210712買った本＆読んだ本
読書の厄介なところは、毎日値下がりしてる古本を買うタイミングである〇 o 。.~~━u(￣ﾟ ￣=)ﾌﾟﾊｧ
【買った本＆読んだ本】
藤原克己『菅原道真 詩人の運命』（ウェッジ選書,2002）
「もったいない本舗 楽天市場店」にて「良い」を349円（369円＋送料無料－20p）で10日に注文して
12日に追跡不可能ゆうメールで届く(^_^;) 表紙カヴァーや帯の状態は「可」に近い「良い」だけど、
書き込み等は見当たらないので問題ナシオン主権(^o^)丿 毎日1円ずつ値下がりしてたけどね(-ω-、)
××という言葉に付された岩波の新日本古典文学大系の脚注の説明に疑問があり、その言葉は道真が
作った漢詩文に使われてたなぁと思い出し、図書館の棚から取り出した本書、その説明は思った通り
だったので借りて帰り、最初から少し読んでみたら、いい感じだったので、購入することに(⌒～⌒)
・・・／道真が大宰府に左遷されてから詠んだ詩に、「野大夫を傷む 古調七言五韻」
という作があります。野大夫［やたいふ］すなわち小野美材［よしき］という人の訃報
に接して詠んだ詩です（大夫は五位の官人に対する呼称）。
・・・［略］・・・
小野美材が亡くなったのは、延喜二年［902年］。したがってこの詩が書かれたのは、
道真自身の死の前年ということになります。こうしてその最後［ママ］の時まで、
道真が詩の衰微を憂えていたということに、私は強く心を打たれるのですが、この詩
ではとくに、「詩人」と「鴻儒」（すぐれた儒者）とが、あたかも相対立するもので
あるかのように言われていることに留意していただきたいのです。ここには道真の、
ある苦い思いがこめられているに違いありません。／なぜなら、・・・高い見識を
有する鴻儒として天子の諮問に与り、時に諫言をも呈しながら、と同時に詩人として、
四季折々に天子に詩を献ずるというありかた、そのように鴻儒にして詩人であるという
ありかたが、文人としての道真の理想だったからです。そしてじっさい彼は、まさに
そのような鴻儒詩人でありました。／・・・／ところが、菅原道真の生きた九世紀の
後半には、詩人無用論が唱えられるようになったのです。道真ともたいへん親しかった
詩人に島田忠臣という人がいます。その忠臣の「春日仮景、同門の友人を訪う」という
題の詩に、「儒家は問噵［あげつら］う 詩は無用なりと」という一句があり、その句
にさらに「近来盛んに詩人無用と噵［い］う」という注記が付されています。そして
この「儒家」たちの唱える詩人無用論は、ついに道真を追放するまで、鳴りやまなかった
のでした。／ですから、みずからを「詩人」と規定して詩道の衰微を慨嘆しつつ、
「鴻儒」という呼称を、在京の詩を読まない儒者たちにたたきつけたかのような先の
「野大夫を傷む」の詩は、とりもなおさず、「鴻儒詩人」という道真の理想の完全な
挫折の表明にほかなりません。・・・／道真は詩人でありました。しかしそれはたんに
彼が天成の詩人であったというだけではなく、詩人無用論の横行という時代の流れに
抗してそうであったのだということ、このことが本書で強調したい点の一つです。／・・・
漢詩文にも菅原道真にも、さほど興味・関心が無い小生なんだけど、こーゆーのを読むとねぇ(^_^;)
「野大夫を傷む」の中に、「紀相公応煩劇務（紀相公は応［まさ］に劇務に煩うべし）」という句＝
「［もう小野美材ほどの詩人は他にはほとんどいない、と述べた後］ただ一人、紀長谷雄がいるが、
彼は参議の劇務に忙殺されていて（相公は参議の唐名）、詩を詠む暇もないだろう。」と訳されてる
句があるけど、『本朝文粋』（だったかな）を見てたら、紀長谷雄作の漢詩文が同句を引用してて、
灰原薬の漫画『応天の門』（新潮社BUNCH COMICS）の紀長谷雄みたいにちゃっかりしている感じで、
笑っちゃった(^_^;) 『応天の門⑭』が未だに古本で買えないけど、紙のは売れてないのか(＠_＠;)
【買った本＆読んだ本】
藤原克己『菅原道真 詩人の運命』（ウェッジ選書,2002）
「もったいない本舗 楽天市場店」にて「良い」を349円（369円＋送料無料－20p）で10日に注文して
12日に追跡不可能ゆうメールで届く(^_^;) 表紙カヴァーや帯の状態は「可」に近い「良い」だけど、
