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220712読んだ本

♪これもアイカ、あれもアイカ、たぶんアイカ、きっとアイカ~と各誌表紙が沢口愛華ばかりになる
時代がいつか来るかも(^_^;) ちなみに、アイカ工業の本社は名古屋で沢口愛華も名古屋出身(^_^;)

【読んだ本】

竹田晃&黒田真美子(編)大木康(著)『中国古典小説選12 笑林・笑賛・笑府他〈歴代笑話〉』(明治書院,2008)

先日読了(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-07-06 )した駒田信二(編訳)
『中国笑話集』(講談社文庫,1978)には、『艾子雑説』から「三蔵法師」と題された次の一篇が紹介
されている(@_@;)

    艾子[がいし]は酒好きで、酔っていない時はほとんどなかった。そこで弟子たちが、
    先生に酒をひかえさせようと思って相談した。/「酒が体にどんなに毒かという証拠を
    見せて、先生をこわがらせることにしよう。そうすれば先生も少しは慎んでくださる
    だろう」/ある日、艾子はしたたかに飲んで、へどを吐いた。弟子たちは艾子に気づかれ
    ないようにしてそのへどの中へ豚のはらわたを入れ、それを艾子に見せていった。/
    「人間は五臓があるから生きておられるのです。先生は度をすごして酒をお飲みになった
    ため、とうとう五臓のうちの一つを吐き出してしまわれました。あと先生には四臓しか
    ありません。これからはよほど気をおつけにならないと生きてはおられません」/艾子は
    自分が吐き出したという一臓をつくづく眺め、そして笑っていった。/「かまわん。
    三蔵法師でさえ生きていたんだ。おれにはまだ四つあるじゃないか」

それほど可笑しくなかったけど、同書巻末の「解説」に「蘇軾(東坡居士。一〇三六-一一〇一)の
撰と伝えられている『艾子雑説』は、艾子という架空の人物を主人公にした笑話集。三十七話ある
うち、本集には五話を選んだ。」云々とあり、興味津々(^_^;) が、本書所収の『東坡居士艾子雑説』
(宋 蘇軾撰)の冒頭の「解説」に〈しかし、南宋の陳振孫の『直斎書録解題』巻十一に「艾子一巻」
の記載があり、「相伝為東坡作、未必然也」(東坡の作と伝えられているが、そうとはかぎらない)
というように、南宋の頃にはすでに蘇軾の名に仮託されたものと考えられており、陳振孫のいうこと
はおそらく正しいのであろう。〉とあり(本書76頁)、がっかりである(^_^;) ただ、「だが、ここで
重要なことは、『啓顏録』の作者とされた侯白などのように、笑話の世界には、代表的な登場人物、
あるいは関係者(社会の秩序をかき乱す道化、トリックスターの役割を果たす人物)がおり、蘇軾
(東坡)もまたその一人に数えられる点である。蘇軾は、政治家としては旧法党に属し、王安石らの
新法党との間にはげしい政治闘争をくりひろげ、左遷と昇進をくりかえした。一時は、その作った詩
が皇帝を誹謗するものだとの嫌疑から、獄に下され、死刑の判決を受けそうになったこともあったほど
である。その蘇軾が笑話界のプリンスになったのは、きびしい政治状況のなかで、常に一種のゆとり
をもって事に処したことがその理由であろう。」(本書76頁)と続くので、蘇軾も登場する傑作漫画
の佐々木泉『墨戯王べいふつ』(小学館ビッグコミックス,2004)の主人公の米芾に似たキャラだった
のかな、とやはり気になる(^_^;) ただ、全「三十七話」を読んだわけではないけど(本書も12話しか
収録してない)、この『艾子雑説』=『東坡居士艾子雑説』の各笑話、あまり面白くないねぇ(^_^;)
そもそも「『艾子雑説』の艾子は架空の人物。戦国時代の斉の宣王に仕えたとされ、作品の中では、
燕や趙など各地に出向いている。・・・愚かに見え、普通の人と思われないがゆえに、かえって君主
に対して思い切ったことをずばりと言えるのである。典型的なトリックスターといえよう。」(本書
77頁)とされ、その一話の「斉宣王」の語注で〈戦国時代、斉国の君主。遊説の士を厚遇し、学者を
優遇したので、斉の都である稷には全国から学者が集まり、学問が栄えた。「稷下[しょくか]の学」
として知られる。孟子、彭蒙、田駢[でんべん]、慎到、尹文、荀況、鄒衍など、諸子百家の多くの
学者がここに集まった。架空の人物である艾子が、斉の宣王に仕えたとされる設定には、艾子を稷下
に集まった学者の一人にし、またこれらの学者と対話させようとの意図がある。〉と説明(本書79~
80頁)されているような「設定」にもかかわらず、上記「三蔵法師」という一篇は何なんだ(@_@;)
同話は本書の三話目に収録され、その「余説」に次の説明(本書84頁)が∑( ̄ロ ̄|||)ニャンと!?

