SSブログ

220426読んだ本

「結果論ですが・・・」とドヤ顔で語るより、結果判明前に結果を予測してほしいC= (-。- ) フゥー

【読んだ本】

秦郁彦『昭和史を縦走する』(グラフ社,1984)所蔵本

    ・・・/歴史家にとって最も困難な作業は、過去の劇的瞬間にぶつかった人々の実感を
    復元し、追体験することだろう。/史実の経過を忠実に追い、埋もれた秘話を発掘し、
    過不足のないウエイトで組み合わせつつ叙述する作業は、これに比べるとまだ楽である。
    /欧米の歴史家はよく「後知慧[あとぢえ]」(hindsight)という表現を使う。
    当事者ですら、後から勉強した知識が知らず知らずに混入して、実相とへだたった
    「体験」を語るようになる危険を戒めたものだ。/・・・

秦郁彦も「終戦史の当事者から折に触れヒアリングをつづけてきた」歴史家ゆえ、その言は重い(^^)
御厨貴『オーラル・ヒストリー 現代史のための口述記録』(中公新書,2002)も刑事事件の供述調書
を対象に心理学的分析を行なって、その問題点も指摘している原聡の研究を紹介している(^^)

    ・・・/さらに「記憶」の質の問題がある。事件を起こしたということから考えて、
    事件の記憶は鮮明に残っているはずという先入観があるが、決してそうではない。
    人間の記憶はビデオテープとは異なるのだ。たとえば非常に衝撃的な事件──原が
    あげている例はケネディ暗殺──についての記憶は、その場で強烈に焼き付いている
    ようだから、十年経っても二十年経っても変わらずに証言されるかというと、決して
    そうではない。事後情報が加わることによって記憶の内容がどんどん変わってしまい、
    最終的には自分がみてもいない情景をあたかもみたかのように語る。人間の記憶が
    ビデオテープと同じならばありえない歪み、想像、誤りが入りこんでしまうわけだ。
    /・・・

本人は信じ込んでるから厄介(@_@;) 「お届け日数」では今日の午後なのに簡易書留が来ない(-"-)

・「解釈に史料を合わせるのではなく、史料に解釈を合わせるべきで、自説に都合の悪い史料が・・・」

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-04-23
タグ:歴史 技法
コメント(8) 
共通テーマ:

コメント 8

爛漫亭

 記憶というのは、個人的な経験から、時間が経つと
実際に自分が体験したことだったのか、夢でみたこと
だったのかさえ曖昧になりますね。前後関係も入れ替わ
っているのに驚くのは日樹的です。
 記憶は文学的ですね。
by 爛漫亭 (2022-04-26 22:32) 

ナベちはる

予測が出来るなら、「そうなるであろう」でいいので結果を先に出してほしいですよね(^^;A
by ナベちはる (2022-04-27 00:57) 

middrinn

社会化(?)によって社会的記憶となる一方で、
爛漫亭様、個人的記憶を中核とした私小説化も
また進んでいるということでしょうかね(^_^;)
by middrinn (2022-04-27 05:53) 

middrinn

判断根拠を示した上で、結果を予想してくれた方が、
ナベちはる様、外れても参考になりますよね(^_^;)
by middrinn (2022-04-27 06:04) 

df233285

衝撃的というわけでは無いのですが。見慣れていたので
気にしてい無かった、オーバーヘッドプロジェクター
のように、「ビデオテープ」の像を白幕や壁に投影する
機械を、ハードオフで最近見かけて懐かしいけど。当然
知ってい無くてはおかしい、あの再生機の機械名まで
忘れていて今、ぱっと本記事を読んで出てこない。ホント。
個人的に私がボケているだけかもしれないけれど。人間
の記憶なんて、あてにならないですよね。
by df233285 (2022-04-27 07:52) 

middrinn

人間の脳のメモリーは無限ではないので、
忘れてしまったことがあるということは、
新たに記憶したことがあるのでは(^_^;)
by middrinn (2022-04-27 08:37) 

tai-yama

事故(事件)の被害者だとしても内容は全く覚えていないことも。
加害者ならなおさら現実逃避や自己擁護もあるから、さらに
覚えていないと。第三者が・・・でも、個人の思想で婉曲される
ことも。はっ、だれも分からないと(笑)。
by tai-yama (2022-04-27 23:13) 

middrinn

捜査機関は大変ですね(^_^;)
by middrinn (2022-04-28 05:11) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。