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200310読んだ本

地方銀行を中心に「口座維持手数料」の導入の動きが広まりつつあるから、休眠口座を潰しておいた方
がいいかな(@_@;) 大昔に海外へ行くために(学会参加)、開設したんだけど(そんな時代だった)、
その時以外は使ったことのない口座(@_@;) 潰したら、銀行からティッシュぐらい貰えないかな(^_^;)
160429に「銀行窓口振込で800円も多く釣りを渡してきたので指摘したらボールペンくれた^_^;」(^_^;)

【読んだ本】

石田穣二(訳注)『新版 伊勢物語 付現代語訳』(角川文庫,1979)所蔵本

阿部俊子(全訳注)『伊勢物語(上)』(講談社学術文庫,1979)を基本テキストにして、片桐洋一&
福井貞助&高橋正治&清水好子(校注・訳)『新編日本古典文学全集12 竹取物語 伊勢物語 大和物語
平中物語』(小学館,1994)の福井貞助による校注・訳、石田穣二(訳注)『新版 伊勢物語 付現代語
訳』(角川文庫,1979)、森野宗明(校注・現代語訳)『伊勢物語』(講談社文庫,1972)、中河與一
(訳注)『伊勢物語 付 現代語訳』(角川文庫,1953)等で補いつつ、『伊勢物語』をチンタラと読む
モデラート・カンタービレの第22回(^o^)丿ウラー! 第22段を石田穣二の本書の現代語訳で引くp(・ω・*q)

    昔、とりとめもないことで絶えてしまった仲であったが、(男のことを)なお忘れなかった
    のであろうか、女のところから、

     憂きながら 人をばえしも 忘れねば かつ恨みつつ なほぞ恋しき

      つらく思ってはおりますものの、あなたのことを忘れることができませんので、
      うらめしく思いながらねやはり悲しいことです

    と詠んできたので、「思っていたとおりだ」と言って、男は、

     あひ見ては 心ひとつを かはしまの 水の流れて 絶えじとぞ思ふ

      お互いに愛し合って来た仲ですから、今後も心だけは交して、その川島のめぐりを
      水が流れて絶えないように、これから先もこうしたつながりは絶やすまいと思います

    と、こんな歌を詠みおくったけれども、その夜、女のもとに出かけて行った。昔のこと、
    将来のことなどいろいろ語らって、(男の歌)、

     秋の夜に 千夜[ちよ]を一夜に なずらへて 八千夜し寝ばや 飽く時のあらむ

      長い秋の夜の千夜を一夜と仮に考えて、その一夜を八千夜でも共寝したならば、
      私の心の充ち足りる時もあろうか

    (女の)返歌、

     秋の夜の 千夜を一夜に なせりとも ことば残りて 鶏や鳴きなむ

      長い秋の夜の千夜を一夜にしたところで、二人の間の睦言はまだ尽きないうちに、
      (別れの時を告げる)鶏が鳴いてしまうでしょう

    昔より愛情こまやかに、女のもとに通うのだった。

昨日の第21段の記事、歌の解釈で阿部俊子だけ異説を採用してたことその他を取り上げなかったのに
長くなったので、取り上げる論点を更に絞るぞo(-`д´- o)ガンバルヨ!!ヾ( ̄o ̄;)オイオイゆる~くね!

別れた男女が縒りを戻す点も同じだが、第21段と違って第22段はハッピーエンドとなる(^o^)丿ウラー!
しかも、片桐洋一『伊勢物語全読解』(和泉書院,2013)194頁曰く、「この段は、前の第二十一段と
一対の組み合わせになっている。・・・[結末が]よくない方を前に置き、次に[結末が]よい方を
置くのは、第十四段と第十五段の陸奥の女の話と同じである。」( ̄◇ ̄;)ソウダッタンダ!!

片桐洋一は「あひ見ては」の歌を「私は、一度結婚した上は、河の中の島では傍らを水が絶えず流れ
ているように、一心不乱になって絶えることなどないようにしようと思っているのですよ」(192頁)
と訳しており、語釈(193頁)で次のように指摘している∑( ̄ロ ̄|||)ニャンですと!?

    ・・・なお、「かはしま」は、河の中にある島。だから、どちらを見ても水があって、
    周りを流れて絶えることがないのである。「周りの水流が島に沿って二つに別れるが、
    再び出会う」という解釈は鎌倉時代の『知顕集』からある古い説であり、現在でも
    そのまま続いて通説になっているが、根拠がない。「絶えじ」を導くだけでよいのである。

