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200816読んだ本

ヤフオク!で超安値の古本、入札件数が現在0なのは終了直前に入札して安くゲットする作戦か(¬。¬ )

【読んだ本】

浅見和彦(校注・訳)『新編日本古典文学全集51 十訓抄』(小学館,1997)所蔵本

賢人右府とまで呼ばれた藤原実資だが、好色なのが玉に瑕(^_^;) 本書の現代語訳を引くv( ̄∇ ̄)ニヤッ

    /前にお話した賢人の大臣といわれた、藤原実資公のことだが、この方は、
    他の事柄では大変賢明な人でいらっしゃったが、女性に関してだけは、
    どうにも我慢なさることができなかったという。/[実資邸の]北の対屋に
    井戸があった。下仕えの女たちは清涼水と呼んで、集まって汲んでいた。
    その中に年若い女を見つけると、誰もいない静かな場所に招き寄せて、
    事を構えられたのだった。・・・[ソレを聞いた藤原頼通にハニートラップを
    かけられて赤面させられた話が紹介されるが省略]・・・/また、ある時のこと、
    実資公のご邸宅の前を、品のよい、美しい女性が通って行くのを御覧になると、
    門から飛び出して、その女に抱きつかれた。たまたま通りかかったある人が、
    車から下りて、「これが賢人のなさることか」とたしなめようとしたところ、
    「女の前では、賢人なんていない」とおっしゃって、家の中に逃げ込まれた
    ということだ。/

斯くも好色で知られた藤原実資に自分が亡くなった後の妻を託す人物が∑( ̄ロ ̄|||)ニャンですと!?

先ず倉本一宏編『現代語訳 小右記5 紫式部との交流』(吉川弘文館,2017)91頁の長和元年(1012年)
7月17日条の冒頭に当該人物の訃報(´ヘ`;)

     十七日、癸未。 大江匡衡卒去/三条天皇病悩/御修法

    昨夕、丹波守(大江)匡衡が卒した〈年は□。〉。現在の名儒であって、比肩する人は
    いない。文道は滅亡した。匡衡は数官を帯した。謂うところは、式部大輔・文章博士・
    侍従・丹波守である。丹波守は主基[すき]国なり。/・・・

んでもって、同書65頁の長和元年(1012年)6月4日条の最後の方に問題の記述がある((;゚Д゚)ヒィィィ!

     四日、庚子。 賀茂社例祭/天台六月会/道長の修法/天台の恐懼/運慶逃去/
            大嘗会行事所始/大江匡衡、眷顧を実資に託す

    ・・・/丹波守匡衡が、人を遣わて云ったことには、「病はすでに危急に臨んでいます。
    非常は近くにあるでしょう。([子息の]大江)挙周、及びその母(赤染衛門)のことを、
    必ず顧みてください」ということだ。驚きながら(宮道)義行朝臣を遣わした。その返報
    は初めと同じであった。夜に入って、挙周朝臣〈東宮学士。〉が来た。すぐに逢った。
    「父(匡衡)が傷み悲しんで云ったことには、『命はすでに落ちようとしています。・・・

赤染衛門が好色実資の毒牙にヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノヾ( ̄o ̄;)オイオイ当時、実資は56歳で赤染衛門も56歳とか!

さて、倉本一宏は同書巻頭の「本巻の政治情勢と実資」でも次のように記してる(同13頁)(@_@;)

    ・・・/なお、匡衡は七月十六日に卒去し、実資は「現在の名儒であって、比肩する人は
    いない。文道は滅亡した。」と記したが、これに先立つ六月四日、匡衡は妻子の眷顧を
    実資に託している。その妻こそ、赤染衛門である。/・・・

このように倉本一宏は赤染衛門であることを特記・強調してるけど、その後、実資が赤染衛門に何か
してくれたのかしら(@_@;) 上村悦子『日本の作家10 王朝の秀歌人 赤染衛門』(新典社,1984)の
「四 赤染衛門の晩年」の「夫匡衡の死」という節でも『小右記』は引かれてる(同122頁)(@_@;)

    ・・・匡衡は実資に長和元年六月十四日、廿日早朝、廿四日書を送っているが、
    七月十七日に、前述の如く「昨夕丹波守匡衡卒。年、当時名儒無人比肩……」と
    小右記に記している。・・・

長和元年(1012年)6月4日条を、上村悦子は見落としたか、取り上げる価値ナシでスルーか(@_@;)

