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200514読んだ本

Amazonマケプレで「運営責任者名」を漢字ではなく敢えてローマ字で表記する出品者は怪しい(@_@;)
やっとAmazonマケプレに出品されたけど、定価10000円余のが絶版品切とはいえ20000円余とは高いし、
「良い」なのにコンディション説明文に〈書き込み等がある場合も〉云々とあるし、何よりも出品者が
胡散臭い(@_@;) そのコンディション説明文、コピペの臭いがプンプンする(@_@;) 函の有無も表記
してないし、本の値打ちが解らずに大量出品する新古書店系にありがちな定型文の転用っぽい(@_@;)
〈店舗でも販売してます〉としながら、今日5/14の時点で「5/30~6/6の間にお届けします」は時間が
かかり過ぎだし(@_@;) 出品者(日本人の名前だがローマ字表記)が届け出ているショップの住所を
調べると、8階建マンションの4階の部屋なのに〈店舗でも販売して〉いるなんてことあるのか(@_@;)
ただ、昨日取り上げた出品者と異なるのは、Amazonマケプレには当該本の出品が他に無いこと(@_@;)
他サイトから安いのを購入転送して差額を稼ぐんだろうと探すと「日本の古本屋」に5000円余(@_@;)

【読んだ本】

深沢眞二&深沢了子編『芭蕉・蕪村 春夏秋冬を詠む 春夏編』(三弥井古典文庫,2015)所蔵本

松尾芭蕉の「若葉して御めの雫ぬぐはばや」(『笈の小文』から)について、朝日新聞の昨日の朝刊
の連載「星の林に ピーター・マクミランの詩歌翻遊」は、次のように現代語訳し評していた(@_@;)

    艶やかな新緑からしたたる雫は、来日の苦難の中、盲[めし]いてしまわれた
    鑑真和上の尊い涙に重なる。ご像のまぶたをこの若葉でぬぐってさしあげたいものだ。

    ・・・「雫」という言葉は若葉の雫、鑑真の涙、そしてその慈悲の心も示す。
    この見事な重奏美は、英語ではなかなかまねできない。/・・・    

「雫」が「したたる」「若葉」では鑑真和上像の「涙」は「ぬぐ」えないだろ、と先ず思った(^_^;)
「詩人、翻訳家」というピーター・マクミランの独善的解釈か、しかるべき注釈書にも出てる解釈か、
図書館で調べられなくて残念(ノ;ω;)ノコロナノバカヤロー!~┻┻ (/o\) ミドリン ナカナイデー!! 蔵書から引くと、
麻生磯次(訳注)『現代語訳対照 奥の細道 他四編』(旺文社文庫,1970)の『笈の小文』の訳(^^)

    瑞々しい若葉が堂の四辺を囲んでいる。その若葉の色を映して盲目の尊像が、
    かすかな微笑をふくんで端座しておいでになる。思いなしかその目のあたりには
    雫さえ感ぜられる。せめてその雫を拭ってあげたいものだ。

井本農一『芭蕉入門』(講談社学術文庫,1977)も頁を割いていて、次のように記しているよ(⌒~⌒)

    ・・・/句の意味は、眼のさめるような新鮮な若葉に囲まれておわす
    鑑真和尚の尊像よ、この清らかな若葉をもって御眼のしずくをぬぐって
    さしあげたいものだというようなところで、季語は「若葉」で夏の句です。/・・・

中山義秀『芭蕉庵桃靑』(中公文庫,1975)もついでだから引いておくか〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    ・・・/芭蕉達のおがんだ盲目姿の乾漆座像は、和上遷化の前に制作された
    真影だとされている。両手、両足を組みむすんだ結跏趺坐像の姿で、しずかに
    最後(ママ)の時を待つかのよう、瞑目している和上の温容は、つくろわぬ
    生前の面影を、さながらに写しだしている。それが今若葉の光をうけて、
    涙しているかのように拝させる、というのである。/・・・

「・・・だとされている」とあるが、町田甲一『大和古寺巡歴』(講談社学術文庫,1989)参照(^o^)丿
とまれ、これらの本を見る限り、「新緑からしたたる雫」「若葉の雫」などとは解されてない(@_@;)

さて、さて、さ~て! 昨年の読了本でベスト3には入る本書は、とりあえず、この句を他の本と同様に
「夏のみずみずしい若葉を使って、痛んだ鑑真和尚の御目の雫をぬぐってさしあげたい。」と訳して、
更に次のように続けている∑( ̄ロ ̄|||)ニャンですと!?

