230514読んだ本【バカチン】
日本人ですら読み解けない人が多いのだから、外国人が読み解けないのも仕方がないかと(@_@;)
13時から17時まで野球中継視聴も贔屓チームが勝てぬと無駄に過ごしてしまった気になる(-ω-、)
【読んだ本】
上宇都ゆりほ『源平の武将歌人 コレクション日本歌人選 047』(笠間書院,2012)所蔵本
今日の朝日新聞の朝刊の連載「星の林に ピーター・マクミランの詩歌翻遊」が「頼政は最期まで、
武士で歌人」と題して『平家物語』に載る源頼政の辞世を取り上げ、次のように現代語訳(^_^;)
埋もれ木の 花咲くことも なかりしに 身のなる果てぞ かなしかりける
埋もれ木のように目立たない私の人生であったが、挙兵の果てに
このような最期を遂げるとは、実に悲しいことであるよ。
この歌の「身」は「実」を掛けていることは一目瞭然で、水原一(校注)『新潮日本古典集成 平家
物語 上』(新潮社,1979)、杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(四)』(講談社学術文庫,1982)、
梶原正昭&山下宏明(校注)『平家物語(二)』(岩波文庫,1999)、そして本書も指摘してる(^^)
しかし、これら手元の『平家物語』の各注釈書の訳はピーター・マクミランによる現代語訳と同様に
「実」については全く触れてない(^_^;)
・水原一(校注)『新潮日本古典集成 平家物語 上』(新潮社,1979)
埋れ木に似た我が生涯に花咲くような思い出もなかったが、こうして身のなる果[はて]
はかなしいことだ。
・杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(四)』(講談社学術文庫,1982)
私の生涯は、埋れ木に花の咲くことがないように、世に時めくことなく埋もれたまま、
いまこのような最期をむかえたのは、悲しいことだ
・梶原正昭&山下宏明(校注)『平家物語(二)』(岩波文庫,1999)
自分の生涯は埋もれ木のように、花咲き栄達することもなかったが、このような
身のなれの果てで死んでゆくのは何とも悲しいことだ。
上宇都ゆりほは流石に専門家だけあって、ちゃんと『平家物語』作者(≠頼政)の技巧をも活かした
口語訳にしている(^^)
自分の人生は、花咲くような華やかな栄達もなく、まるで埋もれ木のようであったが、
こうして、実がなりはてて朽ちるような最期を迎えることが、ほんとうに悲しいことだ。
口語訳からも解るように、「身のなる果て」について、上宇都ゆりほは「実がなって朽ちる意味と、
人生のなれの果てを掛ける。」と語釈(^^) ところが、ピーター・マクミランは「身のなる果て」を
次のように解していたエッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?
・・・/花が咲くこともなく、実がなることもなかった「埋もれ木」に自身を重ね、・・・
・「兄頼朝」ではなく藤原泰衡に「攻められて命を落とし」たんだよヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-07-23
・ピーター・マクミラン曰く「すべての月が愛されたことが日本文化の大きな特徴」とは笑止(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-10-03
・朝日連載「星の林に ピーター・マクミランの詩歌翻遊」が芭蕉『笈の小文』の句を変な解釈(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-05-14
13時から17時まで野球中継視聴も贔屓チームが勝てぬと無駄に過ごしてしまった気になる(-ω-、)
【読んだ本】
上宇都ゆりほ『源平の武将歌人 コレクション日本歌人選 047』(笠間書院,2012)所蔵本
今日の朝日新聞の朝刊の連載「星の林に ピーター・マクミランの詩歌翻遊」が「頼政は最期まで、
武士で歌人」と題して『平家物語』に載る源頼政の辞世を取り上げ、次のように現代語訳(^_^;)
埋もれ木の 花咲くことも なかりしに 身のなる果てぞ かなしかりける
埋もれ木のように目立たない私の人生であったが、挙兵の果てに
このような最期を遂げるとは、実に悲しいことであるよ。
この歌の「身」は「実」を掛けていることは一目瞭然で、水原一(校注)『新潮日本古典集成 平家