    艾子が果たして戦国時代の斉宣王時代の人であるとしたら、はるか後の唐代の人である
    唐三蔵のことを知っているはずがない。だが、笑話の世界ではそうした時代錯誤には
    まったくこだわらない。

本書の七話の「余説」にも「もし艾子が戦国時代の人であるならば、その当時の中国にはまだ仏教は
伝来していなかったわけだから、時代的には成り立たないことになる。これも笑話が時代錯誤など気
にしない一例。」(本書94頁)とあり、笑話とはそーゆーものなのか( ̄◇ ̄;) つまらんな(@_@;)
タグ:笑話 中国
コメント(10) 
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コメント 10

tai-yama

「艾子」なだけに「日本ガイシ」と言ってみたり(笑)。
蔵物ではなく血を混ぜた方が効果的と・・・・
by tai-yama (2022-07-12 23:21) 

ナベちはる

セリフを見るだけでBGMが脳内再生されました(笑)
ただ、あのCMが流れているのをここ数年見た記憶がありません…((+_+))
by ナベちはる (2022-07-13 00:48) 

middrinn

血を見て、もしショックを受けた艾子に寝込まれでもしたなら、
tai-yama様、弟子たちは指導を受けられなくなったり(^_^;)
by middrinn (2022-07-13 06:57) 

middrinn

とりわけ東海地方でよく流れていたようで、
ナベちはる様、また視たいですね(^_^;)
by middrinn (2022-07-13 07:12) 

df233285

埼玉熊谷方面のように、これだけ梅雨の末期豪雨らしくなると。
「梅雨明け宣言外れた」と言われても、通常仕方が無いが。
「天気図書くとき、低気圧に前線書か無ければ、梅雨の戻り
ではないと言ってごまかせる」とかなんとか。気象庁の
新入りが、こんな疑問述べたら先輩に言われたといった笑話
を作った方が、本文の酒話よりは、幾らか面白いですかね。
by df233285 (2022-07-13 08:20) 

middrinn

この数日間、晴れてても湿度がメチャ高いですね(+_+)
専門的知識の無い万人に理解し得る内容の方が(^_^;)
by middrinn (2022-07-13 09:44) 

nikki

名古屋が話題ですね。
by nikki (2022-07-13 19:03) 

middrinn

アイカ工業は買いですかね(^_^;)
by middrinn (2022-07-13 19:41) 

yokomi

大雨が気になり寝ぼけ眼で見ています。中国古典の年代範囲と仏教渡来の時期を調べたくなりましたが、アイカ、まっイイカぁ~(^_^;)
by yokomi (2022-07-16 11:18) 

middrinn

いつも読まずにコメされてるようですし、寝ぼけ眼とか関係ないでしょう(^_^;)
by middrinn (2022-07-16 14:40) 

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