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210110買った本&読んだ本

いつも正月のウルトラセールで買うと貰える今月末までの1割引券を貰えたけど余ってたのかな(@_@;)

【買った本&読んだ本】

尾崎雅嘉(著)古川久(校訂)『百人一首一夕話(下)』(岩波文庫,1973)

朝イチでブックオフへ行って570円のをポイント使って550円で購入(-ω-、) 昨日の枕の「見たことも
聞いたこともない面白そうな岩波文庫を発見し注文する羽目に(ノ_-;)トホホ…」は本書とは無関係(^_^;)
蔵書印はいいとしても、表紙カヴァーが折れている上に汚れも酷く(帰宅後に磨いても落ちない)、
状態的には「可」で、110円ならともかく570円は高いと思って昨日はスルーしたけど、ネット上では
下巻は1800円を超えてるし、書き込み等は全く無いから買うことに(´・_・`) だけど、行くの自粛した
元日からのウルトラセールだったら2割引で買えたと思うと(ノ;ω;)ノ~┻┻ (/o\) ミドリン ナカナイデー!!

百目鬼恭三郎『読書人読むべし』(新潮社,1984)の「日本の古典(Ⅰ)」は本書を推奨している(^^)

    ・・・/古典は何から読んだらいいか。私自身の苦い経験にてらしていうと、
    『百人一首』からはじめるのがいちばんいいようだ。・・・/その『百人一首』の
    注解書としては、石田吉貞『百人一首評解』(有精堂)をおすすめする。・・・
    /それから、もう一冊ぜひおすすめしたいのは、尾崎雅嘉『百人一首一夕話
    [ひとよがたり]』(古川久校訂・全二巻・岩波文庫)である。歌の解釈も
    要を得ているが、そのあとにつけた[歌の]作者についての解説がずばぬけて
    面白い。源融はやたらに別荘を建てる趣味があり、殊に河原院と名づけた別荘には、
    陸奥の塩釜の浦を模した池をしつらえ、毎日難波の浦から海水を二十石ずつ運んで、
    潮をくませ、釜で塩を焼かせるという風流を楽しんだ。死後、その別荘が
    宇多法皇の手に渡り、法皇が御息所といっしょにやってきたところ、融の亡霊が
    現われて、御息所を所望した、といった怪奇譚まで紹介しているのだから、
    うれしくなってしまう。むろん、こんな話ばかりではなく、藤原家隆の項などは、
    いくつもの歌論書を引用して、堂々たる家隆論になっている。著者は江戸後期の
    学者である。/・・・

「すすめ」に従って、石田吉貞『百人一首評解』(有精堂出版,1956)を購入・読了したけど、マジで
名著だった(〃'∇'〃) 続けて、本書に手を出さなかったのは、古文読解に自信が無かったから(^_^;)
本書は本文の現代語訳はモチ無いし、注釈とかも全く無い(+_+) でも、中学・高校で習う古典文法は
完全に忘れたけど、和歌や『土佐日記』『紫式部日記』等を各注釈書で読んでる内に古文にも慣れ、
和歌・歌人説話の知識も結構ついたので、本書も図書館で試しに披いたら、おおむね内容を理解する
ことが出来るようになってたv( ̄∇ ̄)ニヤッ 本書を拾い読みすると、知っている話ばかりだし、出典は
記されてないけど、尾崎雅嘉が何からパクったのかもだいたい判るように(^_^;) それでも、初見の話
もあることが、購入した第一の理由なり(^_^;) 例えば、本書の「巻の七」の「左京大夫顕輔」の項に
次の記述がある(@_@;)

    ・・・この[藤原]顕輔は和歌に誉れありければ、詞花集をも勅によりて撰せられたり。
    [藤原]俊成卿も始めは顕輔の養子となられて名を顕広といひ、この人の風体を
    詠まれたれど後に[藤原]基俊の弟子となりて、その風体を改められたり。/・・・

