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230717先月買った本【バカチン連環記①】 [バカチン連環記]

この文豪の「生涯最高の傑作」は、知識・教養のある人間にとってはつまらない作品のようだけど、
この作品をつまらないと思った人が知識・教養の持ち主であるとは限らない〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)
ところで、一昨日購入の小野一二『んだんだ文庫4 小野小町─そのルーツを探る─』(無明舎,1978)
、本文に入って「百人一首」の節の一番最初の頁に次の記述が∑( ̄ロ ̄|||)ニャンじゃそりゃ!?

    ・・・/小野小町は、六歌仙や三十六歌仙のなかの紅一点である。・・・

「三十六歌仙」の女流歌人には小野小町の他に伊勢タン、中務、斎宮女御、小大君がいるけど(^_^;)
「国文学的素養のないわたし」(同書「はじめに」)と自認しながら知ったかぶりでデタラメ(^_^;)

【先月買った本(バカチン連環記①)】

幸田露伴『連環記 他一篇』(岩波文庫,1991)

Amazonマケプレ出品者の「はりはりや【商品説明をご確認の上ご注文お願いします】」の「可」を
432円(234円+送料等350円-ギフト券152円)で6月20日に注文して追跡不可能ゆうメールで23日
に届く(^_^;) コンディション説明文は「中古品 - 可 - 【本文に書込み無し】外装若干のスリ跡、
フチに若干のヨレ、軽い経年感、使用感ございますが本文おおむね良好なお品です」で、書き込み等
はたしかに見当たらなかったし、「非常に良い」や「良い」とされてても問題ナシオン主権(^o^)丿

百目鬼恭三郎『乱読すれば良書に当たる』(新潮社,1985)は幸田露伴の「幻談」が「大人の味読に
耐える小説」であることを論じた一文の中で「連環記」については次のように酷評している(^_^;)

    ・・・/「幻談」は、昭和十三年九月に雑誌『日本評論』に発表された。露伴は、
    明治三十七年二月に、『読売新聞』に連載中の長編小説『天うつ浪』を中断した後は、
    専ら史伝、考証随筆の類を書いていた。それが晩年になって、「幻談」を皮切りに、
    十四年は「雪たゝき」「鵞鳥」、十五年は「連環記」と、たてつづけに小説を発表して、
    作家としての最後の華やぎをみせたということになる。/四作中、「連環記」は
    もっとも長く、かつ自在に話題を操りながら物語の体を成してゆく連環体と称せられる
    構成によって、晩年の最傑作[ママ]とされている。が、平安中期の文人慶滋保胤
    [かものやすたね]と大江定基の回心を扱ったこの作品は、この辺の事情にくらい
    読者にはめずらしく読まれても、下敷にした『今鏡』や『今昔物語集』などの中世の
    説話集に親しんでいる読者は、格別のおどろきを与えられないのである。知っている
    ことばかりが出て来ては、連環体の面白さは半減してしまうというものだ。/・・・

ちなみに、登尾豊「連環記[幸田露伴]」(三好行雄編『日本の近代小説Ⅱ 作品論の現在』[東京
大学出版会,1986]所収)によると、「連環記」の初出は『日本評論』「・・・昭和十五年六月号・
七月号説は誤り。」で昭和16年の4月号と7月号が正しく、また露伴の未完の大作「風流微塵蔵」の
構成法は連環体と呼ばれるが、〈・・・「連環記」は連環体で構成されていない。〉とし、その説明
もなされているが、以下の拙稿には関係ナシオン主権(^_^;) なお、同論文は一読の価値あり(^o^)丿

本題に戻ると、百目鬼恭三郎は『奇談の時代』(朝日文庫,1981)の著者なので、仏教説話も含めて
説話集は読み尽くしてるだろうからね(^_^;) 「連環記」には「・・・これ以下少しばかり出たらめ
を描くが、それは全く出たらめであると思っていただきたい。」と露伴自らが記している創作の部分
もあるけど、その出来が悪いもんだから、百目鬼恭三郎にしてみれば「連環記」の全てがつまらない
ことになるかと(^_^;) その辺りも含めて登尾豊・前掲論文が次の如く啓蒙的に記している(^_^;)

    ・・・[上記の]四篇とも題材は典拠や出所のあるものばかりで、純粋の虚構作品は
    一つもない。明治末から大正初期に絵空事のつくりものたる小説を否定して史伝に
    向った露伴(・・・)にしてみれば、それは当然であろう。〈歴史其侭〉という史伝の
    方法に場面や心理の描写の点で僅かに想像を加える、史伝と小説の融合の結果として
    四篇がある。/「連環記」は好評と愛重に飾られている。露伴の生涯最高の傑作と推す
    評も多い。・・・


    ・・・/露伴が想像をはたらかした、大江定基とその妻との葛藤のあたりをさして瑕瑾
    とする意見(武者小路実篤・・・中村光夫・・・)を除くと、「連環記」全体に対する
    否定的評価が管見に入ったことがない。・・・

獅子文六が「連環記」を高評した文章は略(^_^;) 高島俊男『しくじった皇帝たち』(ちくま文庫,
2008)は露伴の『運命』の文章に谷崎潤一郎、斎藤茂吉、小泉信三、河盛好蔵が感激したのは漢文の
素養が無い世代ゆえと批判(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2023-06-22 )、
「連環記」を面白がる人々も実は説話集を読んだことが無く古典の教養が無い世代だからかも(^_^;)
あくまでも短篇「六の宮の姫君」を読んだ限りの話だが、芥川龍之介の古典作品の翻案は出来が悪く
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-01-20 )、もしかしてもしかすると、
芥川の「鼻」を夏目漱石が絶賛したのも漱石(露伴と生年が同じ)には教養が無・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;

話を戻すと、小生が「連環記」を読み始めたのは露伴の考証が評判通りなのか気になったから(^_^;)
コメント(6) 

コメント 6

tai-yama

知識・教養のある人間にとってはネタばれしている
部分もあるので読み解く際のドキドキ感が(笑)。
大河ドラマを見ているオヤジの隣でネタばれの話をすると
不機嫌になるし・・・
by tai-yama (2023-07-17 23:42) 

ナベちはる

知識・教養のある人間になりたいと思いつつ、そうなったところで「生涯最高の傑作」と作者が思った作品をつまらないと思うぐらいなら知識・教養がないほうがいいのかなと思ったりもします(+o+)
by ナベちはる (2023-07-18 00:40) 

middrinn

ネタバレという語が思い付かなかったのは不覚(ノ_-;)トホホ… 大河について、
tai-yama様、楽しそうに語っている人への応対は難しいですね(^_^;)
by middrinn (2023-07-18 05:35) 

middrinn

例えばの話、もし予知能力を持ってたら色々と便利で楽しいでしょうけど、
ナベちはる様、自分の将来や最期まで予知できるとつまらないかも(^_^;)
by middrinn (2023-07-18 06:12) 

df233285

文献調査に関して。将棋に関連するものを、和歌の分野より
も露伴はどう見ても力を入れてしていたと理解出来、参考に
なりました。
by df233285 (2023-07-18 06:16) 

middrinn

露伴は将棋好きだったんですよね(@_@;) 将棋好きなら
将棋の起源などを調べるのにも熱が入ったのでは(^_^;)
露伴は『源道済集』は調べてませんが、『赤染衛門集』は
披いてました(^_^;) でも、考証以前のバカチン(^_^;)
by middrinn (2023-07-18 06:50) 

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