190903読んだ本
「サルスベリは一名百日紅[ひゃくじつこう]というほど、その咲いている時期が長く、夏から秋に
かけては木の花が少ないだけに庭樹として珍重される。・・・」と、金田一春彦『ことばの歳時記』
(新潮文庫,1973)にあるのを読んで、恥ずかしながら、「百日紅」と書く由縁を知りました(^_^;)
庭のサルスベリ、一つは既に長いこと咲いてるけど、もう一つも咲き始めたことに今日気付いた(^^)
27度ぐらいでも暑く感じる上に頭痛がするのは、湿度が高いためか、風邪を引いているのか(@_@;)
図書館へ急いでたから行きは電車を使ったけどポツポツ降り出したから帰りも電車を使う羽目に(+_+)
【読んだ本】
新田次郎『小説に書けなかった自伝』(新潮文庫,2012)所蔵本
この書名はかつて私小説が純文学の主流だった文壇を意識したものかと(@_@;) 自伝の形で自作解説
という感じで、新田次郎作品のブックガイドとして読めるし、〈如何にして作家になったか〉が随所に
語られているので作家を目指している人向けでもある(^^) モチ小生は前者の読書案内として読んでて
(以上はテンプレ)、今日は「労作必ずしも佳作ならず」の途中までしか読めなかったよ(ノ_-;)トホホ…
昭和34年に「週刊新潮」編集部から、ロワルド・ダール(田村隆一訳)『あなたに似た人』早川書房
のような小説、「云わばサスペンス小説のようなものであり、また推理小説としても通り、しかも
恐怖的要素を含んだもの」を依頼された話から(´・_・`) 1回20枚で12週=3ヶ月の連作小説「冷える」
に取り組んだ新田次郎、3本書き、担当編集者の南政範も「たいへん面白かった」との反応だったが、
・・・三日ほど経ったら、南さんがやって来て、/〈全部駄目でした。別なものを
お願いしたいのですが〉/と済まなそうな顔で云った。どこそこを書き直せというならば
話は分るけれど、別なものを書けというのは三つとも「週刊新潮」に載せられないような
原稿だという意味である。これにはショックを受けた。・・・南さんにくわしく話を
聞いてみると、この小説を「週刊新潮」に載せるかどうかは編集担当重役の斎藤十一さんが
決定することになっているので、われわれとしてはどうにもならないということだった。
斎藤十一が「週刊新潮」や「フォーカス」の全ての記事のタイトルを決めていたといった話は何かで
読んだことあったけど、新田次郎は既に直木賞作家なのに3本もボツとは凄いヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ しかも、
この後、更に2本書いて、やっと1本だけOKが出て、「原稿料は掲載分だけいただいた」とあるから、
短篇小説5本も書いたのに1本分の原稿料しか貰えなかったことになる∑( ̄ロ ̄|||)にゃんですと!?
依頼原稿を編集部の都合で掲載を見送った場合には原稿料は貰えるはずで(実際に貰ったことある)、
小説の場合は違うのかな(@_@;) とまれ、悪戦苦闘しながら何とか12回の連載を終えた由(´ヘ`;)
・・・「冷える」に関する限り、文学などというものとはほど遠いもので、それまで私が
抱いていた、小説についての私なりの定義とかけ離れたものだった。これはテクニックだけ
の問題として処理されるべきものだった。私は商品としての小説の在り方を身を以て
教えられたのである。・・・私はこの三カ月間の苦闘で小説家としての多くの勉強をした。
その最も大きなものは小説の筋立てがいかに大事であるかということだった。・・・
斎藤さんのしごきのつらさは心の底までこたえたが斎藤さんに感謝こそすれ彼を恨む気は
毛頭なかった。小説を商品として買う立場と売る立場をはっきり教えられ、直木賞作家だ
などといい気になっていたらたいへんなことになるぞと警告されたような気がした。・・・
だけど、〈私の小説履歴の中で最も苦心したこの作品は「新田次郎全集」には一つも入らなかった。
苦労さえしたら良い作品が出来るものではないことを如実に示したものである。〉とある( ̄◇ ̄;)
この連載「冷える」は『黒い顔の男』と題して新潮社から刊行されたらしいけど読んでみたい(^_^;)
・不平ばかりで仕事をしない者が多くて真面目に仕事する人は白い眼で見られた「処女作のころ」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-07-23
・投稿しても落選続きの原稿を直木賞受賞後は新編集長は〈面白い〉と言う「投稿作家の四年間」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-07-24
・〈あなたは落ちるに決っています。面白くない小説ですものね〉と妻に言われた「直木賞受賞」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-07-29
・受賞後第一作は酷評も石原慎太郎の小説などは「アホくさ」と評された「昼の仕事 夜の仕事」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-01
・40歳を過ぎて作家となったので、その個性を確立しようと試行錯誤する「方向づけに苦しむ」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-16
・虹を観察して地震を予知しようとした椋平広吉を藤原咲平が支援してた「メロドラマ的作品」(゚ロ゚;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-25
・時代科学小説と名付けられた作品群を読みたい人もいそうゆえメモした「メロドラマ的作品」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-26
