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221114読んだ本

河野太郎がドヤ顔で「だから、ハンコを廃止しろと言ったんだ!」などとトンチンカンなことを
言い出したら嫌だねぇ(@_@;) デジタル化だか電子化だかされた場合、ハッカーによって勝手に
死刑執行起案書が作成されて決裁まで次々されてしまうなんて事態も起こり得るのかな(@_@;)
死刑存廃の論点に誤判の可能性だけでなく誤執行の可能性まで加わることになるかもね(@_@;)

【読んだ本】

倉本一宏編『現代語訳 小右記15 道長薨去』(吉川弘文館,2022)

藤原実資の日記『小右記』の長元元年(1028年)8月18日条を本書の157~158頁から引くけど、
肝心なところが書かれていないから読んでて隔靴掻痒の感(ノ`m´)ノ ~┻┻ (/o\) ミドリン ヤメテー!!

     十八日、庚辰。 中宮御修法、結願/頼通邸に落書

    「去る五日、関白[藤原頼通]の邸に落書[らくしょ]があり」と云うことだ。
    「天下の事や道俗の事が書かれていた。上達部以下の悪事も、皆、記し載せてあった」
    と云うことだ。「往古から今に至るまで、未だこのような落書はなかった」と云う
    ことだ。/雨脚は沃[そそ]ぐようであった。旱水[かんすい]が並んだ年である。
    また、風災が有った。去る夏、疫癘[えきれい]が流行した。最近では兵革が有った。
    災年[さいねん]と称さなければならない。

「上達部已下の悪事、皆、注し載す」の内容をメモんなきゃダメだろ(ノ ̄皿 ̄)ノヤクタタズ!┫:・’
なお、「兵革」とは多分6月に起きた平忠常の乱を指し、倉本一宏は巻頭の「本巻の政治情勢と実資」
という内容紹介&簡単な解説で「何故に後一条[天皇]と関白頼通は、追討使として源頼信ではなく
平直方を選んだのかというと、直方と父の平惟時が頼通の家人であったのに対し、頼信が実資の家人
であったことも影響したのであろう。」(本書16頁)と推測(^^) ただし、「七月十日、実資が追討使
進発の日について、この日は公損であり、また血忌日[ちいみにち]で下弦日で忌避すべきであると
して、難色を示した。よく平安時代史の概説書などに、貴族が追討使の進発を占いによって遅らせた
と記されているが、遅らせたのは、何と実資だったのである。」(本書15~16頁)とも記す(^_^;)

万寿4年(1027年)8月19日条(本書36頁)と翌20日条(同36~37頁)も和歌を記しておけよ(-ω-、)

     十九日、丙戌。 姸子、病悩/資頼の給官を頼通に申す/深覚と和歌の贈答

    ・・・/・・・/池上大僧正(深覚)が和歌一首を寄せた。すぐに返歌し奉ったばかり
    である。和歌はまた、廻脚に託し、また梨を下給した。・・・


     二十日、丁亥。 公任に雄黄を送る/公任と和歌の贈答

    去る夕方に梨を納めた櫑子[らいし]を、今朝、返し奉った。糒[ほしいい]を納め、
    和歌を加えた。雄黄[ゆうおう]を長谷[ながたに](藤原公任)に奉った。御書状
    が有ったので、先日、また奉った。「ちょっとした分」ということだ。また、筍や栗を
    同じ櫑子に入れ、和歌を加えて返し送られた。すぐに返し奉った。また返歌を加えた。

藤原実資と藤原公任の贈答歌を調べようと、『公任集』も入っている犬養廉&後藤祥子&平野由紀子
(校注)『新日本古典文学大系28 平安私家集』(岩波書店,1994)の「人名索引」を前に利用したら
誤りがあったぞ(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-09-12 )ヾ(`◇´)ノ
それはともかく、藤原実資は研究者から和歌は「不得手」というレッテルを貼られてるけど、やはり
下手の横好きかもね(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-09-29 )(@_@;)

[追記221115]

「頼信が実資の家人であった」は朧谷寿『清和源氏』(教育社歴史新書,1984)を読むと不審(@_@;)
タグ:歴史 和歌
コメント(8) 

コメント 8

tai-yama

平安時代当時の一般人が落書きできるほど識字率も高くなさそう
なので、落書きした人はそれなりの知識階級かな?もしくは坊さん
とか。誤印による犯行(ハンコ)と言ってみたり(笑)。
by tai-yama (2022-11-14 23:45) 

ナベちはる

日本の中でも中枢に値するような場所にハックしてあれこれできる実力があれば、不正アクセスを見つけたタイミングで逆にスカウトして味方につけてしまうのもアリかもしれませんね(^^;)
by ナベちはる (2022-11-15 00:41) 

middrinn

二条河原の落書もそうですけど、識字率が低かったのなら、
tai-yama様、人々は読むことができたんですかね(@_@;)
「上達部已下の悪事」も記載されてたから、「上達部」の
世界をもよく知っている人が作者なんでしょうね(^_^;)
でも、「上達部」の世界に通じている人となると、筆跡で
誰だかすぐにバレてしまいそうな気もしますけど(^_^;)
by middrinn (2022-11-15 05:52) 

middrinn

もし死刑を誤執行してしまったら取り返しがつかないので、
ナベちはる様、その前に見つけないといけません(@_@;)
それだけのスゴ腕をスカウトするには巨額の予算が(^_^;)
by middrinn (2022-11-15 06:21) 

df233285

なるほど。こうした朝廷側の不手際もあって、平忠常の
乱の平定の少し後には、神はしし座ガンマ流星雨を降ら
して政を戒め、後一条天皇も崩御する際には、流星が
見えなくならないように、通夜の明かりを消させる遺言
を、するハメにまでなったという事なのですね。
by df233285 (2022-11-15 08:13) 

middrinn

この乱以前から「坂東の独立性の進行」は始まっていたようですが、
この乱の長期化によって促進されたことは間違いなく、「朝廷側の
不手際」が後の鎌倉幕府の遠因になったのかもしれませんね(^_^;)
「通夜の明かり」が「消」えていたのは、源顕基の出家譚によると、
譲位する前に崩御してしまったために起きた混乱のためかと(^_^;)
また『和漢朗詠集』に白居易の「燭を背けては共に憐れむ深夜の月
(燭台の明かりを壁の方に背けて部屋を暗くしては、友人たちと深夜
の月を賞でる)」(菅野禮行[校注・訳]『新編日本古典文学全集19
和漢朗詠集』[小学館,1999])が採られており、和歌や謡曲等にも
この表現は用いられているので、「消させる」ことは無いかと(^_^;)
by middrinn (2022-11-15 10:09) 

美美

デジタル社会でもアナログ社会でもミスは付き物
それにどう対処できるか
デジタル化が進むとそれを悪用する輩が現れる
またハンコをただ機械的に押しているのではこれまた怖い
せめて責任ある立場の人には発する言葉には責任を持ってほしいものです。時と場所を考えて。

by 美美 (2022-11-15 10:31) 

middrinn

たしかに、デジタルでもアナログでもミスは起こりますね(^_^;)
ミスは防げないので、ミスが起こり得ることを想定した制度設計が
求められ、そのために何人もの決裁印を必要としてるかと(^_^;)
by middrinn (2022-11-15 10:43) 

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