また倉本一宏は長和元年(1012年)6月4日条の大江挙周の「母」を上記の如く赤染衛門と決めつけて
いるわけだけど、上村悦子・前掲書71頁~72頁には次のように記されている(@_@;)

    /挙周は匡衡と赤染衛門の間に生まれた長男(尊卑分脈による。続本朝往生伝では
    第二子にしている)である。・・・ただし先頃斎藤煕子氏は挙周の実母はあるいは
    中将の尼ではないか。赤染が挙周の幼い時に手許にひきとって我が子同様に養育
    したのではないかとの仮説を立ててい[ママ]られる(「中将尼考──匡衡・赤染・
    挙周との関わりをめぐって」『和歌文学新論』森本元子編)。緻密な論文で氏の説に
    大いに耳を傾けたくなるが、一応従来の説どおりに赤染の子と考えておく。/・・・

[追記200823]

この「井戸」に付された本書頭注に〈実資の邸宅は小野宮殿(京都市中京区、丸太町駅の西側)で、
その東には「少将の井」という名泉があった。〉とあり、無関係かもしれないが、倉本一宏編『現代
語訳 小右記5 紫式部との交流』(吉川弘文館,2017)の長和2年(1013年)2月からメモ_φ( ̄^ ̄ )メモメモ

・同書170頁

    十二日、甲戌。・・・早朝、家の中を巡検した。南池の北頭の紅桜の樹の下に湿気が
    溜まっていた。(宮道)義行が試みに四、五寸を掘った。水が沸き出て、その流れが
    池に入った。はなはだ興が有った。土公が出なかったので、深く掘らせなかっただけ
    である。

・同書170頁

    十三日、乙亥。池頭を望み見ると、泉が沸き出していることは、昨日と同じであった。
    少しばかり底の土を掃わせたところ、水はいよいよ沸き出した。

・同書170~171頁

    十四日、丙子。・・・/泉水は、いよいよ沸き出てきた。昨日よりも倍した。

・同書174頁

    二十日、壬午。泉を掘り開いた。水が多く出た。・・・

・同書175頁

    二十一日、癸未。・・・昨日は吉日であった。そこで初めて泉水を汲んだ。
    先づ本尊の閼伽[あか]に供した。その後、汲んで用いた。
タグ:評伝 歴史 説話
コメント(10) 
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コメント 10

ニッキー

ヤフオク、利用したことがないのでよくわかりませんが
駆け引きが大変そうですよねぇ(-。-;
うまく安値でゲット出来たら嬉しいんだろうなぁ=(^.^)=
by ニッキー (2020-08-16 21:26) 

middrinn

自働的に機械が応札して結局は高値で落札されるような
システム設計がなされているのではないかと疑いが(..)
by middrinn (2020-08-16 21:28) 

yokomi

eBayでも終了直前に油揚を掻っさらう輩多し(>_<)
by yokomi (2020-08-16 22:42) 

middrinn

さきほど終了50秒前に入札して落札しました(^o^)丿
by middrinn (2020-08-16 22:47) 

tai-yama

「女の前では、賢人なんていない」なので、守備範囲(10代から50代
まで)はかなり広い気が。駿太(打てないけど)選手並みかも。
by tai-yama (2020-08-16 22:55) 

middrinn

「女の前では、賢人なんていない」、この言葉は、
tai-yama様にこそ相応しい・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
駿太、オープン戦ではバッティングがやっと覚醒
したのかと思ったら・・・守備範囲は広いですが、
強肩ぶりを披露したがり暴投となるケースも(-"-)
by middrinn (2020-08-16 23:01) 

そら

なるほど!
そういう手もあるんですねぇ、でも大きな賭けなような気もします(^^;
by そら (2020-08-16 23:37) 

ナベちはる

>終了直前に入札して安くゲットする

誰もが同じようなことを考えていそうですね(^^;
「是が非でも」なら入札しておくのもアリな気がしますが、それだと入札がされたときに予想外の額まで膨れ上がって…なんてこともあるので、難しいですよね。
by ナベちはる (2020-08-17 00:29) 

middrinn

ホント大きな賭けでして、終了時間が夜遅いと、
そら様、寝不足になり翌日がツラいです(^_^;)
by middrinn (2020-08-17 05:29) 

middrinn

前に同じような考えの人がいたために、競うこととなり、
ナベちはる様、とんでもない額で落札する羽目に(^_^;)
by middrinn (2020-08-17 05:32) 

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