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220224買った本&読んだ本

休むなら土曜ではなく水曜あたりにすべきだよ(-ω-、) 土日連続で休むと溜まっちゃうのでは(+_+)

【買った本&読んだ本】

井上靖『ある偽作家の生涯』(新潮文庫,1956→1970改版)

「もったいない本舗 楽天市場店」で「良い」405円(送料無料)を300p使って105円で20日に注文して
追跡不可能ゆうメールで24日に届いた(-ω-、) 20日の日曜に発送されたので従来なら22日着なのに、
今回も一日遅れて23日が祝日ゆえ24日着(´ヘ`;) 初版(本書は1978年28刷)の古さと表紙カヴァー
の紙質が良くない新潮文庫なので、状態の悪さは予想通りで(焼けもなにわのブラックダイヤモンド
橋本梨菜のよう!)、ポイントを多めに投入して安く買った次第である〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
本書は小説を6篇収録し(巻末の「解説」は神西清)、表紙カヴァー(平山郁夫の画)に内容紹介文が
記載されていないので、新潮社のサイトからメモっておく_φ( ̄^ ̄ )メモメモ

    天才と謳われた著名な日本画家の偽作を描き続ける一絵師の暗い数奇な半生を
    追った表題作。他に「玉碗記」等、歴史に取材した名作集。

    ひとりの天才日本画家と知り合って相手の重さに打ちひしがれ、自らを磨滅した
    凡庸な画家の悲劇を描いた表題作。ほかに、千古の昔に渡来して現代の荒廃の中で
    天日を浴びた宝物の神秘的な流離の跡をしのぶ『玉碗記』『漆胡樽』、高野山の
    破戒僧の物語『澄賢房覚え書』、信玄の娘松姫の波瀾の生涯『信松尼記』、
    長い在唐のために日本語を忘れて帰国した留学僧の悲しみ『僧行賀の涙』。

お目当ては「僧行賀の涙」(^^) 4年前の森田悌(全現代語訳)『日本後紀(上)』(講談社学術文庫,
2006)の拾い読みで一番驚き(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-02-20 )、
先月同書を読み直してやはり印象に残ったのが行賀の卒伝で、同書286頁から延暦22年(803年)3月
己未(8日)の条を三度引くv( ̄∇ ̄)ニヤッ

    大僧都伝灯大法師位行賀が死去した。行年七十五。俗姓は上毛野公、大和国広瀬郡
    の人である。十五歳のときに出家し、二十歳で具足戒を受け、二十五歳のとき、
    入唐留学僧となり、唐に三十一年間滞在して唯識・法華両宗を学んだ。帰国すると
    その学問を試みることになり、東大寺僧明一が難しい質問をしたところ、はなはだ
    惑い解答することができず、明一に「日本と唐で生活の資を受けながら、学識は
    浅はかである。どうして朝廷の期待に背き、学問を身につけて帰らなかったのか」
    と罵られた。行賀ははなはだ恥じいり、とめどなく涙を流した。これは長らく
    異郷に住み、ほとんど日本語を忘れたためであった。千里の長途を行く者にとり、
    一度躓いたところでたいしたことではなく、深林にわずかな枯れ枝があっても
    影が薄くなることはないものである。行賀に学問がないとすれば、在唐時代に
    百人もの僧侶が講説・論議を行う場で第二位の座に着くことができたであろうか。
    行賀の著作に『法華経疏』『弘賛略』『唯識僉議』等四十巻があり、仏教経典や
    論疏五百余巻を書写してもたらした。朝廷はそれにより弘く利益することを喜び、
    僧綱に任じ、詔りを下して行賀に三十人の弟子を付し、学業を伝えさせることにした。

ここでは嫌~な人物に描かれているけど、明一もまた優れた仏教指導者だったことは読み直した際に
気付いた(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-01-16 )(^_^;) というわけで、
早速「僧行賀の涙」を読んだ(⌒~⌒) 盛り上がりに欠けるストーリーだけど、とりあえず満足(^_^;)
細かいことだが、井上靖は「長途一躓[いっち]、豈[あに]千里の行を妨げんとか、深林の枯枝、
何ぞ万畝の影を薄うせんやとか、そんな言葉で一部に好意的な批判も行われたが・・・」と描くけど、
黒板伸夫&森田悌(編)『訳注日本史料 日本後紀』(集英社,2003)237頁が「長途の一躓、豈に千里
の行を妨げんや」と訓読してるように、「豈[あに]」は「・・・〔未然形〕んや」で終わらないと
文法的に「どうして・・・だろうか、いや・・・ない」という反語にならないのではないか(@_@;)
タグ:小説 歴史
コメント(8) 
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コメント 8

爛漫亭

 津田梅子は11年、行賀は31年、やっぱり
日本語を忘れるでしょうね。使わないと言葉は
どんどん抜けていきますね。
by 爛漫亭 (2022-02-24 22:27) 

tai-yama

井上靖さんは「天平の甍」といい、唐を書くのが好きな感じがしたり。
中国の物語なので「豈」のむすびは「あるよ」だったり(笑)。
by tai-yama (2022-02-24 23:37) 

ナベちはる

1週間の真ん中の水曜日が休みだと、どれだけ助かるか…
本当に、水曜日も休みになってほしいです。
by ナベちはる (2022-02-25 00:47) 

middrinn

小説の中では、同じ留学僧や遣唐大使だった藤原清河と
爛漫亭様、在唐中に何度か会って話してました(^_^;)
by middrinn (2022-02-25 05:54) 

middrinn

そんなこと言っていると、006張々湖から、
tai-yama様、炎を吐かれるあるよ(^_^;)
by middrinn (2022-02-25 06:02) 

middrinn

働いては休むという一日おきの休みが、
ナベちはる様、一番良いかも(^_^;)
by middrinn (2022-02-25 06:10) 

df233285

奈良平安の時代。回答は漢文つまり、唐王朝で
使った言葉で、今の英語以上に、日本で
通じたはずでは。何んかおかしい伝説話ですね。
現在形が近代成立(太平洋戦争後成立)話の
疑いも有るのでは。
by df233285 (2022-02-25 07:18) 

middrinn

試問で使われたであろう漢文訓読文、あくまでも
日本語ですから唐では使われてないのでは(^_^;)
by middrinn (2022-02-25 08:00) 

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