    ・・・だが、近年、この句の解釈について山田あい氏の斬新な指摘があった
    (『会報 大阪俳文学研究会』四十一号、二〇〇七年十月)。山田氏によれば、
    [北村]季吟の俳諧作法書『山之井』の「新樹」の項に「真珠にとりなして見る
    目のくすりともいへり(中略)夏山は目のくすり成しんじゆ哉」という記事がある。

      これによれば、目の薬とされていた「真珠(シンジュ)」を「新樹
      (シンジュ)」に掛けて詠むことがあったということがわかる。
      「夏山」の句はこの趣向を使っている。ここでの夏山の青々と茂った
      新緑と目の関係は、完全な言葉遊びである。

    と述べる。そして、当時、真珠の粉末が眼病の薬として用いられていたことを
    考証している。山田氏の、4の句[=「若葉して御めの雫ぬぐはばや」]についての
    解釈のまとめは次の通り。

      鑑真和上の像を前にして、和上の来日までの苦難の数々を思った。
      その苦難のすさまじさを示すように、失明した両目はぴったりと
      閉じられている。ようやく念願叶って来日したときには、既に
      失明していたのだから、この日本の地も新緑も見ることができなかった。
      なんとかして、失明した目を治してさしあげたい。和上が命を懸けてまで
      熱望した日本の地を見せてあげたい。古俳諧以来「新樹は目の薬」だという。
      だから、この若葉で、その目を癒やせたならば。

    納得のいく解釈である。つまり、「目の薬─真珠─新樹─若葉」という連想関係を
    「しんじゅ(真珠─新樹)」の部分を抜いて利用しているのだが、これは当時の俳諧に
    慣れた人ならすぐ気付くであろう語のつながりだったはずである。ちょっと考えさせて
    「あ、そうか」と解かせて笑わせるのがこの発句の狙いだったといえるだろう。/
    このように、たとえば「鑑真和尚への崇敬の念」といったような真面目な解釈のみに
    とどまっていた句にも、実はことば遊びの要素が盛り込まれていて、三百年余りの
    時を経て現代の我々にはその面白さがぱっとはわからなくなっている、という場合は
    少なくないだろう。これからも、芭蕉のことば遊びの面白さがもっと発掘されることを
    期待したい。/・・・

日本人ですら「三百年余りの時を経て」いるし、況んや外国人をや、かな〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

・著者が外国人で訳者が有名美術史家の娘だから岩波も出したのではと邪推したくなるほどの愚書(-"-)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-04-24
 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-05-08
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タグ:俳諧
コメント(12) 
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コメント 12

ニッキー

8階建ての4階で店舗?
会員制の店舗なんでしょうかw
「5000円で買って20000円で売る」
う〜ん・・・差額15000円弱が儲けと考えると
やっぱり取り締まってもいなくならないのは仕方ないかも(*_*)


by ニッキー (2020-05-14 21:33) 

middrinn

( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 特製会員制の店舗なんでしょうかw座布団1枚 ♪
更に怪しく思えてきました(^_^;) 皆が安い方を買えば虻蜂とらずに(^o^)丿
by middrinn (2020-05-14 21:45) 

nikki

怪しい出品者ですね。

移転を見据えた実験ですよ。
どうなるかな。
by nikki (2020-05-14 22:09) 

ナベちはる

一見するとお店で無いようなところが住所になっているとは、怪しすぎますね…
by ナベちはる (2020-05-15 00:36) 

middrinn

でも、当該機能が無くなることは、
nikki様、確定ですかね(@_@;)
by middrinn (2020-05-15 05:25) 

middrinn

仮に〈店舗でも販売しています〉云々という文言が、
ナベちはる様、無ければ疑われませんよね(@_@;)
by middrinn (2020-05-15 05:28) 

爛漫亭

 目からウロコの再発見ですね。
目の行き届いた本ですね!
by 爛漫亭 (2020-05-15 09:35) 

middrinn

アンテナを張ってますよねぇ(〃'∇'〃)
大学の教科書として書かれたというのが
信じられないほど啓蒙的で前衛的(^^)
目尽くしのコメと気付きました(^_^;)
by middrinn (2020-05-15 12:17) 

tai-yama

堅い若葉で目を(眼球)を拭いたら、「目がー、目がー」のバルスな
状態になったり。もしかしたら、ムスカ像なのかもしれない・・・
by tai-yama (2020-05-15 22:27) 

middrinn

ジブリ作品は観ないんで全く解らず、ネット検索で、
『天空の城ラピュタ』のことと知りましたm(__)m
by middrinn (2020-05-15 22:31) 

yokomi

緊急事態宣言 : 本日から詩歌を発表する際は、その解説を400字以内にまとめ、添付することを条件とす(^_^)v 過去に発表された詩歌は、その真相に辿り着いていないものもあるかと心配(^_^;)
by yokomi (2020-05-15 23:10) 

middrinn

本書はマジでおススメですよん(^o^)丿 芭蕉が如何に
古歌や歌枕などを踏まえて句作していたかが理解でき、
従来の解説がメチャ薄っぺらく感じられてきます(^^)
by middrinn (2020-05-16 05:58) 

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