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180301読んだ本

みどりぃ~ん♡ おねえさんがぁ~教えてア♡ゲ♡ル(*'ε`*)ウフ・・・などと書物の方から擦り寄って来る
ことはない(-ω-、) 書物そのものは本質的に受け身のメディア(´・_・`) 加えて、読書という行為は、
読み手側からの積極的な働きかけを必要とし、無批判に情報摂取に勤しむような読書のやり方などは、
大酒飲みが酒に飲まれているのと同様、書物を読んでいるようで実は書物に読まれているのさ(-ω-、)
ひさ様の「ひさの共病写真帳」で拝見したんだけど、ヒレンジャクさんの水の飲み方、面白いよね^_^;

【読んだ本】

植木久行『唐詩歳時記』(講談社学術文庫,1995)所蔵本

馬場あき子という高名な歌人が2017年9月25日の朝日歌壇で彼女のお気に入りの郷隼人の歌の選評に、

   第二首、コオロギの鳴き声を賞でるのは日本独特だったのだ。

とアホなことを書いていたヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ そこで、『詩経』の一節にコオロギが詠まれていることを
海音寺潮五郎(訳)『詩経』(中公文庫,1990)を引いて反証するとともに、百人一首にも入っている
藤原良経の新古今集の歌「きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む」が『詩経』
の当該一節を踏まえていることは昔から指摘(細川幽斎など)され、同じように新古今集や百人一首の
各注釈書にも記されていることも示しておいた(170929読んだ本)(´・_・`) 本書を拾い読みしてると、

   秋に鳴く虫のなかで、最も身近な存在として親しまれてきたのは、やはり
   「蟋蟀[しっしゅつ]」(促織[そくしょく])であろう。和名はキリギリス、
   チチロムシ、ツヅリサセなど(『詩経名物弁解』巻七)。今のコオロギである。

とあり、その直後に『詩経』の当該一節が引かれ、「昔の人は、コオロギの移動によって寒さの到来を
知ったのであろうか。」とある(^-^) そして、更に本書は言う、

   杜甫の詩(「促織」)には、「促織[こおろぎ]は、甚だ微細なるに、
   哀音 何ぞ人を動かす(ゆさぶる)や」と詠まれているが、その鳴き声は、
   一般には美しいものとして人々に広く愛された。唐代、すでに虫籠の中に
   コオロギを入れて、その鳴き声を楽しんだ。『開元天宝遺事』金籠[きんろう]の
   蟋蟀[しっしゅつ]の条には、次のようにいう。
   
      いつも秋になると、宮中の皇妃たちは、みな小さな黄金づくりの虫籠に
      コオロギをつかまえて入れ、枕べに置いて、夜、その鳴き声に耳を傾けた。
      庶民の家でも、皆このまねをした。

   「庶民の家、みなこれに効[なら]う」という言葉に従えば、唐代すでに虫籠が
   民間に普及したらしい。また同じ玄宗の時代、都長安の富豪たちは、万金を費して
   蛩[こおろぎ]を手に入れ、象牙製の籠に飼い、それを闘わせて勝負を競ったという
   (『説郛[せつぷ]』巻十八に収める宋の顧文薦『負暄[ふけん]雑録』)。

もはや馬場あき子の選評「コオロギの鳴き声を賞でるのは日本独特だったのだ」は木っ端微塵(^_^;)
   
百目鬼恭三郎『続 風の書評』(ダイヤモンド社,1983)が、

   馬場あき子『歌枕をたずねて』(角川選書・八八〇円)は、歌の名所紀行だが、
   例によってはなはだ杜撰であり、この著者にはものを書く厳しさが欠けている
   としか思えない。

という書き出しで(「例によって」に注目!)、その本の記述の誤りを次々と論証してたのを、過去に
読んでいたから、今更なんだけどね(´・_・`) 去年のことだったかな、図書館に新たに入った本として
『馬場あき子の「百人一首」』(NHK出版,2016)が目立つように排架されてたから、手に取ったけど、
ちょっと読んでアホくさと棚に戻したことは、書名は記さなかったけど、ブログに書いた記憶(-ω-、)

暴風雨の朝になるという予報は大ハズレだが、午後は予報通り20度近くになり風も強かった(´・_・`)
コメント(16) 
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コメント 16

