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230719読んだ本【バカチン連環記②】 [バカチン連環記]

高名な文芸評論家が文豪の「生涯最高の傑作」の典拠探しで無教養を曝け出してても名声に守られ、
その文豪も歴史考証に定評があるお陰で同作品の考証の不充分さやデタラメは気付かれぬ(@_@;)
近く業者が来るので少しでも節約しようと自分で木を伐ってみたけど素人だから美しくない(^_^;)

【読んだ本(バカチン連環記②)】

『前田愛著作集 第四巻 幻景の明治』(筑摩書房,1989)

バカチン連環記①(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2023-07-17 )の続きだが、
幸田露伴の「連環記」を推賞する歴史家がいたので、露伴の考証はそんなに信頼できるのかなぁ!?
と幸田露伴『連環記 他一篇』(岩波文庫,1991)を(当初は図書館で借りて)読み始めた次第(^_^;)
だが、「連環記」は文豪露伴の「生涯最高の傑作」とされているだけあって、名立たる文芸評論家が
既にその典拠探しをしていたことに恥ずかしながら途中で気付いた(^_^;) その論稿とは本書所収の
前田愛「『連環記』の虚実」(本書巻末の「解題」によると、原題は「作品論『連環記』」、国文学
1974年3月号に掲載の由)で、その冒頭部分を引く〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    /『連環記』は、慶滋保胤と大江定基、及びかれらと所縁深い人物をめぐる説話を巧みに
    按配した連環図である。露伴のことばをかりるならば、説話の「鈴なり」である。/
    山本健吉は『連環記』の出典として、『東軒筆録』『宋史』『宇治拾遺物語』『今昔物語』
    『日本往生極楽記』『続本朝往生伝』『元亨釈書』『本朝文粋』『赤染衛門集』などを
    挙げている(「露伴・『連環記』頌」『漱石・啄木・露伴』所収)が、じっさいに露伴が
    披見した文献は、この数倍に及んだと考えていいようである。山本健吉が触れなかった
    典拠の主要なものは、『江談抄』『袋草紙』『今鏡』『古今著聞集』『十訓抄』
    『源平盛衰記』『[楊文公]談苑』などであって、露伴はこれらの典拠を縦横に錯落させ、
    ほとんど斧鑿[ふさく]の痕を感じさせない。私たちは露伴の暢達な語り口に導かれる
    ままに、保胤や定基の「生」の軌跡と交差するさまざまな人物に引き合わされ、かれらが
    織りなす「縁」のふしぎさに魅きこまれて行く。おそらく『連環記』の読み方はそれで
    いいのだと思う。『連環記』自体が卓抜な近代説話であるとすれば、露伴が古代説話の
    素材をどのように自家薬籠中のものとしたか、その手続きをあげつらうことなど、
    心なき業であるにちがいない。しかし、あえてこの野暮ったい作業にしばらくこだわって
    みることにしよう。/・・・

先ず驚いたのは、山本健吉は日本の古典に通暁しているイメージがあったのに、実は大したことない
のかなと( ̄◇ ̄;) 「連環記」の2頁目に菅原文時と村上天皇の詩作をめぐる説話が紹介されてて、
元ネタの『江談抄』「の表現を『今昔物語集』は誤解して」いたりするのに(阪倉篤義&本田義憲&
川端善明[校注]『新潮日本古典集成 今昔物語集 本朝世俗部一』[新潮社,1978])、山本健吉は
『江談抄』に思い至らぬとは残念(´ヘ`;) ところが、山本健吉の当該論文(文學界に1968年~69年
連載され、1972年に文藝春秋から刊行の『漱石・啄木・露伴』所収)を『山本健吉全集 第十一巻』
(講談社,1983年)で確認したところ、次のような記述だった(^_^;)

    ・・・/これは私の憶測だが、露伴がたまたま『東軒筆録』を読んで、丁謂という人物
    に興味を抱いたのが、この作の最初の動機ではないだろうか。さらに『宋史』を検して、
    丁謂の伝が貶するに過ぎているのを感じた。丁謂と寂照[大江定基]との交友から、
    遡って『宇治拾遺』『今昔』『日本往生極楽記』『続本朝往生伝』『元亨釈書』
    『本朝文粋』『赤染衛門集』その他の古書を渉猟し、諸人物の連環図が成ったのでは
    なかろうか。/・・・

前田愛の論稿を読んで「その他」を全集版で加筆した可能性もあるけど、山本健吉は典拠探しとして
列挙してたわけではなかった(^_^;) ただ、露伴の考証の不充分さには気付いてなかったけど(^_^;)

ちなみに、前田愛と山本健吉の両論稿を、登尾豊・前掲論文は「本文中に掲げたもののほかに、論の
目的が違うので紹介できなかった次の三点を挙げる。」として末尾の「参考文献」に並べている(^^)

さて、さて、さ~て!マジで驚いたのは、前田愛というのは欧米の文芸理論をやたらと駆使したがる
理論家肌という印象だったので、こんなに日本の古典に詳しい教養・知識人だったのかと( ̄◇ ̄;)

    ・・・そのめざましい活躍については今更くりかえす必要もないが、念のために強調して
    おきたいのは、その陰に隠れた地道な努力である。本巻で言えば、「『連環記』の虚実」
    における史実と創作とのつき合わせや、「怪談牡丹燈籠まで」における先行文献との対比
    はその一端である。前田さんは文章の「華」や「姿」のよさを求め続けた人だったが、
    その前提にはたえず周到な調査や文献の博捜があったことを忘れるべきでないだろう。/
    ・・・

十川信介の〈解説「幻景」について〉の指摘(本書536~537頁)に、前田愛の「隠れた地道な努力」
「周到な調査や文献の博捜」に尊敬の念を抱いた・・・のは僅か数分ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!
「『連環記』の虚実」を読み進むと「隠れた地道な努力」とか「周到な調査や文献の博捜」だなんて
チャンチャラ可笑しい記述があって、前田愛の無教養ぶりに気付かない十川信介も無教養かと(^_^;)
前田愛に心酔してるから、その記述に疑念を抱くことがなく、裏を取ることもしないのだろう(^_^;)
コメント(4) 
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コメント 4

tai-yama

綺麗なお姉さんが語る話は本当らしく聞こえると・・・。
前田愛さん(かわいいかどうかは不明だけど)は営業をやらせたら
きっとトップだったのかも(笑)。
by tai-yama (2023-07-19 23:52) 

df233285

樹木は予め、種類に合った選定時期を調べてから業者を
呼ばなければ有効で無いので。家屋の修理等とは違って
神経使いますよね。業者の作業も、よほどの危険時期
選定じゃなければ、マニュアル通りに仕事をするだけで
しょうし。
by df233285 (2023-07-19 23:59) 

middrinn

「前田愛」違いですな( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚
こちらの前田愛は男性C= (-。- ) フゥー
「前田愛 文学」で画像検索されれば、
そのお顔も出てきますけど、はたして
tai-yama様のお好みかどうか(^_^;)
by middrinn (2023-07-20 05:06) 

middrinn

やはり剪定にも知識と技術が必要なんですね(@_@;)
長さん様、藤原道長自ら剪定は無理ですかね(^_^;)
by middrinn (2023-07-20 05:27) 

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