「・・・川中の島をめぐって水が分れ流れても、また合流していつまでも絶えることがなく流れる
ように、・・・」(阿部俊子)、「・・・川の中の島をめぐる水の流れが結局はまた一つに落ち合う
ように、・・・」(森野宗明)、「・・・川の中の島で別れ別れになった水が再び合流していつまでも
流れて行くように、・・・」(渡辺実[校注]『新潮日本古典集成 伊勢物語』[新潮社,1976]38頁
頭注1)、「・・・ちょうど川の水が川中の島に塞[せ]かれて二つに分かれても、ふたたびいっしょ
に合流するように、・・・」(鈴木日出男『伊勢物語評解』[筑摩書房,2013]84頁)、「・・・中島
をはさんで流れる川水が一度は別れてもあふやうに・・・」(中河與一)ということで、石田穣二以外
全員がお笑い伊勢物語の感染者ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ パラダイムに拘束されてるのに気付かず解釈している
『伊勢物語』の注釈者集団はトーマス・クーンの科学社会学(歌学社会学?)研究対象になるか(^_^;)

この第22段を最初に読んだ時に先ず気になったのは、「あひ見ては」の歌の直後の逆接である(@_@;)
片桐洋一の語釈(194頁)も〈「とは言ひけれど」は不審。〉と評v( ̄∇ ̄)ニヤッ 渡辺実38頁の頭注2は、

    返歌したのは、とりあえずは歌を返しておいて訪問は後日、と思ってのことである。
    だがその夜やはり女を訪ねずにはおれなくなった、というのが、ここの
    「とはいひけれど」の逆接の意味であろう。

これに対して、鈴木日出男86頁の語釈の③は、次のように解釈している〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    「……ど」の逆接の文脈に注意。歌では気長に、二人の関係は絶えることはあるまい、
    と詠んではみたものの、その実、相手の心を確かめたいと思い、逢うことになった、
    の気持ちを表す。

森野宗明は「あひ見ては」を「あひ見では」と解すため(同解釈を片桐洋一193頁は否定する)、歌も
「もう親しく逢うなどしないで、ただ心だけをおたがいに通わして、川の中の島をめぐる水の流れが
結局また一つに落ち合うように、清らかなまじわりだけは絶えないようにしようと思いますよ。」と
訳して、問題の「とはいひけれど」は「とはきれいごとを言ったけれど」と訳している(@_@;)

最後に、片桐洋一195頁のこの第22段の【まとめ】はチト興味深い内容ゆえメモだな_φ( ̄^ ̄ )メモメモ

    完全無欠な主人公のイメージが確立されてから、その男を置いて出て行った女の話
    として、

      昔、色好みなりける女、出でていにければ(第二十八段)

    とあるように、出て行った女を悪く扱う書き方になっている。この第二十一段と
    第二十二段の場合も、男は「いたう泣きて、いづかたにもとめゆかむと、門に出でて、
    と見、かう見、見」(第二十一段)る情の厚い男であり、「八千夜し寝ばやあく時あらん」
    と尽きせぬ愛を歌い上げる男である。/そんなすばらしい男を置いて出て行く女は
    あさはかだという把握がこれらの章段にはある。『伊勢物語』、特に後になってから
    増補されたと思われる章段に登場する女に対する作者の目はきわめて厳しいのである。

そうなんだ~と勉強になるが、石田穣二は「憂きながら」の歌に〈ここの「憂し」は男の仕打を恨む
気持であり、二人の離別の原因には、男の浮気といった事情があったのであろう。この点、前段に
「いささかなることにつけて、世の中を憂しと思ひて」とあるのも同様である。〉と補注する(^_^;)
第21段の上記行動後に男が「・・・行く先がわからなければそのまま自問自答しながらもじっとして
いるという、男の激情的でない面が女をいらいらさせたのであろう。」と阿部俊子が書いてたけど、
実は小生も読んでて同じく「いらいら」した(^_^;) 『伊勢物語』は小生に合わないかも(ノ_-;)ハア…

・『伊勢物語』が描く「みやび」( https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-12-28 )、
 日本文化として脈々と受け継がれているとされるがイタリア人こそが「みやび」・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-12-29

・17歳年下から17歳年上まで、この男の守備範囲の広さはゴールデングラブ賞ものやね( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-01-05

・在原業平の歌は鬼たちを感じ入らせるほどじゃなかったということかしらオホホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-01-07

・今井源衛の頭の悪さは知ってたが、敢えて言おう、バカチンであるとヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-01-22

・小野小町と在原業平による好色歌合戦と解釈する〈お笑い伊勢物語〉∑( ̄ロ ̄|||)ニャンですと!?

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-02-24
タグ:和歌 古典
コメント(22) 
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コメント 22

ニッキー

銀行さん、残高合わないと窓口さんが帰れないと
かみさんの友人(銀行窓口さんだった)が言ってました^^
800円、言ってもらえて本当に嬉しかったと思いますよぉ( ^ω^ )
休眠口座、確か前に全部解約したはずだけど確認してみなきゃ(*_*)
by ニッキー (2020-03-10 20:00) 

middrinn

1円ぐらいだったら、自分の財布から出して足しちゃえばいいような(^_^;)
しかし、口座解約するにしても、銀行で待たされるのが嫌ですねぇ(´ヘ`;)
by middrinn (2020-03-10 20:16) 

yokomi

 身辺整理は、まず休眠口座から(^_^)v 
by yokomi (2020-03-10 21:19) 

middrinn

断捨離も、まず休眠口座から(^o^)丿
by middrinn (2020-03-10 21:26) 

