SSブログ

210703読んだ本

読書の厄介なところは、「時は来た!」は光秀のもじりと思っていたことである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)
猪木&坂口組との試合前の橋本の有名な発言だが、横で笑いを噛み殺した蝶野によって更に笑える(^_^;)

【読んだ本】

吉田賢抗『新釈漢文大系85 史記 五(世家上)』(明治書院,1977)

長崎健&外村南都子&岩佐美代子&稲田利徳&伊藤敬(校注・訳)『新編日本古典文学全集48 中世
日記紀行集』(小学館,1994)所収の長崎健(校注・訳)『東関紀行』の訳の次の件(同書119頁)、
本文の「甘棠」(同書119頁)に付された頭注26(同書119頁)は〈・・・以下の記述は「甘棠の愛」
の故事(春秋左氏伝)による。〉と典拠を指摘するも、小倉芳彦(訳)『春秋左氏伝』(岩波文庫,
1988-89)全三冊にざっと目を通した限りでは、それと思しき記述を見付けられなかったことは、先日
記した通りである(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-06-18 )(@_@;)

    ・・・/中国の召公奭[しょうこうせき]は周の武王の弟である。成王に仕えて、
    三公の一人として燕という国を治めた。かつて西の方を統治した時、一本の甘棠
    [かんとう]の下に座を占めて政治を行ったが、役人をはじめとして一般の人々に
    いたるまで、その生業を失うようなことはなく、また広く人々の訴えを公平に裁定し
    重い罪をも許してやった。国の人々は皆その立派な政治を慕ったので、召公が死んで
    からもその木を敬愛して伐ろうとせず、そのため歌をつくったという。

見落としかもしれないが、次に福田秀一&岩佐美代子&川添昭二&大曾根章介&久保田淳&鶴崎裕雄
(校注)『新日本古典文学大系51 中世日記紀行集』(岩波書店,1990)所収の大曾根章介&久保田淳
(校注)による『東関紀行』は「甘棠[かんたう]」(同書136頁)に付した脚注22(同書137頁)で
「史記・燕召公世家」から「召公巡行郷邑、有棠樹。決獄政事其下。自侯伯至庶人、各得其所、無失
職者」(返り点は省略)の件を引いていたので、本書で確認することに〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

本書の「燕召公世家第四」(史記巻三十四)から当該件を含んだ一節(本書167~168頁)とその通釈
(本書168頁)を引く(⌒~⌒)

    /召公の西方を治むるや、甚だ兆民の和を得たり。召公、郷邑を巡行す。
    棠樹有り。獄政の事を其の下に決す。侯伯より庶人に至るまで、各々其の所を得、
    職を失ふ者無し。召公卒して、民人、召公の政を思ひ、棠樹を懐ひて敢て伐らず。
    之を歌詠し、甘棠の詩を作る。/

    /召公は西方を統治して、よく衆民の和を得た。召公が郷村を巡視すると、
    たまたま甘棠の大きな木があった。召公はその樹の下で訴訟をさばき、
    政事を裁決した。侯伯から庶民に至るまで、それぞれその所を得て、
    職を失う者がなかった。召公が死んでも人々は召公の政治を思い、甘棠の樹を
    懐かしんでそれを伐ろうとせず、歌に詠んで甘棠の詩を作った。/

読み比べると、冒頭の『東関紀行』の記述は、『史記』の「燕召公世家」のこの一節(「重い罪をも
許してやった」は『淮南子』かな?)に依拠している、と判断しても良いのではないかv( ̄∇ ̄)ニヤッ

本書168頁の語釈には、「決獄政事」について「訴訟をさばき、政治の事を決定した。」、「其下」に
ついては「甘棠の木の下。召伯は暑を木の下に避けただけで、聴訟の事は司馬遷の妄説にすぎない
(考証)とする説もある。」とあり、瀬川亀太郎『史記全注考証』によれば、召公が甘棠の樹の下で
「訴訟をさば」いたとしたのは司馬遷が最初らしいから「妄説」でも『史記』より遡れないし(^_^;)

『東関紀行』の一節の典拠を調べているのは、新編日本古典文学全集にバカチンするためではなく、
敵本主義であることも前に記した通り( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚ 準備も整ったし、時は今、かなC= (-。- ) フゥー
タグ:歴史 中国 古典
コメント(6) 
共通テーマ:

コメント 6

ナベちはる

「時は来た!」、カッコいいフレーズだと思います!
by ナベちはる (2021-07-04 01:51) 

middrinn

面白がる人が多いような(^_^;)
by middrinn (2021-07-04 06:05) 

ネオ・アッキー

middrinnさんこんにちは。
本を読む前の緊張感と、プロレスの試合前の緊張は似ているのでしょうか・・・?
「1、2、3ダー」のかけ声も必要ですね(笑)
by ネオ・アッキー (2021-07-04 14:28) 

middrinn

本を読む前に緊張はしませんよぉ(^_^;)
by middrinn (2021-07-04 15:05) 

美美

時は来た、そして再び誰かの時は来た、で続いて行った戦乱の世
自分に置き換えるとそう判断した後悔はしたくないものです(^^;
by 美美 (2021-07-04 18:27) 

middrinn

ナルホド!そーゆー時代ですね( ̄◇ ̄;) たしかに、
後悔しないような決断をしたいものですね(^o^)丿
by middrinn (2021-07-04 18:35) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。