっている部分も指摘している(^^) 手元に置いておきたい本なんだけど、4813円(-ω-、)
【一昨日買った本】
矢口高雄『釣りキチ三平 3』（講談社コミックス,1974）
矢口高雄『釣りキチ三平 7』（講談社コミックス,1975）
矢口高雄『釣りキチ三平 11』（講談社コミックス,1976）
矢口高雄『釣りキチ三平 24』（講談社コミックス,1978）
矢口高雄『釣りキチ三平 25』（講談社コミックス,1978）
矢口高雄『釣りキチ三平 28』（講談社コミックス,1978）
矢口高雄『釣りキチ三平 32』（講談社コミックス,1979）
矢口高雄『釣りキチ三平 33』（講談社コミックス,1979）
矢口高雄『釣りキチ三平 38』（講談社コミックス,1979）
矢口高雄『釣りキチ三平 39』（講談社コミックス,1980）
矢口高雄『釣りキチ三平 40』（講談社コミックス,1980）
矢口高雄『釣りキチ三平 41』（講談社コミックス,1980）
矢口高雄『釣りキチ三平 42』（講談社コミックス,1980）
矢口高雄『釣りキチ三平 43』（講談社コミックス,1980）
矢口高雄『釣りキチ三平 44』（講談社コミックス,1980）
一昨日に古本屋で各50円（外税）を15冊、計810円で(^^) どれも焼けはチョー酷いし、シミのある巻
もあって、100円だったら買わなかったかな^_^; 最初の3冊は第1刷がいつか記載なしで、また各巻の
内容は「釣りキチ三平」のwikiに出ていて、一致したからメモらなかった^_^; 個人的には、第7巻に
後篇が収録されている「第5章 毛バリの神サマ」が好きで、「毛バリ山人」はいいキャラ(〃'∇'〃)
色々とやることが多いねぇ(+_+) 何度も言うけど、今夜こそ、今夜こそ、今夜こそ早く寝るよ(^o^)丿
新書,2003）にあって、御尤もと思うのだけど、読み手の「年齢」が進むことによって「再読」の結果、
つまらなかった本が「優れた本」に変わることもあるかと(^_^;) とまれ、けふもよむべしp(･ω･*q)
【読んだ本】
浅見和彦（校注・訳）『新編 日本古典文学全集51 十訓抄』（小学館,1997）
日本や中国の教訓的な説話を収録した本書だが、例えば、「十ノ五十七」の「藤原朝成の笛」の訳(^^)
さて、話変って、音楽の徳、それによる神仏の霊応などの話も、大体のところ、
前には述べてきていることであるが、ささやかな話題ではあるが、またここで
述べておきたいと思う。／村上天皇の御代、三条中納言藤原朝忠卿が、帝の御前に
伺候していた。弟の朝成も初めて昇殿を許されて、清涼殿の小板敷に控えていた。
帝は小蔀［こじとみ］の窓から新参の朝成を御覧になったところ、いかにも
醜い面貌であった。笛を吹くとお聞きになっていたので、「雲大［うんだい］を
賜って吹かせられたところ、内裏一体［ママ］に響き渡るほど、見事に吹いた
のだった。吹くにつれ、顔かたちもたちどころに美しく変っていったという話だ。
藤原朝忠（百人一首の「あふことの・・・」の作者）は「土御門中納言」が正しく、「三条中納言」
は藤原朝成のことといった本文記述の誤り、「笛を見事に吹いた朝成は背が高く、肥満体で、大変な
大食漢だったといわれる。」という鑑賞のポイントなどなど、ちゃんと頭注に記されているよ(^^)
本書は巻末に「和歌・今様冒頭語句索引」「漢詩・漢文索引（書き下し・冒頭字音）」「神仏名・
人名・地名索引」、更に「関係類話一覧」も付いてる(^^) 巻頭の「目次」は全く役に立たないけど、
「関係類話一覧」が目次の代りになるね(〃'∇'〃) ただ、この「関係類話一覧」、物足りない部分
もある(^_^;) 例えば、「一ノ三十六」の「定家と家隆」、近年の和歌の名人としては、藤原定家と
藤原家隆が双璧だが、後京極摂政藤原良経が藤原家隆に「今の世で一番優れている歌人は誰か？」と
訊ね、優劣はつけられませんとの答えに満足せず、しつこく問うと、家隆が懐から畳紙を落として、
そのまま退出してしまったので、その紙を見てみると、そこには歌が一首、藤原定家のが書かれてた、
という話(^^) 本書の「関係類話一覧」で「同話」が『今物語』の第40話にもあることは分かるけど、
『今物語』では同じことを訊かれた藤原定家がただ藤原家隆の歌を詠唱して退出した話が続くのに、
