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230727先月買った雑誌

朝ドラの主人公のモデルとしてるぐらいだから好人物とNHKは理解・認識してるのかな(@_@;)
中野善廣の「植物をぱっと見つけることを〝目が合う〟という言い方をするんですが、目が合えば
意外とあちこちにあると気づきます」という発言で知ったけど、「目が合う」はいいね(〃'∇'〃)

【先月買った雑誌】

芸術新潮2023年7月号

楽天ブックスで新品1500円を747ポイント使って753円で予約してたのが発売日の6月23日に追跡可能
ゆうメールで届いた(^_^;) 特集は「牧野富太郎 博士の愛したフローラ」(^^)

    グラフ

    『大日本植物志』風 牧野富太郎解剖図

    グラフ 写生ができなければ植物学者にあらず!? 精密完全、墨色の草花たち

    学者の花、画家の花(文 諏訪敦)

    I 生き方篇 学問は底の知れざる技芸なり

     赭鞭一撻[しゃべんいったつ] 故郷・佐川で誓った15箇条

     略年譜 分類学を究め、市井に説く 牧野富太郎の94年

     対談 梨木香歩×田中純子 老少年・牧野富太郎さんへ

    Ⅱ お仕事篇 もはやアート! 牧野博士の図譜と標本

     図譜への情熱/『牧野日本植物図鑑』ができるまで/

     牧野式植物図のルーツ 本草学から植物学へその図譜の系譜をたどってみよう
     (解説 大場秀章)

     今も活躍! 時をかける標本(解説 村上哲明)

     教えて! 牧野流・植物標本のつくり方(教えてくれたのは 米岡克啓)

    Ⅲ 足あと篇 マキノイズム息づく高知へ

     牧野巡礼の聖地 高知県立牧野植物園

     植物園のお仕事拝見 働く人に聞いてみました

      中野善廣(栽培技術課・観賞園管理班長)「植物と〝目が合う〟んです」
      村上有美(植物研究課・文庫班長)「牧野博士には購入記録も残してほしかった」
      小松冴(植物研究課・主任)「標本のラベル管理、20年やってます」
      藤井聖子(植物研究課 草花活用支援専門員 兼 教育普及推進課 ガイド解説員 樹木医
      ・学芸員)「博士に褒めてほしいこと、たくさんあります」

     若き日のホームグラウンド 佐川の裏山から横倉山へ

    全国採集“珍”言行録

     一 ヘイリンジザサ改名事件 新座の禅寺・平林寺
     二 山に忘れたハサミと根掘りを翌日〝採集〟へ 鎌倉の先のほうの山
     三 博士は火山がお好き 伊豆大島の三原山
     四 神をも恐れぬ大胆余興 箱根の芦ノ湖
     五 時には草木の親のように 立山の頂上の近く
     六 涼しい顔で山登り 六甲山

    牧野富太郎にであえる場所

     TOKYO:練馬区立牧野記念庭園/小石川植物園/東京都立大学牧野標本館/

     KOCHI:高知県立牧野植物園/牧野富太郎ふるさと館/佐川町立青山文庫/
         横倉山自然の森博物館/

    さらに牧野を知りたい人に 編集部おススメBOOK

     池田博&田中純子『もっと知りたい牧野富太郎 生涯と作品』(東京美術,2023)
     田中伸幸『牧野富太郎の植物学』(NHK出版,2023)
     大場秀章『牧野富太郎の植物愛』(朝日新聞出版,2023)
     高知県立牧野植物園[監修・写真提供]保谷彰彦(たんぽぽ工房)[植物監修]
     『牧野富太郎の植物図鑑』(三才ブックス,2023)

他の記事で目が留まったのは藤本由香里×大塚ひかり「止まらない!BLボーイズラブ今昔対談」、
「〝瀬戸者〟河本五郎の躍るやきもの」、London発〈イギリス人は「犬の肖像画」がお好き!?〉(文
内田さり)、連載記事では「山下裕二の新・今月の隠し球⑱ 津絵太陽 ルーツを探り、個人史を描く
戦争画(下)」、三浦篤「大人のための印象派講座21 死後の評価と名声の確立」、中野京子「名画
に見る悪の系譜⑬ 虚栄」、「福井江太郎の駝鳥がゆく!! 第4回 おおうちおさむ(アートディレク
ター/デザイナー) 芸術のポテンシャルをデザインで引き出す」といったところか_φ( ̄^ ̄ )メモメモ

都立大教授で牧野標本館館長の村上哲明が「標本が同一種で大量に残っているのも牧野ならでは」と
して、「先生は、あるだけ全部採っているのかと思うくらい、同じ植物を同一日時に大量に採集して
います。希少種のムジナモも標本は大量にありますね(笑)[41頁]。こうした重複標本は、世界各
地の標本庫に交換標本として送ります。1枚送ると1枚もらえるというルールがあるため、先生の標
本によって世界中の標本を入手できました」と述べていて、いいこと尽くめのように聞こえるけど、
チト気になる件が梨木香歩(作家)と田中純子(練馬区立牧野記念庭園学芸員)の対談に(@_@;)

