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161221読んだ本

ギャラリーフェイク33在庫確保できずとキャンセルされたので取置き頼んだ店まで9km歩くことに^_^;
隣県の行ったことない街だけど古本屋が2軒あるらしいので楽しみ(^^) 1つは「古本屋ツアー・イン・
ジャパン」にも登場する店だけど、昔は小生の地元にも支店(?)があってよく利用してたし、隣県の
別の場所の支店(?)も一度だけ遠征したことがある^_^; 問題は師走で多忙な中、いつ行くかだ(-_-)

【読んだ本】

桂芳男『幻の総合商社 鈴木商店~創造的経営者の栄光と挫折』(現代教養文庫,1989)所蔵本

承前^_^; ⑨鈴木商店内の土佐派(金子直吉は土佐出身)と近代派(高商派)の対立によって倒産した
わけではないとして、「鈴木の家族的主義的連帯は、両派の暴走に歯止めをかけるに充分なほど強靭で
あった。」と断ずるが、根拠は示されない(@_@) 城山三郎『鼠』に「鈴木の家族的主義的連帯」の生成に
寄与するであろう逸話も紹介されてるので当初は得心も、同書を読み進めてくと、「キャリアのちがいの
せいもあったであろうが、当時、社内に於ける重要なポストは、多く土佐派によって占められた。高商派
は外国語が必要な貿易部門、それに外地支店長のポストが精々のところとされ、内地支店では支店長が
土佐派で、高商派は副支店長どまり。」とされ、更に、土佐派の支店長クラスによって高商派の副支店長
を馘首へと追い込んだ「手口」まで「一説によると」と断った上で紹介されてる(゚ロ゚;)マジ!? ⑩金子が
政治献金をしなかったことが鈴木没落の最大原因とする福沢桃介の説を紹介した上で、本書は「金子は
このように政治献金という行為と結びつかないほど、私生活は潔癖であった。」とするが、城山『鼠』は
金子がどうやって政治献金を使いの者に届けさせていたか、また、その「痕跡を残さぬやり方」も具体的
に紹介しているのだが^_^; ⑪気になったのは、本書と『鼠』とのくい違いだけではない(-_-) 『鼠』に
「大戦後、鈴木・川崎等の持船を集めてつくられた国際汽船会社の船でKラインと呼ばれ、六十隻五十万
トンに達する大船隊」に関する論評(^^) 「外見は華やかではあったが、市場から追い立てられた果ての
商売。営利企業というには程遠く、ただ故国へ帰れぬために、彷徨を続けているのでもあった。それは
鈴木商店をシンボライズする姿であった。」(;_;) 本書は〈それは、「外見は華やかではあったが、市場
から追い立てられた果ての商売。営利企業というには程遠く、ただ故国へ帰れぬために、彷徨を続けて
いるのでもあった」(城山三郎『鼠』)。落日の彷徨!それはまた、慢性化した戦後不況のまっただ中に
彷徨する鈴木商店をシンボライズする姿でもあったのである。〉と(-"-) 著者の〈うっかり〉かな(..)
⑫本書で一番吃驚したのが巻末「付・新修 金子直吉年譜」の明治38年の記述で、「一月二十一日、次男
武蔵生る(武蔵はのちに西田幾多郎の女婿となり、東大教授・文学博士・日本学士院会員となる)。」
(゚ロ゚;) 金子武蔵のことは『鼠』も紹介してて、同書の巻末「解説」で、小松伸六も「・・・とくに私に
とって興味があったのは金子直吉の次男が哲学者の金子武蔵氏であり、西田幾多郎の娘と結婚したという
話は初耳だった。私事になるのだが、私は大学時代、美学、美術史に籍をおいたことがあるので、金子
助教授のヘーゲル論の講義をきいていたからである。あの先生のお父さんが、この小説の主人公、つまり
鈴木商店の大番頭だったことを、はじめて知っただけに、感慨ひとしおのものがある。」と触れてる^_^;
「あの」金子武蔵の「講義」は、百目鬼恭三郎『乱読すれば良書に当たる』(新潮社,1985)も言及^_^;
〈大学でも和辻の講義をのぞいたことはない。ただ、新聞記者になってから一度だけその家を訪ねたこと
がある。それは、昭和三十五年十二月二十六日の夜で、通夜に列席している倫理学者金子武蔵をつかまえ
て、師和辻の死を悼む原稿を依頼するためであった。金子には簡単に会うことができたが、何しろ生涯に
一度しか映画をみたことがないという伝説があるほど謹厳な学者だけに、一、二時間で追悼文を書くなど
は夢にも考えられない芸当であるという。/「私が思いつくままをしゃべりますから、あなた、まとめて
談話記事にして下さい」ということになった。/実をいうと、大学時代、私は金子先生の講義を一度だけ
聞いたことがある。が、ぼそぼそという声は眠気をさそうばかりで、閉口して出席するのを止めてしまっ
た。そのことを思い出して、ひそかに苦笑したけれど、吉田五十八の設計した民家風の和辻邸の土間は
ひどく寒くて、金子先生のぼそぼそした談話をメモしながら、私の身体の震えはとまらず、とても居眠り
どころではなかった。〉とあり、小生にとっての金子武蔵のイメージはコレ^_^; なのに、本書も『鼠』
も伊藤智義&森田信吾『栄光なき天才たち③』も、いけいけどんどんキャラに金子直吉は描かれていて、
しかも、本書に「金子にはもともと話術の名人といわれる天性があった。」とあったから、このあまりに
対照的な2人が親子と言われちゃったら、小生の中では認知的不協和だわ(@_@;) とまれ、本書読了(^^)

城山三郎『鼠~鈴木商店焼打ち事件』(文春文庫,1975)所蔵本

杉本苑子『悲華 水滸伝(二)』(中公文庫,2001)所蔵本

明日は振込後に街まで出て郵便局で年賀状のスタンプ押しと金券ショップで図書カード購入せにゃ(+_+)
タグ:歴史 評伝 企業
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