現役時代に喋るのを我慢した分まで今喋りまくってる感じがするキセノンの饒舌ぶりヒィィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

【読んだ本】

戸板康二『あの人この人 昭和人物誌』(文春文庫,1996)所蔵本

続いて、「徳川夢声の話術」を読んだ(^^) 「あとがきにかえて」で(急逝した戸板康二に代わって)
夫人の戸板当世子が、〈[この]「人物誌」を読んで居りますと、好きだった方を書いているのが、
よく分ります。書き終えると、「読んでみて」といつも申しておりました。「面白いわね」って言い
ますと、「面白いだろ?」と言ってうれしそうにして居りました。〉と書いてるように、戸板康二が
楽しんで書いていた感じが読んでても伝わってくる(^^) でも、前から気になってた点を書く(@_@;)
戸板康二が徳川夢声宅で「中学まで同級だった串田孫一君から聞いた話を披露した」時、

    ・・・/興味ふかそうに耳を傾けてくれたが、そこへ静枝夫人が紅茶を運んで来た。
    「何の話?」と愛想よく夢声さんに尋ねると、「いま戸板さんから聞いたんだがね」
    と前置きして、その話を序破急に組み立て、抑揚をつけながら、さっそく復習された
    のだが、じつにうまい話になっていたのには、目を見はらずにはいられなかった。/
    ・・・

徳川夢声の語り口の上手さを物語る話だが、他方で、戸板康二の下手さもあるのではないか(@_@;)
戸板康二の「ちょっといい話」シリーズ4冊から小生の目が留まった話をメモっていて、もっと面白く
書けるのになと思ったことが何度かあったし、戸板康二とのズレ、ツボが違うと思ったりも(@_@;)

    ・・・/戦前のNHKでも、話をする日、酔っていて、どうしても局へゆけない。
    そこで電話でことわったが、古川緑波さんがかわりに出て、終始夢声さんのこわいろ
    (いわゆる声帯模写)でマイクに向ったという珍談がある。/癖のとりやすい話し方
    であったのも事実だ。その日、局が前後のアナウンスに、どう説明したのかは、
    さだかでない。/・・・

本書は斯く紹介するけど、最後の一文はピント外れだし、話を盛り下げてしまう蛇足に近い(@_@;)
以前に取り上げた話だけど(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-10-30 )、
先ず小林信彦『日本の喜劇人』(新潮文庫,1982)の「第一章 古川緑波 丸の内喜劇の黄金時代」は、

    ・・・/ロッパの〈声帯模写〉がいかに達者だったかは、夢声が「いずれも絶品」と
    評しているのでわかろうが、昭和七年八月八日に夢声が睡眠薬の飲みすぎで倒れたとき、
    ロッパが夢声がやるべき四十分間の放送を夢声の声色で埋めて、事故を聴取者に
    気づかせなかったという、信じがたい事実がある。/

紀田順一郎『にっぽん快人物烈伝』(旺文社文庫,1985)も次の如く紹介する〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)

    /酒好きの度が過ぎてアル中になった。ラジオ出演のさいも、レロレロで
    支離滅裂になってしまうことがあった。一度など、NHKのスタジオに
    入っても飲みつづけ、本番となったときにはもう人事不省となっていたが、
    ちょうど居あわせた古川ロッパが、彼の声帯模写をやって、まんまと三十分を
    だましおおせた。聴取者の誰も、気がつかなかったのである。/
    
御覧の通り、細部が少し異なってはいるけど、この話の急所は全く同じかとオホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)

・「江戸川乱歩の好奇心」は御愛想と思ってたところ「翌日」「速達」なのが〈ちょっといい〉(^^)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-07

・戸板康二の「ちょっといい話」シリーズ4冊から〈真・ちょっといい話〉を選りすぐってみた(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-12-27