    ・・・

    梨木 大学での不遇を振り返って、学者は嫉妬深いとも書いてますね。余談ですが、
       牧野さんは牧野さんで、マキシモヴィッチのお弟子さんの須川長之助さんに
       ちょっと嫉妬があったのかなと思ったり。長之助さんは貧しい農家の生まれで、
       仕事を求めて渡った函館でマキシモヴィッチと出会い、助手として採集や標本
       の作り方や分類学についても教えを受けます。まだ江戸時代の頃です。採集活動
       も全国でしていますが、すごく謙虚なものだから、自分の功績は何も言わずに
       世を去る。なのに牧野さんたら、彼にゆかりの植物に「チョウノスケソウ」って
       名前をつけてやったぞって威張ってて(笑)。

    田中 植物学者の伊藤篤太郎のご子孫も、講演会で似たようなことをお話しされて
       いましたね。篤太郎のトガクシソウの命名に対して、牧野先生は雑誌の連載で、
       篤太郎の叔父が発見したというのは本当なのか?証拠を見せろって、一見すると
       ちょっと失礼な書きぶりで糾弾していて。篤太郎は日本人で最初に植物の学名
       をつけた人なので、そこに嫉妬があったのではないかと。まあ、牧野先生は
       おとなしいタイプではなかったようで、親しくしていたジャーナリストの
       長谷川如是閑も、牧野さんはちょっと口の禍がある、というようなことを
       書いています。

    梨木 そうそう、子どもみたいな無防備さでワーッと言ってしまう……。

     植物と家族に守られて

    梨木 植物に対しても、がむしゃらです。愛人という言い方もそうなんですが、
       牧野さんの場合、学究的な欲求だけでなく、なんとしても自分のものにしたい
       という生理的な欲求を強く感じるんです。その一方で、彼にとって植物は、
       神様のようにずっとそこにいて自分のことを守ってくれる存在でもあった。
       あんなに個性的な人なのに、彼の描く植物画はとことん写実に徹していて、
       描き手の個性というものがまるで出てこない。神官が祭壇の前で儀式を
       執り行うかのように恭しい。/どちらにしても、植物を保護する態度には
       つながらない。でもそのがむしゃらさであれだけの量の貴重な標本が残せた。
       ただ、逸話で、新種を見つけると何も残らないくらい根こそぎ採って、
       他の人に場所がわからないように埋め戻していたというのは、本当だとしたら
       弁護しようがないです。

    田中 尾瀬で大量の高山植物を採集して、山小屋の平野長蔵に一喝されたという
       エピソードも有名ですね。先生は否定していますし、そのようなことが
       あったかどうか真相はわかりません。

    梨木 昔はこんなに気候変動が激しくなるとは予想できず、いくらでも生えてくると
       思っていたのかもしれませんね。信頼しきって、好きなだけ母親のお乳を呑む
       赤ん坊のように。

    ・・・
コメント(6) 
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コメント 6

爛漫亭

 雑誌が楽しめていいですね。さすが牧野さんと思える話が
多いです。そういえば本と目が合うことがありますね。
by 爛漫亭 (2023-07-27 22:26) 

tai-yama

とって良いのは写真だけと・・・。
ネマガリダケも山奥で採りすぎるとクマと喧嘩になりますし。
by tai-yama (2023-07-27 23:02) 

middrinn

1500円もしますから週刊誌よりも読み応えがあります(^_^;)
梨木香歩が牧野富太郎の問題行動を指摘した後で即座に好意的
解釈によるフォローを入れざるを得ないことに、牧野富太郎に
対する世間の偶像崇拝の強さを感じるとともに、牧野富太郎の
問題行動で表に出てこないものがまだあるんだろうなと(^_^;)
爛漫亭様、古本屋では掘り出し物と「目が合う」ことがあって、
「ワタシを買って♡(*'ε`*)チゥ」と話しかけてきます(〃'∇'〃)
by middrinn (2023-07-28 05:15) 

middrinn

「とっていいのは写真だけ」というのは、実は、
tai-yama様、牧野富太郎に対しての掲示(^_^;)
昔、牧野に「根こそぎ採って」いかれた(^_^;)
by middrinn (2023-07-28 05:48) 

df233285

牧野がしたことは、前世紀には「自然破壊の元凶」が
定説で著名。つまり良く無い事だが。今世紀に入ると
こんな人間そのものが、日本にはほぼ見当たらなく
なり、情報の物々交換による利益の少ない国と化した。
by df233285 (2023-07-28 06:29) 

middrinn

アカデミズムから冷遇(むしろ優遇という指摘も)されてたとして
世間から同情を集めている人物かと小生は思っていました(^_^;)
by middrinn (2023-07-28 09:44) 

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