美美

休眠口座すらどこにあるかわからない状態かも(^^;
by 美美 (2020-03-10 23:01) 

tai-yama

"川島"は東名高速の大井松田~御殿場間の「右ルート」「左ルート」
と同じですね。ちょっとマニアックだけど・・・。島がずっと
河口の方まで伸びると川は一生合流することもないけど(笑)。
by tai-yama (2020-03-10 23:41) 

nikki

使わない口座は閉鎖したほうがいいね。
by nikki (2020-03-10 23:45) 

ナベちはる

今後も使う予定がなければ、閉鎖した方が良さそうですね。
by ナベちはる (2020-03-11 01:05) 

mimimomo

おはようございます^^
最近の経済は落ち目。コロナのせい? 銀行はこの所昔の威勢はないから、少しでも手数料などで収入を増やそうと躍起になって・・・ 休眠口座はないけれど、それに近いほど動かさない口座はあるわね。
昔の歌に限らず、言葉は難しいですね。前後の文でも変わるし、読み手の気持ちでも変わる。
by mimimomo (2020-03-11 06:33) 

middrinn

通帳やカードが出て来て初めて思い出すくらい、
美美様、その存在をお忘れだったりして(^_^;)
by middrinn (2020-03-11 08:07) 

middrinn

尾張と伊勢の間の長島がそうかも(^_^;)
tai-yama様、最後は海で合流かな(^_^;)
by middrinn (2020-03-11 08:10) 

middrinn

利息も今やほとんどつかない状況ですから、
nikki様、メリットないですしねぇ(-ω-、)
by middrinn (2020-03-11 08:13) 

middrinn

「口座維持手数料」とか取られるの、
ナベちはる様、嫌ですしね(^_^;)
by middrinn (2020-03-11 08:15) 

middrinn

昨年の消費増税の悪影響が次第に報じられ始めたところで、コロナ一色に(+_+)
銀行側からすると口座を維持するだけで費用が結構かかると言うのですが(@_@;)
mimimomo様、たしかに読み手が持つイメージに合わせて解釈されてそう^_^;
by middrinn (2020-03-11 08:21) 

df233285

休眠口座の管理が不能であるのなら、本質的に
”マイナンバー制度”は無意味だったと私は思う。
所詮は”蛸壺型行政”の歪の被害を、全国民が
こうむった、だけでしたね。
by df233285 (2020-03-11 08:52) 

middrinn

口座を維持・管理するのにも経費がかかり、
少しでも削減したいということかと(^_^;)
世知辛い世の中になってきましたね(^_^;)
by middrinn (2020-03-11 09:26) 

Cazz

銀行さんなんて今やタンス預金よりは安心なお財布としてしか
認識がないのに・・・金をとられるなんて。
財布としてのメリットすら怪しくなっていくのかしら・・・
by Cazz (2020-03-11 12:32) 

enokorogusa

「かはしま」の解釈、百人一首の崇徳天皇の歌に影響されているのかもしれませんね。
by enokorogusa (2020-03-11 14:49) 

たじまーる

何時もご訪問ありがとうございます<(_ _*)>
最近は仕事が忙しいだけでなく昨日からは発熱で会社出社停止の状況です。
このまま発熱が下がらないと新型コロナウイルス検査受けることが決まりました。
体調は今日の夕方から戻って来ましたのでコメント入れさせて戴きました。
by たじまーる (2020-03-11 18:33) 

middrinn

利息も雀の涙ほどですし、口座維持手数料まで徴収されたらヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
Cazz様、タンス預金はいつでも引き出すことが出来ますし便利かも(^_^;)
タンス預金、ヘソクリを1号様に発見されたらと不安・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
by middrinn (2020-03-11 20:03) 

middrinn

たしかに崇徳院は平安末期で、鎌倉時代の『知顕集』はソレに引き摺られたと(^_^;)
enokorogusa様、八代集だと「かはしま」は『千載和歌集』の従三位季行「君にのみ
下の思ひは川島の水の心は浅からなくに」だけらしく、片野達郎&松野陽一(校注)
『新日本古典文学大系10 千載和歌集』(岩波書店,1993)も「川島は川の中島で、
流れがそこで分れてもまた一つになることから、男女の仲が一度は離れても再び元に
戻ることをいう。」としますが、この『伊勢物語』の「あひ見ては」の歌を参考歌に
挙げてるので、『知顕集』の影響下にある『伊勢物語』解釈に流された可能性(^_^;)
『伊勢物語』以前に「かはしま」が用いられた恋歌があれば問題解決の糸口に(^_^;)
by middrinn (2020-03-11 20:04) 

middrinn

発熱だけで今は出社させてもらえない状況なんでしょうね(-ω-、)
しかし、38度の熱は高いですし、コロナの可能性もあると伺うと、
たじまーる様、体調が戻られたのは良かったですけど、とにかく、
早く快復され、そして御家族に何もないことを祈念しますm(__)m
by middrinn (2020-03-11 20:14) 

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