センニン

こんばんは。
百科事典というものがかつては本棚の良い場所を占めていた(我が家には今でもあります)のですが、時代に合わないものになってしまいました。
辞書でも同じですが、探している項目以外の項目が目に入るのが良いところ。
それらの項目や関連項目を辿ってゆく楽しみはデジタルでもないわけではありませんが、紙の本ならでは。
自分で興味のあるものを追いかけるのは知的な作業ですね。
by センニン (2018-03-01 21:17) 

middrinn

「探している項目以外の項目が目に入るのが良いところ」← そうですよ!
センニン様が、凄~く大事なことを御指摘に ヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪
電子辞書の類いから教養人や物識りが生れることはないでしょう(´・_・`)
by middrinn (2018-03-01 21:43) 

ニッキー

紙の手触りが好きで通勤カバンの中には必ず本が入ってますが、
今は勤務先が田舎方向だから通勤で基本座れちゃうので、
寝ちゃうんですよねぇ(⌒-⌒; )
マラソンのシーズンが終われば少しは時間に余裕が出来て
読書が楽しめるかな( ^ω^ )
by ニッキー (2018-03-01 21:53) 

middrinn

通勤時間片道2時間なので、帰り座ると
疲れているため寝てしまいますよ^_^;
だから、本は車内で立ち読みです^_^;
ニッキー様は今は静岡でのサブ3達成に
向けて邁進ですよo(-`д´- o)ガンバッテ!!
by middrinn (2018-03-01 21:57) 

爛漫亭

 そうですね、中国のひとも虫を楽しむようですね。それで思いだすのは、以前、日本人は虫の音を左脳で声として聞くが、西洋人や中国人は右脳で聞くから雑音としてしか認識されないという説が流行ったことです。今はどういうことになっているのか、確かめる必要がありますね。
by 爛漫亭 (2018-03-02 00:13) 

middrinn

最近は「脳科学」とやらがTV等では流行ってるようですが、
その種の右脳・左脳論は、どうなってるんでしょうね^_^;
日本人は腸が長いから云々と発言した大臣もいた記憶^_^;
by middrinn (2018-03-02 00:32) 

Boss365

こんにちは、馬場あき子さんを秒殺!middrinn さん恐るべし!
コウロギの鳴き声を楽しむ光景は風流ですね。
by Boss365 (2018-03-02 10:36) 

middrinn

こんな選評に入選しなかった投稿者達が納得してる
のかしら(^_^;) 楊貴妃も小さな黄金づくりの虫籠
を枕辺に置いて鳴き声を愉しんだんですかね(^^)
凹んだのか瞳ウルウルすもも様も可愛いです(^^)
by middrinn (2018-03-02 10:53) 

JUNKO

参考になるお話を聞かせていただきました。
by JUNKO (2018-03-02 13:23) 

hatumi30331

今、中学校から帰って来ました。
やれやれ・・・
何とか無事に終わりました。^^
本が読みたい!って思うけど・・・読めない。
いまは、映画ばかりです。^^;
by hatumi30331 (2018-03-02 14:08) 

middrinn

JUNKO様の何か御参考になったのならば幸甚ですね(^^)
なお、郷隼人の歌を撰ぶのは馬場あき子が多いです^_^;
by middrinn (2018-03-02 16:00) 

middrinn

今日は、中学生が対象だった由、お疲れ様でしたm(__)m
でも、日曜の人権教室の模擬授業も頑張って下さい(^-^)
by middrinn (2018-03-02 16:03) 

green_blue_sky

読み手がしっかり読まないと、いけないですね(^_^;)
2ニャンズ、飼い主チェックが激しいです(笑)
by green_blue_sky (2018-03-02 17:52) 

middrinn

単に活字を目で追うだけではなく頭を使って読まないといけませんよね(^_^;)
green_blue_sky様がちゃんと歯磨きしてるかもチェックしてる猫さん達(゚ロ゚;)
by middrinn (2018-03-02 18:30) 

そら

秋の虫の音は季節を感じさせますよねぇ
コオロギ、私は好きですよ!
うち、三階なんですけどね、秋になると良く聞こえてきます(^^)
by そら (2018-03-02 19:12) 

middrinn

そら様、それは凄く閑静な住宅街にお住まいなのでは(^^)
ぜひ小さな黄金づくりの虫籠に入れて御嬢様の枕辺に^_^;
by middrinn (2018-03-02 19:42) 

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