その異同が分からないし、頭注にも出てない^_^; ちなみに、三木紀人（全訳注）『今物語』（講談社
学術文庫,1998）の当該話の〈解説〉は「・・・『十訓抄』は前半部分のみを取り上げ、・・・」云々
と色々と異なっている部分も指摘している(^^) 手元に置いておきたい本なんだけど、4813円(-ω-、)
【一昨日買った本】
矢口高雄『釣りキチ三平 3』（講談社コミックス,1974）
矢口高雄『釣りキチ三平 7』（講談社コミックス,1975）
矢口高雄『釣りキチ三平 11』（講談社コミックス,1976）
矢口高雄『釣りキチ三平 24』（講談社コミックス,1978）
矢口高雄『釣りキチ三平 25』（講談社コミックス,1978）
矢口高雄『釣りキチ三平 28』（講談社コミックス,1978）
矢口高雄『釣りキチ三平 32』（講談社コミックス,1979）
矢口高雄『釣りキチ三平 33』（講談社コミックス,1979）
矢口高雄『釣りキチ三平 38』（講談社コミックス,1979）
矢口高雄『釣りキチ三平 39』（講談社コミックス,1980）
矢口高雄『釣りキチ三平 40』（講談社コミックス,1980）
矢口高雄『釣りキチ三平 41』（講談社コミックス,1980）
矢口高雄『釣りキチ三平 42』（講談社コミックス,1980）
矢口高雄『釣りキチ三平 43』（講談社コミックス,1980）
矢口高雄『釣りキチ三平 44』（講談社コミックス,1980）
一昨日に古本屋で各50円（外税）を15冊、計810円で(^^) どれも焼けはチョー酷いし、シミのある巻
もあって、100円だったら買わなかったかな^_^; 最初の3冊は第1刷がいつか記載なしで、また各巻の
内容は「釣りキチ三平」のwikiに出ていて、一致したからメモらなかった^_^; 個人的には、第7巻に
後篇が収録されている「第5章 毛バリの神サマ」が好きで、「毛バリ山人」はいいキャラ(〃'∇'〃)
色々とやることが多いねぇ(+_+) 何度も言うけど、今夜こそ、今夜こそ、今夜こそ早く寝るよ(^o^)丿
タグ：説話
こんばんは。
再読の件はおっしゃる通りだと思いますが、子供向けの絵本は極端な例としても若い頃でなければ感じられないものもありますね。
年齢によって経験によって違う発見があるのが名作でしょうか。
by センニン (2018-10-10 20:09)
「年齢によって経験によって違う発見がある」とは至言かも(￣◇￣;)
センニン様へ（ ＾ｏ＾）ノ◇ 山田く～ん 特製読書名人座布団１枚 ♪
by middrinn (2018-10-10 20:21)
『釣りキチ三平』メチャ買われてるじゃないですか（笑）
しかも最初の単行本で。
そんなに刺激しないてください～（泣）
by enokorogusa (2018-10-10 20:59)
熱い釣りキチフィーバーですなぁ
40年近く前に読んだっきりなので、さすがに内容忘れてる…
機会あれば再読してみたいもんです。
by ぽ村 (2018-10-10 21:13)
ソウルコミック、もう一度読みたいマンガとして『釣りキチ三平』を挙げながら、
全巻揃えると置き場が無くて奥様がいい顔しないということで購入を諦められた
enokorogusa様の御名前を出すと、刺激しちゃうかなぁと配慮しました(^_^;)
by middrinn (2018-10-10 21:26)
ぽ村様が「三平らキャラの躍動感や、魚の緻密な描写」云々と、
メチャ的確な『釣りキチ三平』評をされたから、本作品の真価
に（恥ずかしながら）気付かされまして、買い集めた次第^_^;
小生も大昔に読んでたんですが、何度読んでも名作は名作(^^)
by middrinn (2018-10-10 21:27)
再読、確かに昔は「ふ〜ん(´･_･`)」としか思わなかった本が
再度読み返すと「あっ、コレってこういう意味だったんだ(°_°)」
ってなることがあります( ^ω^ )
そして「あっ、もしかしてアレも今読めばよくわかるかも=(^.^)=」と
読み直そうとすると見あたらず・・・
で、見あたらないと余計に読みたくなって再度買うはめにw
by ニッキー (2018-10-10 23:16)
釣りキチ三平、懐かしいです！
こんなにいっぺんに買ってスゴイわ！
これが大人買いっていうのでしょうか。
再読は漫画でもそうなのかしら。
試しにエースをねらえ!でも読んでみようかしらね。