俊成が最初は「顕広」という名だったのは「顕輔の養子」になったからだなんて、あまりの荒唐無稽
に笑ったけど、本書の「巻の七」の「皇太后宮大夫俊成」の項には次のように記されている(@_@;)

    /俊成卿若かりし時母方の祖父藤原顕隆の養子となり給ひて、名を顕広といひしが
    後に俊成と改名せられたるなり。一説には顕輔の養子といへり。・・・

Amazonの本書のレヴューで「ござねぶり」なる方が「古川久さんによって、現代仮名遣いに改められ
ているが、・・・」と書いてるけど、コレも「現代仮名遣い」と言うんだ∑( ̄ロ ̄|||)ニャンと!?

話を戻すと、この「一説」は存在も知らなかったから勉強になったけど、もし「左京大夫顕輔」の項
だけを拾い読みした人は、俊成が「顕広」だったのは「顕輔の養子」だったからというトンデモ説を
真に受けそうだし、「皇太后宮大夫俊成」の項も読めば、正しい知識が得られたかと言えば、決して
そうとは言えぬ(^_^;) 例えば、久保田淳『新古今歌人の研究』(東京大学出版会,1973)を引く(^^)

    ・・・/尊卑分脉に「為顕頼卿子改名顕広、後又復本流」と記されていることから、
    俊成は九条民部卿と号した葉室家の顕頼の子となったことが知られ、顕広という前名も
    それによるかと考えられるが、・・・

俊成は十歳の時に実父の俊忠が亡くなったので、藤原顕頼(顕隆の子)の猶子となったとか(⌒~⌒)
本書は本文に関して注釈が無いので、江戸時代だけでなく現代でも誤った情報を垂れ流してる(^_^;)

本書には大石真虎による挿画も収録されてるけど、挿画中に書かれている文章を文字に起こしたもの
が注の如く各項の末尾に付されている点が購入理由の第二だが、この点は上巻が届いたら書く(^_^;)

巻末には「解説」「作者索引」「和歌索引」(上初句&下初句)に加えて、「話索引」もあるけど、
「話索引」作成者は〈固有名詞の読み方や和歌の解釈、その他陽成院(巻の二)の項に「奥州に夷賊
乱を起す話」が、目録に見えて本文を欠くなど、端々に問題はあるとしても、・・・〉と「解説」に
あるのを読んでいないのか、「奥州に夷賊乱を起す話」まで立項してるオリャ!!(ノ`△´)ノ ┫:・'∵:.

[追記210111]

本書の下巻には能因法師で始まる「巻の六」から順徳院で終わる「巻の九」までを収録している(^^)
タグ:和歌 列伝 説話
コメント(6) 
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コメント 6

ニッキー

外出を控えてる人がいて、ブックオフも客足が鈍ってるのかも・・・
うちのかみさんも今年は一度もブックオフに行ってないみたいです(⌒-⌒; )

by ニッキー (2021-01-10 20:02) 

middrinn

「今年は一度もブックオフに行ってないみたい」って、
今年2021年は、まだ10日しか無いですがな(^_^;)
by middrinn (2021-01-10 20:17) 

tai-yama

平安時代の人がレビュアーなら現代仮名遣いに間違いなかったり(笑)。
「奥州に夷賊乱を起す話」は次巻の予告っ!(笑)。
by tai-yama (2021-01-10 21:48) 

そら

古典文法って大の苦手で(^^;
私が読んでも理解できないだろうなぁ、いや読めないかも(^^;
by そら (2021-01-11 06:51) 

middrinn

このAmazonのレヴュアーが「平安時代の人」だったとしたならば、
tai-yama様、「現代でも誤った情報を垂れ流して」ますね(^_^;)
by middrinn (2021-01-11 07:41) 

middrinn

古典文法、小生はすっかり忘れてしまいましたけど、御覧の通り、
そら様、江戸時代のは何とな~く意味は読み取れるかと(^_^;)
by middrinn (2021-01-11 07:46) 

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