物語 上』(新潮社,1979)、杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(四)』(講談社学術文庫,1982)、
梶原正昭&山下宏明(校注)『平家物語(二)』(岩波文庫,1999)、そして本書も指摘してる(^^)
しかし、これら手元の『平家物語』の各注釈書の訳はピーター・マクミランによる現代語訳と同様に
「実」については全く触れてない(^_^;)
・水原一(校注)『新潮日本古典集成 平家物語 上』(新潮社,1979)
埋れ木に似た我が生涯に花咲くような思い出もなかったが、こうして身のなる果[はて]
はかなしいことだ。
・杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(四)』(講談社学術文庫,1982)
私の生涯は、埋れ木に花の咲くことがないように、世に時めくことなく埋もれたまま、
いまこのような最期をむかえたのは、悲しいことだ
・梶原正昭&山下宏明(校注)『平家物語(二)』(岩波文庫,1999)
自分の生涯は埋もれ木のように、花咲き栄達することもなかったが、このような
身のなれの果てで死んでゆくのは何とも悲しいことだ。
上宇都ゆりほは流石に専門家だけあって、ちゃんと『平家物語』作者(≠頼政)の技巧をも活かした
口語訳にしている(^^)
自分の人生は、花咲くような華やかな栄達もなく、まるで埋もれ木のようであったが、
こうして、実がなりはてて朽ちるような最期を迎えることが、ほんとうに悲しいことだ。
口語訳からも解るように、「身のなる果て」について、上宇都ゆりほは「実がなって朽ちる意味と、
人生のなれの果てを掛ける。」と語釈(^^) ところが、ピーター・マクミランは「身のなる果て」を
次のように解していたエッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?
・・・/花が咲くこともなく、実がなることもなかった「埋もれ木」に自身を重ね、・・・
・「兄頼朝」ではなく藤原泰衡に「攻められて命を落とし」たんだよヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-07-23
・ピーター・マクミラン曰く「すべての月が愛されたことが日本文化の大きな特徴」とは笑止(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-10-03
・朝日連載「星の林に ピーター・マクミランの詩歌翻遊」が芭蕉『笈の小文』の句を変な解釈(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-05-14
花咲くことはなかったけど、「平家打倒」の実になったけど、その
実を享受することはなかった(悲しい)。なんて、歌を詠んだ当人は
歴史をしらないからできるわけないか(笑)。
by tai-yama (2023-05-14 22:40)
平家打倒の種子に(は)成ったはありえるかと(^^)
実は源頼政の作ではなく「・・・『平家物語』作者の
創作と思われる」と上宇都ゆりほも書いてますから、
その後の歴史を知った上での歌でしょうからね(^^)
ちなみに、水原一・前掲書も〈・・・或いは「実の
なる」には武将としての死を満足する思いも秘められ
ているのであろうか。〉と指摘しておりました(^^)
by middrinn (2023-05-15 06:41)
やはり、シソの原産地に近い国の人間でないと。
夏の太陽は、それほど強く無く、シソにとっては
さいたま県より過ごしやすいと思われる国の人間
でも、前半のハナイカダのような隠し花の得意な
低木から、秋たけなわの朽ちシソの姿とを、後半
のこの歌の解釈では、頭の切り替えが必要だと理解
する事は困難なのか? 植生が日本、特に関東圏と
大きく違うと、頼朝系の歌は解釈が難しいんですね。
by df233285 (2023-05-15 07:46)
この歌の「身のなる果て」の「身のなる」は否定形ではないのに
「実がなることもなかった」と解した日本語読解力の問題(^_^;)
百目鬼恭三郎『新古今和歌集一夕話』(新潮社,1982)を披くと、
源頼綱→仲正→頼政→仲綱と「つまり、頼政の摂津源氏は四代に
わたって新奇な表現を好む歌風を保ってきたわけなのである。」
とありまして、摂津源氏の和歌はちょっと解り難いですね(^_^;)
by middrinn (2023-05-15 10:56)