by komako (2018-10-10 23:27)
歳をとると昔、何も感じなかった本に感動を覚えることも確かですね。またその逆もしかりです。心は変幻自在です。成長なのか鈍化しているのか。
でもいくつになっても何度も読み返す本も確かにありますね。『今昔物語』はおそらくその一冊になるかも。
by ワンモア (2018-10-10 23:58)
同じ本でも、若い時に読むのと歳を重ねてから読むのとではだいぶ違うのだろうなと思いました。
その中に、それまでの「経験の積み重ね」もありそうですが、それに伴った「考え方や価値観の変化」もありそうです。
by ナベちはる (2018-10-11 00:28)
ですよねぇ(〃'∇'〃) 再読しようとすると、無い、とは
ニッキー様〝あるある〟ですか(^_^;) それは買った後、
見付かったりして、少し苦い思いも伴いそうですね^_^;
by middrinn (2018-10-11 06:28)
『釣りキチ三平』を御存知でしたか(〃'∇'〃)
komako様、「大人買い」とは高額の代金を
支払って一気にまとめ買いする場合かと^_^;
漫画でも再読して気付くことが、同じように
ありますよ(〃'∇'〃) お蝶夫人でしょp(･ω･*q)
by middrinn (2018-10-11 06:36)
心の成長なら嬉しいですけど、鈍化は・・・
ワンモア様、ちょっと残念ですねぇ(´ヘ｀;)
今昔物語とか説話系は、そこから読み取れる
ものが年齢によって違ってきそうですね(^^)
by middrinn (2018-10-11 06:40)
ナルホド(￣◇￣;)「経験の積み重ね」に伴う「考え方や価値観の変化」は得心(^^)
ナベちはる様も、そういった「変化」を既に体験されたことあるのかしら(〃'∇'〃)
by middrinn (2018-10-11 06:52)
子供の頃 中学生向けのパール・S・バック「大地」を読んだのですが、
えらく感動しまして・・・・・成長してから大人向け？を再読。
私は反対にガッカリして途中で投げ出しました。
by cooper (2018-10-11 10:32)
あらま∑(￣ﾛ￣|||)なんと！？ そーゆーこともあるんですねぇ(^_^;)
中学生向けにリライトされたのは文学的言辞とか削ぎ落としてたりして
ストーリー運びやテンポが良いとか^_^; 今読めば違うかも(〃'∇'〃)
by middrinn (2018-10-11 10:42)
こういう買い方、読み方に、二の足（というか一歩も無い）でもしたい！です。 矢口高雄作品は、文庫とか、よく再版されるもんなぁ！
あの番組と、このブログと、受ける印象が似ているんですよ。 いや～、まあね、アレだ！「個人的な感想」ですがぁ・・・
by hanamura (2018-10-11 11:30)
二の足でもしたいという謎の表現を創造できるのが
hanamura様の魅力よ～ん、聚楽よ～ん(*'ε`*)ﾁｩ
『釣りキチ三平』もアマゾンで探すと画像は上記の
最初の単行本なのに出品されてるのは文庫版(+_+)
視たことないから何とも言えませんが、叱られたい？
吉木りさに怒られたいな、みどりんとしては(´･_･`)
by middrinn (2018-10-11 12:32)
『十訓抄』は第51巻ですか・・・
小学館『新編 日本古典文学全集』通読挑戦は、『源氏物語』をギブアップして(^^;)、第26巻『和泉式部日記』他、でただ今停止中・・・
果たして『十訓抄』まで辿り着けるのか？？？
by enokorogusa (2018-10-11 18:23)
『十訓抄』まで読み易いのが並んでいるから大丈夫ですよ(〃'∇'〃)
てゆーか、第一巻から通読なんて、マジで偉業ですよﾋｨｨｨｨｨ(ﾟﾛﾟ;ﾉ)ﾉ
by middrinn (2018-10-11 18:52)
おぉ〜「釣りキチ三平」買いましたねぇ！！
私はやはりブラウントラウトがいいですねぇ(^^)
今日こそ早く寝てくださ〜い(^^;
by そら (2018-10-11 19:01)
「蟬しぐれのブラウンの巻」『釣りキチ三平 43』
（講談社コミックス,1980）所収ですね(〃'∇'〃)
結局、昨夜も早く眠れなかったので今夜こそ(;_;)
by middrinn (2018-10-11 19:16)