・登山家善人説を否定する作品と女流登山家に美人なしを打破する作品の「メロドラマ的作品」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-29
・新田次郎の創作ツールは筋書きをグラフ化した「小説構成表」という「小説構成表を創る」(@_@;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-31
かけては木の花が少ないだけに庭樹として珍重される。・・・」と、金田一春彦『ことばの歳時記』
(新潮文庫,1973)にあるのを読んで、恥ずかしながら、「百日紅」と書く由縁を知りました(^_^;)
庭のサルスベリ、一つは既に長いこと咲いてるけど、もう一つも咲き始めたことに今日気付いた(^^)
27度ぐらいでも暑く感じる上に頭痛がするのは、湿度が高いためか、風邪を引いているのか(@_@;)
図書館へ急いでたから行きは電車を使ったけどポツポツ降り出したから帰りも電車を使う羽目に(+_+)
【読んだ本】
新田次郎『小説に書けなかった自伝』(新潮文庫,2012)所蔵本
この書名はかつて私小説が純文学の主流だった文壇を意識したものかと(@_@;) 自伝の形で自作解説
という感じで、新田次郎作品のブックガイドとして読めるし、〈如何にして作家になったか〉が随所に
語られているので作家を目指している人向けでもある(^^) モチ小生は前者の読書案内として読んでて
(以上はテンプレ)、今日は「労作必ずしも佳作ならず」の途中までしか読めなかったよ(ノ_-;)トホホ…
昭和34年に「週刊新潮」編集部から、ロワルド・ダール(田村隆一訳)『あなたに似た人』早川書房
のような小説、「云わばサスペンス小説のようなものであり、また推理小説としても通り、しかも
恐怖的要素を含んだもの」を依頼された話から(´・_・`) 1回20枚で12週=3ヶ月の連作小説「冷える」
に取り組んだ新田次郎、3本書き、担当編集者の南政範も「たいへん面白かった」との反応だったが、
・・・三日ほど経ったら、南さんがやって来て、/〈全部駄目でした。別なものを
お願いしたいのですが〉/と済まなそうな顔で云った。どこそこを書き直せというならば
話は分るけれど、別なものを書けというのは三つとも「週刊新潮」に載せられないような
原稿だという意味である。これにはショックを受けた。・・・南さんにくわしく話を
聞いてみると、この小説を「週刊新潮」に載せるかどうかは編集担当重役の斎藤十一さんが
決定することになっているので、われわれとしてはどうにもならないということだった。
斎藤十一が「週刊新潮」や「フォーカス」の全ての記事のタイトルを決めていたといった話は何かで
読んだことあったけど、新田次郎は既に直木賞作家なのに3本もボツとは凄いヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ しかも、
この後、更に2本書いて、やっと1本だけOKが出て、「原稿料は掲載分だけいただいた」とあるから、
短篇小説5本も書いたのに1本分の原稿料しか貰えなかったことになる∑( ̄ロ ̄|||)にゃんですと!?
依頼原稿を編集部の都合で掲載を見送った場合には原稿料は貰えるはずで(実際に貰ったことある)、
小説の場合は違うのかな(@_@;) とまれ、悪戦苦闘しながら何とか12回の連載を終えた由(´ヘ`;)
・・・「冷える」に関する限り、文学などというものとはほど遠いもので、それまで私が
抱いていた、小説についての私なりの定義とかけ離れたものだった。これはテクニックだけ
の問題として処理されるべきものだった。私は商品としての小説の在り方を身を以て
教えられたのである。・・・私はこの三カ月間の苦闘で小説家としての多くの勉強をした。
その最も大きなものは小説の筋立てがいかに大事であるかということだった。・・・
斎藤さんのしごきのつらさは心の底までこたえたが斎藤さんに感謝こそすれ彼を恨む気は
毛頭なかった。小説を商品として買う立場と売る立場をはっきり教えられ、直木賞作家だ
などといい気になっていたらたいへんなことになるぞと警告されたような気がした。・・・
だけど、〈私の小説履歴の中で最も苦心したこの作品は「新田次郎全集」には一つも入らなかった。
苦労さえしたら良い作品が出来るものではないことを如実に示したものである。〉とある( ̄◇ ̄;)
この連載「冷える」は『黒い顔の男』と題して新潮社から刊行されたらしいけど読んでみたい(^_^;)
・不平ばかりで仕事をしない者が多くて真面目に仕事する人は白い眼で見られた「処女作のころ」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-07-23
・投稿しても落選続きの原稿を直木賞受賞後は新編集長は〈面白い〉と言う「投稿作家の四年間」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-07-24
・〈あなたは落ちるに決っています。面白くない小説ですものね〉と妻に言われた「直木賞受賞」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-07-29
・受賞後第一作は酷評も石原慎太郎の小説などは「アホくさ」と評された「昼の仕事 夜の仕事」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-01
・40歳を過ぎて作家となったので、その個性を確立しようと試行錯誤する「方向づけに苦しむ」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-16
