220707読んだ本
節電なのかブックオフの照明が少し暗くて老眼が進んだ小生は本の内容を確認できなかった(^_^;)
【読んだ本】
倉本一宏編『現代語訳 小右記 14 千古の婚儀頓挫』(吉川弘文館,2022)
藤原実資の日記『小右記』の万寿4年(1027年)3月14日条には、「・・・/月蝕は皆既であった。虧
[か]け初めは戌五剋。加える時は亥七剋。末に復したのは丑一剋。月蝕は合って、本命の星位に於
いて蝕した。そこで見なかった。/・・・」(本書188頁)とあり、翌15日条に次の件(本書188頁)
があった(^_^;)
十五日、丙辰。 踏歌節会を欠怠した采女正を優免/月蝕符合により賀茂守道に賜禄/
僧綱召
・・・[蔵人式部丞源]経任[つねのり]が云ったことには、「月蝕は符合しました。
[賀茂]守道[朝臣]を召して禄を下給するよう、仰せ事が有りました」ということだ。
証照[しょうしょう]師を呼んで、昨夜の月蝕について問うた。云ったことには、
「本命[ほんみょう]の星位[せいい]に於いて蝕し始め、他の星宿に移って蝕し
終わりました。考えさせたところ、軽いようです。あの本位のまま蝕し終われば、
重いと称さなければなりません。また、木星が副っていました。もっともその扶けが
有りました」ということだ。・・・
イミフだけど、両条とも当時は「月蝕」が忌むことだったことの傍証にはなるかと(^_^;) 本書既刊の
「月蝕」に関する記述は(最近になって、国際日本文化研究センター「摂関期古記録データベース」
から少し引いたことがあるぐらいで)今までチェックしてこなかった(^_^;) というのは、「月蝕」に
関する記述に対して注意を払うようになったのは、後藤重郎(校注)『新潮日本古典集成 山家集』
(新潮社,1982→2015新装版)の頭注に次のような非論理的な指摘があることを最近になって知った
から(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-06-04 )(^_^;)
月の光を見るのは忌むことは『竹取物語』はじめいろいろ見られるが、その中でも
また月蝕は特に忌まれるものであった。
月を見ること、月の光を浴びること、月の光の下で会話すること等は忌むことという俗信があったと
する国文学者がいるけど、それでは説明が付かない和歌、漢詩文、物語の描写が多すぎるだろ(^_^;)
なお、巻頭の「凡例」に「一、各日付と干支の後に、その日の記事の主要な出来事を、簡単に太字で
示した。」(本書5頁)として、万寿4年(1027年)5月8日条には「八日、丁未。 ・・・/夢想により
散供を行なう」(本書227頁)と示されているが、同条(本書227~228頁)には該当する「出来事」は
記されてなく、国際日本文化研究センター「摂関期古記録データベース」で書き下し文を確認しても
やはり無い(@_@;) 翌9日条には「九日、戊申。 ・・・/夢想により散供」として「・・・/今夜、
陰陽属[おんみょうのさかん][中原]恒盛に命じて、東門の辺りに於いて散供[さんぐ]を行なわ
せた。夢想によって、行なったものである。厩[うまや]も同じくこれを行なった。」とあり(本書
228頁)、「・・・今夜、陰陽属恒盛を以て東門の辺りに於いて散供せしむ。夢想に依り、行なふ所
なり。厩、同じく之を行なふ。」とデータベースにもあるので、校正ミスかなオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!
・皆既月蝕の直後に内裏が焼亡し神鏡=八咫鏡(三種の神器の一つ)が焼損しちゃったヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-06-02
・公卿たちは〈焼けた〝八咫鏡〟をめぐる喧々囂々〉なのに、藤原行成の関心は薄そうな印象(@_@;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-06-05
・「今夜、室女(藤原行成室)は、私と共に明月を見る夢を見た。」とあるのも反証になるかと(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-06-06
・『源氏物語』の「須磨」では光源氏がフツーに月の顔を見てるじゃん〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-05-04
・『源氏物語』の「宿木」では匂宮と中の君が二人で月を見るのは良くて一人では忌むことかよ(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-05-05
・『竹取物語』の「月の顔見るは、忌むこと」の典拠とされる白居易の漢詩文を読み解いてみた(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-05-07
【読んだ本】
倉本一宏編『現代語訳 小右記 14 千古の婚儀頓挫』(吉川弘文館,2022)
藤原実資の日記『小右記』の万寿4年(1027年)3月14日条には、「・・・/月蝕は皆既であった。虧
[か]け初めは戌五剋。加える時は亥七剋。末に復したのは丑一剋。月蝕は合って、本命の星位に於
いて蝕した。そこで見なかった。/・・・」(本書188頁)とあり、翌15日条に次の件(本書188頁)
があった(^_^;)
十五日、丙辰。 踏歌節会を欠怠した采女正を優免/月蝕符合により賀茂守道に賜禄/
僧綱召
・・・[蔵人式部丞源]経任[つねのり]が云ったことには、「月蝕は符合しました。
[賀茂]守道[朝臣]を召して禄を下給するよう、仰せ事が有りました」ということだ。
証照[しょうしょう]師を呼んで、昨夜の月蝕について問うた。云ったことには、
「本命[ほんみょう]の星位[せいい]に於いて蝕し始め、他の星宿に移って蝕し
