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201218昨日買った本&読んだ本

元ネタが何かを自慢げに語るヤツいるよね〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)ヾ(-_-;)お前もそーゆータイプでは?

【昨日買った本&読んだ本】

西尾光一&小林保治(校注)『新潮日本古典集成 古今著聞集 上』(新潮社,1983→2019新装版)
西尾光一&小林保治(校注)『新潮日本古典集成 古今著聞集 下』(新潮社,1983→2019新装版)

上巻は新品3410円を1割引きの3069円(前払い!)で取り寄せを14日夕方に頼み17日昼に受け取り、
下巻は新品3190円を「bookfan 1号店 楽天市場店」に2215p使い975円で15日注文し17日届く(^^)

本書上巻について「161229読んだ本&買った本」では「新潮日本古典集成は本文の一部に色刷りの
傍注で現代語訳が付されてるが、同集成の他の巻に比べると、ソレが本書では少ない感じで、細目次
を見ると面白そうな説話が並んでいるけど、かなりがっかり(+_+)」と記してたのに今回購入したのは
図書館で時間潰しに披いたら意外に読めたから(^_^;) 中学・高校で習った古典文法は依然として忘却
の彼方だし、この4年間に古典文法を学び直したわけでもないけど、おそらく注釈書で和歌だけでなく
『古本説話集』『土佐日記』『紫式部日記』等も読み、『平家物語』『伊勢物語』『大和物語』にも
取り組んだお蔭で古文に慣れてきたし、また色々と乱読してきたから知識も増えたらしく本書に収録
されてる説話もその知識に照らして内容を推測することで読めるようになったのではないかと(^_^;)
日本史や中国史が得意だと元ネタを知ってるようなものだから受験の古文・漢文で点は取れる(^_^;)

本書下巻の巻第十一の三八四話「紫宸殿賢聖障子並びに清涼殿等の障子の画の事」の末尾を引く(^^)

    ・・・昔、かの馬形の障子を金岡が書きたりける、夜々はなれて萩の戸の萩を
    くひければ、勅定ありて、その馬つなぎたるていにかきなされたりける時、
    はなれずなりにけりと申し伝へ侍るは、まことなりける事にや。/

この「馬の姿を描いた衝立」の巨勢金岡が描いた馬が夜な夜な画の中から脱け出して萩戸の萩を食べ
ちゃうので「その馬をつないでいるように描き改められ」たという話だが、駒田信二『中国書人伝』
(芸術新聞社,1985)が紹介している『聊斎志異』に載る趙孟頫が描いた馬の画のメチャ幻想的な話を
思い出させる(〃'∇'〃) 続けて、三八五話「仁和寺御室に金岡が画ける馬、近辺の田を食ふ事」の
全文も引くv( ̄∇ ̄)ニヤッ

    仁和寺の御室といふは、寛平法皇の御在所なり。その御所に、金岡筆をふるひて
    絵かける中に、ことに勝れたる馬形なん侍るなる。その馬、夜々はなれて近辺の田を
    食らひけり。なにもののすると知れる者なくて過ぎ侍りけるほどに、件の馬の足に
    土つきてぬれぬれとある事、たびたびにおよびける時、人々あやしみて、この馬の
    しわざにやとて、壁にかきたるに、馬の目をほりくじりてけり。それより眼なくなりて、
    田を食らふ事とどまりにけり。

巨勢金岡が仁和寺の御室(ウダダの御座所)の壁に描いた馬が夜な夜な画から脱け出して「田の稲を
食い荒らしていた」のが、その足に土がついて「ぬれぬれ」だったことから発覚したので、馬の眼を
「ほじくり出してしまった」ところ、そのようなことは無くなった、という話である(⌒~⌒)

高田衛『八犬伝の世界 伝奇ロマンの復権』(中公新書,1980)に次の件〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    ・・・/第三に、里見家の使者として京都に赴き、京都室町政権の腐臭をあばく
    はたらきである。/折しも京都では、巨勢金岡描くところの画虎が紙絹から抜け出て、
    生きた怪獣として京都周辺の人心をふるえあがらせていたのだが、その画虎退治を
    はたすのが[八犬士の一人・犬江]親兵衛である。まことに荒唐無稽な話で、
    現在でいえばSF的であるこのストーリーを「鬼話怪誕」と批判する読者もいた。/
    馬琴はそれにたいして、『水滸伝』にも「鬼話怪誕」は多いし、伏姫物語も「鬼話怪誕」
    ではないかと反論した。馬琴の作意では、虎の怪異は、「苛政は虎よりも恐ろし」
    という有名な諺の通り、室町京都政権の苛政の比喩なのであった。読みようによっては
    徳川氏の「御政道」批判につながりかねないことは承知していた。その意味では
    この物語は政治論的なひろがりを持つ幻想怪奇物語である。/そして、じつはこれは、
    文化十二年(一八一五)の山東京伝の合巻『草履打所縁色揚[ぞうりうちゆかりの
    いろあげ]』にあった「画虎の怪」退治の趣向をそのまま利用したものであった。
    内田保広氏がこれを指摘している(「馬琴と権八小紫」)。このような趣向どりを
    誰の目にもそれと知れるように親兵衛物語の上でことさらに追加したところに、
    馬琴の読者に対する暗号発信があった。/・・・