・虹を観察して地震を予知しようとした椋平広吉を藤原咲平が支援してた「メロドラマ的作品」(゚ロ゚;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-25
・時代科学小説と名付けられた作品群を読みたい人もいそうゆえメモした「メロドラマ的作品」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-26
・登山家善人説を否定する作品と女流登山家に美人なしを打破する作品の「メロドラマ的作品」(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-29
・新田次郎の創作ツールは筋書きをグラフ化した「小説構成表」という「小説構成表を創る」(@_@;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-08-31
百日紅、そう言われてみると咲いてる時期が長いですよねぇ=(^.^)=
週刊新潮の方から依頼した、なかなか我儘な内容で
3本も書いた直木賞作家の作品を「別なものを」って言えるなんてスゴい(°_°)
by ニッキー (2019-09-03 21:38)
「恨みこそない」と言っているけど、絶対当時は「この野郎!」
と思っていたのかも(笑)。仕事で赤修正とか入れられるけど
まぁ、文の感覚って人によりけりなので(笑)。
by tai-yama (2019-09-03 23:53)
名前にある「100日」だと3ヶ月以上あるので、1年は12ヶ月というのを考えると結構長いように感じます。
by ナベちはる (2019-09-04 00:43)
同書を読むまで、長く咲いていることにも気を留めませんでした(^_^;)
ニッキー様、今同じことをやったらパワハラと訴えられたりして(^_^;)
by middrinn (2019-09-04 06:14)
たしかに(^_^;) しかも本書は
tai-yama様、新潮文庫(^_^;)
by middrinn (2019-09-04 06:15)
言われてみると、たしかに「100日」は3ヶ月以上、
ナベちはる様、一つの季節より長いですね( ̄◇ ̄;)
by middrinn (2019-09-04 06:17)
サルスベリは里でも咲いています
そう言えばずっと咲いているイメージがありますね!
湿度、高いですね、おまけに台風が発生している
気圧の変化でしょうか?
by そら (2019-09-04 06:27)
恥ずかしながらずっと咲いていることにも気付いてませんでした(^_^;)
湿度が高いと、機器にも色々と不都合なことが起きるようですね(´ヘ`;)
by middrinn (2019-09-04 06:31)
ここ最近寒暖の差が激しく湿度も高く
体調不良になりやすい環境ですので
こじらせないようにご自愛くださいね。
私も最近はいろいろありまして
ソネブロ休んでます。
またお会いする日まで失礼致します(⌒‐⌒)
by たじまーる (2019-09-04 07:16)
ありがとうございますm(__)m
天候に適応したいと思いますが、
たじまーる様も、新しい職場に
早く適応できますよーに(^o^)丿
by middrinn (2019-09-04 07:30)
おはようございます^^
サルスベリの漢字は当て字ですよね。だって百日紅ってどう読んでも読めないですよね。慣習的にそう読んでいるけれど。
お庭に二本も百日紅があるのですか? 良いなぁ~我が家には一本もない(-。-
新田次郎の『小説に書けなかった・・・』は本屋さんに無かったので売っていた「チンネの裁き」を買ってきました^^
by mimimomo (2019-09-04 07:46)
最後が「ベニ」で「ベリ」に近いかも(^_^;) ずっと咲いているサルスベリは高すぎ、
花も2階ぐらいの高さなので、庭からは愛でられませんし、咲いてたことに気付かない
家族もいました(^_^;) 『チンネの裁き』は、小生も読む予定の作品ですよ(〃'∇'〃)
by middrinn (2019-09-04 07:52)
今頃咲く花木があるのは羨ましいですね、実物を見たことありません。
耐寒性に弱くこちらではめったに見られないようですが、
調べますと 最近こちらでも咲いているようで、
『このような樹木が簡単に冬を越せるようになったのは、温暖化のせいなのかもしれません』
とありました。
by cooper (2019-09-04 14:52)
北海道には今までは無かったんですかぁ( ̄◇ ̄;)
もし「温暖化のせい」だったとしたなら、温暖化
にもメリットはあるということですかね(@_@;)
お庭のサギソウ、群れで飛んでるみたい(〃'∇'〃)
by middrinn (2019-09-04 16:05)
「足引のやまのかけぢの猿滑りすべらかにても世をわたらばや」(藤原為家『夫木和歌抄』)
↓
樹肌=猿滑り=ツルツル肌
花=百日紅=上記『ことばの歳時記(金田一春彦)』
』
↑
「散れば咲き散れば咲きして百日紅」(千代女『松の声』)
by yahantei (2019-09-04 17:07)
ともに小生は知らなかったのですが、面白い歌と素敵な句
ですね(〃'∇'〃) 猿を詠んだ歌は少ないですねぇ(^_^;)
by middrinn (2019-09-04 18:41)
サルスベリ、花が白いのもありますね。
昔むかし「雑俳」(だったかな?)という落語?で
百日紅と書くのを知りました。
by enokorogusa (2019-09-04 18:58)
まさか中国のサルスベリは全て紅色なんですかねぇ(@_@;)
by middrinn (2019-09-04 19:03)