終わりました。考えさせたところ、軽いようです。あの本位のまま蝕し終われば、
重いと称さなければなりません。また、木星が副っていました。もっともその扶けが
有りました」ということだ。・・・
イミフだけど、両条とも当時は「月蝕」が忌むことだったことの傍証にはなるかと(^_^;) 本書既刊の
「月蝕」に関する記述は(最近になって、国際日本文化研究センター「摂関期古記録データベース」
から少し引いたことがあるぐらいで)今までチェックしてこなかった(^_^;) というのは、「月蝕」に
関する記述に対して注意を払うようになったのは、後藤重郎(校注)『新潮日本古典集成 山家集』
(新潮社,1982→2015新装版)の頭注に次のような非論理的な指摘があることを最近になって知った
から(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-06-04 )(^_^;)
月の光を見るのは忌むことは『竹取物語』はじめいろいろ見られるが、その中でも
また月蝕は特に忌まれるものであった。
月を見ること、月の光を浴びること、月の光の下で会話すること等は忌むことという俗信があったと
する国文学者がいるけど、それでは説明が付かない和歌、漢詩文、物語の描写が多すぎるだろ(^_^;)
なお、巻頭の「凡例」に「一、各日付と干支の後に、その日の記事の主要な出来事を、簡単に太字で
示した。」(本書5頁)として、万寿4年(1027年)5月8日条には「八日、丁未。 ・・・/夢想により
散供を行なう」(本書227頁)と示されているが、同条(本書227~228頁)には該当する「出来事」は
記されてなく、国際日本文化研究センター「摂関期古記録データベース」で書き下し文を確認しても
やはり無い(@_@;) 翌9日条には「九日、戊申。 ・・・/夢想により散供」として「・・・/今夜、
陰陽属[おんみょうのさかん][中原]恒盛に命じて、東門の辺りに於いて散供[さんぐ]を行なわ
せた。夢想によって、行なったものである。厩[うまや]も同じくこれを行なった。」とあり(本書
228頁)、「・・・今夜、陰陽属恒盛を以て東門の辺りに於いて散供せしむ。夢想に依り、行なふ所
なり。厩、同じく之を行なふ。」とデータベースにもあるので、校正ミスかなオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!
・皆既月蝕の直後に内裏が焼亡し神鏡=八咫鏡(三種の神器の一つ)が焼損しちゃったヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-06-02
・公卿たちは〈焼けた〝八咫鏡〟をめぐる喧々囂々〉なのに、藤原行成の関心は薄そうな印象(@_@;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-06-05
・「今夜、室女(藤原行成室)は、私と共に明月を見る夢を見た。」とあるのも反証になるかと(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-06-06
・『源氏物語』の「須磨」では光源氏がフツーに月の顔を見てるじゃん〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-05-04
・『源氏物語』の「宿木」では匂宮と中の君が二人で月を見るのは良くて一人では忌むことかよ(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-05-05
・『竹取物語』の「月の顔見るは、忌むこと」の典拠とされる白居易の漢詩文を読み解いてみた(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-05-07
タグ:歴史
多分ですが。「本命の星位」とは、「予想された黄道
28宿星座で」の意味です。二均差の補正符号を、日本
の陰陽寮では、たまに新月のときと反対にしないで
満月で間違えるので、半月近地点のときに、2星座分
位ズレるという話が、藤原実資、立ち合いの元で問題
になったという後の頃の事かと。
具体的にグレゴリオ4月で古代ですから、月蝕はおとめ
座で「赤い月蝕と白いスピカで合になると、縁起が良い」
とか、そういった内容の話では。ところで最近、紅白で
縁起を良くしようと思い、小生はブログの管理人
プロフィールの性別を、非公開に変え、試しに性転換
させてみました。尚空欄不可のよう。SSブログは
「美少女放置系」等、1か月前から毎日出て来る
広告の内容、そこを見て自動で変えて来ないんですね。
無駄でした。SSは女性のブロガー、増やす気無いのかな?
by df233285 (2022-07-07 22:34)
ブックオフの照明が月蝕されていたのかも(笑)。
薄暗くて、良く内容が精査できなく、意図しない本を買う羽目に・・・
=月蝕は忌むものと。
by tai-yama (2022-07-07 23:48)
餅は餅屋かな(@_@;) 勝手に出る広告は、
長さん様、政党・政治家の広告でないだけ
マシかなと小生は思っております(^_^;)
SSブログはnice!数をランキングに反映
させてる時点でPV数増やす気無し(^_^;)
by middrinn (2022-07-08 10:38)
節電によって冷房も弱めだったので、
tai-yama様、正常な判断も(^_^;)
by middrinn (2022-07-08 10:49)
ブックオフの中で月食が起こった...に1票。忌み嫌って早く帰りましょう(^_^)v
by yokomi (2022-07-08 20:53)
月蝕ならば「忌むといひて影に当らぬ今宵しも」
云々と西行も詠んでるので退散しないと(^_^;)
by middrinn (2022-07-08 21:13)