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220527読んだ本【バカチン】

読んだことも視たこともない『呪術廻戦』のTシャツを着てるのは、単にメチャ安かったから(^_^;)

【読んだ本】

久保田淳『久保田淳著作選集 第一巻 西行』(岩波書店,2004)

本書の「蝶の歌から」(初出は久保田淳『西行 長明 兼好─草庵文学の系譜─』[明治書院,1979])
は冒頭(本書308~309頁)で東京新聞1979年4月11日付朝刊の「筆洗」というコラムの一部を引くが、
ソレには西行が詠んだ「ませに咲く花にむつれてとぶ蝶の羨しさも儚かりけり」(後藤重郎[校注]
『新潮日本古典集成 山家集』[新潮社,1982→2015新装版]の訳は「ませ垣に咲く花に親しんで飛ぶ
蝶は羨ましくもあるが、またその命を思うとはかないことだよ。」)が引用されてる(^_^;) で、読み
進めると、〈・・・/試みに『夫木和歌抄』を見ると、この類題歌集の巻第二十七、雑部九に「蝶」
の項がある。そこに掲げられている歌は、次のようなものである。〉として、定家卿、後京極摂政
(藤原良経)、寂蓮法師、家隆卿、源仲正が蝶を詠んだ歌を挙げてて(本書311頁)、更に慈円の家集
『拾玉集』と定家の家集『拾遺愚草』から一首ずつ「蝶」の歌を紹介した上で「・・・/この程度の
作例によっても、和歌では蝶は特定の季節の景物と見なしがたいことが知られるであろう。春の蝶、
夏の蝶、秋の蝶と、冬を除くそれぞれの季節について歌われているのである。」と久保田淳は指摘
(本書312頁)(^_^;) 勅撰集(八代集)にも蝶を詠んだ歌が入集してるのに気付いたのは先日だけど
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-05-19 )、丸谷才一の『男もの女もの』
(文春文庫,2001)所収のエッセイ「菜の葉に飽いたら桜にとまれ」(初出は1996年か1997年)から
引くが、「をかしい」のは調べずに書いた丸谷才一、お前の方だ!ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

    ・・・わたしは・・・王朝和歌で蝶が歌はれないのはどうしてだらうと思ひ悩む
    のであつた。/『古今集』には蝶は出て来ない。/『千載集』にも、『新古今』
    にも出て来ない。/『万葉』にだつてないんです。/をかしいぢやないか。/・・・
タグ:和歌
コメント(8) 
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コメント 8

爛漫亭

 わたしは丸谷才一を読んで、そうなんだ、蝶の和歌は無いのかと思っていました。エッセイのテーマにするのですから、長年あっためていた事柄だったのでしょうが、久保田淳の著作に記載があるなら、丸谷さんも迂闊だったですね。
by 爛漫亭 (2022-05-27 22:34) 

ナベちはる

『呪術廻戦』だと話題作なのでTシャツを着ている人は少なくないと思いますが、これが話題でない作品だったら周囲から浮くかもしれませんね(^^;)
by ナベちはる (2022-05-28 01:42) 

middrinn

『後鳥羽院』では室町時代の(怪しげな)注釈書にまで目を通してるのに、
爛漫亭様、杜撰です(^_^;) 月刊誌の連載エッセイゆえ、他の締切も重なり、
ちょっと思い付いたテーマを、つい調べずに書いてしまったのかも(^_^;)
by middrinn (2022-05-28 04:33) 

middrinn

たしかに、問題があるとすれば、同じTシャツを着てる人と、
ナベちはる様、街中で遭遇した時に気まずいことかな(^_^;)
by middrinn (2022-05-28 05:18) 

df233285

「若い女性が何を見ても笑う」という言い回しは、不正確
な認識であって、近代に枕草子が注目される以前には、その
女性を卑下していると疑われる表現は無かったのかもしれない。
なお、成虫で越冬するキタテハは、成虫で越冬しない日本の
セミよりは幸福者なのか?
by df233285 (2022-05-28 07:50) 

middrinn

キタテハはwikiに「冬は成虫で越冬し、物かげでじっとしている。
冬季にたまに日光浴する姿を見ることもある。」とありましたが、
冬に王朝びとの目には留まらず、詠まれなかったのかな(@_@;)
by middrinn (2022-05-28 08:49) 

tai-yama

蝶って冬以外の季節で見かけるんですよね。勝手に春にされて
いるけど・・・。蛾は一年中いるけど(笑)。
by tai-yama (2022-05-28 19:08) 

middrinn

王朝和歌では冬以外は詠まれていた由、よく観察してたのかも(^_^;)
by middrinn (2022-05-28 19:29) 

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