広告を出さぬ拙ブログでも右上に勝手に表示される文字広告の「中年太りのオッサンは必ず見て!」は
拙ブログにはそぐわない品位の無さ(@_@;) 流石に、もう暑さともサヨナラということで(てゆーか、
今日は寒い)、麻が半分の長袖シャツの家着も止めた(´・_・`) 岩波ジュニア新書は本棚に戻した(+_+)

【読んだ本】

新田次郎『からかご大名』(新潮文庫,1985)

本書は、「からかご大名」「元寇秘話」「弾丸よけ竹束之介」「仏桑華」「首様」「異人二拾一人」
「巴旦島漂流記」「絵島の日記」「駒ヶ岳開山」「諏訪二の丸騒動」の歴史・時代小説の短篇10篇を
収録してて、「異人二拾一人」「巴旦島漂流記」「絵島の日記」「駒ヶ岳開山」「諏訪二の丸騒動」
を読んで本書も読了(^o^)丿 有為転変、人生、どうなるか分らんもんだ〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

「異人二拾一人」は、文久3亥年に伊豆七島御蔵島に異国船が漂流して上陸を許可されたアメリカ人は
男20人と船長の妻の赤髪の女1人ということなんだが・・・萩尾望都『11人いる!』を思い出しつつ、
最後まで読ませるけど、そーゆーオチですか、みたいな作品(^_^;) 新田次郎の想像力を愉しむ(^^)

「巴旦島漂流記」は、寛文8年(1668年)に尾張国知多郡大野から材木を江戸に運んだ帰り、大西風で
船が流され漂流した15人、流れ着いた巴旦[ばたん]島で島民たちによって奴隷とされてしまい・・・
どうなっちゃうんだろうか、と最後まで読ませるねぇ(^_^;) 新田次郎にとっては気象庁の先輩である
荒川秀俊の『異国漂流物語』に「馬丹漂流記」が載ってて(全く別の話の「巴旦船漂着記」も)、異同
(新田次郎が小説化・脚色化した部分)を確認できる(^_^;) 荒川・前掲書には「この馬丹漂流記は、
石井研堂校訂『漂流奇談全集』、荒川秀俊編『異国漂流記集』などにのっている。馬丹は、巴旦とも
書かれ、現在の台湾とフィリッピンとのあいだのバタン海峡にある小島である。」と末尾に(⌒~⌒)

「絵島の日記」は、正徳4年(1714年)に芝増上寺での故六代将軍家宣の法要に、主人の月光院(家宣
の妾で現将軍家継の生母)の代参として列席した大年寄(大奥の千数百人の女中で最高の役職)絵島
がその帰途に芝居見物をして俳優生島新五郎と情交をしたとして苛酷な取り調べを受け、信州高遠藩
に御預けとなった事件から、絵島が亡くなるまでを描いていて、事件の真相は意外だったかな(^_^;)

「駒ヶ岳開山」は、駒ヶ岳(甲斐駒ヶ岳)に最初に登った者は駒ヶ岳開山の大先達となれて、堂や院
も持て、講も開けて、数百人の山伏の上に立つことが出来る格式の高い地位を誰でも貰えると聞いた
諏訪の百姓の三男と次男である権三郎と善之助は駒ヶ岳登山の野望を抱いて、それぞれの家の親にも
認めてもらったが、生命と引きかえに駒ヶ岳開山成功を諏訪明神に祈願しているという噂が流れて、
その後、駒ヶ岳開山に成功したら入定(断食自殺)すると諏訪明神に願を掛けたという噂に発展・・・
この作品はメチャ面白いね(〃'∇'〃) 本人の意志と無関係に思いもよらぬ人生の転変ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

「諏訪二の丸騒動」は、信州諏訪のお城の近くに狐火が現われて三の丸を突っ切って二の丸に入った
のは三の丸様(諏訪藩家老の千野兵庫)が没落して二の丸様(同列家老の諏訪図書が病弱で子の大助
が代行)が栄える兆しと城下に住む虚庵という老人が語ったことが噂となり・・・諏訪藩の御家騒動
(二の丸事件[二の丸騒動])の裏返史といった内容で、海音寺潮五郎の『列藩騒動録』や福田千鶴
『御家騒動 大名家を揺るがした権力闘争』(中公新書,2005)、あるいは百瀬明治『御家騒動 江戸の
権力抗争』(講談社現代新書,1993)等には出てなくて知らなかったので面白かった(^^) 虚庵、何者?

・時代科学小説「二十一万石の数学者」で新田次郎が描く日本の和算のレヴェルの高さとギルド問題(^^)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-09-16

・〈梅雨と信長〉の関係性に着目した「梅雨将軍信長」は気象庁出身の直木賞作家として本領発揮(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-09-23

・「仁田四郎忠常異聞」から話は『現代語訳 吾妻鏡7 頼家と実朝』注釈者の無教養ぶりへC=(-。- )フゥー

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-09-22

・「凶年の梟雄」は陶晴賢を滅ぼすまでの毛利元就で、「佐々成政の北アルプス越え」に涙腺が(;_;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-09-24

・「鳥人伝」「算士秘伝」「灯明堂物語」「時の日」「女人禁制」「赤毛の司天台」も読んだよ(^o^)丿

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-03

・出版業界では“超一流”と自画自賛する新潮社の校閲部も見落としたか!?「富士に死す」は傑作(^^)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-06

・「からかご大名」「元寇秘話」「弾丸よけ竹束之介」「仏桑華」「首様」はどれも読ませる作品(^o^)丿

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-12