書き込み等は見当たらないので問題ナシオン主権(^o^)丿 毎日1円ずつ値下がりしてたけどね(-ω-、)
××という言葉に付された岩波の新日本古典文学大系の脚注の説明に疑問があり、その言葉は道真が
作った漢詩文に使われてたなぁと思い出し、図書館の棚から取り出した本書、その説明は思った通り
だったので借りて帰り、最初から少し読んでみたら、いい感じだったので、購入することに(⌒～⌒)
・・・／道真が大宰府に左遷されてから詠んだ詩に、「野大夫を傷む 古調七言五韻」
という作があります。野大夫［やたいふ］すなわち小野美材［よしき］という人の訃報
に接して詠んだ詩です（大夫は五位の官人に対する呼称）。
・・・［略］・・・
小野美材が亡くなったのは、延喜二年［902年］。したがってこの詩が書かれたのは、
道真自身の死の前年ということになります。こうしてその最後［ママ］の時まで、
道真が詩の衰微を憂えていたということに、私は強く心を打たれるのですが、この詩
ではとくに、「詩人」と「鴻儒」（すぐれた儒者）とが、あたかも相対立するもので
あるかのように言われていることに留意していただきたいのです。ここには道真の、
ある苦い思いがこめられているに違いありません。／なぜなら、・・・高い見識を
有する鴻儒として天子の諮問に与り、時に諫言をも呈しながら、と同時に詩人として、
四季折々に天子に詩を献ずるというありかた、そのように鴻儒にして詩人であるという
ありかたが、文人としての道真の理想だったからです。そしてじっさい彼は、まさに
そのような鴻儒詩人でありました。／・・・／ところが、菅原道真の生きた九世紀の
後半には、詩人無用論が唱えられるようになったのです。道真ともたいへん親しかった
詩人に島田忠臣という人がいます。その忠臣の「春日仮景、同門の友人を訪う」という
題の詩に、「儒家は問噵［あげつら］う 詩は無用なりと」という一句があり、その句
にさらに「近来盛んに詩人無用と噵［い］う」という注記が付されています。そして
この「儒家」たちの唱える詩人無用論は、ついに道真を追放するまで、鳴りやまなかった
のでした。／ですから、みずからを「詩人」と規定して詩道の衰微を慨嘆しつつ、
「鴻儒」という呼称を、在京の詩を読まない儒者たちにたたきつけたかのような先の
「野大夫を傷む」の詩は、とりもなおさず、「鴻儒詩人」という道真の理想の完全な
挫折の表明にほかなりません。・・・／道真は詩人でありました。しかしそれはたんに
彼が天成の詩人であったというだけではなく、詩人無用論の横行という時代の流れに
抗してそうであったのだということ、このことが本書で強調したい点の一つです。／・・・
漢詩文にも菅原道真にも、さほど興味・関心が無い小生なんだけど、こーゆーのを読むとねぇ(^_^;)
「野大夫を傷む」の中に、「紀相公応煩劇務（紀相公は応［まさ］に劇務に煩うべし）」という句＝
「［もう小野美材ほどの詩人は他にはほとんどいない、と述べた後］ただ一人、紀長谷雄がいるが、
彼は参議の劇務に忙殺されていて（相公は参議の唐名）、詩を詠む暇もないだろう。」と訳されてる
句があるけど、『本朝文粋』（だったかな）を見てたら、紀長谷雄作の漢詩文が同句を引用してて、
灰原薬の漫画『応天の門』（新潮社BUNCH COMICS）の紀長谷雄みたいにちゃっかりしている感じで、
笑っちゃった(^_^;) 『応天の門⑭』が未だに古本で買えないけど、紙のは売れてないのか(＠_＠;)
タグ：評伝
余りにも値下がりしている本は・・・「近来盛んにこの本無用」
と言う意味にも取れたり(笑)。無用(売れない)な本の中にも有用な
情報を引き出す作業は道真公に通じるかも。
by tai-yama (2021-07-12 22:29)
毎日値下がりしている本を買うタイミング、難しいです。
少しでも安い値段で買おうとすると、他の人に買われる可能性も…((+_+))
by ナベちはる (2021-07-13 01:12)
それだけ売れまくったために、古本市場に出回っていて、
tai-yama様、値下がりしてて、有用だったとも(^_^;)
by middrinn (2021-07-13 05:22)
他の人がチェックしてるかどうかとかが、
ナベちはる様、判るといいですね(^_^;)
by middrinn (2021-07-13 05:25)