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240415読んだ本【バカチン】

奇兵隊の高杉晋作と平民宰相の原敬は「ほぼ同時代人」と言えるのかね〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
高杉晋作は明治維新を迎える直前の1867年に亡くなり、原敬は幕末の1856年に生まれたけどね(^_^;)

【読んだ本(バカチン)】

江橋崇『ものと人間の文化史189 百人一首』(法政大学出版局 ,2022)

本書の「第4章 百人一首歌人画の成立」の「1 百人一首歌人画の由来」の冒頭(221頁)( ̄◇ ̄;)

    /百人の歌仙絵(『百人一首』は選者と多くの歌人がほぼ同時代人なので歌人画
    とした)について、・・・

「選者」(←フツーは撰者)の藤原定家(97番)と、在原業平(17番)や紀貫之(35番)、あるいは
紫式部(57番)や清少納言(62番)とが「ほぼ同時代人」と江橋崇は思ってるのか(^_^;) 藤原定家
(1162~1241)は「平安末期・鎌倉初期の歌人・歌学者。」(『大辞林』第一版第一刷)と辞書的に
は書かれるけど、鎌倉時代(初期)の人物だろ(^_^;) 16歳の定家が治承2年(1178年)の歌合に「父
俊成の七光りで加えられて」詠んだ和歌が3首があって、「これ以前に定家が詠んだ確かな歌という
ものは知られていない。それゆえに、この三首は歌人定家の処女作といってもよい作品である。」と
久保田淳『藤原定家』(ちくま学芸文庫,1994)(^_^;) 鎌倉時代の始期は1180年、1183年、1185年が
有力で1178年なら鎌倉時代は目前だし、定家の歌人としての活動の大部分は鎌倉時代(初期)(^_^;)

『百人一首』について小生が和歌や歌人に関心があってカルタには興味ナシオン主権なのとは逆に、
江橋崇は和歌や歌人には全く無関心らしく、『百人一首』の注釈書とか披いたこともなさそう(^_^;)
「百人一首注釈書中の白眉」(島津忠夫)である石田吉貞『百人一首評解』(有精堂出版,1956)は
天智天皇(1番)~安倍仲麿(7番)を「万葉時代」、喜撰法師(8番)~藤原公任(55番)を「古今
時代」、和泉式部(56番)~待賢門院堀河(80番)を「後拾遺・金葉・詞花時代」、藤原実定(81番)
~順徳院(100番)を「新古今時代」と分類したのに(「古今時代」と「後拾遺・金葉・詞花時代」
の境界線がチト気になるけど)、どうして97番の藤原定家「と多くの歌人がほぼ同時代人」だなんて
言えるんだ(^_^;) 別の分類では井上宗雄『百人一首 王朝和歌から中世和歌へ 古典ルネッサンス』
(笠間書院,2004)に「『百人一首』の歌は大まかに見てきますと、だいたい六十番台ぐらいを境に
して、王朝和歌から中世和歌へという推移が見てとれると思います。」とあり、井上宗雄『百人一首
を楽しくよむ』(笠間書院,2003)は〈この[64番の藤原定頼の]歌によって「中世が近づいてきた
ことを感じる」(石田吉貞『百人一首評解』)と評されている。〉とした上で、70番の良暹法師の歌
も「新時代、中世の訪れの遠からぬことを告げるような感がある。」と述べてるように、定家の歌も
含む「中世和歌」は3分の1弱で、定家と「多くの歌人がほぼ同時代人」だなんて理解に苦しむ(^_^;)
なお、同書の「作者関連年表」によるなら、定家が生まれた1162年の時点で78人は既にあの世(^_^;)

そもそも「歌仙」とは「当代[=その時代]の代表的歌人」で(藤岡忠美[校注]『新日本古典文学
大系29 袋草紙』[岩波書店,1995]の脚注の説明)、「歌人」と言い換える必要ナシオン主権(^_^;)
モチ陽成院(13番)や紫式部(57番)等々、「当代の代表的歌人」とは言い難い作者もいるが(^_^;)
タグ:歴史 和歌
コメント(4) 
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コメント 4

tai-yama

鎌倉時代が1192年な世代だと(私もそうだったり)、藤原定家は平安
末期な解釈になったり(笑)。
by tai-yama (2024-04-15 22:47) 

middrinn

小生の知る限り、イイクニは1960年代には否定されてましたよ(^_^;)
1192年説でも、定家の歌人としての主たる活動は鎌倉時代初期(^_^;)
by middrinn (2024-04-16 05:30) 

df233285

私もその系統に近いですが。遊戯史研究の場合。「和歌をカルタに
するというパターンの行為は、何が起源で、どういう変遷で、地域
的にはどう伝搬したのか」と考えているうちに、「はて、和歌とは
何んだったっけなあ」という事になりがちです。藤原定家のケース
には、「カニ星雲の超新星を彼は見て居無い」と若い頃飽きるほど、
洗脳を繰り返しされたので、私の場合は、昔の天文趣味のおかげで、
彼のケースだけ、間違えにくいだけですが。遊戯史家で私と近いの
は、大阪電気通信大学の高見友幸先生一人だけです。彼の先輩だけ
ホントの天文マニアで、彼自身は高僧気象学と電気通信の専門家で、
暦学以外、他の天文分野には、余り興味無いようだけどね。電波
散乱するので、流星学の基礎知識は彼にもあります。
by df233285 (2024-04-16 07:08) 

middrinn

歌人を絵にしている以上は、和歌はともかく歌人のことを
知らないと絵も読み解けないんじゃないですかね(^_^;)
by middrinn (2024-04-16 15:22) 

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