手元にある同書は4版だが、ここで頻出している「鬼話怪誕」は、曲亭馬琴(作)小池藤五郎(校訂)
『南総里見八犬伝(八)』(岩波文庫,1990)の「南総里見八犬伝 第九輯巻之二十九簡端或説贅弁」
には「鬼話怪談」とあるぞ(@_@;) とまれ、巨勢金岡の「無瞳子[ひとみなし]の虎」なる画の話を
『南総里見八犬伝(八)』で読むと、当該件で曲亭馬琴は巨勢金岡に次のように語らせている(^_^;)

    ・・・曩[さき]に臣[それがし]勅詔によりて、画[ゑが]きたりける牧馬すら、
    夜夜紙中を脱出て、芳宜戸[はぎのと]なる胡枝花[はぎ]を齧[はめ]り、と人伝に
    聞えしかば、随即復[すなわちまた]その馬に、絆索[はづな]を追写[ゑがきそえ]し
    より、出ずなりき、と人僉[みな]いへり。馬だに恁[かゝ]る奇瑰[きくわい]あり。
    況[まいて]や虎は外国にて、百獣の王とぞいふなる。猛悪威霊、豺狼[おほかみ]に、
    百倍しぬる毛属[けもの]に侍れば、這画[このゑ]倘亦[もしまた]脱出る、
    事しもあらば人を害[そこな]ふ、不測の禍なからずや、と思ひ怕[おそ]れて
    眼に点せず、胡意[わざと]瞽盲[めしひ]に仕[つかまつ]りぬ。・・・

例の衒学癖か、『古今著聞集』の上記両話という原典の存在を馬琴は読者に示唆したものかと(^_^;)
高田衛・前掲書が言及してる内田保廣「馬琴と権八小紫」をネットで閲覧すると、同論文は山東京伝
『草履打所縁色揚』の当該件を引用しているけど、ソレを読んだ限りでは、『古今著聞集』の両話を
踏まえた叙述は無いみたい(@_@;) 山東京伝『草履打所縁色揚』の「趣向をそのまま利用した」など
と受け取るなかれ、元ネタが『古今著聞集』の説話であることも分かった上で『南総里見八犬伝』で
「利用」したのだ、と読者に自慢げにアピるとともに、山東京伝への当て付けだったのかもね(^_^;)

・馬琴の日記には「・・・彼の息子の妻であり、自分の秘書である女性との、異常に激しい性的交渉
 が暗号によって記録されている。」と言う人いるが、その真偽を誰か調べてほしいC= (-。- ) フゥー

 ⇒ https://yomunjanakatsuta-orz.blog.ss-blog.jp/2015-08-05
タグ:説話
コメント(8) 
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コメント 8

ニッキー

自慢げに元ネタを語られても
元ネタを知らない相手だったら「?」のまんま
自慢にならないですねぇ(⌒-⌒; )

by ニッキー (2020-12-18 22:32) 

ナベちはる

元ネタはなかなか通じなかったりするので、相手側が元ネタが何かというのが分からなかったら意味がないですよね(+o+)
by ナベちはる (2020-12-19 01:26) 

そら

そういやぁ、今の会社で自慢話する人間いないな!
アホはいっぱいいるけど(^^;
by そら (2020-12-19 06:51) 

middrinn

元ネタが存在することも知らずに感心している人に、
ニッキー様、その作品には元ネタがあることを伝える
行為は、元ネタを知らない相手でも自慢かと(^_^;)
by middrinn (2020-12-19 09:36) 

middrinn

たしかに、元ネタを知らないから元ネタがあることに気付かないわけで、
ナベちはる様、元ネタの話をしても、通じないかもしれませんね(^_^;)
by middrinn (2020-12-19 09:38) 

middrinn

その会社は、逆に、大丈夫なのかと、
そら様、心配してしまいます(^_^;)
by middrinn (2020-12-19 09:41) 

tai-yama

絵が具現化するとは・・・・
萌えな女の子が現実にそばに居てくれる日も近いっ!
by tai-yama (2020-12-19 19:17) 

middrinn

巨勢金岡に萌え萌えなコの画を依頼しましょう(^o^)丿
by middrinn (2020-12-19 19:23) 

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