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240409読んだ本【バカチン】

岩波文庫のアンソロジーを昨夜注文も「もったいない本舗」が設定の最低価格は328円だったようで
100円も高く買ってしまったし、同封のカレンダーが4月のだったら更にもう一冊注文しないと(+_+)

【読んだ本(バカチン)】

福家俊幸『日本古典評釈・全注釈叢書 更級日記 全一冊』(KADOKAWA,2015)

「見ても」節穴で「凝らされてい」る「工夫」に気付かぬのは研究者として如何かと( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚
本書248頁から引くが、『後拾遺和歌集』のは、源資通が付き合ってる風に言ってると聞いたので、
ありもせぬ噂が流布してるけど二人の仲は神にかけても潔白と相模が否定した歌で、『金葉和歌集』
のは、相模の所へ忍んで行ってることなどを源資通が言い触らしたために恋仲を人に知られたので、
どうしたらよいのか、二人の仲を少しの間ですら隠すことができぬと相模が嘆いた歌C= (-。- ) フゥー

    ・・・/源資通についてもう一言触れておく。源資通については女流歌人相模との関係
    が有名である。『後拾遺集』雑二に相模の歌として、「大弐資通むつまじきさまになむ
    いふとききてつかはしける」という詞書のもと、「まことにやそらになきなのふりぬらん
    あまてるかみのくもりなきよに」(九三〇)とあり、『金葉集』二度本・雑部上に同じく
    相模の歌として「大弐資通しのびて物申しけるを、程もなくさぞなど人の申しければ
    よめる」という詞書のもと、「いかにせんやまだにかこふかきしばのしばしのまだに
    かくれなきよを」(五五九)とある。後者については、『相模集』にも「人のしるべき
    ほどにもあらぬことを、のこりなくふみよりはじめてあらはすときく人に、こりずまに
    ちかくとりよせて、よひゐのてならひにかきつくる」という詞書のもと、連作九首の和歌
    の最後に載っている(第五句を「かくれなき身を」とする)。資通は十歳以上も年上で
    ある相模に言い寄り、その関係を周囲に吹聴したようである。そのことへの抗議を相模は
    歌っている。相模がどこまで本気で抗議しているのか、これもあまり深刻に捉える必要は
    ないかもしれない。この時代の貴族と女房の恋愛は多分に衆目の眼を意識した、「戯れ」
    のような性格を持っていたと思われる。連作九首の歌を見ても、いずれも「いかにせむ」
    から始まる工夫が凝らされていて、資通を通して世間に流布することも考えていた節も
    ある。・・・

武内はる恵&林マリヤ&吉田ミスズ『私家集全釈叢書12 相模集全釈』(風間書房,1991)によるが、
「他人が知るはずのない二人の間のことを、手紙をはじめとして残らず人に知らせているという噂を
聞く相手に、性懲りもなく、火を近くに引き寄せて、夜更しの手すさびに書き記します」なる詞書で
相模が詠んだ「連作九首」において「凝らされてい」る「工夫」を、〈いずれも「いかにせむ」から
始まる〉ことしか気付かないなんて、本当は「見て」ないんだろ!ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

    ・・・/初句に「いかにせむ」五句に「かくれなき身を」を置いて詠んだ一連九首で、
    詠み方に工夫がみられる。・・・

    ・・・/「いかにせむ」を初句に「かくれなき身を」を末句に置いて、さまざまな新しい
    比喩を使ってたちまちのうちに九首を詠む力量は、歌の天才と言うにふさわしい。/

なお、元は早大学院の教員の由、「衆目の眼」だなんて、高校の国語教師としても不適格では(^_^;)
タグ:和歌 古典
コメント(2) 
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コメント 2

tai-yama

「源資通については女流歌人相模との関係が有名」の関係は
恋人とかではなくストーカーとして(笑)。
十歳上でも場合によってはアリかな。
by tai-yama (2024-04-09 22:54) 

middrinn

『後拾遺和歌集』入集歌以外の歌を見る限り、恋人だったかと(^_^;)
相模が有名歌人だったから、資通は自慢したくて言い触らした(^_^;)
by middrinn (2024-04-10 05:27) 

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